ガチャ狂い徳川家康   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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市姫の輿入れ

 浜松城が一応完成したことで、留めていた織田と今川の婚姻同盟が成立。

 

 信長様の妹の市姫が輿入れし、信長様も一緒に着いてきた。

 

「おお、凄まじい城だな……これが元康の造った城か」

 

「はい、今川家の現状の技術でできる城を建設してみました」

 

「元康! あの門は立派だが何か仕組があるのか?」

 

「櫓門ですね、門の上に櫓があり、そこから鉄砲や弓で射かける事ができるのですよ。城門に取り付いた敵兵を射撃することで木槌で門を破壊するのを防ぐのです」

 

「ほぉ……よく考えられた城じゃな……こっちの城壁と一体化している建物はなんだ?」

 

「これは多聞櫓ですね。城壁と櫓を一体化させたもので、平時は倉庫や兵舎代わりに使い、戦時にはここから敵兵を迎撃するのです。本当は三の丸の城壁を全て多聞櫓にしたかったのですが、予算の都合で北の丸の一部に留まってしまいましたが」

 

「ほほぉ……平城でこれほど防御力を高めるとは……予算を聞いても良いか?」

 

「信長様だけですよ……約2万貫です(石高だと4万石、現代価格だと約14億円)」

 

「なに? その程度の値段でこんな凄まじい城ができるのか?」

 

「工事や資材を工夫しましたので……あと予算をどう使うか先に決めてしまったり、築城に使う資材の相場が安い時に少しずつ備蓄していたりしましたので」

 

「うむ……これほどの規模の城が2万貫でできるのか……羨ましいな」

 

「信長様の清洲城も良い城だと思いますが」

 

「あの城は政治には向くが、生活しづらくて敵わんのだ。大雨が降れば城中が水浸しになるし、城の防衛力に対しても疑問を持っている。斎藤義龍との戦いもある。別の場所に余も城を築城すべきだろうな」

 

「そうなったら防衛よりも兵の補給を目的とした城になるでしょうね。私だったら城の防衛力は二の次に兵舎を多く置ける縄張を決めますが」

 

「でも元康の城はガッチガチに防備が硬いように見えるが」

 

「そりゃ信長様、こっちにはいつ襲ってくるか分からない武田が居ますので……」

 

「武田か……」

 

 現在武田こと武田信玄は上杉謙信と川中島でバッチバチにやり合っており、予断を許さない状態であるが、武田の副将と言われている武田信繁という信玄の弟が武田に反抗していた諸勢力を鎮圧。

 

 武田は甲斐と信濃の大半を手中に収めて甲信地方の覇者として名を轟かせていた。

 

 今川は武田との関係は相変わらず悪いままであったが、荷止めは行わずに、武田に食料を輸出することで信濃や甲斐からの鉱物資源を輸入していた。

 

 勿論反抗勢力にも食料や武器の供給を行っていたが、足が着く前に損切りをして撤退していた。

 

 反抗勢力から武田の内情を把握していたが、内部粛清をしたことで武田信玄の求心力は更に高まっているとのこと。

 

 俺的には今川の立て直しがもう少しで済むので、武田に打撃を与えたいのだが、北条から待ったがかかっていた。

 

 今川が武田と抗争を再開するとフリーハンドを得た上杉謙信が関東遠征をしかねない。

 

 なお俺は上杉謙信と言っているが、まだ長尾景虎と呼ばれていた時代であり、上杉家からの家督継承も行われていなかった。

 

 なので関東平定に邁進する北条的には武田と上杉が潰しあっている合間に関東諸勢力を轢き潰すのが最善と考えていたため、今川に武田との戦争は控えるように言われていたのである。

 

 今川と北条の関係が俺の当主就任で微妙になっていたため、北条とはまだ仲良くやっていきたいというのをアピールするためにも今川は武田への攻勢をかけることができなかったのである。

 

 で、今川仮名目録の改訂で常備軍の編成が可能となった為、俺の直轄の兵(旗本衆)として部隊を再編し、3000人程度の直轄兵を雇うことに成功した。

 

 この兵を俺は北条時行こと江間時行を旗本大将に任じ、藤原利仁や源頼光、その四天王に今川や松平の若い家臣達も組み込んだ今川家の最精鋭部隊を創り上げた。

 

