〔1〕
「......」
「「「「「じー......」」」」」
「......えっと」
「「「「「じー......」」」」」
「......何か一言言ってほしいんだけど」
とある日の休日。僕は罰ゲームでチャイナ服(もちろん女性用)を着させられることになった。さっきからいつメンの反応が無い。というより、スリットから見える僕の足を眺めているように感じる———
「「「「「えっちだ(だね)(ね)(です)!」」」」」
「一言目がそれ!?」
あまりにも酷すぎる感想である。
「なんか他に無いの!?」
「いやぁ......似合いすぎているというか......」
「レイちゃん可愛いし......」
「それ以外の感想が出てきませんでした」
「寧ろえっちと思わせるレイが悪いわ!」
泣きたい。そしてココア、チノ、リゼ、シャロ、唐突に僕にカメラを向けて写真を撮り始めるな。
「レイちゃんのおみ足と胸元の露出......これは天国だよ!」
「男の足と胸だよ?」
「お兄ちゃんの体は中性的を通り越して女性的なので需要があります!」
「誰に対して?」
「美少女がチャイナ服を着てるんだから需要ありまくりだろ!」
「ただの男子高校生なんだけど?」
「ハァ......ハァ......」
「シャロはせめて何か言って?」
「はいはい、レイくんが困っているでしょ。撮影会終了」
「「「「えー!」」」」
僕の味方は千夜だけだよ......。
「撮影会代1人1,000円になります♪」
「僕で勝手に商売するな」
「今度はビキニアーマーとか良いと思うの」
「返せよ、僕の意思」
千夜が最後の防波堤だと思っていたのに......。尚後日、本当にビキニアーマーを着ることになったのは別のお話である。
〔2〕
とある朝のラビットハウス。まだぐっすり寝ているココアに僕とチノが起こしに来た。
「ココアさん、朝ですよ」
「んむ〜......」
「起きてココア。一人前になれないよ?」
「んむ〜......」
「全く......仕方ないからアレ、投入しようか」
「はい」
僕たちはあるモノを投入した。
「早く起きなきゃCQCかけちゃうぞ。お姉ちゃん」
お姉ちゃん、と言う言葉を聞いたココアがビクッと反応した。
「どんと来〜い〜」
「そうか。じゃあ遠慮無く!」
「連携技だ!リゼ!」
「一緒にいくぞ、レイ!」
「レイちゃーーーん!? リゼちゃーーーん!?」
起こしに来たのはチノではなくリゼだった。リゼと連携技をココアにキメたその後、僕たち4人で朝食を食べる。タカヒロさんが朝食を作ってくれている。
「リゼちゃん、どうしてウチにいるんだっけ......?」
「おいこら」
「忘れてる......」
「昨日親父と喧嘩して家出したって言っただろう」
「そうだそうだ。夜遅くに来たからお泊まりしていったんだっけ?」
「理由は聞きませんでしたけど、何が原因で喧嘩したんですか?」
「それが気になっていたんだよ」
「......しょ......」
「「「しょ?」」」
「小学校の先生になりたいって言ったら笑われた......」
「小学校の!?」
「先生!?」
「良い夢じゃん」
教師になったリゼか......。
『行くぞお前らー!』
『リゼ先生ー!』
『リゼ先生ー!』
『明日に向かってキックオフ!あははははは!』
教師になったリゼを想像してココアとチノが微笑んだ。
「ほらー!お前たちまで笑う!」
「僕はなれると信じているよ」
「私の味方はレイだけだ......」
僕はリゼの頭を撫でた。リゼの家出の理由は、進路で小学校の先生と話したら父親に笑われて喧嘩になったためである。ラビットハウスのホールで掃除する。リゼはまだ膨れっ面状態。
