〔1〕
Side Chino
「はい、香です。よろしくお願いします」
「お姉ちゃんの桂梨です!」
「今回は玉座戦第二局、伯方名人VS春生玉座の対局を解説致します」
「よろしくね!」
カオリのチャンネルにケイリが現れてから、更にチャンネル登録者数が伸びた。理由としては私が見えていなかった手筋の解説が出来たり、私の聞き手のようなことが出来るようになったからだ。
「今回の形勢が決定的に伯方名人に傾いたのは83手目の7四馬ですね。この手で相手の防御陣が崩壊する決定的な一撃になり、春生玉座の防御の手も虚しく95手にて春生玉座が投了しました」
「ちなみに春生玉座側にも逆転の一手があって、76手目に4八銀と指して伯方名人に迫ることで、伯方名人に攻撃させない状況を作りだすことが出来たんだよね」
こんな感じのココアさんの注釈があることで、動画の可能性が広がっていく。
「今回はここまで、高評価、チャンネル登録、コメント等よろしくお願い致します」
「次の動画もよろしくお願いしますっ!」
私は収録を終わらせ、編集を始める。
「何度も言ってますけど、編集まで見届けなくて良いんですよ?」
「妹のしていることをお姉ちゃんは見ていたいだけだよ?」
「......そう、ですか」
姉としてはまぁ、認めても良いのかもしれない。
Side Out
〔2〕
Side Cocoa
ある日の○○高校。私たちは文化祭の喫茶店の準備をしている。
「ん〜......この設計図の配置じゃ風水的に良くないわね......」
「そうなの!?」
「気の流れはこっちから来ているから、遮らない方が良いわ」
今はとあるクラスメイトが、風水を使って配置を決めている。
「難しいのね......」
「大丈夫!修正は私に任せて!」
「でも......」
「私の居候先が大工さんだから、大工道具は任せろ〜」
「千夜は1人で色々抱え込み過ぎ」
「みんな......」
「遠慮せずに仕事を投げ付けるのも社長だよ?」
協力してくれるクラスメイトたちに、千夜ちゃんが笑顔になった。
「素晴らしい社員たちに恵まれて幸せ!」
「いつ社員になった!?」
そこに、クラスメイトの2人が走って戻って来た。
「社長!あのブドウジュースの店とC組が組むらしいって!」
『えっ!?』
「ええ!? あそこのジュース狙ってたのに!」
「他のクラスも人気店と協力してるって!」
「このままじゃ没個性の店になっちゃう!」
「それなら、内装の個性で勝負ね」
「あぁ!お嬢様学校から備品とか借りるのはどうかな!」
「ナイスココア!」
「よし!クラス代表として委員長!行って来てくれ!」
しかし、委員長は固まってしまっている。
「あの高校第一志望だったんだよねぇ......」
「委員長?」
「では、社長と副社長が行くわ!」
「副社長?」
「待って!あの学校は油断した瞬間、ごきげんよう症候群になるって聞いた事が!」
「絡まれたらメンチ切るわ!」
「切るぅよ?」
「無理すんな」
「委員長の仇、取って来るわ〜!」
「ウチの高校の実力見せてやれー!」
「借りに行くんじゃ......?」
「「うおぉぉぉぉぉ!」」
Side Out
そして今に至る。何だったんだ今の。
「と言う訳で、リゼちゃんとシャロちゃんの高校に来たの」
「備品を借りるためだけに来たの......?」
「これ、全部借りたんですか?」
「そう!勝ち取って得た戦利品よ?」
「胸を張ってクラスに凱旋出来るね!」
「社員たちもきっと喜ぶわ〜」
「社員たちって......」
「賑やかそうなクラスですね」
「というか、一度更衣室にいったはずなのに、なんで学園の制服を着たままなのさ?」
「みんなに見せたくて!」
「社員たちもきっと驚くわ〜」
「えっ?もしかして今から戻るんですか?」
「文化祭の準備をしなくちゃならないからね」
「僕も一応戻らないとね」
「は、はい。頑張って下さい」
「「ごきげんよう〜」」
「ご、ごきげんよう......です......」
「ごきげんよう症候群に感染しちゃったね......」
夕方。○○高校にて。
「みんな、戻ったよ」
『師匠!お疲れ様です!』
「さぁ、囲碁将棋部の方々も協力してもらえることだし、張り切って棋力を上げていきましょう!」
『はい!師匠!』
その後も僕は弟子たちの育成に力を入れた。現時点で最低ラインがアマ4級になり、最上位はアマ1級クラスにまで成長した。
