キリが良いのでこの辺りで……次は明日かな……?
春も終わり夏本番が近づいてくるこの頃。あの激闘から結構時が経ち、度々来てくれるようになったトレセン学園の学生さんも多くなってきた。この数日について軽く説明しよう。
あの青鹿毛の…マンハッタンカフェさんは週2、3回で様々なコーヒーを楽しんでくれてます。うちは何回来てもそれでこそ半年ずっとそのペースで通わないと行けないほどコーヒーは揃えてあるから…とはいえ流石にブラックアイボリーやコピ・ルアクは……一応あるけどカフェさんが……
「…まだ、いいです。高いものよりありふれたものを様々な入れ方を見せてくれている方が…私には合ってます」
って言って取り置きはしてるけどまだ飲まないらしい。余程のコーヒー好きだなぁと感心。そのカフェさんから、新しいお客様も紹介されたな。アグネスタキオンさんだったかな?あの子は…変人だったな…
「なるほど!キミの話を聞く限りキミはトレーナーの素質を奮うよりもこちらを優先した。興味深い。どれ程の才能だったかも気になるが…うん!この紅茶は素晴らしい!私のモルモットにならないかね?」
「間に合ってます」
とか言って来て、とりあえず2人とも常連位には遊びに来てくれるようになったな。結構ここから学園って遠目なんだけどありがたいよね。
他にもあったのは、激闘が再び来た時はもうこの店も終わりかと思ってしまったな……偶然来店した芦毛の怪物…オグリキャップさん。そのとなりで平然としていたので恐らく芦毛の小さい子がタマモクロスさん、鹿毛の方がスーパークリークさんだったのだろう。来店されて席に着くや否やメニューを軽くみて一言。
「ふむ…では、この店の料理を10人前ずつ…」
「アホかっ!店主の兄ちゃん殺す気か!」
とコントを見せられてた。ふむ?さてはこの子もかなり食べる子なんだな……とその一言で感じた。確かに10人前も作れる在庫があるかも怪しいし断るべきだろう……普通ならば。しかし、俺は……思った。別に対応しても構わないだろう?と覚悟を決めた俺は声をかける。
「いえ、頼まれた料理…作りますよ。ただ、在庫が無さそうなので今から追加で買いに行かないと行けないけど…作りますよ…」
「本気か!?死ぬで兄ちゃん!!」
タマモクロスさんにそう言われたが……俺はもう心に決めていた。大食いになんか……負けないと!前回の敗北(負けてない)が俺を強くしてくれた……だからこそ俺はこの戦いを逃げるわけにはいけなかった……
「…私も、この店を継いで2年目…ここでお客様を不満足で帰らせるほど落ちぶれてはいませんよ…」
そう言うとタマモクロスさんは立ち上がり俺の肩に手を置きうんうんと頷きながら感心したように言ってきた。
「兄ちゃん…わかったで!そこ心意気は受け取った!オグリのためにそこまでやるとはなぁ…よっしゃ!ウチとクリークで買いもんしたる!メモに必要なもん書いて渡してや!ええな!クリーク!」
「はい、もちろんですよタマちゃん。店主さんもオグリちゃんのためにお料理沢山作らないといけないなら私達もお手伝いしますよー。」
「…(グゥー)お腹が空いたな…」
なんて事もあった。その日はすべての食材の在庫を枯らして商店街に買い出しに言って貰い、知り合いの援護もあり無事に終えることが出来た。作り置きのデザートすらなくなった時は明日は営業休もうかと思うくらいには心が死んだ。その後はキングの電話に出てからすぐ寝た。最近で筋肉痛になったのはその日ぐらいだな…
色々なお客さん(多くはウマ娘)も来るようになって賑やかな時も多くなってきた。朝来る常連さんも微笑ましく見てる時もあるし、やっぱりここを継いで良かったと思っていた。
今日も誰か来る可能というのが出来たから、最近は夕方も準備をしっかりとしている。トレセンの学生が良く来るようになるまでは、この夕方の時間帯に在庫確認してたけど、今は店を閉めてからでも在庫確認とかは出来るからということでやってない。
ちなみにここの店の食材の大半…9割は商店街の人達が直接届けに来てくれる。だから心配はないけど…オグリさんの時は迷惑かけたかな…と思ったら笑いながら値段まけてくれたり、多めにサービスしてくれたりしたらしいな。本当に頭が上がらない。
商店街の人達も朝が早いので、終わってからうちの所で食べに来たり、弁当を頼んできたりしている。お互い様というわけだな。
ということで入り口を見ていると、2人の人影が店に入ってくる。トレセンの制服を着ているが、どうやら始めてらしく、辺りをキョロキョロしていたので声をかける。片方はどうやら怪我をしているらしく松葉杖だ。
「いらっしゃいませ。2名でよろしいですか?」
俺が声をかけると、先に、芦毛の方のウマ娘が答えてくれた。
「ええ、そうですわ。席は…テーブル席の方でもいいですわよね?テイオー」