「ごめんよリゼちゃん......面白くて笑ったんじゃないんだよ......?」
「素敵な夢だと思います!」
「そうだよ。2人とも、リゼの夢が素敵だと思ったから笑顔になったんだよ」
「やっぱり先生なんて向いてないかも知れないな......鬼軍曹先生と呼ばれるのがオチだ......」
「それはそれで慕われてるような......」
「ココア先生に任せなさーい♪」
「ん?ココア先生?」
「リゼちゃんが良い先生になれるように特別授業だよ!」
「特別授業?」
ラビットハウスで日向ぼっこ。
「まずは光合成してリラックスだよ」
「理科の授業も兼ねてる」
「お日様が心地良いね」
パンケーキを作るリゼ。
「生徒の胃袋を掴む者は......」
「生徒の信頼も掴む!」
「やっぱりリゼは料理が上手」
部屋の掃除を、リゼがエプロンを借りて掃除をする。
「子どもはよく散らかすから」
「忍耐力の特訓だ」
「ココア、少しは手伝ってよ......」
何故か昼寝もする。リゼと僕がココアとチノに囲まれてる。
「そしてお昼寝〜」
「お昼寝〜」
「お昼寝〜......ん?」
「お昼寝〜......って待て待て待て!」
「今のは流石におかしいよね!?」
僕は全員の布団をバッと取り上げた。
「ただの甘えん坊ココアだったぞ!」
「お姉ちゃんの座は譲れないけど、先生は譲るよ」
「つまり飽きたんだな」
「いつものか......」
「全くココア先生はダメダメですね。先生は私に交代です」
「こっちはやる気だな!」
「流石チノだね!」
チノがリゼに見せたのは宿題だった。
「さぁリゼさん、この問題を先生に教えて下さい」
「なんでさ!」
「先生と言うより生徒だろ」
「はーい先生ー!出来ましたー!」
「おっ!早いな!」
「褒めて褒めてー!」
リゼはうさぎのハンコを取り出して、ココアの額に押した。
「なになに?」
ココアは鏡で自分の額を見る。
「わぁ!可愛いご褒美〜!」
「冗談のつもりだったんだけど......気に入ったのか?」
「うん!」
「子どもっぽいです」
「あはは......」
「小学生より子どもっぽいです」
「ちょっと羨ましそう!」
「おでこ見せてるね」
しばらくして。
「出来ました!」
「よーし!偉いぞ!」
頑張ったチノの額にスタンプを押した。
「チノちゃんお揃いだね!」
「出来ました!」
「早っ!」
「わーお」
「凄いな!じゃあ手を出せ!」
右手の甲にスタンプを押した。チノはココアに自慢気に見せた。
「くっ......!やるねチノちゃん......!」
「負けず嫌いだなぁ......」
夕方になり。
「出来ました!」
「まだ欲しがるの!?」
「スタンプに貪欲過ぎる!」
「このままだとチノがスタンプ塗れになっちゃう!」
今日の夕食は、ナポリタンとサラダとコンソメスープ。
「「「「頂きまーす!」」」」
「......ん〜!リゼちゃん特製ナポリタン凄くボーノだよ〜!」
そう言いながらチノの頬を突っ突く。
「自分の頬っぺでやって下さい......」
「何してんの?」
「レイはともかく、2人ともサラダも食べろよ」
「はーい!」
「リゼ!このサラダも美味しいよ!リゼは良いお嫁さんになりそうだなぁ......」
「そ、そうか......」
リゼが照れたかのように顔を俯かせる。ココアとチノは僕をジト目で見つめる。なんでさ。
「セロリ......」
「頑張って食べた子には、食後のデザートがあるぞ!」
「デザート!?」
「プリンだ!フルーツを飾ってプリンアラモードにしても良いぞ!」
「プリンアラモード!」
「あらも〜!はい先生!サラダどんぶり1杯分食べるので、プリン2つ下さい!」
