加速少年の英雄希望   作:月面旅行BD

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街角の風景、或いは非日常への入口

 

 

 

初日と二日目は適度にパトロールをさせてもらって市民の方々と交流させてもらったりと実に充実していた。

迷子の子供を助けたり、お婆さんの荷物を持ってあげたり…これこそヒーロー活動の基礎って感じで勉強になってたんだが。

 

三日目は、なんでだろうね…俺は今保須市に来ています。

 

まぁエンデヴァーが張り切ってステインとか言うヴィランを捕らえるって意気込んで朝から移動した結果なんだけどね!

 

「なんだろう、結構パッションの人なのかエンデヴァーさん…」

 

横に居る轟くん…見回り中はヒーロー名でって話だからショートか。流石に三日目ともなれば慣れたもんだわ。本名と同じだからちょっと名前呼びしてるみたいで気恥ずかしいが。

 

「…まぁ本気の奴を見られるのはいい経験になる、と思う」

 

少し自信なさそうだね?

多分後ろで見てるだけになると思うんですけど…

炎系ではNo.1のエンデヴァーが戦ってる所を見られるのは凄い経験になりそうだけど?

 

「実際プロの仕事を間近で見られるのはいい経験になると思うよ」

 

サイドキックの人…フォーコさんが声をかけてくれる。

 

「エンデヴァーさんも本気でやるつもりだからこんな大所帯で来てるんだし…大船に乗ったつもりで学ぶと良いよ」

 

うん、まぁ俺達に2人着けても尚余る人員ですもんね?

 

「ステインってそんなにヤバい奴なんですか?」

 

殺人犯って位しか知らないんだよね…

人殺してるって時点でヤバい奴なのは確定なんだけどさ。

 

「詳しくは知らない感じだね…ステインってのはヒーロー連続殺人犯のヴィラン名。ヒーローをメインターゲットにして今までに17人を殺害、23人が再起不能になってる。」

 

計40人が被害に遭ってるのか…それでも逃げおおせてるって事は相当な強個性持ちなのか?

 

「個性が不明なのも脅威に拍車をかけててね。様々な刃物の使い手って事から身体強化型と見られてるけど…生き残ったヒーローも何をされたのか判ってないって事から概念型個性の可能性もあるって言われてるんだ」

 

概念型…心操くんみたいな奴だと確かに知られる前にやられちゃうだろうな。俺みたいな速さで一撃死させてるって可能性もあるが。

 

「兎に角見つけても戦闘せずに私達に任せてね?プロでも手に負えない相手なんだから絶対に無茶なことはしない事!」

 

「了解です。真っ先にプロに伝えて避難誘導しますよ」

 

そんなやべー奴とやり合うのは勘弁だな。

ま、そんな機会ないだろうけど。

 

「よろしい!…さて、そろそろ到着かな」

 

車が停まってぞろぞろと出てくるコスチューム姿のプロヒーロー達。壮観だなぁ…

 

「総員、準備は良いな!これから其々チームに別れて捜索、パトロールを行う!」

 

エンデヴァーの号令でキビキビと行動するヒーロー達。

プロって感じがするわ。

 

「ショートとエッジランナーは俺の班だ。離れずについて来い」

 

エンデヴァーのご指名だな。俺はおまけっぽいけども。

 

「了解しました」

 

「…了解」

 

俺より投げやりな返事はマズいですよショートさん。

目線で伝えようとするが首を傾げられてしまった…まだまだ以心伝心には程遠かった様だ。

 

「…まぁ良い。では行動開始!」

 

エンデヴァーの号令で全員が散っていく。

すげぇ、一糸乱れぬ団体行動だ。

俺達はエンデヴァーの後を着いてくってことだし、せいぜい後ろから勉強させてもらいますかね…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、そろそろ撤退しようかという時間帯になってから異変は訪れた。

 

「…なんだあれは?」

 

エンデヴァーが最初に気づく。空中を飛んでいる脳丸出しの羽付き怪人。見覚えがあるなアイツ…!

