ガチャ狂い徳川家康   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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対北条戦略

 俺はここらで中途半端に整備されていた駅伝制をより実用的にするための改善策を発表した。

 

 領国が広くなったため、中央(浜松城)に情報を素早く伝達する必要があった。

 

 現在の駅伝制はあくまで街道に宿場を整備するに留まっていたが、馬の数も増えてきていたので、宿場に馬小屋を設けて、一定距離で馬を乗り換えながら情報伝達ができる本来の意味での駅伝制を開始することにした。

 

 モンゴル帝国でもこの駅伝制により素早い情報伝達を可能にして巨大な帝国を作った実績があるので、規模を小さくして実行。

 

 街道の舗装も合わさり、浜松から三河の端、及び駿河の端まではおおよそ1日、信濃の北部に向かうまではおよそ3日で行き来することが可能になった。

 

 どうしても信濃は山が多い地形をしているし、難所もあるため時間がかかってしまうが、こればっかりは仕方がない。

 

 それに鉄の生産量が増えて、旋盤などによる加工ができるようになったことで車輪も鉄製のリアカーが開発されるに至る。

 

 これにより輸送力が格段に上がり、今まで今川領内で用いられていた大八車の欠点であった重心が高く、車輪が左右独立していないため、左右の旋回に難があったものが、リアカーになったことで独立し、長い車軸を用いなくても、鉄製により車軸を短縮し強度が担保されたため、重心が低くなり、転倒率も低くなった。

 

 お陰で積載量も多くなり、左右の車輪が独自に動くため振動も大八車に比べたら軽減され、旋回も容易になっていた。

 

 まぁゴムが入手できないのでこれ以上の振動軽減は難しいのだが……。

 

「ゴムの木も一応ガチャで手に入れているから生産してみるか? ただ強風と寒さ、乾燥に弱いから四国の瀬戸内海近くで育てるほうがまだ適しているんだけどな……今川領内だと設楽原の湿地周辺は年中湿気っていて、丘や山が多いから風の通りも悪いし……実験的な栽培をしてみるか? 成功したら儲けもんとして……ダメなら四国に友好勢力ができた際に試してみるか」

 

 とりあえずゴムの生産ができないか試すのであった。

 

 

 

 

 

 

 北条が今川領近くの城の補修を開始した。

 

 これが意味することは北条が今川を信用していませんよということに他ならない。

 

 北条にとって今川が武田を下して肥大化したものの、信濃の領国経営に苦戦していると情報が流れているらしく、あと上杉との関係改善が大いに刺激してしまったらしい。

 

 更に北条と上杉が今度戦闘になった際は仲介役に徹すると中立宣言したことで、今川との同盟を結んでいる旨味が北条にとって無くなり、仲の良い氏真様と早川殿の婚姻解消までには至らなかったが、同盟関係は消滅することになってしまった。

 

 俺的には今川方面の城の強化するくらいだったら上杉方面の城の強化をした方が良いんじゃないかと思ってしまうが……。

 

 この北条との同盟解消により、今川に関東諸侯から貿易協定や同盟のお誘いが連日入ってくることになるが、北条を刺激するほうが不味いのでは当たり障りの無い返答をして濁している。

 

 北条だけでなく関東管領の上杉も絶対に関東問題に介入してくることになるので、せっかく上杉との関係が良好なのに揉めたくは無い。

 

 北条とは将来激突することが今回の同盟破棄で確定したが、今はまだその時では無いと考えている。

 

 今川が軍事行動をできるようになるには信濃再建4カ年計画が完遂してからでないと北条を侵攻できるだけの軍事費の抽出が困難なのである。

 

 というか国家予算の8割を国内投資に向けているので軍事費は抑え気味であるし、信濃を領地に組み込んでも七備の人員をいじってなかったのである。

 

 なので現状の最大動員兵力はようやく今川義元様が生きていた2万5000人まで回復することは出来たが、信濃の人口をまだ動員兵力として見ていない為、4カ国の大名と考えると少ない。

 

 織田家が尾張、美濃、飛騨、北伊勢の3カ国と少しで約130万石の国力で、4万の兵員を動員でき、北条も伊豆、相模、武蔵、上総に上野の半分で約155万石の石高を有していて動員兵力は4万5000から5万ほど。

 

 周りの大名に比べると兵数が少ないことが分かる。

 

 まぁ理由としては織田家みたいに銭侍……傭兵と常備兵に頼る金で雇った兵による兵員の増強が今川家は徹底仕切ることができていなかったり、北条の様に国人衆主体で兵を出す方法は国人衆を大量粛清した今川では出来ないため、現状がいっぱいいっぱいであった。

 

 まぁその分5000丁以上の鉄砲を保有し、戦国随一の火力を保有しているのであるが……。

 

「鞍馬、軍事的な観点で、北条に確実に勝てる兵数はどれくらいだ?」

 

「火力差があるので同数に持ち込むことができれば勝機はあるでしょうが、いかに小田原城を落とすかが鍵になるでしょうな」

 

「小田原城か」

 

 援軍として小田原城に入ったことはあるが、難攻不落の城であり、正攻法で落とすのは不可能に近い。

 

 それこそ大砲を何十門、何百門と用意して砲撃を続けること、海上封鎖を行い補給路を断つこと、関東に広がる他の領地を同時に攻め落とす必要があることなどやるべきことは多い。

 

 上杉と協力してようやく達成できるかどうかというところか? 

 

「関東諸侯は正直要らないんだよなぁ……統治の邪魔でしかないし……」

 

「北条と関東諸侯を同時に敵に回せば10万を超える軍勢になるでしょう。そうなると鉄砲を数万丁用意する必要がありますが、弾薬を支えることができるので?」

 

「うーん、できなくは無いけど時間が掛かるな……北条を倒せるだけの軍事力を手に入れる前に北条は行動を起こすだろうし……そうなると上手く決戦に持ち込んで戦術の差で敵を削る博打を打たないとか」

 

「やれと言われればやれる作戦は考案しますがね」

 

「うむむ……とりあえず北条に対抗して国境沿いの城の防備を固め、岡部達駿河の将に警戒を怠らないようにしてもらうしか無いか……はぁ……今は軍事関連に出費したくないんだけどなぁ」

 

「元康様、今は戦国時代ですよ」

 

「わかってるよ。軍事費ケチって国が滅んだら元も子もないからね。ただ決戦兵器の開発も進めるように天棚や金屋子に伝えておくか……」

 

 こうして対北条戦を考えた軍事計画を考えていくのであった。

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