1555年版桶狭間の戦いから1ヶ月後、信長様と文通するところまで関係は回復し、同盟締結も時間の問題になっていた。
信長様からの手紙で1例を見せるが
『お、竹千代……いや今は元康を名乗っているんだったな。尾張に侵攻してきた時は肝が冷えたぞ。運良く今川義元を討ち取ることができたが、それについては謝らないからな』
『余的には今川との同盟は願ったり叶ったりだ。三河方面で元康が色々作っていることは聞き及んでいるぞ。そうそう磁器作れるんだってな! 余の部下達の間で茶道が広まっていてな! それに磁器が合うと三河産の磁器が高値で取引されていたぞ!』
『武田の信玄公は節操が無いな。余の方にも同盟の話が来ていたが丁重に断らせてもらった。余はとにかく尾張統一を目指すから、元康は武田を何とかしろ。あとこの同盟をより深いものにするために側室でいいから余の妹を娶ってくれないか? ちょうど良いのが居るからな』
『今は重臣達の間で話し合わせているが、顔を合わせられるのを楽しみにしているかな! のぶより』
と書かれていた。
あくまで1例であるが、国防に関する事、領地配分をどうするか、貿易に関する事まで細部に渡って同盟するのに手紙でやり取りをしていた。
貿易に関しては凄い乗り気で、織田からは海苔や塩、海産物の干物などや、貿易で銭や銅が集まるのでそれを今川領内にも流してもらい、こちらは綿製品や織田でうどんが広まっているので小麦の供給、あとは磁器だったり、新しい農具、それに各種清酒や焼酎や醤油などの調味料類を売りに出すと言うと手紙だけど互いに盛り上がる。
互いに関税をかけなかったり、関所を撤廃しようという話や駿河の港を拡張したり、三河の港を整備して海運を盛んにしようという話も出ていた。
まぁやるとしても同盟を結んでからになるので、来年以降の話になるだろう。
でもこれで西は気にすること無く過ごすことができる。
東の北条の方も、氏真様が対応してくれて同盟継続を認めさせたが、今までのようなガッチリとした同盟から1段階落ちた相互不可侵の様な同盟になってしまうらしいが……。
これはまぁ仕方がないだろう。
武田に関しても一応使者を送ったが、俺が三河で独立するなら手を貸すという内容で話にならなかった。
ただ武田は北に上杉と敵対しているから南の今川や北条と敵対して大丈夫なのかよくわからない。
史実より外交下手になってないか?
武田信玄さんよ……。
とりあえず、敵を一方に絞れたのでよしとしよう。
ここで国力チェックと参りましょう。
俺の領土が三河、遠江、駿河3国判定になったのでどうなっているか気になる人も多いと思うのでね。
それがこちら!
農業140万石
商業25万石
工業16万石
貿易10万石
合計191万石
うーん、国力だけなら大勢力やな。
農業が140万石の割合だが、三河が74万石、遠江が36万石、駿河が30万石という感じで、遠江と駿河は生産がほとんど米に偏っているが、他の作物を効率的に育てられるようになれば更に伸びることだろう。
遠江の広さ的に80万石近く生産できるポテンシャルはあると思うし……駿河は良くて45万石だろうけど……あ、駿河は茶葉の生産量を上げたいね。
未来の特産品だし。
ガチャチケットは残念ながら来年から適応らしいが、まぁ1万9100連できるし、良いだろう。
あとは桶狭間の戦い関連でガチャチケット2000枚貰えたが、これは備蓄しておいてもう少しで始まるアニバーサリーガチャでガッツリ回す予定である。
できれば工業系のアイテムが当たって欲しいが……。
年が明けて1556年、弘治2年がスタート。
まず動き出したのは俺で、義元様の娘であり、俺の正室である千代(数え年で10歳)と正式に結婚をした。
これで名実共に俺も今川の一族となった。
「千代です。元康様の活躍は兄様より聞いております……」
「なかなか会う機会が無くて済まなかった。婚約をしていたのにな」