 

「エンデヴァー、アイツ雄英襲撃時に居たやつに似てます!」

 

端的に、小声で伝える。

 

「ふん、オールマイトに倒されたと聞いていたが…まだ生き残っていたか」

 

身体から炎を吹き出させながら空中の相手を睨む。

 

「ショート、エッジランナー!お前達は避難誘導を行え。フォーコ、2人を任せるぞ!」

 

手短に指示を出して行動に移るエンデヴァー。

炎使って飛んでるよあの人…無法だな炎系個性って。

指示とほぼ同時に広間へと着弾する脳丸出し怪人。

…なんで3体に増えてんですかね?

あっという間にパニックになる広場。怪人を食い止めようと戦闘に入るヒーロー達を尻目に市民達をなんとか誘導していると突然ショートから声をかけられた。

 

「緑谷からメッセージが来てる!お前の方には何か来てないか!?」

 

緑谷くん?今それどころじゃないんだけどなぁ!!

携帯を開くと確かにA組のグループメッセージに住所が来てた。…なんだコレ?

 

「…近くね?」

 

保須市内だぞこれ。

 

「緑谷が無意味にこんな事するわけねぇ…多分助けが居るんだと思う」

 

っても今の状況じゃどうしようも…!

 

「…俺が行く。親父達に場所伝えておいてくれ」

 

はぁ!?いきなり規則違反上等で動くの!?

 

「待て待て待て!なんでそうなる!?エンデヴァーじゃなくても他のヒーローに伝えりゃ良いだろ!」

 

………そんな暇無さそうなのが問題だけども!

 

「間に合わなかったらどうする?俺の個性なら時間を稼ぐ位なら出来るだろ」

 

このクールガイめ…!だったらよぉ!

 

「じゃあ俺が行っても同じだな!寧ろ俺の方が速いんだから適任だろ!」

 

言い切るや否や市民に襲いかかろうとしてる怪人を瞬間的に個性を使用して蹴り飛ばす。…硬えな、蹴り飛ばすのに3回蹴らないとダメか。

 

その間も俺を見ているショート。

バカ野郎、そんな目で見られたら応えたくなっちまうだろうが…!

 

「お前がどうしても行きたいなら今すぐエンデヴァーに場所伝えろ!それが済んだらお前担いで緑谷くんところまで届けてやるよ!」

 

あーあ、言っちまったよ。これ、反省文で済むかなぁ…済まねえよなぁ…最悪退学まで見えるがしょうが無い。

 

…困ってたら助けるって決めてたもんな!

 

周りの避難誘導は完了しつつある。まだ残ってる数人を守りながら広場から脱出させるとショートから声がかかった。

 

「親父には伝えた!片付け次第向かってくれるそうだ!」

 

良し、覚悟を決めろよ轟くん!

 

「舌噛むなよ…!」

 

 

個性発動(加速開始)

目の前のショートを担いで全力で走る。

この通りを抜けて、2ブロック先を左折して、暫く道なりで…

と地図アプリを確認しながら走る。GPSがワープしまくってうざったいな…良し、此処だ!

 

裏通りに入ると今まさに倒れてる人を刺そうとしてる包帯男が見えた。…緑谷くんが既にやられたのか膝をついてるのが気になるが、今は包帯男の方だな。

緑谷くんの横にショートを放り出して飛び蹴りをかます。

 

クリーンヒット!体勢を崩しながら吹っ飛ぶ包帯男をみながら個性を解除する。

 

 

「ッゼェ!ギリセーフ!!」

 

ヤッバ…連続使用で頭が熱っぽい…

 

「端場くん!?」

 

「お待たせ、緑谷くん」

 

ふらつくことも無く受け身を取った包帯男を睨みつけながら答える。

 

「間に合ったか…流石だな」

 

ショートが褒めてくれるが…

 

「ギリギリセーフっぽいけど…ちょっと選手交代で良い?」

 

包帯男は此方を警戒しているのか中々近づいてこない。

ショートと場所を入れ替わるように交代する間も此方を見つめるだけで手を出してこなかった。

 

「なんで、君達まで…!」

 

…倒れてんの飯田くんかよ!?間に合ってホントに良かったわ!