 この部隊を遊ばせておくのは勿体ない為、今日城に来ている信長様に対斎藤家への援軍として送りましょうか? と提案すると、助かると承認された。

 

 

 

 

 

 

 

 市ちゃんとの婚姻の儀が無事に終わり、初夜ということで2日で寝室にて対面していた。

 

「市と申します。元康様の噂は兄の信長より聞いております」

 

「市ちゃんみたいな美人と結婚できるとはありがたい限りだよ。今川色も強いけど、他の妻達にも仲良くする様に言ってあるから、不便なところや虐められたりしたら直ぐに言ってくれ」

 

「はい……いえ、武家の娘として育てられてきたので敵方に嫁ぐのも覚悟しておりました。私の力で織田と今川の同盟が末永く続くように頑張る次第で」

 

「まぁまぁ落ち着いて。別に気張らなくても俺は信長様を裏切るつもりは無いから」

 

「そうなのですか? 失礼ながら今川の前当主は兄の手で討ち取られたと聞いておりましたが」

 

「まぁ義元様は討ち取られたけど、こっちが攻めた結果の討死だから文句は言えんのよ。それに俺にとって実の父親ってわけでもないし」

 

「結構冷淡なのですね?」

 

「いや、こんなもんだと思うよ。まぁ義兄弟である今川氏真様が許可を出したから織田との同盟が結べた訳で……俺だけの力では無いわな」

 

「織田から見ると元康様が敵対者を鎮圧し、権力を集中させていると見ていたのですが……」

 

「今川家の権力は一応俺が掌握しているけど、氏真様を慕う派閥もあるし、領地の三河、遠江、駿河での派閥もあるから決して一枚岩というわけでもないんだよね」

 

「なるほど……」

 

 流石信長様の妹かつ、歴史に名を残したお市の方だ……数え年で11歳なのに家中派閥の話に付いていけるとは……めちゃくちゃ頭が良いな。

 

 とりあえず直虎にも付与したが、ガチャ引きまくって安産とか健康とか有り余ってるし、千代ちゃんに付けたスキルと同じくらいスキルを付与してあげるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まだ市ちゃん初物も来てないので、初夜は互いに胸の内を話すだけで終わったが千代や直虎もそうだけど美少女や美女と話すと心が洗われるね。

 

 いつも政務で男達と会議ばかりしているから、夜の息抜きは本当に大切よ。

 

 尾張を統一した信長様は俺が貸し出した援軍を引き連れて斎藤家に攻撃を開始し、激戦が続けられているとのこと。

 

 歴戦の英雄達が指揮する今川旗本衆であるが、若年の兵が多い事もあり、なかなか斎藤家に致命傷を与えることができない。

 

 ただこの戦いで初陣を飾った数え年で10歳の本多忠勝や榊原康政等の史実では徳川四天王と呼ばれた面々が大活躍し、初陣で首をそれぞれ5つと3つ討ち取る戦果を挙げていた。

 

 戦線の膠着を重く見た信長様は弟信行の反乱の際に信行の教育係を務めていた為に蟄居処分を下していた柴田勝家の蟄居を解いて前線に投入。

 

 織田家最強の武将の名は伊達では無く、権六無双を発動して弱兵の尾張兵を率いながら精強な美濃兵をバターの様に溶かしていった。

 

 これに触発された今川旗本衆は織田に負けるなと奮起し、中美濃の城を2つ陥落。

 

 これにより東美濃と西美濃の連絡路が遮断され、更に同盟を結んでいた武田にも連絡を送ることができなくなったのである。

 

 武田は上杉謙信との戦いを引き上げると斎藤家との連絡路回復のため飛騨攻めを行い、飛騨国を占領するが、その頃には東美濃を織田軍が占領しており、更に追加の援軍として派遣した義経が飛騨から出てきた武田軍を得意の奇襲攻撃でボッコボコにして敗走させ、織田の美濃占領地を防衛することに成功する。

 

 援軍の他に領内で値下がり始めていた食料関係を信長様の織田軍に売り付けることにも成功し、今川領内の食料品の値段も安定、織田軍は兵糧に困ることなく攻め続けることができ、武田方面は今川の援軍がガードしているので斎藤家の残った領土を容赦なく攻撃し続けることができるのであった。

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