【悲報】ワイ転生者、皇帝の子として生まれたのに立場が終わっている 作:名無しの皇帝
皇帝の子
ああクソだ。
この世界は俺の事を祝福してはいない。
俺は転生者だと5歳の頃自覚した。そして俺はルイジェバル・ルイン・パニラエス・ユーウェンとかいう尋常じゃない文字数の名前を持って産まれていた。
きっかけは侍女が俺のペンダントをくすねようとしたことだ。
随分とショックだったようで本来の体の持ち主の人格は俺に負けて取り込まれた。
そして俺は皇帝の息子らしい。 まあ名前の長さからして良い家柄ではあると確信してはいたが。
どうやら俺の名前はルインで、苗字がユーウェンだ。その他のルイジェバルは王族の名前、パニラエスが国の名前だそうだ。
氏名法則は割り出せたのが大きいな……記憶を奪っておいて良かった。
この世界はだいたい3つの国に分かれている。パラニエス、プルピース、パサライン合わせて三大国と呼ばれているそうだ。
そして俺は、そんな三大国という列強諸国の一員の帝国の皇帝、それも
王位継承権は破棄していないが認められるのは第四子までだ。5人目以下は王位継承権を持ってはいるが教育などされない。
婚姻の道具として使われるのがオチだ。
そして大抵、暇なんてないのだ。
ほら、今だって話しかけられている。
「ルイン王子、これで社交パーティーの欠席は累計2回目でごさいます」
ああうるさい。身体年齢5歳だぞこっちは。 精神年齢が上で良かったな!ダンスなど覚えられるか!
俺の方から言わなくても王家修飾名を含めずにただルインと言うような執事や侍女が務めるような
宮廷の敷地内に建てられた王宮とは別の、よく言えば別邸、悪く言えば軟禁場所の離宮だ。
政争からは離れてはいるがそれでもパーティーへの誘いは重ね重ねやってくる。
「今はまだ時期ではないと考えている。邪魔をするのは得策ではない。思索の路に石を転がすな」
適当に、尊大な態度でも取っていればいいのだ。 こうでもしないと皇帝の血が薄いと思われかねない。
そうなれば待ち受けるのは斧の刃だ。どうせ俺は皇帝の金を使えないんだから良い処刑人も雇えないだろう!
なんて恐ろしい。絶対に死にたくない。
ただでさえ小石どころか大岩が立ち塞がる人生なのだ。
ドロップアウトは穏やかに、冷酷な斧など首に食らいたくもない。
「はっ承知いたしました、続きましては晩餐会の誘いが〜」
「いや」
俺は手で制止した。晩餐会?毒殺パーティの間違いだな。暗殺者と間者の宝庫に決まっている。
この世界の歴史書はあまり知識にないが、この体は自分より上の兄弟姉妹が争って毒殺やらで排除にかかることを察知していた。
「執事よ。送ってきた者の名は?」
「アレクセイ伯爵様でごさいます、ルイン王子。」
俺はさも考え直したように、言った。
「パーティーに出ないことで中央貴族の反感を買うのは宜しくない……な?」
ケインはいままで首にしてきた執事と比べて有能だ。
アレクセイ伯爵の筆跡かどうかは明けるまでわからない。
「蜜蝋はどうだ、開けられていないよな?」
専用の箱に収められている、手紙には伯爵印の証である三葉のクローバーらしき植物の紋様が赤い蜜蝋で封をしていた。
「ルイン王子。一度も開けられた痕跡はございません。」
「ケイン。その中身を音読せよ。ただし……」
「手袋を着けて手紙を開けろ。愚者は歴史に学ぶが賢者は……どうだろうな?」
「ええ、愚者に2度のチャンスはない、というのはルイン王子の言葉です。しかと刻んでおります」
「はは、私は王位継承権者ではあるが実質的な継承者にはなり得ないだろう」
「王子、突然何を……」
「恐らく、地方領主近辺に送られて血縁を広めるか、外国に婿に行くことになる」
これは最悪のケース、だが最も有り得るものだ。
「そうなれば離宮で働く宮勤め、ケイン、お前は良いが私は王都を離れることになる」
「だが晩餐会で王侯貴族にしっぽを触ればどうにかなる、ということだ。」