「今日はここまで!これからも鍛えていくから復習を忘れないように!」
『ありがとうございました!師匠!』
僕は身支度を整え、教室を後にする。その後、僕とココアと千夜が廊下を歩く。
「さっきのココアちゃん可愛かったわ」
「千夜ちゃんだってさっきの不安吹き飛んでる」
「?」
「これなら甘兎庵社長として、立派に頑張れるよ!」
「......ココアちゃんだって頼もしいわよ?だって、楽しいのはココアちゃんがてくれるからだもの!ココアちゃん!」
「千夜ちゃん!」
ココアと千夜は手を繋いだ。
「「えへへ〜」」
「何があったかは分からないけど、良かったね」
「よぉーし!残りの準備も頑張ろう!」
「うん!」
「「おぉぉぉ!」」
「頑張れ!」
「その前にレイちゃんニウム吸収させて!」
「私にもレイくんニウム頂戴〜」
「なんでさ」
何故か僕は2人に抱きしめられた。レイニウムって何さ?月日は経ち、ある日のラビットハウス。
「いよいよ明日だね!」
「えぇ!準備は万端!クラスが1つになったって感じがしたわ!」
「僕のところも楽しみにしててね?」
「むぅー」
「楽しそうだな......」
対照的にリゼとシャロはムッとなってしまっている。
「どうして頬っぺ膨らませてるの?」
「えっ!? そんな顔してたか!?」
「シャロちゃんも、前から様子が変よ?」
「べ、別におかしくなんか!」
「青山さん、解析をお願いします」
「ほにゃ!? 青山先生!?」
いつの間に!?
「お三方の学校生活の別の顔に、寂しさと嫉妬をしてますね」
「「嘘ーーー!?」」
「あはは......」
「うへへへへ〜」
「な、何だよ......!」
ココアは1枚の封筒をリゼに差し出した。
「これ!文化祭の招待状!」
「た、楽しみにしてる......」
「私たちね、シャロちゃんたちにも楽しんでもらいたいから頑張ってたのよ?」
千夜は招待状をシャロに差し出した。
「あ、ありがとう......」
「そして......チノちゃん!」
「......ありがとうございます!」
「期待しててね!」
ジョッキを持ってココアは千夜と乾杯。
「私たちの!」
「ビヤホール!」
「「「えっ!?」」」
「えぇ......?」
翌日。遂に○○高校の文化祭が開催。多くの生徒たちやお客さま方で賑わっている。僕がみんなを先導している。
「ようこそ、○○高校へ」
「わぁ......!ここが......お兄ちゃんの高校......!」
「へぇ〜ウチの高校とは違うノリですね〜」
「あぁ!盛り上がっているな!」
「テントと出店がいっぱいだ〜!」
「行こう!」
「あっ!待って下さい!」
チマメ隊が走って行く。
「おーい!はしゃいでハメ外すなよー!」
「クスッ。レイ、先輩、私たちも行きましょ?」
「最初の方は僕も暇だから大丈夫だよ」
多くのお店がいっぱいある。
「へぇ〜!本格的だなぁ〜!」
「見て見て!」
「「「ん?」」」
「泡のヒゲ〜」
2人がなんとビールを飲んでしまっている。
「おい未成年ーーー!」
「何やってるのさぁぁぁ!?」
「リンゴジュースだよ〜!」
「えっ!? あぁ、そうなのか......」
「ビール風にしてあるのね」
「あのお店で売ってたの!あっ!ティッピーがいる〜!」
「「「「ん?うわあっ!?」」」」
「フォッフォッフォッ」
巨大なティッピーを被ったディアンドル姿の謎の存在がこっちへ向かって来てる。あれ?なんかデジャヴ......。
「ま、まさか......ココアか千夜......?」
その存在がチノの方に顔を向けた。
「......!」
「っ!〜〜〜〜〜」
「......一体何を......」
「ヒゲチノちゃんだあぁぁぁぁぁ!」
「ほにゃあああああぁぁぁぁぁ!」
「ウワアアアアアァァァァァ!」
謎の存在はとんでもない声を荒げながら、僕がお姫様抱っこしながら逃げるチノを追う。
「待って待ってレイちゃん!チノちゃん!私だよ!ティッピー帽子作るって言ったでしょ!?」
「っ!この声!」
「まさか!」
チノを降ろし、止まってその存在を見る。ティッピーの被り物を外すと、ココアの顔が出て来た。
「ココア!君ってやつは!」
「ココアさん!それは帽子じゃなくて被り物です!」
「化け物じゃ!」
貴方が言いますか?マスター。
「みんなをウチのクラスにご案内〜!」
「教室でビヤホールって聞いたけど」
「ラビットハウスのバータイムみたいな感じ☆」
......なるほど?
