ガチャ狂い徳川家康   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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家畜達の現状

 武田による信濃支配が終わって1年と少し……ここらで武田国人衆で今川に人質に来ている者で使えそうな人物の選定を始めていた。

 

 まず真田家……真田幸綱は信玄と一緒に戦死したものの、真田兄弟はたまたま領国警備で残っており、人質として三男の真田昌幸こと武藤喜兵衛が浜松城下に住むことになり、学び舎にて政務を覚えると、メキメキと頭角を現し、短期間で卒業後は真田の姓に戻させて、お馴染みの真田昌幸となってもらい、今は三河の鞍馬の所で軍略を学んでいた。

 

 他には土屋長安という鉱山開発に従事していた男をスカウトし、名を改めて大久保長安となり、信濃の鉱山開発で多大な成果を挙げていた。

 

 彼は山師としての素質があったことと、イッポンダタラの永代たたら場の構造や金屋子の冶金技術を学び、金鉱山や銀鉱山、銅鉱山で灰吹き法や南蛮吹などの最新技術を使って各種鉱山の生産量を上げる成果を達成し、鉱山開発の第一人者として名声を高めていた。

 

 他にも依田信蕃という人物もスカウトし、彼は守将としての能力が非常に高いが、まだ幼く、伸び代たっぷりなので鞍馬に預けたところ、すくすくと成長して、統率、武力、知略がオール85を超える将としては使い道が色々ある人物へと成長していた。

 

 あとは国人衆の若いので政務ができそうなのがちらほら居る感じで、武力担当は武田軍を殲滅した影響で国人衆の新しい当主達もしくは若年の国人に限られていた。

 

 そうそう、今川から武田に嫁いでいて、今川派閥の粛清により幽閉されて仏門に入っていた千代の姉である嶺松院を遅れながら救出し、今は駿府に居る氏真様の住む今川屋敷近くに屋敷を与えて住んでもらっている。

 

 まだ若いので再婚を氏真様は彼女に勧めたが、仏門に入っていた女性と再婚するのは再婚相手の体裁が悪いと断り、心の傷を癒やす為、氏真様や嶺松院の祖母である寿桂尼様と一緒に暮らすことになった。

 

 武田によって運命を狂わされた孫娘を寿桂尼様は優しく迎え入れ、共に仏門に入っている為話も合うらしく、穏やかな生活を送られていた。

 

 とりあえず武田によって埋没していた爆弾を処理していると、春になり畑に作物が植えられる時期となるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 モー

 

「おーよしよし……」

 

 俺は奥三河で動物達を育てている玉ことウカノミタマと管狐達の牧場に足を運んでいた。

 

 約4年と少しで牧場の規模はだいぶ拡大し、武田が抱えていた忍び衆を雇用して人員を補強し、彼らの食い扶持として機能させていた。

 

「元康様!」

 

「玉、久しぶりだな。手紙や書類で様子は聞いていたが、実際に見て確認したほうが良いと思ってな」

 

「良かった……忘れられているのかと思いましたよ」

 

「誰が忘れるか。一大産業になりうる畜産業をさ」

 

「では案内しますので着いてきてください」

 

 まずは牛を飼育しているエリア。

 

 乳牛の頭数も増えて、規模は小さいが牛乳を使ったチーズやバターの製造に挑戦しているとのこと。

 

 市場には蘇と言って薬の一種として販売し、様子をうかがっているらしく、まだ牛乳は穢れた物であるという意識があるため、なかなか受け入れられてないのが現状であるとのこと。

 

 ただ労働力として従順な牛は畑仕事のパートナーとして農民や牛飼い達が買っていく事があり、儲けは出ているとのこと。

 

 また牛を潰した際の肉を味噌漬けにし、販売したところ、三河武士達が食べることで滋養がつくと考えたらしく、プチブームになっているとのこと。

 

 俺の食卓にも本当に稀に牛肉の味噌漬けが並ぶ事があり、生産していたのは知っていたが、現場をみることで色々考えさせられた。

 