「いえ……文通をしていたので人なりは少し知ることができたので不安はありませんでした。ただ」
「ただ?」
「その……側室を持たれるという話は本当でしょうか」
「ああ、本当だ。今川の事を考えると側室を貰わなければならなくてな」
「武家の習いと知っていますが……仲良くできるか少々不安です」
「無理に仲良くする必要は無い。まぁ仲良くできれば最良であるが……ゆっくり馴染んでいけば良いからな」
「は、はい!」
「あと将来的に駿府ではなく遠江の浜松に拠点を移そうと思っている。その時は着いてきてくれるか?」
「はい! 旦那をしっかり支えさせていただきます!」
流石今川義元様の娘、しっかりしている。
千代は母親を出産の時に亡くしているし、父であった義元様も戦いで亡くなり、慕っていた姉も武田に嫁いで親今川派閥の粛清で生きているらしいが、寺に幽閉されていると聞く。
兄の氏真様しか頼れる人が居ない状況で、必死に自分の居場所を作ろうと頑張っているのだろう。
そんな千代ちゃんを見て、俺はガチャで当たっていたが、使い道が無かった特性を付与することに決めた。
能力値を直接上げることは召喚した人物しかできないが、特性の付与は家臣や関係のある人物ならできることがわかっているので、千代に特性を付与する。
とりあえず幸運と安産、健康、良妻賢母という4つの特性を与えてあげた。
俺はロリコンじゃないのでもうあと5年から6年は千代ちゃんと子作りに励むことはないだろうが、一応ね。
というか俺が今川になってるの千代ちゃんが居るからだから、千代ちゃんが万が一にでも病死や毒殺なんかされたら家が割れるからね。
なんとしてでも彼女を守らないと……。
はい、案の定遠江の国衆達が松平なんかに従えるかと国人一揆が勃発、それに連動して俺が今川になったことで守護不入の利権だけでなく、寺の利権を脅かしてくるに違いないと三河で一向一揆が勃発した。
恐らく裏で武田信玄辺りが手を引いているっぽいが、その武田も親今川派を粛清した反動で親今川派残党が信濃で蜂起し、大規模な国人一揆が勃発し、対応に動いているため、動けなくなっていた。
遠江の国衆のうち、井伊家は素早く今川家に再度の忠誠を誓い、朝比奈が進めていた井伊直虎こと次郎法師を追い出すように俺に押し付けてきた。
何があったか直虎に聞くと
「あの野郎(井伊直親)、元々俺と婚約していたのに、信濃に逃げていた際に嫁を捕まえてきたから、俺との婚約を破棄して、都合よく元康様に押し付けやがった……誰のお陰で井伊家が存続できたか分かってねぇな! おい!」
ブチギレた般若がそこに居た。
美人さんなのだが、顔は中性的で、男装すれば好青年と見間違う容姿はしている。
彼女自身父親から嫡子の様な扱いで育てられた為にめっちゃ男勝りの性格かつ、武芸も男性顔負け。
そして健気に貞操を守り続けたら旦那は知らないところで愛人作って、直虎をお払い箱にしたため……そりゃ怒るわな。
「元康様、この際(井伊)直親の野郎粛清しませんか? 先陣切って殺しに行きますが」
「い、いや……井伊には反乱鎮圧後に遠江衆の纏め役になってもらいたいのだが……」
「(井伊)直親にそんな器量は無いですよ。私がやったほうがマシです」
「お、おお……」
ちなみに俺の側室に入るのはどうなのか聞くと
「別にそこは気にしてません。父親が今川に粛清されて国外を逃げ回っていた(井伊)直親に比べて、人質生活を耐え忍び、義元様から認められて三河の統治者に返り咲き、更には今川家を乗っ取る傑物の妻になれるなんて武家の娘としては誉れですよ誉れ!」
「あの……乗っ取りではなく今川の当主代行だから……千代との子供が生まれたら早めに院政に移行するから」
「謙虚なところもステキ!」
なんだコイツ無敵か?
こうして三河、遠江の反乱の始まりと井伊直虎の側室入りが始まるのだった。