〔3〕
校舎内。ココア達の教室の前に来た。うさぎのオブジェがあった。
「ヒィッ!」
「大丈夫。僕が付いてる」
「レイ......!」
「ここだよ〜!6名さま、ご到着〜!」
入ると、内装が本格的なバータイムみたいになっていた。
「う、うちより凄い!」
「タカヒロさんが見たら驚愕しそうだね......」
「いらっしゃいませ〜!オーナーの千夜です!」
「「いらっしゃいましたー!」」
「テーマはオクトーバーフェスト?」
「そう!」
「「オクトーバーフェスト?」」
「ドイツで開催されるビール祭りのことだよ」
「なんちゃってビール祭りを楽しみましょ?」
「「おぉぉぉ!」」
「早速常連になりたいって言う作家さんもいるのよ」
「この文化祭の活気で、執筆活動が捗ります!」
「青山先生に真手さん!?」
「仕事しちゃってる!?」
「編集者さんも応援に来たの」
「明日が締め切りー!青山先生ファイトォ!」
「修羅場の応援なんだけど!?」
「リンゴジュースで酔ってないか!?」
「雰囲気で酔う人なのよね〜」
僕の周りは個性的な人が多いなぁ......。
「そこの貴女!」
そこにあんずさんがタロットカードを持って現れた。
「タロットで出たんだけど、レイくんとココアの下宿先のチノちゃんね?」
「じ、自慢の兄とダメ姉がお世話になってます!」
「事実上の兄です、どうも」
「ファー!い、今の聞いた!? 姉だってー!」
「ダメは良いの?」
「良いみたい〜」
「ん?」
「良かった......思ってたより普通の人たちだ......」
「警戒態勢解除!」
そこに、マイさんたちが顔を出した。
「何でしょう?」
「あっ!よく分からないが!敵の素性が曖昧なまま警戒を解くんじゃない!」
「「「イ、イエッサー!」」」
「サー!」
「リゼ......?何やってんの......?」
「早くも軍曹に!?」
席に座って待っていると。
「お待たせ〜!」
僕たち6人分のリンゴジュースが来た。
「凄いな!重くないのか?」
「大工手伝ってるし」
「きっと先輩も出来ますよ!」
「リゼちゃんも強そうだね!カノと腕相撲勝負どう?」
「「ん?」」
何故かリゼとカノさんが腕相撲勝負することになった。
「それじゃあ準備は良いかな?」
「いつでもOKだ!」
「負けないよ!」
「あぁ!」
「レディー......ゴー!」
そして、勝利の栄光を手にしたのは———
「勝ったぁぁぁぁぁ!」
リゼだった。
「......」
リゼは負けたカノさんに手を伸ばす。
「......フッ」
友情の絆が芽生えた。
「リゼー!シャロー!衣装体験出来るってー!」
チマメ隊がディアンドル姿で登場。
「可愛いよみんな!」
「先輩!着てみませんか!?」
「わ、私はいい......」
「僕、リゼとシャロの可愛い姿見たいな」
「いや、私は流石に......」
2人は試着してみる。
「「おぉー!」」
「最高に可愛いよ!」
「レイちゃん......私は......?」
「ココアも可愛いよ!」
「やったぁ!それじゃあレイちゃんも着ようね!」
「......え?」
周りは完全に僕に着せる気MAXの状況。あっ、これ逃げられないやつだ。
「......負けました」
「何にですか!」
仕方なく僕もディアンドル姿に変身する。
『可愛い〜!』
「何あれ天使かしら!」
「いいえ、あれは女神よ!」
『成る程〜!』
「「「「......」」」」
千夜は一体何を言っているんだ。それとココア、チノ、リゼ、シャロ、無言でシャッターを押すな!そして連写するな!