 

「あぁ、任せろ」

 

ショートが個性を使用して牽制している間に緑谷くんに聞いとこう

 

「今どんな状況?」

 

「負傷者2人、僕は大丈夫、ステインの個性で動けなくなっただけだから…!轟くん!そいつに血を見せちゃダメだ!多分だけど血を舐められると身体が硬直する!!」

 

包帯男、ステインかよ…んでもって相性悪いタイプの発動型か。

問答無用で動けなくなるなら今の俺じゃ交代できねぇな…

 

「それなら距離取って戦える俺の方が向いてるな」

 

そう呟くと右から氷を伸ばして攻撃するショート。避けられて投擲されたナイフが頬を掠めて接近されるが左側から炎を出してステインを追いやった。…両方使ってる轟くんは無法過ぎるな。

 

「安心して下さい。後数分でプロヒーローも現着するはずだから」

 

緑谷くんと飯田くん、壁に寄りかかるコスチューム姿の…多分プロヒーローにも伝える。

 

 

「…ハァ。良い友達を持ったな」

 

ようやく口を開いたかと思えば余裕そうな口ぶりだな。

 

「しかし目の前の強者を相手に視界を塞ぐとは…愚策!」

 

目の前の氷壁を粉々に切り刻んだ!?

ショートが再度炎で追いやろうとするもそれより先にナイフが飛んできてる!

 

「ッ!」

 

まだクールダウン済んでないけど仕方ない!

 

 

個性を再発動。

スローになった視界の片隅で緑谷くんが動き始めたのを見た。

…ステインは任せても良いか?いや、取り敢えずナイフを処理しないと轟くんに刺さる!

轟くんの襟首を掴んで後ろに引っ張る。

いきなりでごめん、でもこれでナイフは当たらなくなった。

飛んできてるナイフの内大振りなヤツの柄を掴む。

ちょっと慣性に引っ張られたが簡単にキャッチ出来た。

掴んだナイフで他の奴を叩き落とす。

 

全てを落としたのを確認するとニヤついた顔で上空に飛び上がったステインが見える。…そこに襲いかかる緑谷くんの姿を確認して個性を解除した。

 

「…前らは生かす価値がある!」

 

音が戻って来ると同時にステインの言葉が途中から耳に入ってきた。やかましい!生きる価値とかお前に決められたくねぇわ!

 

「ッすまん、端場!」

 

「気にしなくていい!早く援護を!」

 

後ろに投げた轟くんから謝罪されるが、今はそれどころじゃない。

 

そんなやり取りの中空中のステインを掴んで壁に押し付ける緑谷くん。…個性で自傷してないな?コントロール出来るようになってる。

にしてももう動けるようになったのか…

 

「時間制限か?」

 

「いや、あの子が一番最後に食らってたはず…」

 

個性の条件を考えているとヒーローの方から聞き逃がせない情報が入ってきた。

 

「個人差がある?…摂取量か、人数制限か、はたまた相性か…」

 

「血液型って線はどうだ?」

 

氷を出しながら緑谷くんを援護している轟くんが案を出す。

あり得そうだな。

 

「血液型…俺はBだ」

 

「僕はA…」

 

ヒーローと飯田くんで血液型が違う。血液型説が濃厚か?

B型とA型はヤバい、と。

 

「判った所でどうにもならないけど…」

 

「2人を担いで逃げたい所だが…端場、行けそうか?」

 

仕切り直すように此方に戻って来た緑谷くんと轟くんが作戦を練りながら話しかけてくるが…

 

「ごめん、さっきので結構無理したから暫くは無理…今使ってもせいぜい数秒で限界だね」

 

痛む頭を抑えながら答える。

2人抱えて逃げ切るのは無理だ。…せめて飯田くんが動ければ目があるんだけどな…

 

「そうか…ごめん、俺のせいだ」

 

「気にしない気にしない!お陰で万全な状態の轟くんが残ってるし、プロが来るまで粘れば良いでしょ!っても緑谷くんと2人で頑張ってもらうことになるけど…」

 

「任せて!…近距離で僕が撹乱するから轟くんは遠距離から援護をお願い!」

 

「ああ、そうだな…任せとけ。2人で守るぞ」

 

 

「2対1か…甘くはないな…」

 

 

ステインの雰囲気が変わった。…本気で来るか?

