ガチャ狂い徳川家康   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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第三次小豆坂の戦い

 俺達松平軍が兵2500名を率いて水野氏の居る知多半島に進軍し、すれ違いで織田軍は三河奥地に侵入し、岡﨑近くまで進軍、そして岡﨑城にて陣を構えた今川との睨み合いが発生していた。

 

 織田軍の兵数は6500、今川軍は1万と今川が兵数有利ではあるが、織田軍も普段は内戦をしていたが、織田に従属している水野を叩くのであればと、揉めていた織田一族が一致団結して兵を繰り出していたのである。

 

 双方睨み合いで、本命は水野と松平の争い……本格的な戦闘には発展しないほうがありがたかったのであるが、今川の譜代家臣達は外様であるはずの松平が急速に今川内で力を付け、更に今川義元の娘を娶り、今川内で確固たる地位になっていくのを見て焦りが生まれており、それゆえに松平に貸しを作るため、手柄を欲していた。

 

 その血気盛んな家臣達が織田軍の挑発に乗ってしまい、釣り出される形に……。

 

 ここに第三次小豆坂の戦いが発生した。

 

 兵数有利の今川であるが、一部部隊が突出したことで戦力の逐次投入になってしまい、そこを織田家一の猛将柴田勝家が猛攻を加え、ガンガン今川兵を溶かしていく。

 

 これはまずいと今川義元は本隊を動かし柴田勝家を撃退。

 

 しかしここで織田信長様率いる本隊が突撃し、激戦となるが、ここで今川軍と織田軍が激突したことを行軍中に知った俺達松平軍は反転。

 

 岡﨑に戻ると、乱戦になっていた織田軍に突撃を敢行。

 

 陣が崩れた織田信長様は被害が拡大する前に兵を引き上げ、陣を立て直す。

 

 今川軍は援軍に来たのに、敵の罠にハマり、窮地に陥った所を松平軍に助けてもらうという武士的には余りに恥ずかしい状況。

 

 更に織田軍を追撃に移った松平軍は追撃のまま、水野領内に浸透し、織田の救援に駆けつけた水野家の当主水野信元を野戦で討ち取り、水野家の城も松平単独で次々に落城させて、水野家を滅亡に追い込み、織田を三河から叩き返したのである。

 

 今川は結果的にしなくても良い大戦に松平を巻き込んだあげく、家臣の松平に助けてもらって、武功も何も立てられないという哀れな結果に。

 

 メンツも何も無い……。

 

 俺は尾張国境まで進軍して、信長様に知多半島の水野領と三河を松平の領地と認めるのならば休戦するという約束を行い、休戦が行われた。

 

 織田軍も被害が出ていたが、信長様にとっては都合の良いことで、ほとんど反信長派の親族だったり家臣だったりで、信長様の力を失わずに寡兵で今川軍に有利に戦ったという実績もあるので、織田家家中で主導権を握り返すことに繋がり、尾張統一が史実よりも早まることに。

 

 俺は知多半島の大半を支配下に起き、三河統一を達成。

 

 織田家とも数年の休戦期間を約束できたので、当分領地経営に集中することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え? 義元様が切腹未遂!」

 

 戦が終わり、ようやく東海道に平穏がやってきたと思ったら、今川義元様が自殺未遂という衝撃的な情報が三河に飛び込んできた。

 

 というか水野討伐戦(第三次小豆坂の戦い含む)の今川の動きから松平の家臣達が今川は役に立たないので独立してしまいましょうとか今なら遠江を攻め込めば奪い取れますだとか調子の良いことを言い始めていた。

 

 そんな事をやったら悪名が爆上がりして幕府や朝廷、周辺諸国から狂犬認定されて討伐されてしまうわ。

 

 なので家臣達の不満を抑えつけていた所に今川義元自殺未遂という大事件の情報が入ってきたので、俺は急いで駿府に駆け付けた。

 

 自殺未遂とはいうものの、周囲に居た雪斎様と重臣方に止められて身体に傷は付かなかったらしいが、松平家に対して不義理がかさんでしまっていたので自らでは不甲斐ないと当主としてのけじめをつけようとしたらしいが、これが滅茶苦茶悪手となる。

 

 というか松平が活躍する代わりに今川の影響力の低下は疑いようがなく、三国同盟の話が離散しかかっているし、武田は矛先を今川に向けようと不穏な動きをしていることが判明。

 

 雪斎様が説得し、今川家当主として役目を果たされよと尻を蹴り上げて、とりあえずけじめを棚上げし、時期が来たら今川氏真様に家督を譲り、松平と今川の融和を行っていくと決められた。

 

 もうこうなると松平はほぼ独立大名扱いである。

 

 俺は今川義元様に面会して、私自身今回の戦は今川家の後ろ盾があったから大勝できたということを強調し、これからも今川に忠義を尽くすことを約束。

 

 そのまま今度は今川氏真様に面会を申し込み、面会と相成った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「大変な事になったな」

 

「大変な事になりましたな……今回私がいけないのでしょうか」

 

「いや、元信は悪くない。今川全体が不甲斐なかっただけだ」

 

 氏真様はちゃんと俺の事を見ていてくださる。

 

 お陰で俺の気持ちも落ち着いてくる。

 

「とりあえず今川に動揺が広がっている以上立て直す時間が必要です。なので何としてでも武田と北条とは同盟関係を構築しなければ……」

 

「そうよな……武田が頷くかどうか……」

 

「食料品の輸出額を譲歩したりする必要がありますが、それで当面の安全が買えるなら良いかと」

 

「しかし、織田と休戦を結び、武田と北条と同盟を結ぶとなると今川はこれ以上領地拡張は難しそうであるな」

 

「それは仕方がないかと……その分領内開発で十分に元は取れます」

 

「ほう……何か考えがあるのか?」

 

「前に堤防を作った安倍川の治水工事を行い、分流を増やす工事を行うことで最低2万石の増収が見込めるでしょう。それに三河では米の収穫量を飛躍的に上げる農法を研究しており、実地に移っております。三河と気候の似ていて、土壌が三河より豊かな遠江や駿河ならば現状の3倍程度の米が採れるようになるでしょう」

 

「そうなれば今川の国力は大幅に上がるな」

 

「はい、あとは今川水軍の拡張ですね。作物が収穫できたら、作物の育ち難い武田に売るのが手っ取り早いですが、彼らも無限に金があるわけでもないので、海路で畿内に持ち込むことで高値で食料品を売ることができるでしょう」

 

「なるほど、元信が銭侍と言われる理由が分かった気がするな」

 

「金が有れば色々買うことができ、より国力を増やすことができますのでね」

 

 前フリはこれくらいで本題に入る。

 

「氏真様、領地が広がったのは良いのですが、複数回の国人一揆による三河武士の粛清で領土に対して文官が不足してしまったので、今川で役目を持っていない者を松平に貸し出してはくれませんか。勿論俸禄は私が支払うので」

 

「うむ、それくらいなら構わないが、ただ三河で農法の実験をしているのだろ? その技法を貸し出す家臣達にも教えてはくれないか。そして数年三河で技術を覚えてからこちらに戻せば優れた農法も取り込んで遠江や駿河も発展するからな」

 

「はい、数年有れば私が教育している三河の若者達も使えるようになると思いますので……はい」

 

 というわけで今川から人材をおねだりしつつ、氏真様には三国同盟が締結できるように頑張ってもらうのであった。

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