ガチャ狂い徳川家康   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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信濃再建4カ年計画始動

「反射炉?」

 

「ええ、旦那(イッポンダタラ)と話したんだけど、大砲を作るには反射炉の建造と溶鉱炉の量産が必要になってくるって感じて……とりあえず私の知識にある製鉄の過程を纏めたから提出するわね」

 

 相模湾海戦において、大筒の有用性と、更に発展した大砲の製造要請が安丸から金屋子に入っており、金屋子は最初青銅砲を製造することを考えていたが、銅貨の需要が今川領での産業の活性化で増しており、青銅砲に銅を使うのは勿体ないと考えるに至った。

 

 その為鉄製の大砲を作ることを考えたが、たたら製鉄では大砲の衝撃に耐えることができない為、錬鉄製造が可能になる反射炉を必要としたのである。

 

 ただこれには幾つか問題がある。

 

「まず反射炉の燃料に木材を使っていたら、一瞬ではげ山が大量に出来上がる。燃料は石炭を使うしか無いが、今川領内で採掘出来る石炭は褐炭と呼ばれる石炭のなり損ない……質の悪い物しか無い。乾燥させる必要があるし燃料として使えるのもごく僅か……正直今川領内で石炭を使う高炉や反射炉の運用は難しいと言わざる得ない」

 

「難しいですか」

 

「うん……しかも戦国時代で石炭を輸入で賄うという選択肢も取ることができない。申し訳ないが青銅砲を作った方が現実的だと思うが……」

 

「うーん、なるほど……そうか原料の問題を失念していたな〜。となると銅の供給量を上げてもらうことになるけど」

 

「一応奥三河の銅鉱山を本格稼働させて、信濃を探索して銅鉱山を探し当てて銅の供給量を上げればなんとか……うーむ確か魚野川鉱山が長野県最大の銅鉱山であった記憶があるけど場所までは覚えてないなぁ……山師の神様とか居なかったっけ?」

 

「一応私その性質もあるけど、鉱山探しとなったら数ヶ月は探索に時間取られるけど」

 

「んん~金屋子に鉄砲生産で抜けられると困るんだよなぁ……というか現状旋盤を作れるの金屋子しか居ないし……職人育ってるの?」

 

「そんな短期間に職人が育ったら苦労しないわよ。ただでさえ鉄製品の需要爆増で職人が足りてないから意欲ある者は片っ端から教育している状況なのに……」

 

「そうだよなぁ……となると大砲製造は当分の間凍結かなぁ」

 

「近くにちゃんとした石炭を産出する場所本当に無いの?」

 

「うーん……あ、あるにはあるが……」

 

「どこよ」

 

「織田領内なんだよなぁ……」

 

「いいじゃない。この際織田家に恩を売る形で反射炉作らせてもらいましょうよ」

 

「うーん……そうだよなぁ……戦国時代を終わらせることが第一だよな。よし、夏頃に信長様と会談をすることになっているから、その時にぶっこんでみるよ」

 

「頼むわよ。本当に鉄の生産量上げないと鉄は高値のままよ」

 

「わかった、わかった。とりあえず落ち着けって」

 

 俺は金屋子をなだめると、鉄の供給量の問題解決のために動き始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「信濃の今川領国の石高は25万石か……」

 

 食料供給の代わりに行なった信濃での検地の結果、信濃の約3分の2の領地で石高は25万石。

 

 北信濃で10万石前後として信濃全体で35万石といったところか……。

 

「開墾作業から始めないといけないんだよな」

 

 武田が信濃に重税を課していたことにより離農する農民が多く、それが流民として東海3国に流れ込んでいた問題があり、直ちに税率を8公2民から4公6民に改定したが、生産量を上げるためには個々の田んぼの治水工事をする必要がある。

 

 水車を用いた灌漑設備の設置や乾田をするための排水設備の建設、農業用水の確保の為の水路の建設……とてもではないが1年で生産量を上げることはできない。

 

 なので俺は信濃再建4カ年計画を作り、信濃に派遣している家臣達や国人衆に条件を飲ませた。

 

 まず1年目で資材搬入ができるための街道を整備する。

 

 これは既に行っている街道敷設の規模を拡張し、各村への道作りも含まれている。

 

 流石に全てコンクリートで舗装することはできないので、既存の道を広げて荷車の往来ができる道幅にすることを求めた。

 

 またこれに伴い関所を廃止し、通行の利便性を上げる。

 

 国人衆達から関所を無くせば収入が下がると文句を言われたが、代わりに補助金を投入するのと農地改革が成功すれば年貢が増えるので結果収入が長期的に見れば増えると資料を作成して交渉を行なった。

 

 国人衆達は反抗しようにも周りを織田と上杉に囲まれていて、織田も今川同様に関所を廃止する方針かつ補助金も出ないので寝返りしても利益が全く無く、上杉は武田時代に敵対していたり、武田方国衆に嫌悪感を抱いていると噂があるため、下手に寝返ると良くて見捨てられて、悪いと粛清される危険性があったため寝返ることができないので渋々俺の言うことに従った。

 

 街道整備が終われば灌漑設備の整備を行い、水田ができる面積の拡張、新しい農法や信濃に適した作物の普及、養蚕などの副収入となる産業を広め、山城近くの城下町を整備して商業をしやすい環境を作り、貨幣経済を浸透させるのが第二段階。

 

 最後に今川から生産性の高い種籾と指示に従う農家を中心に多月式農法を広め、米や穀物類の生産性を飛躍的に上げる事で領国の信濃安定化を行う。

 

 計算上4年である程度信濃の安定化ができると出たので、俺は信濃再建4カ年計画と名付けて始動させたのである。

 

 信濃明治時代には75万石の石高を実現できる地力はあるし、3分の2としても50万石……今の倍に到達できる。

 

 更に多月農法や肥料の投入が安定化すれば今の4倍は硬い。

 

 つまり信濃単独で100万石を実現できるポテンシャルがある。

 

 そうなれば今川の人口爆発問題もある程度先送りにすることができるし、天候不順で全国各地で不作や凶作が続く中、穀物の輸出で周辺勢力との宥和外交を実現できるかもしれない。

 

 少なくとも上杉は食料を今川と取引で手に入れられるのであれば今川を殴る必要性は全く無くなり、関東管領問題で敵対している北条と一向一揆で荒らし回っている加賀と越中問題の2つに絞られる。

 

 上杉謙信との交渉で領国安定化の為に一向一揆を潰すように誘導して、その支援をするとなれば上杉謙信も関東ではなく越中方面に視野が向くだろう。

 

 その間に北条が関東で立場を固められれば良し、時間切れで上杉謙信が再度関東攻めをするようであれば、今川は両方と友好関係を築いている為、中立に徹しようと思っている。

 

 それで北条に逆恨みされたら知らん。

 

 これを今後の方針としていこうと思う。

 

「まぁ信濃が再建できれば今川は300万石の生産力を有する国家になる。内政で成果が出せるうちはぬくぬく内政に注力しましょ」

 

 今川領国300万石計画のスタートである。

 

 

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