「あっ!ココアさんずるいです!私も食べます!」
「どういう状況?僕はもう食べたけどさ」
「プリンは1人1個だ!」
「それはそう」
「ところでレイ......」
「ん?どうしたの?」
「お前は......ココアとチノと一緒に風呂に入ったらしいじゃないか......」
「え"っ」
その後、僕の尊厳はリゼによって破壊された。しばらくして、ココアとチノが入浴によってスタンプが消えたことを嘆き、リゼがスタンプカードを作ることになった。
「ほら!スタンプカード作ったぞ!」
「ありがとうございます!」
「これで私たちの絆は消えないね!」
「重いな......勿論レイの分もあるぞ」
「ありがとう。......なんかやたらポイント多いんだけど基準何?」
「レイの基準は『私が満足したとき』だ」
「何をしたときで、何が結果?」
「でもリゼさんが来てくれた思い出です。勉強も、リゼさんが教えてくれたおかげで捗りました!」
「リゼちゃんはやっぱり先生に向いてるよ!」
「そ、そうかな......?」
「でも、どうして小学校の先生なの?」
「そこなんだよね。中学や高校じゃなくて、なんで小学校教師なのか」
さっきからそこが引っかかっていた。
「小学校を意識したのは、チマメ隊の相手をしたのがキッカケだ」
「ん?」
「教官と教師って似てるもんね!」
「っ!? つまり......私たち......小学生......!?」
「チマメ隊は中学3年生だよ......」
「このスタンプって、勉強の他に何したら増えるの?」
「そうだなぁ......人を喜ばせた数だけ......なんて」
「じゃあリゼちゃんに付けまくれー!」
「なんで!?」
「覚悟して下さい!」
「私は何もしてないぞ!」
「あははっ!」
翌日の○○高校。
「ココアちゃん、さっきの小テストどうだった?レイくんは結果が分かりきってるから聞かないわ」
「なんでさ」
「リゼちゃんに教えて貰ったからバッチリ♪やっぱり認められていく楽しみがあると、頑張れるのかな?」
「どう言うこと?」
「えっへへ〜。じゃーん!これ作って貰ったんだー!いいでしょー!」
ココアはリゼが作ったスタンプカードを見せた。だが———
「あっ!私もリゼちゃんから貰ったわ!」
「被ってる!」
「見覚えがあるなぁ」
千夜は以前のマラソン特訓の時に貰ったスタンプカードを見せた。
「マメちゃんたちも持ってるわよ?」
「何人に手を出してるのリゼちゃん!? もうこうなったら、生徒からの下克上だよ!」
「一緒に天下取りましょーう!」
何する気だよ。
〔3〕
午後のラビットハウスにて。
「こんにちは〜」
「メグさんいらっしゃいませ!」
「メグ、今日は1人なのか?」
「うん!ココアちゃんからラビットハウスで塾を開くって聞いてたんだけど......」
「塾!?」
「何の話!?」
「待ってたわ。理科教師のココア先生よ!秘密の実験始めましょ?」
先生になったココアがそこにいた。
「理科教師!?」
「Yeees!」
「でも、ココアさんの教え方分かり難いですよ」
「What's!?」
「教師役ならここに適任が2人いるのに」
「レイお兄ちゃんは将棋が、リゼさんは私と同じく受験で大変かと思って......」
「心配してくれてありがとう......」
「私は大丈夫なんだけどな......」
そんなリゼの頬をココアがつっついた。
「リゼちゃんったら、生徒取られて拗ねないの」
「拗ねてない!」
「妬かないの」
つっつくココアの腕を力強く掴んだ。
「妬いてない!」
「手が本気!」
「先生同士の確執!」
「あっ、レイちゃんも英語教師よろしく〜」
「えっ?」
なんで?