「よし!そのまま働いても違和感無いな!」
「「「えっ!?」」」
「部活の出し物と時間被っちゃって!すぐ戻るから!」
4, 5人程そのまま行ってしまった。
「「身代わり!?」」
「僕にもやることあるんだが!?」
「ちょっとしたスケジュールミスで......」
「うん......ウチのクラス流ジョークだよ......」
「何してんの!?」
「顔が青いぞ......」
「凄く震えてるし......」
「全く......」
仕方なく僕とリゼとシャロは働く事に。
「ほら!注文取って来るから!」
「想定内の事態だ!」
「代金はこれで良いんでしょ?」
「3人とも......!」
「頼もしい......!」
「チマメ隊も出動するよ!」
「プレッツェル美味しい〜♡」
「食べるか手伝うかどっちかにしろー!」
「ずっと座ってたら鈍ってしまうので」
「酔いも覚めてきました」
「ここは誰がお客さまで誰が店員なんですかねぇ!?」
「外回りって誰が行ってる?」
「あぁ!忘れてた!あ、あれ!? ティッピーの被り物何処に......?」
「あそこー」
「ん?」
なんとチノがティッピーを被っていた。
「ティッピー on ティッピー!?」
「チノ!? どうしてそうなったの!?」
「悪戯でチノに被せたら人気者になっちゃった〜!」
「わーお、さすが僕の妹」
「ガクッ!私のときはみんな逃げたのに......」
ココアの場合はやり方に問題があったと思う。
「ばいばーい!」
「このまま宣伝して来ても良い?」
「でも、そこまでさせる訳には......」
「いえ。みなさんがお店を盛り上げたい気持ち、凄く分かります!」
「チノ......!」
「だから......やらせてください!本物の喫茶店の孫娘として!」
「「「「チノさん!」」」」
「頼もしいよチノ!」
みんなで店を手伝う事に。
「すみませーん!向こうのテーブルの注文お願いしまーす!」
「お待たせしましたー。泡の不思議なジュースです」
「ジュース2個追加でーす!」
「ご注文のジュース8つお持ちしましたー!」
「お会計2,000円になります」
そこにココアと千夜のクラスメイトたちが戻って来た。
「オールスタッフ交代!」
「後は任せて!」
「ありがとう。もう大丈夫よ」
「はーい!早速チノちゃんと合流して———」
「ちょっと待ったー!手伝ってくれたお礼に、ここの制服で出歩いてみない?」
「ええ!?」
「そんな!悪いわ!」
「代わりに!今度そちらのお嬢様高校の制服着させて欲しい!」
「それが目的か委員長!」
マイさん......相当思い残りがあったんだな......。
「レイくんも女子制服着ましょ!」
「What?」
そして僕とリゼとシャロが、この高校の女子制服を着て出て来た。
「千夜たち、素敵な友達を持っててちょっと安心しました」
「そうだな」
「なんで僕まで......」
「「似合ってるぞ(わよ)!」」
「だから嫌なんだけど」
「レイちゃん!リゼちゃん!シャロちゃん!」
「「「ん?」」」
「じゃあ、まず最初に何処から回ろうか?」
「他のクラスの出し物、偵察して良いかしら?」
「じゃあ最初は僕のクラスかな?」
「「「「賛成!」」」」
最初に僕の将棋教室から通うことになった。
「みんな、お疲れ様」
『師匠!お疲れ様です!女子制服姿も似合ってます!』
一言余計です。
「幅広い世代にウケが良いんだな!」
リゼの言う通り、この出し物は小学生からご老人まで、幅広い層にウケが良く、対局料を払って一局指すというシステムになっている。強さに応じて対局料が高くなり、裏メニューの僕との対局は1万円になっている。みんなの強さは下がアマ3級、上がアマ初段にまで成長した。
「伯方名人対局入りました!」
「おっと、僕との対局が入ったみたいだ。みんなは自由に対局しててね」
「「「「はーい!」」」」
僕に挑戦状を叩きつけたのは推定中学生の紺色の前下がりショートボブの少女。どこかチノを想起させるような少女だ。
「駒落ちはどうしますか?」
「......平手でお願いします」
「分かりました。持ち時間は10分、秒読みは30秒でいきましょう。先手はお譲りします。それでは———」
「「お願いします」」
戦型は相矢倉で進んでいく。この少女は中々強い。プロを視野に入れたら間違いなく大成するであろう強さだ。現時点でアマ五段相当の実力を有している。序盤の理解はしっかりとしており、中盤の難解な局面にもしっかりと対応出来ている。しかし———
「あぁ......!」
「......」
問題はその中盤力だ。アマでは上等でもプロからしたらまだ甘い。それでもアマチュアということを考えれば十分だし、奨励会入りも夢では無いだろう。
「......まだ」
「......?」
「......まだいける!」
僕は彼女の終盤力に目を見張った。攻撃も防御もプロに匹敵する実力を既に有していると言っても過言では無かった。この終盤力は彼女の天性のモノだろう。しかし———
「......ありません。負けました」
「ありがとうございました」
中盤がボロボロだった影響もあり、少女は投了。中々良い対局が出来た。僕は心の底から満足していた。
「君、名前は?」
「......フユ......
