「はぁ……糞みたいな統治をしやがって……武田の野郎……」
「少し前の三河を見ているような気分でした……いや、それよりも酷いかもしれませんが……」
俺と酒井忠次は戦後処理の為に信濃の春日城に詰めていたが、信濃は武田による搾取がされ尽くして酷く疲弊していたのである。
甲斐単独では国家運営が出来ない貧しい土地であるのは分かるが、自国の領土をここまで疲弊させるとは……武田の統治能力は疑問を持たざる得ない。
まぁ信濃も国の面積は広いが、山が殆どの地形で石高も広さの割にしょぼい。
ただ治水工事や最新農法の投入で生産量を倍化させることは可能だろう。
あと現代では信濃こと長野県は農業大国であり、県の食料自給率は100%を超えている。
なので開発次第では作物が多く収穫できる土地であった。
あとは鉱物資源の宝庫。
砂鉄を多く含む川や鉄鉱山、金山、銅山などなど今川が欲しかった鉱物資源を大量に産出する土地である。
今川領内の駿河玉川村の鉄鉱山より鉄の純度が高い鉄鉱山がゴロゴロしているのが信濃。
これは活用するしか無い!
あとは温泉が湧き出る場所が多いのも特徴で別所温泉、野沢温泉、鹿教湯温泉など、時の天皇が湯治に使った記録の残る温泉が信濃には複数箇所存在していた。
温泉周囲には硫黄の産出地も多く、火薬の原料となる硫黄も信濃だと多く採れるのである。
「まぁ当分は食料を支給してやらないといけないわな」
「そうですな」
ただ今の信濃は農業大国でも鉱山が有効活用されているわけでもなく、武田の策源地以上の意味は無く、疲弊しているため、数年単位で地力を回復させなければならない。
……まぁ多月や少名、金屋子などの元神々の面々は開発余地の多い信濃開発に進んで突っ込んでいくと思うが……。
「忠次、今川領に信濃の大半を組み込むとして、上杉への守りを誰が担うのが適任だと思うか?」
「鞍馬殿以外居ないと思うのですが……」
そう、信濃北部は上杉の領域であり、上杉謙信が北条と繋がっている今川に対して攻撃してくる可能性を残していた。
対抗できそうなのは鞍馬、義経の2人であるが、義経は攻撃で輝く性能をしているので除外すると、見事に鞍馬くらいしか適任が居ない。
ただ鞍馬は旗本衆の育成で忙しくて北の抑えをやらせるわけにもいかなかった。
「となると……時間稼ぎができそうなのは……」
「藤原利仁殿か平泉頼光殿(源頼光)でしょうか」
「あの2人か……」
確かに英雄の2人は武芸に優れていて上杉が大軍を寄越しても守りきってくれそうではあるが、藤原の方は一応俺に忠義を誓ってくれているものの、他の国人衆を懐柔して地域支配に乗り出しそうだし、源頼光の方は個性豊かな部下を纏め上げた逸話も持っているため、カリスマ性もあるのであるが、鉄砲についての理解度が全く無く、俗に言う古い武士像に固執していた。
個人の人柄は良いのだが、今川軍の利点を完全に殺してしまう鉄砲の適性の無さは俺は扱いに困ってしまっていたのである。
悩んだ末に源頼光とその四天王、更に鉄砲隊を率いる者として旗本衆として鍛えていた安藤基能を派遣。
彼らに旧武田領最北の城である葛尾城に詰めさせて、他の城にも旧今川家臣と三河派閥を能力ある順で均等に配置。
とりあえずの戦後処理はこれくらいで良いとして、俺と酒井忠次達引き連れていた家臣団や、兵達を今川領に返すのであった。
武田を実質機能不全に陥らせた今の俺のステータスを見ていこう。
【松平元康】
統率 105
武力 100
知略 104
政務 110
魅力 100
器用 100
能力
・強鑑定・ガチャ・前世の記憶
特性
・毒耐性・健康長寿・鍛錬巧者・教え巧者・覚え巧者・早足・京八流剣術・京八流兵術・産業振興・士気高揚・灌漑整備・料理人・解体者・三河武士・勇猛果敢・自衛・陣地構築・革新の意志・土木普請・築城名人・鉄壁・攻勢・大筒・鉄砲上手・管理職
新しく攻勢や大筒、鉄砲上手と管理職の特性をゲット。
ステータスはオール100を超えた為ガチャの能力値上昇系アイテムは俺自身に使っても効かなくなってしまったが、成長促進系は効果があるので使っていたところ、今回の戦で統率が3も伸びた。
政務は常にやっているようなものなのでステータス上は110だが、特性を加味した実数値は130くらいある。
管理職とかまさにそれで、仕事を早く処理することができるという曖昧なテキスト文になっているが、習得してから目に見えて政務の速度が上がった気がする。
あとはこれくらいの能力の人物を量産するのみ!
ちなみに俺の下でガンガン経験を積んだ石川数正と酒井忠次も化け物みたいなステータスに変わっていた。
【石川数正】
統率 90
武力 82
知略 100
政務 105
魅力 82
器用 96
特性
・京八流剣術・京八流兵術・覚え上手・文官・三河武士・能弁・算術・民心掌握・宰相・作字・教え上手・灌漑整備・産業振興・鉄壁・籠城巧者
【酒井忠次】
統率 100
武力 100
知略 95
政務 85
魅力 82
器用 80
特性
・京八流剣術・京八流兵術・三河武士・一所懸命・作事・兵站上手・神速・調練・猛攻・馬術巧者・鉄砲巧者
内政系の石川数正と武将系の酒井忠次という違いはあるが、両方とも新しい特性を覚え、石川数正は内政系及び籠城や防御力を上げたり、1国を任せるのに適した能力を身につけ、酒井忠次は馬術、砲術共に一級品と使い勝手が良い性能に進化を遂げていた。
2人には及ばないものの、他の家臣達も鞍馬や菅原道真公の教鞭により文武共に平均80近くをマークし、そんな人材が100人に、それより少し劣るものの平均70くらいの家臣も200人ほど育っていた。
教育改革の賜物である。
ちなみに今川氏真様の能力はこんな感じ。
【今川氏真】
統率 90
武力 90
知略 85
政務 93
魅力 96
器用 100
特性
・今川流剣術・雪斎流兵術・覚え上手・教え上手・文化人・能弁・算術・民心掌握・宰相・作字・教養◎・三十六歌仙
某ゲームと比べるのも烏滸がましいほどのステータスの特性をしており、特性は内政系及び文化人としての側面が強い。
これならば弱体化した今川を9年もの間徳川と武田から守り抜いた能力はしているし、史実で家康が駿河の大名に今川氏真を復帰させようとしたという話も出てくるわな。
まぁこの世界での今川氏真は決して暗愚ではないということである。