「ほら、この前のチャイナ服があるじゃん!」
「意味が分からないんだけど」
「お兄ちゃんのチャイナ服姿また見たいです」
「衣装も生徒の意欲向上に繋がるからな!」
「そう言って、ただ単に僕に着せたいだけでしょ」
「「「ひゅ〜ひゅ〜......」」」
おいこら、目を逸らすなラビットハウス3姉妹。
「まぁ......今日は良いよ、特別だからね?」
「「「「やったぁ!」」」」
メグちゃんまで喜ばなくて良い。そして、いつぞやのチャイナ服に着替えた僕。
「え、英語教師のレイ......アル」
「うわぁ!スリットが凄いよその服!レイお兄ちゃん似合ってるよ!」
「嬉しくない......アル」
その後、主に僕の講義でメグちゃんの勉強は捗り、ココアがコーヒーが入ったビーカーを置いた。
「私とレイちゃんに教わって、同じ高校に行きたくなった?」
「私はリゼさんと同じ所に行くから」
「だよね......」
「お母さんの出身校だし」
「それが本当にメグちゃんの意思なの!?」
「そうだよ〜」
「そうなの?」
「授業しろよ......」
メグちゃんの携帯から通知音が鳴る。
「移動教室の時間だ!チノちゃんも来なよ!」
「えっ?」
チノはメグちゃんに連れられ、ある場所に向かった。
Side Chino
移動教室の場所は。
「私が国語教師の千夜先生です!よろしくね!」
「普通に甘兎庵です」
「この問題は、主人公の心情を立場や状況、情景描写から読み取るのよ」
「はい!」
授業開始。
「......」
「チノちゃん、凄い集中力ね......!」
「仕事も勉強も、ちゃんと両立して行きたくて。千夜さんたちは凄いです!私も頑張るんです!」
「チノちゃん......!問題!今の先生の気持ちを考えてみましょう〜♪」
「えっ!?」
「はい!嬉しい!です!」
「正解でーす!」
「もう、2人とも......」
「うふふ。冗談よ。隣の塾も頑張ってるし、気合入れなきゃね!」
「隣の塾?」
「偵察に行ってみる?」
隣の塾はシャロさんの家。
「お勉強中だから静かにね?」
覗いてみると。
「マヤちゃん!?」
先生役はシャロさん。生徒のマヤさんに勉強を教えてあげてる。
「あっ!勝手に覗いてんなよーーー!」
シャロさんは私たち3人を招き入れた。
「慌てる事ないのに〜。一緒に勉強しようよ〜」
「うあぁぁぁ......!」
「何も恥じる事はありません」
「うぅぅぅ......!特待生試験を受けるからちょっとアドバイス貰いに来ただけ!シャロ!黙ってないでフォローしてよー!」
「私達はちょっと手伝ってるだけよ。特待生試験をやり遂げたいけど、あんまり自信が無いから勉強を———」
「やっぱ黙っててーーー!」
シャロさんはマヤさんに物凄い勢いで口止めされた。勉強再開。
「最初から3人で勉強すれば良かったなぁ〜」
「でも、3人でいるとお喋りしたくなっちゃう」
「そうですね」
ベッドの上でマヤさんがワイルドギースを出してゴロゴロする。
「勉強ばっかだと息苦しくなっちゃうもんね〜。ちょっと休憩〜」
「あっ!コラー!ゴロゴロしないの!だらしないわよ!」
シャロさんはジャージ姿で煎餅を持って説教した。
「シャロちゃん、その格好だと説得力ないわ〜」
「この格好の方が家だと気合入るんだもん......」
「一緒に遊ぼうよ〜!」
「せっかく先生がいるんですから、今日は勉強を頑張りましょう」
「そうだよマヤちゃん。そんなことしてると......」
携帯から通知音が鳴る。お兄ちゃんとリゼさんからのメールが来た。
『チマメ隊、勉強が終わり次第温水プールに集合!』
『僕もいるよー♪』
Oh......