緑谷くんと轟くんのコンビがステインに立ち向かう。

 

俺は個性の反動で痛む頭に耐えながら少しでも戦闘から離れられる様にヒーローと飯田くんを引っぱりだすが…

 

「止めてくれ…!もう、僕は…」

 

飯田くんさぁ!今そういうこと言ってる場合じゃねーんだよ!

そんな弱音を吐く飯田くんに轟くんが反応した。

 

 

「止めて欲しけりゃ立て!成りてぇもんちゃんと見ろ!」

 

 

激昂とは違う、叱責だ。

やっぱ体育祭で緑谷くんとやった後、何かあったんだな。大分丸くなってるもん轟くん。

 

「氷に炎…確かに強力だが、言われたことはないか?」

 

ステインが2人に対応し始めてる!?早すぎだろ!

 

「個性だよりで大雑把過ぎると!!」

 

氷を切り払ってそのまま袈裟斬り…直撃する!

クソッ今使うと足手まといになっちまうけど、轟くんがリタイアする方がマズい!

 

個性を発動…しようとした時に後ろから手を掛けられた。

その瞬間、横を風が吹き抜けてステインを蹴り飛ばす飯田くんが目に入る。

 

「レシプロバーストッ!!」

 

「飯田くん!」

 

「解けたか。…意外と制限時間の短い個性だな」

 

良し、これで足手まといは俺とヒーローの人だけだな。

ワンチャン逃げ切れるか…?

 

「3人ともすまない…関係ない事に巻き込んでしまって…」

 

「まだそんな事を言うの…?」

 

個性の発動は問題ないが発動時間が微妙だな…最大限引っ張って3秒くらいか?怪我人1人抱えてステイン相手に逃げ切れるかと言われると怪しい。ただ場所を変えるだけになっちまう可能性が高い。

 

「だからもう、血を流させるわけにはいかない…!」

 

「ハァ…感化されたとて所詮は贋物。ヒーローを歪ませる社会の癌に他ならない!」

 

なら4人に増えた戦力でステインを止められるか…?

…無理だな。万全の俺が居ても怪しいのに今の俺はガス欠寸前、轟くんは既に見切られ始めてるし緑谷くんも怪我してる。

飯田くんも切り札切っちまってるし…

 

「気にすんな飯田、時代錯誤の原理主義だ」

 

「いや、奴の言う通りだ…俺はヒーロー失格だ。でもここで折れたら"インゲニウム"が死んでしまう!」

 

「論外!」

 

激化する戦闘。飯田くんが増えた事で此方が少しは優位になるかと思ってたが…あのバケモン、まだ上があるのか!?

 

「馬鹿っ!奴の狙いは俺と白アーマーだろ!?戦わずに逃げた方が良いって!」

 

「逃げる隙を与えてくれないのが問題なんですよ!」

 

背後に庇ってるヒーローから提案されるがそんなん出来るならやってるわ!

 

「さっきから動きが変わってきてる、アイツも焦ってるんです!」

 

飯田くんが前線に出てくれてるからこの程度で済んでるが…逃げてても同じかもっと悪い状況になってたよこれは。

 

…ヒーローが来るって伝えたの失敗だったかもな。

ワンチャン逃げてくれないかなーと期待してたんだが。

アイツ、タイムリミットが近いと思ってんのか本気出し始めてるっぽいし。

 

「邪魔だ!」

 

轟くんへと放たれるナイフを前に出て弾く。

瞬間的な個性の使用ならまだ騙し騙しで何とかいける…てかこのナイフ頑丈だな?刃毀れ一つしないとは。

 

「端場!大丈夫なのか!?」

 

「投げ物を防ぐ位なら問題なし。…前線に行けないのは申し訳ないけれども」

 

軽口を叩くが実際それだけで済むとは思えねぇんだよなぁ…

ん、飯田くんも一旦戻って来たか。

 

「轟くん、排気口を塞がずに俺の足を凍らせられるか!?」

 

「出来なくは無いが、自信はないぞ?」

 

って事は前線が緑谷くん1人になる訳だが…おぉ、何とかやり合ってるな!?ジェネリック爆豪じみた動きだ!

