ガチャ狂い徳川家康   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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瑠璃の奥での生活

 〜瑠璃サイド〜

 

「こんにちは! 始めまして! 蝦夷の国人の蠣崎季広の娘の瑠璃です! 元康様の奥方の皆様よろしくお願いします!」

 

「なんでぇ、元気なのが来たな!」

 

 背丈の大きな女性の方に頭をガシガシ撫でられる。

 

「俺は井伊直虎……直虎でいいぜ」

 

「はい! 直虎!」

 

「おう! こっちが正室の千代でこっちが側室の市だ。千代は今川家宗家の娘で、市は尾張織田家当主の妹だ。俺は遠江の井伊家っていう国人領主の娘だから瑠璃と立場は同じだな!」

 

「なるほど! 千代に市! よろしくお願いします!」

 

「うふふ、よろしくお願いしますね」

 

「よろしくね」

 

「はい!」

 

 私こと瑠璃は元康様に連れられて浜松城に入城すると、外からでも大きな城だったのに、中はもっと立派で凄い城でした。

 

 立派な門、白くて滑らかな城壁、水堀が至る所に張り巡らされていて、城壁の中に町が存在しました。

 

 私が住んでいた徳山館と同じくらいの屋敷が建ち並んでいて、元康様曰く工場や工房といって様々な物を作り出す職人が住んでいる場所だったり、家来の方々、豪商と呼ばれる商人が住んでいる場所なのだとか……。

 

 武士の方だけでなく職人や商人の方が立派な屋敷に住んでいることに驚きです! 

 

 城の中に入ると広い敷地には畑が作られており、そこでは見たことのない作物が作られていました。

 

 城の中に広い畑がある理由を聞くと、籠城した時に食べられる物があると心に余裕ができるので、育ちが早く、それでいて腹持ちの良い芋だったり、薬草にもなる香辛料の類を育てていると教えてくださいました。

 

 二の丸の水堀……ため池と言った方が良い場所では錦鯉が飼育されていて、色とりどりの鯉が優雅に泳いで居ました! 

 

 少ししか見れなかったけど、綺麗で今度餌やりをやりたいと元康様に言うといつでもして良いよと言われました。

 

 そのまま本丸の奥の間に通され、侍女の方々に体を拭かれて、質の良い着物に着せ替えられて、最初の挨拶の場面に戻ります。

 

「無知でもうしわけねーけど蝦夷って陸奥の国の更に北の場所でいいのか?」

 

 直虎の質問に私ははい! と答え

 

「蝦夷は陸奥より北の海を挟んだ島です! ただ米は取れないし、蝦夷には山丹人と呼ばれる日ノ本の住民とは別の民が生活していて、私の父である蠣崎季広は彼らと本土の人々との交易をして生計を立てています!」

 

「へぇ……じゃあ瑠璃が来たのは」

 

「はい! 今川との交易の関係を強固にするためと、甜菜という砂糖を作り出すことのできる大根と栽培方法を教えてくれたので、その対価として私が嫁ぐことになりました!」

 

「なるほどな〜」

 

 直虎は納得してくれたみたい。

 

 それでよく見てみると、直虎、千代、そして市のお腹が膨らんでいるように思えた。

 

「あれ? もしかして皆妊娠しているの?」

 

「そうだな、俺と千代は3人目、市は2人目を妊娠している」

 

「へえ! やっぱり出産って痛いの?」

 

 私の母達は皆、子供を産むのは命懸けで、殿方の戦の様な物だと言われて育った。

 

 子供を産むことこそ女の仕事で、運が悪ければ命を落とすとも言われていたが……

 

「私は今までの出産で痛かったことは無いな……市もそうよね?」

 

「千代の言う通り、私も子供を産んだ時すんなり産まれてくれて……どちらかと言うと元康様に処女を捧げた時のほうが痛かったような気がする」

 

「あれ? 出産の痛みってそんな物なの?」

 

「いやいや、そんなこと無いからな」

 

 直虎が訂正して、直虎が最初の子供を産んだ時は股から瓜を放り出しているような感覚で、骨がメキメキと開くから滅茶苦茶痛かったと言われた。

 

「ただ不思議なことに2人目の時からは全く痛くなくなったんだよな……」

 

 直虎も不思議そうに答えた。

 

「人それぞれってこと?」

 

「まぁ初産は痛みがあることの方が多いらしいが、その次の出産からは初産よりは痛みが無いとも聞くな。侍女達も出産経験のある奴が居るが、人それぞれで、毎回地獄のような痛さって奴も居るぞ」

 

「何か痛みを軽減する方法とかないの?」

 

「それならあるぞ」

 

「え? あるの!」

 

 直虎曰く、骨盤の可動域を広げる体操をすれば良いとのこと。

 

 毎朝今川家の奥では元康様が広めた安産体操なる体操(ラジオ体操と10分程度の軽いヨガ)をするのと、食わず嫌いをしないで適度な食事をすれば肉付きが良くなって、身体に肉が付けばお産の時に安産になりやすいらしい。