「リゼさんとレイお兄ちゃんに喝を入れられるよ!」
「見抜かれてる!?」
Side Out
温水プールにて。
「チマメ隊!」
「「「イエッサー!」」」
「受験には体力が必要だ!」
「「「イエッサー!」」」
「疲れた頭には、糖分が必要だ!」
「「「イエッサー!ん!?」」」
「だから、レイと一緒に差し入れのお菓子を作った」
リゼは懐から僕と一緒に作ったクッキーを出した。
「「「わぁー!」」」
「あっ!わ、私は遠慮します......」
「クッキー、嫌いだったか!?」
「マヤちゃんとチノちゃんが、食べ過ぎると豚になるって言うから......」
「そんなこと言ってないって!」
「だって、さっき太ったって......」
「メグ。2人はメグの成長に嫉妬してるんだ!全く子どもっぽいな!」
「うぅっ!」
「悔しいけどその通りだ!」
「あ、あはは......」
ノーコメントだ。温水プールに浸かるチマメ隊。僕は少し遠い場所で何があっても動けるように、ビーチチェアに腰かけている。
「おっ!チノ!一緒に将棋やろうよ!」
「マヤさんが将棋ですか?」
「うん!高校入ったら囲碁将棋部と戦いたいんだ!」
「今日は泳ぐ練習をします。泳ぐのちょっと楽しいかもって思うようになったので」
「へぇ〜!じゃあどっちが先に向こうまで行けるか競争しよ!」
「えっ!?」
浮き輪に乗ってるメグちゃんが、2人の光景を見守っていた。
「本当に2人は凄いなぁ〜」
「「ん?」」
「えへへ〜♪」
「ホラホラ!チノもメグも位置に付いて!レディー......ゴー!」
水泳対決開始。チノとマヤちゃんがもう向こうまで行ってしまった。
「待って待ってーーー!」
ゴールした2人。
「無理しなくていいからー!」
「メグさんはマイペースで!」
ザブーン!と波しぶきをあげる。
「「あっ!」」
メグちゃんが頭から沈んでしまった。マズい!
「メグーーー!」
それを見ていた僕とリゼがメグちゃんを引き上げた。
「......」
「もう大丈夫だぞ!メグ!」
「メグちゃん平気?大丈夫?」
「「おぉぉぉ!」」
休憩を挟む。メグちゃんをビーチチェアに座らせる。
「水は飲んでないみたいだ」
「ひゅう......」
「大丈夫か?メグ......」
「......」
「どうしてこんな無茶をしたんだ?」
「マヤちゃんとチノちゃんが......どんどん先に行っちゃう気がして......」
「メグさん......」
「2人とも......自分の考えで志望校を決めて......新しいことにチャレンジして......置いて行かないでー、って焦っちゃったのかも......」
「メグ......」
「でもね!私もあの高校で新しい自分を見つけたいの!頑張って追い付くから、マヤちゃんもチノちゃんも待っててね!」
「「うん!」」
「焦る必要なんてない。私から見れば3人とも立派に成長している。良い友だちを持ったおかげだ!」
「その通りだね」
「それに、良い先生もね!」
「えっ?」
「「「リゼ先生、レイ先生大好きー!」」」
「......!」
「ふふっ」
良かったね、リゼ。その夜の帰り道。
「なぁ、このメンバーでプールに行ったこと前にもあったな!」
「1年前くらいですね」
「あの時はチマメ隊って呼ばれるの嫌がってたな?」
「ラビットハウスまで競争したよねー!またやる?」
「うん!じゃあ私たちが勝ったら......」
メグちゃんがチノとマヤちゃんの手を握って走った。
「これからもずっとチマメ隊だーーー!」
「お、お前らーーー!もう気に入ってるだろ!」
「あははっ!」
ラビットハウスにて。
「ただいまー!」
「ただいま」
帰った瞬間、ココアの部屋で僕とリゼがココアに壁ドンされた。
「レイちゃん、リゼちゃんどう言うこと!?」
「えっ?えっ?えっ?」
「何だお前ら!?」
そこから更に千夜とシャロが現れた。
「2人だけ抜け駆けしてチマメ隊と温水プールでエンジョイするなんて......」
「みんなも
