〔1〕
時期は冬。今日はコスプレグランプリを開いており、いつメンの各々が各々に似合うコスプレを持ち込み、誰が一番みんなに似合うコスプレを持ち込めるかを競う勝負をしていた。現在の得点は僕が2点、チノとリゼとシャロが1点、ココアと千夜が0点という状態。最後のコスプレ対象は僕。どんな衣装が来るのか楽しみだな〜......って、ん?
「何......これ......」
どれもこれもヤバそうなモノばかりなんだが?彼女たちは僕をおもちゃか何かだと思っていないだろうか?
「まずはココアのやつか......」
ココアが持ってきた衣装は———
「「「「人間クリスマスツリー!?」」」」
「えっへへ〜」
「......動きにくい」
クリスマスツリーの着ぐるみだった。星の装飾がジャラジャラしててうるさい上に動きにくいったらありゃしない。
「これは......無いな」
「酷いわね」
「ヴェェェ!」
次、チノが持ってきた衣装は———
「「「「ミニスカサンタ!」」」」
「自信作です!」
「恥ずかしすぎる......!」
スカートが短すぎる!世の女性は何故こんな衣装を着ることが出来るんだ!おいココア、チノ、リゼ、シャロ!写真を撮るな!連写するな!
「これは神だよ!」
「あらあら〜♪」
「......着替えてくる!」
次、リゼが持ってきた衣装は———
「「「「お嬢様学校(私の学校)の制服?」」」」
「私の制服だ!」
「初耳なんだけど!?」
リゼは何故自分の制服を僕に着せたんだ!
「くぅ......背が高ければ私も......」
「高い身長がこんなにも役に立ったのは初めてだ!」
「2人とも何言ってんの?」
次、千夜が持ってきた衣装は———
「「「「まさかの紅ドレス!?」」」」
「色味も相まって似合ってると思ったの」
「意外と普通だ......」
女装させられていること以外はな!
「美しいです......お兄ちゃん......」
「綺麗すぎて写真が止まらないよっ!」
「いい加減撮るのやめて?」
最後、シャロが持ってきた衣装は———
「「「「意外にも男装!」」」」
「レイってカジュアルな男装が似合うのよね」
「シャロ......君だけだよまともなのは......」
みんな男装って言ったこと絶対に忘れないからな。
「男前なレイちゃんもアリですな〜」
「最高にカッコいいぞ!」
「やっと正当な評価が......」
以上、コスプレグランプリレイ編終了。得点はコスプレ対象者以外の全員による投票で決まる。当然自分への投票は禁止だ。
「それじゃあ一斉に発表どうぞ!」
5人が一斉にフリップを出す。結果は千夜2票、チノとリゼとシャロ1票。
「僕へのコスプレの得点は千夜に決まりました」
「やったわ!」
「最下位の罰ゲームはココアね」
「どぉじでぇぇぇぇぇ......」
ココアは5日間、日替わりで僕たちが着せたコスプレを着てラビットハウスで働くことになったのだった。
〔2〕
季節が流れ、街はクリスマスシーズンに包まれた。
「ようこそ!フルール・ド・ラパンへおいでませ!」
ある日。ココアはフルール・ド・ラパンでバイトを始める事になった。僕はその付き添いだ。
「挨拶が違ーう!あと、必要以上に胸を張るなー!」
「なんで胸......?」
「あはは......」
「全く......金欠だからフルールでもバイトするって?」
「シャロちゃんの真似だよ〜?バイトの掛け持ち〜!」
「確かココア、古物市でドアノブとかチノの手品セットとか買ってたでしょ。それで金欠になったんじゃないかい?」
「そうよ」
「でもシャロちゃんも人のこと言えないでしょ?ティーセットとか」
「うぅ......」
「あはは......」
「私たち〜!お財布空っぽでもハートはいっぱい胸いっぱ〜い!」
「歌うの踊るの一緒にするなー!いっぱいなーい!」
ココアは踊って歌いながらシャロの頬をスリスリする。
「何しているんだか......」
「レイちゃん!撮って!」
ココアはスマホを僕に貸した。
「はいはい。こっち向いて?」
「イエーイ!」
最高の1枚が撮れた。しばらく経って、フルール・ド・ラパンのホール。
「リゼちゃんもここでバイトした事あるよね〜?」
「そうねぇ。あの時は急にお金が必要になったのよねぇ」