「うん!カウンターの方が良いならそっちでもいいけど…」
「いえ、あなた怪我人ですわよ…?では、案内して貰っても?」
俺はこのやり取りを見て電波を感じた……なんだ?このカップルは。百合ですか?素晴らしいですね(I)。……なんか毒電波浴びてしまったが、それ程までに仲の良い二人組が来店してくれたな…しかし、怪我かぁ…ウマ娘にとって、しかも足。それは致命傷だな……と思いつつもメニュー表を手に取り案内するテーブルに向かう。
「かしこまりました。では、こちらのテーブル席へ。」
席へ案内すると、2人は仲睦まじく会話をしながらメニューを決めてる。流星が特徴のポニテの鹿毛の子はメニューを見て驚きの顔をしている。……2人ともどっかで見たことあるんだよなぁと思いつつ伝票を取りに行きつつ盗み聞きする。
「おっ!ココ、スゴイヨー!こんなめったに手に入らない茶葉置いてる!」
俺はそれを聞いて戦慄した。バカな……一瞬で見抜かれた…だと…?今日は久しぶりに見つけてウキウキにメニューに載せて常連さんに自慢するつもりが…と俺の思惑を崩されて内心崩れている中、ふと思った。となりの方がお嬢様っぽいが…両方ともお嬢様説が浮上したな……と思いつつ話が更に広がってる様子を聞くとしよう。
「あら、これですか…確かに家でも良く仕入れている茶葉ですわね。」
「うわ!流石お嬢様だね。こんなの常に飲んでるとか…」
そう話してるうちに頭の中で見たことあるなぁ……と軽く思っていた俺を殴りたい位に、今接客してるウマ娘達を思い出す。うぉい!メジロじゃないか!!!本当に良く見たらメジロマックイーンさんか!?隣は…トウカイテイオーさんじゃないか!!最近話題の奴らばっかじゃん!
ちなみに俺はキングが勝つまで興味を持たないようにマトモにレースを見てなかったし見てたらトレーナーやりたくなるだろうしな……今になってレースを色々見てきたが……最近話題の無敗の2冠ウマとメジロの誇り…なんでうちに来た…?と素朴な疑問をあえてぶつけてみることにした。
「すいません、お客様、お間違いでなければメジロマックイーン様とトウカイテイオー様ではないですか?うちは良くレースを見るのに来る方々も多くて…」
「うん!そうだよ!無敗のウマ娘、テイオー様だぞ!」
「ええ、そうですわ。良く分かりましたわね?」
と肯定をしてきた。そりゃあ…その怪我含めて分かるよ…と思いながらも営業スマイルは欠かさず続ける。改めてレースを見たことを伝えておくか……
「お二方の走りも見させて頂きましたからね。」
「え!もしかしてファン!やだなぁ~困っちゃうよ~。」
「全く…調子の良いですこと…」
と喜んでいる様子を見せる。マックイーンさんもそれをみて呆れたような顔をしている。まぁ内心は喜んでそうだけどな。しかし、ニュースで見たが、怪我で菊花回避かぁ…うーん。これに関してはどうしようかなぁ…ぶっちゃけた話、俺個人としては無敗の3冠ってさ……目茶苦茶見たいのよ。でも、怪我は本来ならどうしようもないんだと思う………
「ねぇ、店主さん!注文いい?」
と1人で脳内会議をしているとお声がかかってしまった。おっと、今はただのお客様として対応しないとな。と脳内を切り替えて対応する。
「はい、大丈夫ですよ。」
「えっとね…ボクはこのハチミツの紅茶にしようかな?マックイーンは?」
「私は…こちらの紅茶をミルクティーで…ケーキは…!?これはなんですの!?」
「うわぁ!?急にどうしたのマックイーン?」
急に机をバンッ!と叩き付けて立ち上がるマックイーンさん。うお!?急に大声あげてどうしたんだ?と思いながら机を見る。開いているページはケーキの所を見ている。何故声を上げたか分からず困惑している。大声あげられるとこっちも困るのだが…?と思ってると次の言葉が繰り出される。
「本当ですの!?甘さそのままカロリーカットの美味しいケーキというのは!?」
迫真の顔でこちらを睨んでくるメジロマックイーンさん……めっちゃ顔が怖ぇと思いつつ俺も説明をする。
「え、ええ…なにかと女性の方の要望もあり、去年から作らせて頂いているものですが…」
そう答えると、さらにギラついた目をしてこちらをみてくる。え?何?どうした急に…と困惑しているとマックイーンさんがポツリと呟く。
「……見つけましたわ…私が求めていたスウィーツをッ!…店主さん。メジロで働きませんこと?」
と満面の笑みでこちらに圧をかけながら話してくる。冗談はよしてくれ…いや、違うあの目は"ガチ"だ…カロリーオフのスイーツを求める為に引き抜かれそうになるとか…勘弁してくれよ…と心の中で嘆きつつ断りの返事をしねぇとな。そのために妥協案を出すか……
