その先生はなんか……暑苦しかった

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負けなーいぜ

 セリカは現在危機に瀕していた。

 バイト終わりに突然奇襲をかけられ、目が覚めると真っ暗で無機質な箱の中である。多少荒事に抵抗感のないキヴォトスの住民とは言え、10代の少女には恐ろしすぎる状況である。

 

(なんであたしがこんな目に……)

 

 セリカの目に涙が浮かぶ。暗く冷たい空間が負の感情を増幅させ、思考が暗くなっていく。

 

 もうみんなとは会えないのでは無いのか。

 自分はどこか知らない場所に売り払われるのではないか。

 ブラックマーケットで臓器を剥ぎ取られ死に体になってしまうのではないか。

 

 一度転がり出した負のスパイラルは止まる事を知らない。ドンドンと嫌な方向に思考が傾いている事を自身でも理解出来てしまうほどにセリカは追い詰められていた。

 

(アヤネ……シロコ……ノノミ先輩……ホシノ先輩)

 

 思い出すのは数少ないアビドスの仲間達。廃校寸前の母校を救わんとする為に学園に残った委員会メンバーを思い、セリカの心は少しばかり落ち着きを取り戻す。

 

(…………先生)

 

 最後に思い出したのは、彼女の仲間ではなく、自らが拒絶した異分子(せんせい)だった。どうして最後に彼を思い浮かべたのか自分でも分からない。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が助けに来てくれるとでも思ったのだろうか。

 あんなに拒絶しておいて。

 自分が危機に瀕したら都合よく助けてくれると思ってしまったのだろうか。

 その浅ましさにセリカはまたしても涙を浮かべる。

 そんな考えを持っている自分には相応しい結末かもしれないと、彼女は諦めの境地に至ってしまった。

 

 

 

 

 

セリカァアアアアアアアアアアア!!!!!

いたら返事しろぉおおおおおお!!

 

 

 

 

 

 僅かに空いた隙間から聞こえた大音量の雄叫びにセリカの意識は即座にその発生源に向かった。

 音の出所に意識を向ければ、僅かながらに銃声が聞こえる。

 

「……どうやって」

 

 そんなセリカの疑問には誰も答えず、ただ銃声が響くだけだった。

 

 ーークッソなんなんだよコイツ!急にこっちに突っ込んできたと思ったら暴れ回りやがって!

 ーーおい!あれに乗ってるのって最近噂になってる先生って奴じゃねえか?!まずいぞ!サッサと逃げろ!!トラックを出せ!

 ーーあ!バカ!

 

そこか!!

バキャン

 

 それと同時に巨大な()()()()()()()が隙間から差し込まれる。

 無機質で威圧感のあるそれは本来であれば恐怖を覚えるものだったが、セリカには頼もしく、温かいものに感じた。

 そのまま爪はメキメキと音を立てながらトラックの扉をこじ開け、その爪の持ち主をセリカに見せつける。

 爪と同じオレンジ色をメインとしたカラーリング。所々に入った黒のアクセントが無骨な印象を抱かせ、どこか工事現場を感じさせるデザインだった。

 その姿をセリカは見た事がある。

 サンクトゥムタワー事件の際に突如として現れ、テロリスト達を追い払ったその姿を、テレビ越しにセリカは見ていた。

 やがてその爪の持ち主がしゃがみ込み、トラックの中を覗こうとする。

 頭部と思われる部分に差し掛かり、やがて頭が見えるとそこにいたのは……

 

「やっと見つけたぜセリカ!大丈夫だったか!?」

「よかったー!みんな心配してたんだよ!さ、早く帰ろ!」

 

「せ、せんせぇ……」

 

 コックピットから勢いよく飛び出し、転がり込む様にセリカに近づく男女二人の姿であった。以前であれば彼の外見に似合う暑苦しさと、彼女のうざいくらいのお節介さに嫌気がさしていたが、今では安心感と頼もしさを感じる。

 

「ん。泣き虫セリカを発見」

「だ!誰が泣き虫よ!」

「いーのいーのセリカちゃーん♪今は泣いても良いからねー?怖かったねー。もう大丈夫大丈夫!」

「あーもう離れて下さいメールさん!」

 

 あとついでにシロコもいた。普段あまり見せない弱気な姿を見せてしまいたじろぐが、セリカを抱きしめるメールがそれを許さなかった。

 

「……さてと、シロコ。セリカを連れてとっととここから離れろ」

「え?先生はどうするんですか?」

「ん?俺か?俺は今から…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつらのひん曲がった根性を修理する!

俺とガンレオンでな!」

「オーケーダーリン!ピーター・サービスキヴォトス支店!営業開始だよ!」




とある配信者の影響でハマった結果
誰得のクロスオーバーかって?
俺得なだけですが?

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