 

「邪魔をするな!」

 

「嫌だね!」

 

口が悪くなってきてますわよ緑谷くん。おっと、巫山戯てる場合じゃねぇな、ちょっと旗色悪くなってきてるわ…さっき叩き落したナイフを拾って刃をしまう。折り畳み式で良かった…それをステインに向かって投げつけた。

簡単に回避されたが緑谷くんの脱出する隙は作れたな。

 

「飯田くん、まだ!?」

 

「準備完了だ!」

 

良し、後は任せた!

 

「レシプロバースト、エクステンド!」

 

一瞬で加速仕切った飯田くんが目にも止まらない速さでステインへ突っ込む。それに呼応して緑谷くんも反対側から襲撃、挟み撃ちの形になった。

 

「行け…!」

 

轟くんの言葉と同時に2人の攻撃がステインに直撃した。

流石にこれは効いただろ。…いや、まだ反撃してくるなバケモンかアイツ!?ここで仕留めないと次のチャンスがあるか判らない。切り札の切りどころは此処だな!!

 

 

個性発動(加速開始)

 

視界から色が抜けて音が遠くなる。…頭の熱が消えないって事はこれで決めないと終わるな。

脚を振り切った飯田くんに対して折れた刀を振るおうとしているステイン。

壁を駆け上がって空中にいるステインの腕を蹴り上げて軌道をズラす。…と同時に飯田くんの蹴りが命中した。

根性あるな飯田くん。俺からもおまけで頭を強打した辺りで轟くんの方から光を見た。

…炎か。最後の止めは任せるとしよう。再度壁を蹴って緑谷くんと飯田くんを回収。…もう無理限界だわ。

 

地面に着地して個性を解除した。

 

 

「痛ぁッ!?…もう無理マジで限界…」

 

「これはッ!?」

 

「端場くん!?」

 

其々驚いてるけど今は此方じゃなくてステインの方を…

 

「まだだ!まだ奴は…」

 

轟くんが凍らせた台座?の上で横たわって微動だにしないステイン。

 

「…流石に気絶したっぽい?」

 

緑谷くんの言葉で緊張が解けた。マジでもう無理…今日はもう帰って寝てぇよ俺…

 

 

その場にあるものを使用してステインを捕縛、身に付けてる物で分かる範囲の刃物を押収したが…コイツ何本刃物持ってんだよ。

 

路地を出るとほぼ同時に小さいお爺さんが緑谷くんに蹴りを入れて説教し始めた。…この人が緑谷くんの実習先の師匠か。自爆しか出来なかった緑谷くんがあんな動き出来るようになったんだし相当腕が立つんだろうなぁ。

 

「細道…あ、あそこ!」

 

序とばかりにヒーロー達も到着した。わやくちゃと心配されたり現状の確認をしている時にソイツは来た。

最初に気づいたのはグラントリノと呼ばれてた小さいお爺さんだ。

 

「ッ伏せろ!」

 

その言葉に反応したヒーロー達は即座に伏せたが、緑谷くんの反応が一瞬遅れた。

 

「ヴィラン!?エンデヴァーさんは何を…!」

 

そんな事を言ってる間に緑谷くんを掴んで飛び去ろうとする怪人…脳無。クソボケが、どうなっても知らねぇぞ…!

 

 

個性、発動(加速、開始)…!

 

視界から色が抜ける…周りが暗くなって来ているかのように見づらい。でも今はコイツだけ見えてりゃ問題ない。

ステインから奪った刀を抜いて緑谷くんを掴んでる脚?を力任せにぶった斬る…嫌な感触が手に伝わるが、骨で止まった。完全に切り離す事は出来なかったか…!

一瞬取り落としそうになった所にしがみつくが…

ダメか。俺ごと上昇し始めたわ。

やっぱ素人じゃ手足の切断なんて無理あったわ、すまん…緑谷…

と内心で謝罪し、意識がなくなる寸前でいきなり不自然な挙動をした脳無と。

 

何故か此方に向かって飛んでくるステインを見ながら。

 

 

 

 

俺は意識を手放した。

 

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