「現在乳牛が50頭、労力として販売用の牛が100頭、食肉用の牛が150頭飼育され、雌は繁殖に回し、雄の一部は去勢して食肉用に回し、体格の良い一部を種牛として広めている次第で……」

 

「もう少し頭数を増やすことはできないか?」

 

「ここらの牧場ではあと数百頭増やすのが限界なので、従業員の教育が完了次第、信濃や遠江、駿河に場所さえ用意してくだされば、移す準備は進めておきます」

 

 次に豚を繁殖している施設を確認する。

 

「豚は猪の一種として見られているので、この時代の人達にもすんなり食す文化が根づきつつあります。恐らく浜松でも豚を売り買いする商人がいるでしょう」

 

 確かに豚屋という商人が出現し、浜松城下で豚肉を販売する者が現れていた。

 

 なんなら豚の皮を使った革屋と提携して商売の幅を広めていたりする。

 

「とりあえず豚の腸を使ったソーセージやハムの開発は済んでいるので、保存食としての需要を賄いつつ、肉需要も増えているのでね。鶏肉と並ぶ肉の2大巨頭ですよ」

 

 それだけ豚が領民から受け入れられているらしい。

 

 大量に収穫することのできるトウモロコシや粟や稗などの緊急時の食料として栽培している雑穀類を安く買い取って飼料として使われていた。

 

 豚だけでなく、牛や鶏など、飼料を食べる動物にはこれらが与えられて肥え太らされていた。

 

 豚は半年で出荷サイズになるのも良い点である。

 

 同じくらいのスピードで出荷される鶏もそうである。

 

 養鶏場には鶏が沢山飼育されており、新鮮な卵と肉、それに羽を供給していた。

 

 羽の使い道は肥料であったり、断熱材の材料として使い、壁の間に敷き詰めることで保温性を高める効果がある。

 

 肥料としても米ぬかと籾殻、酵母を混ぜることで優秀な肥料となるのである。

 

 鶏を食べることの忌避感は三河では俺が積極的に食べることを推奨していたため、徐々に薄まり、遠江や駿河でも食卓に並ぶようになっていた。

 

 やはり鶏は飼育のしやすさや、安定して卵を産むこと、そして飛ばない為管理が楽という家畜として完成されているのが大きい。

 

 養鶏場はポツポツ各地で作られており、ここだけでは無いため、あまり見どころは無い。

 

 馬やロバ、ラクダは荷駄を運ぶ動物として繁殖されており、それぞれ粗食でもある程度耐えるし、ロバは山道でも平然と物を運べ、ラクダは驚異のスタミナを有しているので馬との住み分けができていた。

 

 なのでこれらも商人達が買っていく。

 

 羊は羊毛を取るためがメインで、食肉の用途としてはあまり見られてなかった。

 

 ただ木綿より防寒性能が羊毛の方が高いため、蝦夷向けの防寒着を作って、試作品を売りに出していたが、好評で増産をお願いされていた。

 

 上杉謙信公にも贈り物として贈ったら評価は上々。

 

 生産量を増やすために繁殖数も拡大する予定であり、約4年で頭数も50頭まで増えていた。

 

 トナカイは数十頭は飼育しているが、十数頭を蝦夷に贈り、蝦夷で飼育できる家畜として育て方のマニュアルと共に譲った。

 

 アヒル……というか水鳥系は羽毛布団を作るための材料として繁殖され、アルパカは絨毯を作る材料に、問題児のダチョウもなんだかんだ食肉、採卵に羽根は毛ぼうきやインテリア、革も小物には使えるので革バックなどに加工されていた。

 

「こうして巡ると動物園の様にも思えるな」

 

「色々な動物が居ますからね。武士の人達もたまに見学に来る人が居ますよ」

 

「それ、他国の間者じゃないよな?」

 

「ちゃんと元忍びの方たちが選別してるんで大丈夫ですよ」

 

「それならいいが……」

 

 その後、見学ついでにダチョウの卵を使った料理を堪能し、玉や管狐達、他従業員達にも激励の言葉をかけて、さらなる規模拡大を命令するのだった。

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