最近になってとあるガチャが追加された。
知識ガチャという知識を与えるガチャである。
この知識を与えるというのは才能のある人物に使うと、発明や技術、戦術を思いつくというガチャで、知識を増やすガチャでもある。
これからは知識剣豪とか知識猛将とか子供に付与すると、その子の将来に多大な影響を与える知識も存在する。
特性を付与するよりも強力なガチャであるが、当たる確率は1%と低く、当たらなかった場合すり抜けでSR以上が出ないという糞ガチャでもある。
ただ最近ダブついてきているガチャのチケット消費先として重宝するのだった。
秋になり、定例と成りつつある国力チェックのお時間が参りました。
信濃支配から1年と少しが経過して、検地も行き届いたので、とりあえず東海3国と信濃は農業だけは別で計算することにする。
では……どん!
農業195万石(東海3国合計)
農業26万石(信濃)
商業50万石
工業40万石(進化開始)
貿易34万石
合計345万石
とりあえず4国で石高は200万石を超え、商業も大台の50万石を突破。
貿易は伸び悩んだが、来年から蝦夷との交易が本格化するため、追加で10万石程度は伸びそうである。
工業に関してはここから進化を開始し、水力を用いた工場の建設ラッシュが始まったので、一気に生産力が伸びる予定である。
更に製鉄所が完成すれば更に生産力は上がる……はず。
あとは信濃再建4カ年計画が達成できれば全体的に更に上がるはず……。
「人口も前回の統計から東海3国と知多半島で12万人弱増えて、現在73万人……それに信濃の25万人の人口か……生産力と人口がほぼ同じということは、間引きが行われているな……これは」
信濃人口が生産力と合致したことで、子供か老人の間引きが行われていると断定。
まぁ流民として東海3国に流れていた事を考えると妥当か。
「税率を考えるとそれでも人口が多い計算になるのか……」
よくこんな状態の信濃から武田は重税をかけて搾り取っていたな……。
「(平岩)親吉、信濃の今年の様子はどうだったか?」
俺は近くで信濃の年貢徴税を管轄していた平岩親吉に問いかける。
「年貢率を8公2民から4公6民まで引き下げたため、民に食料の余裕ができたので多少持ち直しつつあり、離散する農民も減りました。ただそれでも食料は足りておらず、引き続き東海から信濃に食料を供給しないといけません」
「現状赤字が続いているってわけか」
「はい、ただ私が信濃を調べた限り潜在能力はかなりあるかと」
「それは俺も感じているが、親吉はどの点に潜在能力を感じたんだ?」
「1つは温泉が複数箇所湧き出ていて、各地が名湯と言えるほど効能に富んでいることです。湯治場として整備すれば観光地として栄えることができるでしょうし、町として機能すればそれだけ金が落ちることになります。東海で豊かになった住民達なら安全であるなら行ってみたくなるでしょう」
平岩親吉は幼い頃から一緒に勉学を共にした仲なので、武士の中でも金銭感覚はズバ抜けていた。
普段は外交官や政務官として働いているため、三河武士達の中では今川の統治方法に関して理解を示す柔軟性を持っている。
なので三河武士と今川との仲裁や緩衝材としての役割を持っていた。
「2つ目は鉱山が多いことですね。知多の磁器に必要な石英鉱床が多くあったり、宝石類や金銀山も無数にあります。それを効率的に運用できれば信濃固有の特産品となるでしょう。あと駿河の玉川村にある特殊なたたら場。あれは鉄鉱石から鉄を抽出していると記憶していますが、信濃には玉川よりも質の良い鉄鉱石が産出しますので、それを活用できれば尾張の製鉄所だけに依存するということも無いでしょう」
「それもそうだな」
尾張の製鉄所の鉄……というより鋼は刀に向かない。
どうしてもたたら製鉄には劣るのである。
まぁコストは掛かるが、鋼を尾張で製造して船で浜松に運び込み、浜松近くに建造予定の武器工場にて武器の製造が本格化すれば……。
「3つ目に灌漑整備さえ整えば、信濃の農業生産量は大幅に引き上げられる地力はありますね。木材も豊富なので、東海に川で流すことで、東海の木材需要に答えることができるかと」
そうなると川や水路の整備ももっと進めないといけないな。
ダムを作って水量の調整が行えるようにしないと……。
現在の技術力でダムの建造は難しいかもしれないが、後々は作っていって、河川の氾濫対策や水力を使った工場への水の供給に使ったりしないと……。
信濃には特に氾濫する川が多くあるからな。
「以上から、私は信濃に潜在能力を感じていますが、どうでしょうか」
「よく調べられていると思うぞ」
平岩親吉は俺の問いかけに対してしっかりと返答してくれて、なんなら信濃についての個人的な意見を述べた資料を提出してくれた。
「逆に飼い殺しに決めた武田の甲斐はどうするのですか?」
「代金が払えるうちはうちから食料を買い取ってもらって、適当に北条への嫌悪感を募らせてもらう。基本放置」
「窮鼠猫を噛むと言いますが……」
「噛まれる矛先を誘導して別の猫を噛ませたり、毒饅頭を食べさせて毒殺する。もしくは民が武田を見限るか……まぁ小松・浜北の戦いで武田の根幹は潰したから、立て直すにしても2世代くらいの交代をしなければいけないからな……今川の桶狭間の比ではないくらいの痛手だろうし」
事実、ここまで組織として壊滅的打撃を受けた勢力は、今のところ源平合戦終了時の平氏や鎌倉幕府滅亡時の北条くらいであろう。
どちらも元は中央政権であり、地方政権の武田がそれと同じくらいのダメージを受けたとなると立て直すには半世紀は必要になるだろうが、周辺勢力が武田に対して敵対的なので、よほどの奇策をしない限り復活する目は無い。
というか食料の供給源を握られている時点で国として終わっている。
「というか北条が今度は暴走を始めているんだがな……謙信公苛立ちが手紙で滲み出てるし……」
俺は上杉謙信公と相変わらず文通をしていて、謙信公は佐渡島制圧後は越中への侵攻をしていたのであるが、関東諸侯から大量の救援要請が届いていて、見逃す事も出来ず、どうするべきか俺に相談が届いていた。
申し訳ないが、俺は中立の立場で居ることしかできないのと、幕府の役職にそこまで興味が無いので、関東管領職を遂行して北条とガチバトルを続けても上杉家にとって得が少ないことは説明したのだが、幕命を生き甲斐としている上杉謙信にとって、関東諸侯を見捨てるという選択肢も取れなくて……板挟みで悩んでしまっていた。
まぁ佐渡島から採掘される大量の金銀により、上杉家の収入は安定しているし、俺から友好国待遇で食料を安く買える為、軍事行動できる費用は有り余っている。
俺的にはその金で越後平野の開発に全振りしてもらいたいのだが……。
一応少しずつは越後平野の乾田作業は進んではいるのだが、こればっかりはどうしょうもない。
俺は北条にも食料支援はしながらも、急速な拡大はまた上杉の侵攻を招くと忠告をするに留めるのだった。
「出せても今川氏真様の部隊だけかな……」
俺の中で徐々に北条との関係が冷えてきているなと感じるのだった。