スティル「喰らわせて?」幼馴染み「ええで」 作:狸より狐派 ハル
なんで3000字書くだけでこうも、苦労するだろうか……。
もちろん今後は、できるだけ期間に空きがないよう投稿していきます。
『スティルがいなくなった』
それは一本の、トレーナーからの電話だった。
自身の学校の予定が終わったあと少年は詳しく聞くが、トレーナーもなにがなんだか、わからなかった。
その後彼は、スティルインラブの
直接彼女の家に行ってみた。
しかし、
空地だったのだ。初めから存在しないよう、あまりにも不自然に。
あのジャパンカップからはほとんど、というか一週間と一日しか経っていない。家が壊されるなら、あまりにも早すぎる。
隣の家から、誰かが出てきた。その人から聞いてみると、とんでもない発言が出てくる。
「そんな人は知らない」と。
もし過去の人となるには、まだ時は動いていないはずだ。
それほどにあの時のジャパンカップは盛り上がっていた。
トレーナーとの連絡も思い出す。なんでもトレセン学園でも異変が起こっていた。
スティルインラブの存在を知らない者が急に出てきた。
複数どころではない。大半が覚えていないのだ。それどころか、スティルインラブとメジロラモーヌが出ていたことさえ、無かったことになっていた。
あまりにも展開が急すぎた。トレーナーの方でも事態が追いついていない。一体なにがどうなっているのか……
――――――――――――
ジャパンカップが終わりその五日後の金曜日、トレーニングは行わずそのまま直帰したスティルインラブは少年の家から離れた。
荷物をまとめ、彼の母親に見送られながら少年と共に帰路についた。
「これ以上、貴方の家族皆様に迷惑を掛けれませんから……それに……」
その後、彼女は何か言おうとした。しばらく返事を待ち、こう言葉に出す。
「貴方と今後、一緒にいるため……」
そこで話は途切れた。彼が何のことかと聞いても、「またいずれ」とはぐらかされた。
少年はまた後で聞くことにし、そしてそのまま彼女の家についた。
「そうえば初めてですね。私のお
いいなら、と上がろうとするが、彼女の親が見当たらなかった。さすがにまずいのでは、と思ったが。
「すみません。どうしても……ダメでしょうか……?」
眉を八の字にしてまでお願いされて、彼はやむを得ず入ることに。
そこで彼は彼女のリビングに入り、同じソファーに座りあって過ごした。
今までにあったこと、彼の家で起こったこと、学園での出来事、合宿、何気ないこと。
スティルインラブは少年よりもずっと覚えている。そして大事にしている。
そう語り合うともう外は暗くなっている。
まだ18時ではないが、この時期の夕日の脚は速い。
これ以上いるのはマズいため、また明日と伝える。
が……、スティルインラブは彼の袖を掴んできた。
「もう少し……もう少しだけ……」
また玄関前のような顔をしてくる。
なにも二度と出会えなくなるわけではないのだ。しかし、彼女は離さなかった。
いや、半ば離せない。というべきか。少年はなんとか説得する。そして自分の母親のことについて話してみる。
またいつか頼んでみたらいい、そしたらまた居れる。と。
そこまで言うと、ようやく彼女はその手の力を抜いてくれた。
そして彼女はこういった。
「必ず……、また一緒にいましょう」
それが最後の会話内容だった。
―――――――――――
土曜日曜、その間にスティルインラブとの連絡は取れなかった。その間にトレーナーへ連絡しても、彼女と繋がらなかったと伝えられた。
LINEも行ったが返事が、いや既読もつかない。彼女は必ずつけるはずなのに。
念のためもう一度彼女の実家に行ってみたが、その時はまだ家があった。だが車は無かったため、家族と出かけたのかと思った。
だが不安になった彼はトレーナーに頼んで他の者、とりわけ連絡網を持っているネオユニヴァースを頼ってみる。
だが月曜日の放課後、空き地となった彼女の家を確認した後、トレーナーの電話がかかってきたとき、ネオユニヴァースの声が端末から響く。
『スティルインラブの反応が“
一行で矛盾したことを言わないでほしかった。
『……諦めないで。あなたなら、探し出せる。でも今はどこに行っても見つからない。今はまだ、待って』
そんなこと言われても、彼の不安は取れることはなかった。
―――――――――――
その後について、大きくまとめる。
当然、自身の母親にも伝えてみたが、それはもう困惑していた。そして大きなフラストレーションを抱えさせてしまった。
数日たっても学園側も、スティルインラブとその親族との連絡が取ることができていなかった。
しかも警察に捜索願を出しても、そもそも存在しない、という一点張りであった。
トレーナーはもちろん、学園の秘書こと駿川たづなも、そしてその理事長も大いに悩ませた。
そう、認識できるものは確かにいるのだ。
彼女と合宿を共にしたダイワスカーレットやスイープトウショウ、ゼンノロブロイも突然のことに困惑した。
そしてエアグルーヴとアドマイヤグルーヴも言わずもがな。そして彼女らも行方が掴めていない。
ほかにもいるそれは……
「……すまん、俺も何がなんだかわからないんだ……。どうなっているんだ……」
少年の通う学校の友人も、彼女の存在を覚えている。この学校の人物に聞きまわっても、誰もスティルインラブを知らない、と言われてしまった。
「……――――、どうにか早く彼女は見つかってほしい。正直……いや、こんなの絶対に認めたくない……!あれだけ偉業を重ねてきた彼女がこうもなかったことになってるなんて……!」
この友人も彼女への畏怖が、れっきとした敬意へとなっていた。
そして他にもいる。あのドッグタグを描いてもらったあの女性。
「ホント……一体どういうことなの!?あんなに友達にいっぱい話したのに、誰も覚えてないの……!警察も知らないって……!!もう意味わからない……」
急に意識消失し、うな垂れた。だが傍にあったまだ何も描かれていないドッグタグを見て思い出す。
「そうだよ……このまま離れ離れになるなんて間違ってる!!私が作ったキミのタグと弾丸に掛けて!!だってそのために渡したんだもん!!タグのクリスマスローズはスティルインラブちゃんのことを忘れないため!!そして弾丸はスティルインラブちゃんになにか悪いことがかからないため!!お願い!!絶対に見つけ出して!!」
――――――――――
失踪の連絡から一月弱たち、クリスマスの日を目前に迎えた。
あれから彼女の気配のけも感じなかったその時、意外な人物から電話がかかってきた。
『私だ、アグネスタキオンだ。
彼女の位置に見当がついた』