「だが、ケイン。」
「俺にはそれがどうにも我慢できぬ。」
「ナメられたら皆殺し、一族郎党晒し首だ。」
「王宮の晩餐会には出席する。だが下手には出ない。」
「王子、それは強硬的すぎます、それに王子は……」
「私を咎めるのか?」
いいえ、と背筋を伸ばしてケインは即答した。 まあ冗談だが。さすがに晒し首にはしないし、ちゃんと仕えているうちは殺さない。
やはり忠臣など極わずかなのだ。 ケインはルイン王子という継承者というにはあまりに弱いが、そこらの爵位持ちより上等な頭を選んだ。
権力は人を盲信させられる。なので争いは絶えないが、継承者同士で争いは必須なのだ。
争い無くして人は成長せず 。この世界において真理に程近く、尚且つ正しくあれる言葉である。
この先どうなる事やら知らぬが計画的に足掻き、一矢報いる必要がある。
せめて、この帝国を俺が皇帝となり諸外国を制圧し世界一の国にしてやりたい。
俺の野望は、夢は、無限だ!
□
どうやら舞踏会と晩餐会がセットで着いていたらしい。
最悪のケースだがなんとか踊りきった。
長めの垂れ布の着いたズボンとスカートが融合したよく分からん服を来ていて助かった。
足元を見えずらくすることで失敗には気取られないようになっている。
だがこの服を作った服飾職人は恐らくとんでもない金を費やしている。
スカート部分にはボタンで止められるスリットが入っているもののそれ以外は全て絹と金糸でできている。
帝国は絹産業に優れているという話は聞かないが、財力でどうにかしたんだろうね。
仮にも列強諸国で、世界を席巻する三大国という立場だ。
俺は末子とはいえ皇帝の子、見下されるような服装では皇帝もナメられるというもの。プライドが働いたんだろうな。
「ルイジェバル」 その名は皇帝もしくはその血筋の者しか持ち得ない。
皇帝の権威維持の一貫のためだろうが、こんな所でちまちまと統制を図るような皇帝は賢王であると言わざるを得ない。
戦争屋でも理性は働くのが厄介だ。
父とは言えども血が相当分薄い。 直系子孫ではあるものの、格というものが違うのだ。
いわゆる貴賤結婚、俺は他国から嫁いだ母から生まれた。
外交の関係上、子供を1人は作らなければいけないし義務である。
俺や、その他の兄弟がいるからこそ、他国は手出できない。
そんな状況を作り出し攻められないようにするのも、敏腕な政治的手腕と言わざるを得ず、だがこれは同時に
イメージ戦略の一つでもあるのだろうが不快極まりない。
将来設計に血筋という本来有利になるべきものが岩となり立ち塞がる。
皇帝にとって自分の子供の第2〜第5までは実質的な継承者となりそれは全てスペア、そして本命が第1王子ということである。
為政者としては正しい。
スペアを用意し、本命が消えても挽回できるような状況にもっていく。
俺の前には第1王子〜第8王子までが立ち、その後釜にすら立てない。
第5王子から後ろは政略結婚の道具になる運命なのだろう。運命と言うには皇帝の差配に影響を受けすぎな気もするが。
Tips 皇帝は1代で帝国を築き、ただの地方独立領主から皇帝に成り上がりました。
どうやってなったのかと言うと、カリスマで忠誠を誓わせて軍の平押しです、完全に逸話だけなら脳筋。
設定集っぽいやつ……いりますか?多分活動報告に書きます
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いる!
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いらない!
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超ほしい
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超いらない