「悪いレイと先輩です」
「どうして......」
「ひぃ!?」
「ちょっと面貸しなよ。キッチンで話そう」
「わ......私はそんなつもりじゃ......」
キッチンへ行くと、豪華なごちそうがズラリと並んであった。
「なーんちゃってー!今夜は家庭料理パーリナイだよー!イエーイ!」
「レイとリゼ先輩のために頑張りました!」
「腕に寄りをかけて作ったのよ!」
「肉じゃが、唐揚げ、ハンバーグ、そしてもやし炒め!」
「私たちのために......!」
「いつも私たちが困った時に、特訓してくれるお礼よ!」
「2人とも、いつも頑張ってますから!」
「「「「「「ありがとう!リゼ先生!レイ先生!」」」」」」
「......全員ハンコ付けてやるーーーーー!」
「きゃーっ!ご乱心よ〜!」
「ふふふっ!」
「はぁ......ヤレヤレ」
全員がハンコを押され、料理を食べる。料理はあっと言う間に完食。
「先輩!洗い物のお手伝いをしま......す?」
リゼは気持ち良さそうに眠っていた。
「おやおや、寝ちゃったみたいだね」
「可愛い寝顔ね」
「プールで疲れたんだね」
「リゼさん、私が溺れそうになったのを助けてくれたんだ。勿論レイお兄ちゃんも」
「ヒュー!流石2人とも!」
「いつも助けてくれるのよね。キャンプの時も頼りになったし」
「音楽会のソロパートの練習や、球技大会の時も鍛えてくれました」
「いつもありがとう」
「リゼ先生」
ココアがハンコをリゼの額に押した。それと同時にリゼが起きた。
「あっ!先生で起きた!」
「お姉ちゃんで起きるお前に言われたくない!!」
ココアにCQC炸裂。
「グエエエェェェ!」
するとそこに、タカヒロさんが入って来た。
「タカヒロさん!どうされましたか?」
「リゼ君。お迎えだぞ」
彼の後ろから、リゼのお父さまが顔を見せた。リゼとお父さまはお互いに無言。......なんとかなると良いが。
Side Rize
親父が車の助手席に私を乗せて帰る途中。車内は気不味い空気になっている。
「......オホン!なぁ、腹は減ってないのか?この近くに美味いレストランがあって......」
「もう食べた」
「えっ?あ、あはは。そうだったな......パーティーしてたもんな......俺も軽く摘んでるが、大丈夫だ」
「......そうか」
「......よぉし!俺の十八番!戦場あるあるジョークをここで一発!」
「やめろ」
「はい......はぁ......」
親父は石橋の上で車を停めた。
「?」
「......まだ子どもだと思ってたお前が、小学校の先生なんて立派な夢を持って、正直嬉しかった」
「っ!......でも笑ったクセに」
「そ、それはだな!涙を......誤魔化したくて......」
「......?」
「俺のつまらないプライドで......お前を傷付けてしまったな......」
「......そう言うときは、何て言うんでしょう?」
「......?」
「私は親父から習ったぞ?」
「っ!......ごめんなさい......」
「はい。よく出来ました」
私は親父の額にハンコを押した。
「な、何だ!? 何をしたんだ!? お、おい!?」
「さぁ〜。何でしょう〜?」
「おでこに何した!? おい!? えっ?」
「あははははは!」
こうして、私たち親子の仲は修復された。
Side Out
伯方 玲の意外な特技8「護身術(柔術・棒術・CQC等)」
小学生からプロ棋士をやっていた身として、金品や命を狙われることは想定していたため、自分の師匠に無理を言ってその道のプロに護身術を叩き込んでもらった。おかげで自分の身はおろか、自分の手の届く範囲の人を守れるレベルの技術を身につけた。
レイの弟子になるのは誰?
-
ココア
-
チノ
-
リゼ
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千夜
-
シャロ
-
その他
-
誰も取らない