「確か、割ってしまったお父さまのお気に入りのワインを買うためだったよね」
「そうね」
「そう!私も!」
「何か欲しい物でもあるの?」
「ふっふーん!どうしよっかなぁ〜?言っちゃおうかなぁ〜?」
「勿体振るの止めなさいよ!」
「あのね!」
「こんにちは〜」
ココアが教えようとしたタイミングで青山先生が来店した。
「英気を養いに来ました〜。もう覗いたりしないので、追い出さないで下さ〜い」
「おいでませ!青山さん!」
何故かココアがハンマーを持ってやって来た。
「えぇ!? 鈍器!?」
「いつまで持ってんのー!」
「どこから持ってきたのか」
出来たカモミールを青山先生に差し出した。
「はい!カモミールお待ち!淹れ立てだよ!あったかい内に飲んでくんな!」
「わぁ〜。粋が良いですねぇ〜」
カモミールを飲む。
「癒されます〜。ハーブティーって本当に良いモノですね〜」
「だよね〜!」
彼女の接客をシャロが覗いてる。それにしても、ココアとシャロが同じ場所で働いている風景というのは不思議なモノだ。シャロに気付いたココアが手を振った。
「べ、別に楽しんでなんかないし!」
「ふふっ」
ラビットハウスに戻った頃、リゼが大量のトーストを作っていた。
「リゼさん、トーストの注文は受けてないです」
「えっ!? あぁそうか......」
「何が起こっているのか」
「ココアが焼いたパンを見てると、騒がしかった頃を思い出してさ......」
「バイト掛け持ちしてるだけですよ」
「分かってるって......」
「そう言うチノも、なんでコーヒー大量に作ってるのさ?」
「えっ?」
「それ、全部キリマンジャロか?」
「シャ、シャロさんに迷惑掛けてないか心配してたら何故かこんなに......」
「あはは......」
「2人とも上の空かよ〜」
「それ誰が食べるの?」
「僕たちでどうにかするしかないでしょ」
「「「「あははははは!」」」」
「はぁ......この店大丈夫かのう......」
しばらくしてタカヒロさんが「店は任せてくれ」と言ってくださったため、せっかくだからと青山先生のサイン会に行くことに。夕方でもクリスマスシーズンは賑わっていた。それは書店でも同じようで———
「私たち〜!お財布空でも〜!」
「ハートはいっぱい〜!」
「胸いっぱ〜い!」
「いっぱいな〜い!」
聞き覚えのある声が聞こえた。
「その歌流行ってるのか?」
「「えっ!?」」
「リゼ先輩!?」
「私たちもいるよー!」
「こんにちは〜!」
「さっきぶりだねココア、シャロ」
「ココアさん、今日はここでバイトしてたんですね」
「出たな?チマメ隊!」
「出たー!」
「ラビットハウスはどうしたの?お客が誰も来ないからって臨時休業?」
流石にそれは酷いぞ。
「失敬な!お客は来とるわい!」
「行って来なさいって言う父の言葉に甘えました」
「折角のサイン会だし!」
サイン会に向かう。
「まぁ!みなさん来て下さったんですね!」
「青山さん!サイン会開催おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「ささやかながら、僕たちの思いです」
「素敵なお花〜!」
「真手さんもどうぞ」
「えっ!? 私も!?」
「それと差し入れだよ〜!」
「ワシ!?」
ティッピーが差し出された。
「まぁ!みなさん、ありがとうございます!」
すると誰かが来た。
「千夜ちゃん!」
「よかった......間に合ったわ......私も青山さんにお祝いよ!見て!この写真!」
それは、ココアとシャロの2ショット写真だった。
「グッジョブ!」
「グッジョブ!」
「没収ーーーーー!」
「それはそう」
「「「「「「あははははは!」」」」」」
「あ、私たち何も用意してなくて......」
「お金も胸も寂しいの......」
「アンタの胸は寂しくないでしょー!」
......ノーコメントだ。
「微笑ま〜」
「微笑ま〜」
「今日は素晴らしい1日でした!本当にありがとうございました!」
「まだサイン会始まってない!」
「真手さん気が早いです!」
「みなさんからの、一足早いクリスマスプレゼントみたいですね」
「クリスマスプレゼント......ねぇ!今年もクリスマス会するの!?」
「プレゼント交換もしたいなぁ〜!」
「お姉ちゃんに任せなさ〜い!」
