去年の秋から冬にかけて子供を仕込んだので、出産シーズンとなり、直虎から順に子供が産まれていった。
基本出産の立ち会いは産婆以外許されないので、俺は正直この時代の産婆を信用できないのでガチャで当たっていた安産や子宝の女神である木花咲耶姫を召喚し、産婆として対応してもらうことにした。
ただ直虎の3回目の出産はスムーズな安産で、陣痛から3時間半で出産に至り、特に後遺症も無く、母乳もちゃんと出て、健康そのものであった。
「元康様! 見てくれ! 元気な女の子だぞ!」
「おお、直虎よくやった。直虎は体に違和感は無いか?」
「特に無いな。あ、でもまた腹を鍛え直さないと……見てくれ、腹がだるだるになってしまっていてな」
「まぁそれは仕方がないことだな……でも母親として出産という戦に勝ち抜いた証みたいなもんだ。俺は逆にその腹は好きだぞ」
「そ、そうか? それならいいんだが……」
「ただ出産で骨盤が開いているから、それを締める体操はしないとな」
直虎や千代に初産の頃、産後の骨盤体操について教えることがあり、市の出産時にも彼女達が教えて、骨盤体操をしていることがあった。
記録を取っていたが、骨盤体操をすると、産後の尿漏れの改善や骨盤周りの筋肉を解すことで血流が良くなり、疲労回復や子宮の回復にも繋がる。
事実、産後に骨盤体操を取り入れた乳母達は疲労感を感じにくくなったり、睡眠の質が良くなったと答えていたので、効果てきめんなのだろう。
まぁ今は出産直後であるから直虎にはやらせないが。
「俺が出産したってことは千代と市もそろそろ出産じゃねぇか?」
「そうなるな。同じくらいの時期に妊娠したと思うから」
直虎達を抱いた日数から逆算すると、千代と市の出産予定日は今週中。
この時期になったら早産と言う感じでもないため、あとはなるべく早く、母子ともに健康で生まれてきて欲しい。
「元康様、直虎様のお子さんの授乳の時ですので、少々退室を」
「木花(産婆の女神)俺は別に気にしねーから、もう少し元康様と一緒にいさせてくれや」
「失礼しました」
産婆が下がると、直虎は胸を出して、赤ん坊に授乳を始める。
「こいつ、吸い付きが良いな。元気に大きく育つと思うぞ」
「健康に育ってくれればそれで良いよ」
俺が直虎の乳を吸う赤ん坊を撫でていると侍女が部屋に飛び込んできて
「市様ご出産です!」
「ええ!?」
出産の兆候の無かった市がお産に至ったらしく、すぐに駆けつけると、市の出産が終わっていた。
「元康様、元気な女の子です」
「陣痛とかはなかったのか?」
「いえ……痛みも全く無く、朝用を足していた時にどうやら破水していたらしく……座って体操していたらニュルリと……」
「木花……市は大丈夫なのか?」
「脈や心拍に異常はありません。母子ともに無事です」
「そうか……それなら良かった……」
「いきなり呼んでしまって申し訳ありません」
「いやいや、出産の報告を受けたらすぐに行かないのは父親としてダメだろう」
「それもそうですね……瑠璃もお産の流れはわかりましたか?」
部屋には瑠璃も居て、瑠璃は直虎の出産の時も見学していた。
「市には来てなかったけど、本来は陣痛が来て、破水して赤ん坊が産まれて、胎盤を排出するまでがお産の流れ……なのよね?」
「そうそう。合ってるわよ」
「で、市は全く痛みなく産んでいたけど、本来なら股が裂けるくらい痛いと」
「うんうん」
「ちょっと怖いかも」
瑠璃が怖がっているが、俺が手を握ってやって
「もし怖かったら俺がそばで手を握っていてやろうか?」
「え……でも出産の場は不浄な所だから人が入ると穢れてしまうのでは無いですか?」
「だったら産婆は穢れた存在になってしまうぞ」
「……あ、確かに」
「木花、出産に立ち会って穢れた感じはするか?」
俺はお産の補助を務めた木花に問いかける。
「いえ、全く無いですね」
「だそうだ」
そう言うと瑠璃は納得したのか、お産の時は是非とも近くに居てくださいと答えるのだった。
数日後、奥にて寝泊まりした俺は嫁達と朝の体操を行なっていた。
「いっち、に、さん、しー」
「ごー、ろく、しち、はち」
基本日中は赤ん坊の世話を母親達はするが、夜の睡眠時間は乳母に世話をみてもらい、授乳をしてもらっていた。
夜の対応した乳母は朝食を食べたら仮眠室にて眠り、夜の番に備える。
昼夜逆転してストレスがかかっているため、乳母達には小さいながらも個室を与え、更に給金も弾んでいた。
乳母の子供も一緒に城で育てられる為、その子供達は乳母兄弟、乳母姉妹として後々側近として育てられるようになる。
浜松城では嫁1人に対して乳母は2人付けられ、ローテーションを組んで子供達に乳を分け与えていた。
なんなら日中は俺の嫁達の間でも子供達に乳の分け合いがされていて、嫁の中で一番巨乳の直虎が母乳の出が良いため、鍛錬する時以外は誰かの子供に授乳していた。
体操をしている時、俺は千代の着物が濡れていることに気が付き、指摘しようか迷っていると、ラジオ体操のジャンプ運動をした際に千代から何かが産まれた。
「はぁ!?」
千代も違和感を感じた為かその場にうずくまり、股を弄ると着物の間から赤ん坊が出てきた。
「おぎゃぁ! おぎゃぁ!」
「ち、千代! 赤ん坊生まれてるじゃないか!」
「え? え? 全く痛みがなかったのですが」
「侍女達は板持ってこい! 部屋に運ぶぞ! 産婆の木花も呼べ!」
大慌てで千代を板に乗せて部屋に運び込み、木花が赤ん坊のへその緒を切って処置を始めるが、千代はまだお腹に違和感を感じると言い、踏ん張ると……ズルリとまた赤ん坊が出てきた。
「ふ、双子……」
「元康様、まだお腹に居ます!」
「はあ!?」
ズルリ
3人目が産まれると千代のお腹はベッコリとへこんだ。
「ふぅんん!」
ズルん
胎盤は1つ出てきたので一卵性の三つ子ということになるのか?
「元康様……申し訳ありません……三つ子も産んでしまって……淫乱な母親で……」
「何を言うか……子供は宝。双子も三つ子も関係ない!」
「しかし……1人を残してあとは捨てるか寺に預けるのが習わしですが……」
「関係ない! 忌み子では無く、天より授かった子供だ。1人で産まれてくるところに神が入り込んだのだ。忌み子のはずなかろう」
「元康様……」
それより千代の体調は大丈夫なのか木花に聞くが、体液を一気に放出した為に軽い脱水状態になっているが、出血も酷くないので、安静にしていれば良くなると断言。
特性の畜生腹が良くなかったかもしれないが、それのおかげで三つ子でも母親が無事だったのかもしれないのでなんとも言えない。
ただ千代は男の子1人と女の子2人の三つ子を産むのだった。