「中々手強かったよ。奨励会員を相手にしていると思った」
「......!名人にそう言ってもらえて光栄......」
「また会えることがあったらまた指そうね」
「......うん!」
フユちゃんは嬉しそうに教室を後にする。
『負けました』
『ありがとうございました』
ココアたちもどうやら対局が終わったらしい。
「楽しかったー!」
「良い将棋が指せた!」
「囲碁将棋部の部長中々手強かったわ〜」
「アマ初段の人結構強かったわ......」
「楽しめたようだね。それじゃあ僕は服を戻して———」
「「「「それはダメ(だ)(よ)」」」」
「そろそろ僕への女装行為が異常だってことに気づいてほしいんだよね」
次に演劇部の出し物、怪盗ラパンの舞台。甘味処にてお団子とお茶を堪能。軽音部のライブ。これらを回り終えて、ベンチでソフトクリームを食べる。
「美味しい〜♡」
「幸せ〜♡」
「満喫してるわね」
「偵察はどうした?」
「偵察って言いたかっただけじゃない?」
「私たちが2人のクラスメイトだったら大変そうですね......」
「クラスメイトかぁ......私は1つ年上だけど......」
「でも、誕生日が1ヶ月と少し遅かったら、リゼ先輩と同級生ですし。変わらないですよ!」
「そうか......変わらないかぁ。変わらないのに先輩呼びか〜」
「あっ!リ......リゼ......さん......」
「あはははは!」
「も......もっとフレンドリーに......リ......ゼ......ちゃん......?」
「ん〜?」
「ま、まさか呼び捨て!? リ......リ......リ......」
考え過ぎてパンク寸前になるシャロ。
「無理するな!」
「リゼー、シャロで遊ぶなー」
Side Chino
時は経ち夕方。○○高校の文化祭が終わった。
「チノちゃん、ティッピー被ったら積極的だったね〜」
「ビールで酔ってたんです!」
「あはは!あれジュースじゃ〜ん!」
私は立ち止まった。
「チノ?」
「どうしたの?」
「......文化祭の雰囲気、とても気に入りました。色んな人がいて、ワクワクして、きっと楽しく過ごせるだろうって」
そう思っている私に、マヤさんとメグさんが抱き付いた。
「レイ兄と一緒が良いのか〜!」
「そんなにレイ兄が好きか〜!なんてね〜」
「でも、チノ1人で大丈夫?」
「だ、大丈夫です!」
「本当〜?」
「子どもじゃないんですから!......私、決めました!」
Side Out
Side Cocoa
○○高校。私と千夜ちゃんが文化祭の後片付けをしている。
「夢みたいな時間だったねぇ〜」
「まだフワフワしてるわ......」
「そうだ!チノちゃんから貰った今日の記念!」
チノちゃんから貰った封筒。
「開けてみましょ?」
封筒を開けると。
「「あ!」」
「顔が緩んでるわ」
「私たち、同じ学校だったらこんな感じだったかな?」
「おーい!実行委員長!副委員長ー!」
「打ち上げ始めちゃうぞー!」
「はーい!」
「すぐに掃除道具片付けてくるー!」
封筒を置いて、箒を片付けに行く。チノちゃんから貰ったのは———文化祭を楽しんでいる私たちの素敵な写真だった。
Side Out
夜。僕の部屋。
「お兄ちゃん、参考書貸してください......」
「良いよー」
「ありがとうございます!」
「それで、どう?高校は決まった?」
「はい......あっ!」
チノの目線には、僕が女装したときの女子制服があった。
「似合うかな......?」
制服を持って、電気を点けて鏡を見る。
「カーディガンは何色にしよう?」
僕の部屋に入ってきたココアが興奮した。
「ふぁ〜〜〜〜〜!チノちゃーん!ギューーー!」
「うあっ!ちょっ!痛いです!離れて下さい!ココアさーん!」
「もう離さないよーーー!」
「何してんの?」
「お、お兄ちゃーん!助けて下さーい!」
「あはは......おっけー」
チノはどうやら僕と同じ高校に入るつもりらしい。少し嬉しいかも。
伯方 玲の意外な特技4「指導」
人を教え導く才能がある。特に自分の得意なことになると教える能力が高くなり、その教え方は非常に丁寧で初学者にも理解しやすいものである。
レイの弟子になるのは誰?
-
ココア
-
チノ
-
リゼ
-
千夜
-
シャロ
-
その他
-
誰も取らない