「「わーい!」」
「また金欠になりますよー!」
「プレゼント交換かぁ......いいな!でも、誰に当たってもいい物を選ぶのって中々難しいよな......」
「そうねぇ......」
「それなら、シークレットサンタはどうでしょう!」
「シークレットサンタ......」
「成る程、その手があったか」
外でみんながくじ引きを始めた。
「みなさん、準備はいいですか?」
「自分が引いたくじに書かれている相手にプレゼントを用意するんだね!」
「では、せーの!」
「「「「「「「「シークレットサンター!」」」」」」」」
くじを一斉に引いた。
「ねぇ!千夜さんは誰に———って聞いちゃダメだったぁ!」
「ウフフ。うっかりバレちゃいそう。クリスマスまで誰が自分のサンタか分からないのね。楽しみだわ!」
「......」
「シャロちゃんは誰かな?見〜せ〜て〜!」
「もう......見せたら意味ないでしょ?」
シャロは自分を抱き締めようとするココアを華麗に避けた。
「凄いぞシャロ!プロの動きだ!」
「お疲れ様です」
「内緒にするの一苦労ね......って、顔がムズムズしてる!?」
「みんなが......みんなに内緒なんて......こそばゆくて......パーティーに秘密のサンタ。楽しみがいっぱいです!」
「そうね......選ぶ時間が大好きだからって、誰かさんが言ってたわ」
「?」
シャロは横の店にあるうさぎの貯金箱をジッと見る。それはココアに似ていた。
「似てる」
「もしかしてココアちゃんのシークレットサンタ!?」
「ちちちち違うし!」
「シャロちゃん何見てるの〜?」
「こっち来るなーーーーー!」
「......うーん」
......僕の場合、これはどうすれば良いんだろう?僕が引いたくじに書かれていたのは「全員」のくじだった。誰が仕込んだんだコレ......。
〔3〕
翌日。僕とチノが街を歩いていた。
「煌びやかですね」
「あぁ。クリスマスシーズンはどの店も掻き入れ時じゃからな。力が入っとるわい」
「でも、今年のウチの営業は慎ましやかになりそうです。ココアさんもリゼさんも———」
『サンタさんが思った以上に人気で、お客さんや子どもたちにも期待されちゃって。バイトもう少し続けて欲しいって』
『来週発表会の演劇部の子が怪我して、代役任されてしまって』
『ごめんねレイちゃん!チノちゃん!この埋め合わせはするから!』
『すまん!バイト休ませてくれ!』
「でも僕が一緒だし、チノ1人で抱えこまなくても......ん?」
「お、お店2人くらいで頑張れますし......!」
「震えすぎだよ、チノ」
「寒いからです!」
すると誰かがチノに目隠しをした。
「おや?」
「だーれだ?」
「こ、この声はココアさん!? もうバイト中に何して———」
「チノ、彼女はココアじゃないよ?」
「え?」
チノが後ろを振り向くと、その正体はシャロだった。
「今の声、シャロさん!?」
「ココアに似てたかしら?」
「は、はい......欲まる出しな間抜けな雰囲気とかソックリでした!」
「そ、そう?」
「それ絶対に褒めてないよね......」
すると誰かがシャロに目隠しをした。
「誰だ!」
「この凛々しい声はリゼ先輩!? 少し声作ってても分かりますからね!」
「いや、彼女は———」
しかしその推理はハズレ。声の主は千夜だった。
「ばぁ〜」
「うっ......くっ......全然先輩に似てないのよぉぉぉ!」
「騙されたのに〜」
「騙されてないわよ!」
「相変わらず賑やかな2人組だね」
「寒いのに元気じゃのう」
僕とチノは2人に外出理由を話す。
「ココアちゃんのバイトのお迎え?」
「は、はい。雨が降りそうなので傘を」
「レイ、チノちゃん、2人で店を回すって本当?」
「聞かれてたか......」
「大丈夫?」
「ち、父もいますし。大丈夫ですよ」
「2人で無理は禁物よ?って、私もハロウィンの時にリゼちゃんに言われたことなんだけど」
「フンッ!先輩が言うなら、もっとこんな感じね!頼りたいなら、遠慮なく支援要請しろ!」
「「おぉ〜」」
「雰囲気がリゼに似てるね」
2人と別れてココアを迎えに行く。
「2人とも楽しそうでした」
「そうだね。このマーケットの雰囲気が心を浮かれさせてくれるみたい」
「買って買って〜!ねぇ〜」
