〜竹千代サイド〜
秋になり多月から夏から秋にかけての作物の収量についての報告書が届いた。
1石150キロ計算として、まず芋類。
じゃがいも約2石
薩摩芋約3石
長芋約1石
かぼちゃ約1石
とうもろこし約1石
そして米が5石ほど収穫することができた。
冬の間はキャベツ、小麦、小松菜、大根、人参を育てていくとのこと。
それに、三吉に頑張ってもらって田畑を拡張し、来年はさらなる収穫量になるように頑張るとも伝えられた。
現状村の村民の人数は20人程度だが、今後も孤児や流民を吸収して人口を増やしていくように指示を出しているので、村の規模は拡大していくだろう。
俺の方は相変わらず鞍馬からのシゴキに耐える日々を送っているが、最近は判例についても調べるようになっていた。
この時代領民のいざこざを仲裁するのが領主の役目であり、特に水の争いや利権争い等、揉め事は多岐に渡る。
細かい揉め事は家臣達でも対処できるが、村同士での争い等の大事になると責任者である松平家が判事を決めなければならない。
そのために過去の判例を調べたのだが……まぁその時の領主の気分であったり、家臣の影響力の強さだったりで判事が捻じ曲げられてしまっていることが多数。
特に強権を発動することが家臣とのパワーバランス的に出来ない親父こと松平広忠は家臣達の顔色を伺いながらなぁなぁの判決をすることが多く、これでは松平の家中権力は何時までたっても纏められない。
参考資料として鞍馬に取り寄せさせた今川家の分国法である今川仮名目録を参考に思案してみることにした。
「問題は守護使不入の権利か……」
今川家は家中の中央集権をいち早く成功した家で、それは元々足利一門と言う格が高かった家柄故に、権威をバックに家内の改革をいち早く進めることができた。
それこそ家中を真っ二つに割る兄弟間の内紛を糧に、いち早く守護大名から戦国大名に脱皮したのである。
今川義元……東海一の弓取りと呼ばれる戦上手にして内政面でも実績を持ち、家中分裂の際にも有能な者をいち早く集め、軍師である太原雪斎と義元の母である寿桂尼という支柱を固めることで兄弟喧嘩を勝ち抜き、遠江を支配。
そして三河にも影響力を広げる化け物である。
そんな彼の躍進を支えるのが今川仮名目録という法令であり、家臣統制の原則や揉め事への罰則が明瞭に記載されている。
これにより今川家は今川義元を頂点としたトップダウン式の命令系統を確立し、素早い行動を行えるようになっていたのである。
それぞれの国人衆がバラバラに動いている三河とは段違いである。
そんな彼は権力と武力を背景に寺社勢力への守護使不入という特権を没収することができていたのである。
三河ではこれが大問題になっており、過去に与えられた守護使不入の権利を拡大解釈され、三河の勢力が分裂したり弱体化した際に寺社勢力はそれぞれの勢力に肩入れし、権限を拡大していった結果、三河の国力の約4分の1割を保有するほどの勢力に成長。
三河の国人勢力が束にならなければ勝てないほど強大になってしまったのである。
俺としては寺社勢力の権利を取り上げたいが、それには力が必要。
それに松平単独では絶対に勝てないので、今川を三河に引き込んで寺社勢力を弱体化させた上で、武力を持って取り除くという史実を行った徳川家康の強かさよ……何処から図面を引いていか分からないが、並の将に出来ることではない。
それを将来俺がやらないといけないと考えると不安しかない。
その為にはガチャで人材を当てて、裏切らない者を増やしていくのが一番良いが……。
それに多月達に言っていたが、作物を作るのを俺が指示したことにして、民衆からの人気を獲得する必要もある。
民の事を思ってくれる指導者に民衆はついていきたくなるもので、現在はそれが一向宗に流れてしまっている。
これを少しでも松平家に向けてくれれば、三河統治がやりやすくなるだろう。
そして1年半が経過して、俺は5歳……数え年で6歳となった。
年号だと天文16年、西暦計算で1547年になる。
俺の記憶が確かならこの年に今川に人質に送られ、その過程で裏切り者が出て織田に連れ去られるという形になるはずである。
俺的には、その時に信長と縁を結べれば将来今川から独立しつつ、西の防壁になることができれば幸い……というより、安全保障上絶対に必要である。
何が悲しくて最強織田軍に戦いを挑まなければならないのか……。
そうそう、ガチャの方も絶好調で誕生日記念の確率アップガチャを600連引いたところ、初めて確率以上のURの枚数を確保することができた。
その数何と9枚!
まぁそれまでの1年間、1枚も出なかった為に揺り戻しと言えばそうであるが……。
これで手持ちのURの枚数は42枚。
順調に増えていっている。
あと分かったことであるが、作物や物品関係は和洋中問わず出てくるのであるが、URの人材は日本関連の人物に留まっているっぽい。
日本の英雄、日本の神様、日本の妖怪……なお妖怪に至っては江戸時代発祥の少し未来の妖怪も排出されている。
まぁだからなんだと言う話ではあるが……。
戦国時代に異国の人間が居たら流石に浮くからね。
え? 妖怪も十分浮くだろうって?
