『あなたの転生』~一般通過宝具持ち転生者の人生~   作:砂漠谷

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キャラクターシート1
キャラクター作成


『ここは、何処だ』

 

 あなたは、そう思った。

 なぜなら、あなたは上下左右前後、"白"と表現するしかない空間にいたからだ。

 

 眩いわけでも、暗いわけでもない。ただ、白い。霧が凝縮され、それでも朝露にならないような、異様な白。

 しばらくそんな場所にいると、自分が何者か、かつて何を見聞きしたのか、忘れそうになる。

 何しろ、自我を保つための肉体がない。腕がない。足がない、胴体がない、顔がない。

 自分が自分であると理解するためには、身体性が必要だった。AIのように、すぐにリセットされるのでは、そのような恐怖があった。

 かつて、自分であった記憶をリフレインして、恐怖に耐える。それでもその記憶は徐々に曖昧になっていき――。

 

 

ランダム/経過時間・単位
 1.分。2.時間。3.日。4.週。5.月。6.年。

1d6=6

 

年数
1d10=8

 

 ――8年が、経過した。

 自我はもう、ほとんど溶けている。前世の記憶の残滓をただゆっくりゆっくりと撫でる、奇妙な存在。それがあなただった。

 

「はっはっは、いい感じに溶けてきているじゃないか。もう感情も自我も残っていないだろう――思考だけは、辛うじて残っているみたいだね」

 

 あなたは返事を返さない。ただ、その声に反応して、『他者』という存在が、かつて自分の近くにいたことを思い出す。

 神という概念も、悪魔という概念も、あなたは忘れていた。だが、『他者』という概念は、かろうじてあなたの記憶の残滓に残っていた。

 『他者』が現れた"白"の世界に、少しずつ色がついてくる。

 上は青。空のような。水色、と表現してもいいのだろうか。

 下は土色。まるで、ゲームのように粗い画素数だが――それでも、今までと違った。

 『他者』は、空に浮かぶ、黒い黒い虚空。そこから、声が届いていた。

 

「うん、そうなんだ。実は、君にはゲームの相手になってほしくてね」

 

 ゲーム? それはなんだろう。

 

「『あなたの転生』というゲームさ。あなたが幸せになるのを、僕が眺める。それだけのゲーム。チートも上げよう、もっともランダムだけどね」

 チート……あなたの記憶には、その言葉は……

オタク知識
高いほど転生先のことに詳しい。経過時間により4で割る
1d10/4=2/4

切り上げて1

 

 あなたには、チートという言葉の意味が分からなかった。英語で言えば、ずるやカンニングを意味する言葉だが、文脈に合わない。

 

「FGOって知ってるかい? ――忘れてしまっている。じゃあハンターハンターは? 分からないか。転生特典、いわゆるチートがFGOの宝具とスキル。転生先は、ハンターハンターという漫画の舞台さ」

 

 あなたは、『他者』が何を言っているのかよくわからない。ただ、その『他者』が自分に何かを依頼したがっていることは察した。

 

「良いだろう。まず、サイコロを振ろうか。その数字に応じた『宝具』、それを君に与えよう。君と私で一度ずつ振る。その後は、数字に応じた『スキル』と『クラススキル』をそれぞれ選ぼう。私が振ったサイコロの分は私が。君が振ったサイコロの分は、君が選んでくれ」

 

 拒絶する、という機能はあなたの中に残っていたが――拒絶する動機を探しても、どこにも見当たらなかった。この場所にずっといるより、『他者』がどこかに放逐してくれた方がよい。

 

「沈黙は肯定、と取るよ。では私から」

1d451=338
大歳星君(アルターエゴ)

 

「これは……大歳星君だね。ふふ、いいじゃないか」

 

 あなたは、首を傾げ、そして首と頭が自分にもあることをようやく思い出した。何の数字なのだろう、これは。

 

「君に与える宝具は、『太歳頭上動土(タイソエイ・アウェイクン)』。君の目を醒まさせた相手を、呪う宝具だ。ふふ、スキルは、やっぱりコレ。『視肉EX』。自分の血肉を食べた相手に、不老と、一度の不死を与えるスキルさ。クラススキルは……(神性は低ランクでも僕が困る。対魔力もAにまでなると、あまり面白くなさそうだし――)道具作成Cを、君に与えよう。手先が器用になるよ。さて、君の番だ」