「この声は......」
「どこか聞き覚えがある......」
「じゃないとリゼお姉ちゃんって連呼するよ〜?」
「や、止めろって!」
「リゼ先生って呼ぶからね〜!」
「お、おい!」
マヤちゃんとメグちゃんにおねだりされてるリゼを発見。
「リゼさん、マヤさん、メグさん」
「3人とも何してるの?」
「あ!チノにレイ兄だー!」
「チノちゃーん!レイお兄ちゃーん!」
「助けてくれー!こいつらにしつこくたかられてるんだー!」
「嬉しそうですね」
「満面な笑みで助けを求められても」
「ホラ!チノも一緒に!」
「は、はい!......買って......買って......ください......」
チノは頑張ってリゼにおねだりした。
「「買ってー!」」
「買って下さい......!」
「わ、分かった!私の負けだ」
観念したリゼがチマメ隊にワッフルを買ってあげた。
「「「美味しい〜!」」」
「ワッフルが欲しかったんだね」
「ちゃんと勉強もするんだぞ?」
「するよ〜!勉強勉強〜!」
「私もリゼさんみたいな高校生になるんだぁ〜!」
「確かに。リゼさんは頼りになりますしね」
「頼られてて良かったじゃんリゼ」
「あああぁぁぁぁぁ!」
「ど、どうしたのリゼ!?」
「さ、財布......忘れた......」
僕はズッコケた。
「頼りになると思った矢先に......」
「もう、しょうがないなぁ」
「マヤ......」
「たまには私を頼ってくれてもいいんだよ〜?」
「たかっといて調子いいな......!」
「えへへ」
3人と別れてココアを迎えに行く。
「3人とも楽しそうでした」
「みんな浮かれていたね」
「そうじゃなぁ。チノも———」
「わぁ〜い!こっちだよ〜!」
「待って待ってお姉ちゃ〜ん!」
姉妹と思しき少女たちが僕とチノの周りを走り回った。
「おぉっと......君たち......?」
「お姉ちゃ〜ん!」
少女たちはそのまま走って行った。
「元気だねぇ」
「ワシと踊るか?ん?」
「遠慮します!踊るならお兄ちゃんと踊ります!」
「そもそもうさぎとどうやって踊るんですか?」
「ショボーン......」
しばらくして、広場のマーケットに到着した。
「ここは何処じゃ?」
「何だか迷った気がします......」
「でもGPS情報はこの辺なんだけどな......」
「あっ。わぁ〜!」
チノはお店のスノードームを見つけた。
「綺麗だねスノードーム。あっ、あそこだよチノ!」
「えっ?」
「いらっしゃ〜い!美味しい焼き栗だよ〜!」
「1袋下さい!」
「はぁ〜い!メリークリスマス!」
「サンタさん......」
「ココア頑張ってるね」
夜になり、ココアのバイトが終わった。
「今日も楽しかった〜!迎えに来てくれてありがとう!レイちゃん!チノちゃん!」
「バイトって焼き栗屋さんだったんですね。ちょっと冷えて来ました......」
「手が冷たいなぁ......」
「はい!栗!」
「?」
ココアは手を開いたが、栗は無かった。しかし握って開くと。
「はい!」
栗が2個出て来た。
「......!」
「わーお」
「あったかいよ〜!」
「手品、上手になりましたね......」
「裏で秘密の特訓をしていたね?」
「えへへ〜」
焼き栗を貰った。
「あったかい......前にサンタさんに憧れているって言ってましたもんね」
「ある意味ココアの夢が叶ったと言っても過言じゃないね」
「あはは!そうかもねぇ〜」
焼き栗を食べる。
「焼き栗美味しい〜!」
「あっ!降って来た?」
「雨?って、傘は!?」
「あっ!傘何処かへ置いて来てる!?うぅ......」
「チノ!」
僕は崩れるチノを支えた。
「何のための迎えなのか......うぅ......」
「でもこれ......雪だよ?」
「ん......?」
「!?」
降って来たのは雪だった。街中に沢山の雪が降って来た。
「傘がないから、踊りながら帰れるね!」
ココアは僕とチノの手を握って踊った。
「ヒャッホー!ハートはいっぱい胸いっぱ〜い!」
「は、恥ずかしい!あー栗が落ちるー!」
「ふふっ、ココア楽しそう」
ツルッ!ココアは滑った。
「わあぁぁぁ!」
「ココア!? 危ない!」
すんでのところで僕がココアをお姫様抱っこで救出した。チノはココアが寸前で手を離していたようで無事だった。