人間に化けているから良いの良いの。
さてさて、5歳になったことだしステータスの確認といこうじゃありませんか!
鑑定!
【松平竹千代】
統率 40(年齢制限)
武力 30(年齢制限)
知略 40(年齢制限)
政務 50(年齢制限)
魅力 89
器用 50(年齢制限)
能力
・強鑑定・ガチャ・前世の記憶
特性
・毒耐性・健康長寿・鍛錬巧者・教え巧者・覚え巧者・早足・京八流剣術・京八流兵術・産業振興・士気高揚・灌漑整備
色々増えたので説明していこうと思うが、色々鑑定を繰り返していたら鑑定能力が更に強化されて一度見た他人や物のステータスを記憶出来る様になったし、動物についてもステータスの詳細をみることが出来る様になった。
つまりエクセルみたいに一度見た相手を記録し、管理することができるし、物については一度鑑定してしまえば百科事典に登録されるみたいな感じである。
なので無数の家臣の名前を間違えることも無いし、料理なんかを一度作れば頭の中にレシピを刻む事ができるので、忘れる前に急いで書き写していたのが、ゆっくりやることができる。
そして何より、動物のステータスが見れるというのが強い。
今までは馬を見ても
【馬】
〈古くから人間と生活を共にする家畜〉
〈騎乗し、人を運んだり物を運んだり、農業に従事したりして活用される〉
〈加工品として馬肉、革製品、馬油、尻尾の毛を筆等〉
と書かれていたが、今では
【馬(隼号)】
馬体 20
力 45
体力 60
速さ 31
賢さ 52
従順 85
子だし15
見たいな個別のステータスをみることが出来る様になった。
馬だけでなく牛なんかも見れる。
つまりどういうことかと言うとダビ◯タができるということ。
しかもご丁寧にガチャのRやSRランクから家畜用のステータス向上カードが出るようになりドーピングが可能。
馬体はどれだけ大きな馬になるかで、うちで飼われている隼号は体高147センチ未満……というより140センチあるか無いかなので小型種……ポニーと呼ばれる品種なので馬体が20になっている。
馬体について詳しく鑑定すると140センチ未満200キロ未満が20。
サラブレッドくらいの体高160センチ、馬体重500キロが50。
ばんえい競走に出てくるばん馬(大型種)は体高170センチから180センチ、馬体重800キロで90となるらしい。
子だしについては馬体以外のステータスをどれだけ引き継ぐもしくは上げるかに繋がっており、父親50、母親50でそれぞれ平均的に引き継がれるとなり、隼号みたいに15だと子供の能力は下がって引き継がれたり、そもそも子供が生まれにくいという欠点持ちのどちらかである。
50を超えてくると能力を底上げして引き継がれるとなるらしい。
子だしは20歳をピークに徐々に下がっていくとも書かれていた。
まぁ生き物だから老齢だと子供の体が弱くなったりするってことだろう。
話を俺のステータスに戻して、特性が色々進化しているのが分かる。
特性カードを重ねがけしたら特性が進化したのである。
例えば健康長寿……これは病気になりにくいという効果があったが、長寿が付いた事で外敵要因が無ければ70歳以上長生きできるという特性で、70歳以上生きた徳川家康にぴったりの特性だ。
史実以上に長生きしてやる。
巧者が付いた3つの特性はそれぞれ倍率が50%アップから100%アップに変わっている。
これも特性がダブっていたので重ねがけしたら通ったのである。
京八流剣術と兵術については鞍馬が教え込んだ為に付いた特性であり、剣術は剣を持っている際、武力を10上げると言う効果が付き、京八流兵術は戦時、統率と知略が10上がるというありがたい効果を持っていた。
産業振興は領主以上の身分の時、領地を繁栄させやすくするというふんわりとした効果、士気高揚は戦時、率いている兵の武力をそれぞれ10上げ、各種仕事の効率を上げるという効果、灌漑整備は領地の灌漑整備を進めやすくし、新田開発や水害の被害軽減をすることができるという特性になっていた。
灌漑整備は特にどの様に使えば良いか分からなかったが、カードを使ったら特性が身に付いたので覚えてみたら、川を見た瞬間にここをどの様に治水工事をすればどれくらい田畑を広げられて、水害の被害をこれぐらい軽減することができるだろうなというのが知識と感覚両面でわかるのである。
領地開発するのにこれほど便利な能力は無いだろう。
そうなると仕事効率を上げる士気高揚とシナジーが生まれてくるだろうし……。
文武両道の万能型になりつつあるが、やることは領地を発展させて優秀な将兵を揃え国力で殴る。
戦略ストラテジーゲームの王道戦術であるが、これで勝っていくしか無いと思う。
まぁその為にはある程度の国力を育む為の内政タイムが必要な訳で……。
「安全保障を担保してくれる勢力が欲しい」
これに尽きるのであった。