「あの…大変光栄なのですが…私もこの店を続ける必要がありまして…もし、宜しければレシピのみ渡すことが可能ですが…」
「幾らですの?言い値で買いますわ。」
と即答。え?まぁ…確かにただでとは言いづらかったけど…かといってメジロのご令嬢だしなぁ…10万ドルポンッと出されそうで怖い……と戦慄していると隣でトウカイテイオーさんがボソッと呟いていた。
「マックイーン…それほどまで体重気にしてたんだね…」
と言っており顔には困惑の様子が伺えるほらみてみろよ!!トウカイテイオーさんも困惑だぞ!!メジロマックイーンさんがこんなにスイーツでガツガツ来るとは…メジロの誇りを掲げたウマ娘の姿か…これが…?とたじたじになっていると、正気に戻ったのか姿勢を正して席に着いてくれた……助かった……
「…!コホン!レシピに関しては後程お話させて頂きますわ。とりあえずここのカロリーカットのおすすめ3つをお願いしますわ。」
これはメジロマックイーンさんの注文……カロリーカットとはいえ流石に多い……と内心のこの思いを殺しつつ伝票に書き込む。
「あはは…ボクはこのババロアとプリンにしようかな~クラシックの方で!」
とトウカイテイオーさんも注文しようやく先に進めたのでカウンターに戻ろうと思う。。意外な一面もみられて面白かった。そうしておこうと気持ちを切り替えて準備に取りかかる。
「承りました。ごゆっくりどうぞ。飲み物はお先で宜しかったですか?」
そう聞くと頷いたので先に飲み物を作り、その後にデザートを提供した。
ケーキの方はガトーショコラ、ベイクドチーズケーキ、ショートケーキをカロリーを控えめにして作ったもの。プリンは一般で売ってるやつみたいなのじゃなく、固い方のプリンを、ババロアは先日キングに持たせたものの紅茶の方を出していく。
「…!!!これですわぁ…これでカロリーが抑えられているのでしたら…必ず持って帰って見せますわ…メジロ誇りにかけて……」
などと舌鼓をうちつつ味わっていた。マックイーンさんはとても気に入ってくれたようで…うん、これはあれだな。お金貰わなくても…いや、ここはきっちり貰った方が相手も納得するか…うーん…と悩んでいるとトウカイテイオーさんもプリンを口に運んでいた。
「うん!美味しい!はちみーがあればもっと良いんだけどなぁ…」
と言っていた。あのハチミツそのものをドリンクとして売ってる狂気のドリンク(偏見)をうちでも売れと…?その紅茶で我慢してくれ…とトウカイテイオーさんの方もだったかと内心ずっこけていたが食べ終えた様でお皿の上は綺麗になくなっていた……ケーキ3つ完食が早すぎる……っ!と恐怖していると2人ともこちらに向き直りつつ立ち上がる。補助に入ろうと思ったがマックイーンさんがその辺りをやっていたので扉の方へ向かう……レシピのコピーも持っておかないとな。と忘れずに手に持っておく。
「ご馳走~おいしかったよ!また来るね!」
「ええ、私の方も収穫がありました。感謝致しますわ。店主様」
と言ってくれた。……おい、マックイーンさんや……敬称がグレードアップしてるぞ。そんなに必要なものだったんだな…確かに体重維持するには…必要なことだしな。仕方ないよな…うん。そうしておこう。と内心で納得させつつ
「いえ、こちらこそご利用ありがとうございます。後、こちら忘れずに……」
と用意していたケーキのレシピを渡す。
「ッ!!!!そうでしたわっ!その……お値段は……?」
と尋ねてきたので笑顔でここはこう言っておくとしよう。俺はマックイーンさんに向けて
「レシピのお代は頂来ません。強いて言うならこのお店をまたご利用ください。それだけで助かるので」
と、ぶっちゃけ本当にレシピとかは金貰ってもその時だけで終わってしまう……それならと何回も来て貰う口実を作れば良い……そう思ったわけだ。その言葉を聞きマックイーンさんは意図が分かったのか笑いながら
「ええ、勿論ですわ。今度は他の方も呼んできますわ。」
「ボクもまた来るよー!マタネー!」
と答えてくれた。2人ともありがたいよね……と有り難みを感じつつお見送りをする。
「またのご来店お待ちしておりますね。」
そう言って2人を見送る時間を見てみると良い時間になるので店を閉める準備をする。その後も来店がなくお店を閉めて勉強の準備をする。来年にはお酒も提供出来るようにしないとな…ついでにバーも再開させないと…忙しくなるぞ…と意気込みながら勉強をしていく。その日は満月は夜空を照らしつつ俺を見守るように光っている。
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リメイク終わってその後のキングの長編が終わった後の短編について
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