「大丈夫かい?ココア」
「あ、ありがとう......」
ココアは顔を俯かせてボソっと言う。チノがジト目で僕を見つめる。なんでさ。
「ココアさんばかりズルいです。お兄ちゃん、私もお姫様抱っこしてください」
「なんでさ」
チノをお姫様抱っこしてしばらく歩いてると、何かの行列が見えた。
「この行列......何でしょう?」
「繁盛してるお店なんだねぇ〜」
「そんなお店、近くにありましたっけ?」
「......そろそろ降ろすよ」
「......はい」
チノ、残念そうな顔をしないでほしい。
「あっ!ウチだ!」
それは、ラビットハウスの行列だった。
「嘘でしょー!?」
「ありえない!?」
「バカな......!」
「自虐だよ!?」
ラビットハウスに入ると。
「おかえり!」
「リゼのお父さま!?」
「タカヒロの娘たち、そしてレイ閣下よ!俺はただの援軍だ!」
「タ、タカヒロさん......これは一体どういう......」
「以前、青山君の担当さんが取材してくれただろ?」
「はい。凛さんが」
「その雑誌が発売されたんだ。ウチの店を大々的に宣伝してくれたんだ」
「あっ、これが例の雑誌。表紙にラビットハウスのコーヒーが載ってますね」
「それでこんなにお客さんが......」
『お姉さま〜!』
「Oh......」
明らかに僕目当てのお客さまもいるし......。
「嬉しいですけど、今月いっぱい忙しくなりそうですね......ココアさん......ん?」
当のココアはティッピーを枕にして寝ていた。
「寝てるーーー!?」
「何やってんだココアー!」
「おもだい......!」
「私のお店......バリバリ働いて......稼がなきゃ......私みんなのサンタさんなんだし......」
「ココアさん......サンタ......」
『サンタさんになれたの〜!』
『演劇部の代役を......』
『受験〜!』
『勉強〜!』
「みんな忙しいし......ひ、人出はないけど......が、頑張れます......た......多分......」
「チノが混乱してる......うちの先輩呼べないかな......?」
「よし!ウチの屈強な兵隊を派遣してやる!」
「えっ!?」
「援軍追加!?」
「クリスマスの雰囲気ぶち壊しだな。ホラ、運んでくれ」
「任せろ!」
「大丈夫だよー!私バリバリ働くからー!」
寝ていたココアがバッと起きた。
「えっ!?」
「大丈夫なの?」
制服に着替えた直後、ココアが寝てしまった。
「制服に着替えたら寝てしまいました......」
「こうなると思ったよ......」
「昼からずーっと働いていたからのう......」
「制服、ちょっと寒そうだよ」
「半袖のままですし」
僕はココアに布団を被せた。
「というか、夏服から冬服に衣替えしてないでしょ?」
「そうでした。暖房が効いてると気にならなくて」
「暖房だけで過ごすつもり?僕はもう冬服に衣替えしてるよ?」
それでも過激なせいで寒いが。
「ワシもとっくに冬毛に早変わっておる。フワフワ〜」
「モフモフの対象になっちゃいますね」
「えっと......冬服は何処に......」
チノはクローゼットを開けた。
「......あっ!」
見つけたのは、黄色と緑色のラビットハウスの制服だった。
「黄色と緑色の......」
「チノのお母さまの作りがけの......」
チノの部屋にて。
「ほう?作りがけの制服をココアが完成させておったのか」
「僕たちが知らない間に」
「このサイズ、きっとあの2人に合いますよね?」
「あの2人?」
「千夜とシャロのこと?」
「はい」
「チノー!商売敵を頼る気か!?」
「マスター、お黙り」
「むぐっ!?」
チノはスマホを取って、電話する。
『チノちゃん?』
「あ、あの千夜さん。その、千夜さんとシャロさんに......支援要請です!」
僕たちは、新たな救援の派遣を開始した。
伯方 玲の意外な特技10「反応速度」
非常に早い。鍛えられたアスリート並に早く、反射の域に達する。第18羽のあの出来事に素早く反応出来たのも鍛え上げられた反応速度のおかげ。
レイの弟子になるのは誰?
-
ココア
-
チノ
-
リゼ
-
千夜
-
シャロ
-
その他
-
誰も取らない