 

 あと適度な運動をするのも良いとのこと。

 

 直虎は乗馬をして町を巡ることや薙刀を千代や市に教えることで動いていて、千代と市も薙刀を習ったり、城内を散歩することで運動をしていた。

 

「むむ! じゃあ私も運動して色々食べて体操すれば安産になれるってことですかね!」

 

「人それぞれだと思うけど、やらないよりは良いだろうな」

 

「ちなみに奥方ってどこまで移動範囲なのですか? 先ほどの会話から城の中は移動しても良さそうだけど」

 

「基本三の丸までだな。城壁に囲まれた城下町に行くこともできるが、その時はお付きの侍女が居ないとダメだからな」

 

「なるほど……え? お付きの人が居れば城下町に出れるの!」

 

「ああ、あと月に幾らかお小遣いが支給されるからその範囲内だったら町で買い物をすることもできるぞ」

 

「おお! お城に来るまでに町を少し見たけど! 凄い賑わっていたよね! そっか……色々買い物できるんだ!」

 

「まぁ侍女が決まるまでは俺と一緒に行動しようか。瑠璃は馬には乗れるか?」

 

「はい! 馬に乗れないと熊に襲われた時に逃げられないので父から仕込まれました」

 

「どんな環境だよ……」

 

 そんなこんなで奥方の皆との挨拶をして、奥の間に部屋を与えられて今川領での生活が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

「んん~美味しいー!」

 

 名門今川家がどんな料理を出すか気になった初日の夕方。

 

 奥に運ばれてきた料理は熱々でなんとおかずが3品も並んでいた。

 

「侍女の人! この料理って何?」

 

 私は近くに待機している侍女の人に料理の品目を聞くと答えてくれた。

 

「まずこちらは鶏の肉を使った鶏肉じゃがと言う料理でして、鶏肉とじゃがいも、しらたき、他煮物に合う野菜を入れて醤油や料理酒などで煮込んだ料理になります」

 

「こちらはほうれん草のおひたしですね、最後にこちらはきんぴらごぼうになります。汁物は芋煮汁で、里芋を使った体に良い食べ物を多く含んだ汁物になります」

 

「へぇ! ご飯白米だけどこれ食べていいの! おかわりってできるの!」

 

「もちろんございます。言ってくだされば私達が運びますので沢山食べてください」

 

「やった! やったやった!」

 

 私は大喜びして箸を持ち、いただきますといって食事を食べ始める。

 

「!?!?!?」

 

 滅茶苦茶美味しい! 

 

 鶏肉じゃがの鶏は食べた事あったけど、じゃがいもと言う芋は初めて食べる。

 

 ホクホクしていてとても食べやすく、色も黄色で見栄えも良い。

 

 周りを見るとご飯と一緒に食べているので、真似して食べるとこれが美味しいこと美味しいこと! 

 

 具だくさんの汁を少し飲むと味が濃い! 

 

 味噌が濃いだけじゃなくて具の旨さが濃縮している感じで脳を揺さぶられる。

 

 ほうれん草なる野菜のおひたしは口の中を切り替えてくれるし、ご飯とも合う。

 

 きんぴらごぼうはコリコリしていて、噛めば噛むほど味が出てくる。

 

「おかわり!」

 

 あっという間に食べ終わり、私はおかわりを所望する。

 

 千代や市はおかわりしなかったが、直虎は汁物をおかわりしていた。

 

 全品おかわりしたのは私だけで、初めて満腹になるまで食べることができた。

 

「うぷ……美味しすぎて食べすぎた……」

 

「わかるなー、俺も最初はそんな感じだったわ」

 

「でもこの食事は元康様が考案した健康的な料理なのですよ」

 

「へぇ……」

 

 千代が言うには今川家はもっと味の薄い料理が主流だったが、元康様が色々手を加えて、味を探求し、美味しくて健康に良い料理に置き換えていったらしい。

 

 それと新しい作物を色々作っているのでその消費方法を城主や奥方が率先して食べることで領民に城主も口にしている物だと安心感を与えているらしい。

 

「それでこんな美味しい料理が食べられるんなら幾らでも食べる!」

 

「食いしん坊だな瑠璃は」

 

「えへへ……」

 

 食事を終えたら夜の時間、皆思い思いに過ごすが、最近の奥の流行りは読み物が流行っているとのこと。

 

 色々な読み物が作られてその複製された本が城に納められるので、書庫から借りてきて思い思いに本を読んで時間を潰したり、侍女と回し読みをして感想を言い合ったりするのだとか。

 

「わ、私文字読めないんだけど……」

 

「それはいかんな! 今川家に嫁いだからには文字に簡単な算術はできるようにならないと、どれ俺が教えてやるよ」

 

「本当! ありがとう直虎!」

 

「良いって!」

 

 私はすっかり直虎に懐いてその日の夜から勉強を教えてもらうようになるのだった。

 

 あと元康様との初夜も終えて、その……凄く大きくて太かったです。

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