 

 奇妙に動くサイコロを渡された。多面体なのだろうか。呪い? 不老不死? よくわからない。

 手先が器用になる――つまり、手の感覚が鋭敏になる。これは分かる。あなたは、自分の手に神経が通う感覚を得た。

 

「ああ、安心していい。いかさまはないよ。後は君と僕のゲームだ」

 

 サイコロを振るう。8年ぶりに、ものに触れて、その感触に震える。

 その瞬間の驚きで、わずかに目が覚めた(・・・・・)気がして。

 声の聞こえた相手が、ぴくりと震えた気がした。

 

1d451=157
エミヤ[オルタ](アーチャー)

 

「――っ、っと。呪いが痛いね。まあ、このくらいなら大丈夫さ。(周囲に人属性の眷属がいなくてよかった……) えぇと。これは……」

 

 157。この数字は、何を意味するのだろう。

 

「エミヤ[オルタ]か。君には宝具、『無限の剣製(アンリミテッドロストワークス)』が与えられる。スキルを選ぶといい。『防弾加工A』『回路接続(違法)B+』『嗤う鉄心A』だ。クラススキルは『対魔力D』と『単独行動A』だ。ま、どれを選んでも僕は損をしないんだけど……何がいいかい?」

 

 スキルの内容がよくわからない。説明を求める、という機能を思い出し、それを『他者』に使った。

 

「『防弾加工A』は、現代版の矢避けの加護、らしいね。特に銃弾の類に強くなるんじゃないかな」

「『回路接続(違法)B+』は……なんてったって違法だ、あまり勧めないよ。どうしてもというなら、どうぞ」

「『嗤う鉄心A』はおすすめだ! なんてったって、攻撃力が上がるんだよ? これほど心がそそられないものはない」

 

 クラススキルに関しても、説明を求める。

 

「『対魔力D』は、霊的なもの――オーラだったり、まじないだったり。そういったものに多少の耐性が付く。物理的攻撃には何も意味がないね」

「『単独行動A』は……一人で生きていられる、ってことじゃないかな。これがあれば独りぼっちでも悲しくない、のかな? いや、それは『忘却補正』の方だったか」

 

 あなたは、少し頭を回して考える。

 今まで撫でていた記憶の残滓が、少しずつ明瞭になっていく。自我は無くし、感情もなくし、それでも『前のあなた』が遺したものが、この記憶だ。

 こういう時、『前のあなた』はどうしていただろうか。

 

 

激動の人生度
大きいほど前世が波乱万丈

小さいほど虚無

1d10=4

 

 『前のあなた』が本気で頑張ったことと言えば、受験勉強ぐらいだ。交渉ごとを繰り返すような激動の人生だったわけではない。

 そういえば、最期の記憶はどういうものだったのだろう。

享年
大きいほど享年が老齢

小さいほど若年

1d10=1

 ニ十歳になる前に、病気か何かで死亡していたようだ。中学受験も、結局あまり意味をなさなかった。

 性別も、思い出してきた。下半身に意識を集中して、「あったか」「なかったか」を思い出す。

 

 

性別
奇数で男性、偶数で女性、100で??
1d100=82

 

 

 たしか、「なかった」気がする。もうあまり意味のない事柄だが。

 

「どうかしたかい? ずいぶん悩んでいるようだが。僕が決めてもいいかい?」

 

 それはちょっとまずい気もする。何より、やっぱり『次のあなた』のことはちゃんと選びたい。

 

 『あなた』は、『スキル』と『クラススキル』の組み合わせを選んだ。

キャラクターシート1『太歳星君(分)』×『エミヤ[オルタ](弓)』

  • 『防弾加工A』×『対魔力D』
  • 『回路接続(違法)B+』×『対魔力D』
  • 『嗤う鉄心A』×『対魔力D』
  • 『防弾加工A』×『単独行動A』
  • 『回路接続(違法)B+』×『単独行動A』
  • 『嗤う鉄心A』×『単独行動A』
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