『あなたの転生』~一般通過宝具持ち転生者の人生~ 作:砂漠谷
ウェルスとノーウェル。二人の老練なオーラが、静かに、しかし激しく衝突する。
矛盾する二つの側面をオーラに湛え、それをぶつける両者。
最初に優位を取ったのは――。
| 優位先取制 |
| ウェルスの勝利条件:優位3取得 |
| ノーウェルの勝利条件:優位3取得 |
| ターン1 |
| ウェルス:優位0/3 ノーウェル:優位0/3 |
| ウェルス: 1d100 + 90 = 25 + 90 = 115 |
| ノーウェル:1d100 + 100 = 50 + 100 = 150 |
ノーウェルだ。
あなたは咄嗟に"凝"を使い、二人の身体の動き、オーラの流れをその眼に焼き付ける。それは、師との修行で見てきた理論重視のオーラ操作とは全く違う、殺意と覚悟が練り込まれた実戦のオーラそのものだった。
ウェルスは先手を取らんと、無数の念手をノーウェルの足元に集中させる。だが、ノーウェルはまるでタップダンスを踊るかのように、オーラを纏った足先で軽やかにステップを踏み、全ての念手を的確に蹴り散らした。あなたは、その一連の動きに、攻撃の核だけを最小限の動きで見抜いて破壊する、達人の戦闘技術を垣間見た。
『
つまり――オーラを散らされた衝撃の奔流が、一気にウェルスの脳を揺さぶった。
ウェルスは、僅かに眉をしかめるだけだ。だが、百戦錬磨の老兵はその一瞬の隙を見逃さなかった。
意識の間隙を縫うように踏み込み、放たれた掌底が、ウェルスの腹部に深々と叩き込まれる。
「ぐっ……ぅう!」
咄嗟に“硬”による防御を試みるが、ゼロコンマ1秒、遅い。内臓までオーラが浸透したのか、ウェルスは口の端から血を垂れ流し、大きく後退した。
追撃せんと距離を詰めるノーウェルに対し、ウェルスは念の手で砂を撒き、目をくらまさんと足掻く。
ノーウェルはそれを鬱陶しげに振り払い、無言のまま、確かな一歩で地面を踏み締めた。
| ターン2 |
| ウェルス:優位0/3 ノーウェル:優位1/3 |
| ウェルス: 1d100 + 90 = 39 + 90 = 129 |
| ノーウェル:1d100 + 100 = 58 + 100 = 158 |
ノーウェルは、不意に索敵の“円”を解いた。ウェルスはその隙を好機と見て、オーラの手をノーウェルの身体へと殺到させる。
オーラの手がその体表に触れる、その瞬間。空間そのものが、爆ぜたように見えた。
「んなっ!?」
「お前のために身に着けた技だ、小手先だが――」
“練”ではない。“円”でもない。あなたはそう判断した。自身の周囲のオーラを爆発的に、しかし指向性を持たせて全方位に解放する、衝撃波じみた防御カウンター。命名するなら“喝”とでも言うべきか。それは“発”にまで至らぬ、だからこそ純粋で強力な高等応用技術だった。
驚愕と、再び脳を焼くフィードバックの衝撃に顔を歪めるウェルスへ、ノーウェルは一息に肉薄し、鋭い手刀を振り下ろす。
今度は“堅”による防御が間に合った。ウェルスは腕を交差させ、その一撃を急所から逸らす。
ぴしり、と乾いた音が響いた。ウェルスの顔には、だらだらと汗が流れている。
痛みと共に、ウェルスはさらに後退する。背中に、冷たく硬い何かがぶつかった。
閉じられた城門。それはまるで、彼の退路と勝ち目が完全に塞がれたことを示すかのようだった。
その暗示を頭から振り払い、ウェルスは闘志を絞り出す。
「がぁ、まだじゃあ!」
「いい加減に降参しろ!」
門を背にした師は、しかし、まだ勝機を捨てていなかった。彼はありったけのオーラを右拳に収束させ、最後の一撃を放たんと構える。
対するノーウェルは、静かに、ただ一つの構えを取った。
ウェルスとノーウェルの二人にとっては、思い入れの深い構え。かつて若かりし頃、とある小国の軍隊教練で習った、防御の型だった。
当時念を覚えていなかったウェルスは早々に音を上げ、対人をあまり相手にしないオーパーツや呪物を目標とするようになった。
だが、ノーウェルは違う。教練を終えつつも、紛争で生き残り、困窮した人々を救うために。その武は、分厚く、堅く、強く高めていた。
その年月の差が、今、歴然と目の前にあった。
「……ぉおおおお!」
ウェルスが、起死回生を懸けた拳状の念弾を、至近距離から放つ。
それをノーウェルは――。
| ターン3 |
| ウェルス:優位0/3 ノーウェル:優位2/3 |
| ウェルス: 1d100 + 90 = 10 + 90 = 100 |
| ノーウェル:1d100 + 100 = 85 + 100 = 185 |
“硬”すら使わなかった。ただ“凝”でオーラを腕に込めただけの、あまりにシンプルな迎撃。それでいて、念弾はまるでバレーボールの如く、たやすく弾き返された。
ウェルスには、まだ僅かにオーラが残っている。
だが、心が――魂が、折れかけていた。
ここで勝ってなんになる。ノーウェルは、子供をむやみに殺す男ではない。ならば、弟子の助命を嘆願する方が、よほど理に適っている。
戦う理由は、ちっぽけなプライド、ただそれだけだった。
一歩ずつ、近づいてくるノーウェル。その足音は、まるで敗北を告げるゴングのようだった。
実力は拮抗していたはずだった。はずだったんだ。
それは、かつての話だった。
ウェルスは、本能に従い、ゆっくりと両手を上げた。
「降参、降参じゃよ。こんな真似は性に合わなかったわい」
| ウェルス:優位0/3 ノーウェル:優位3/3 |
| ノーウェルの勝利 |
「――そうか。この吉兆丸は預かる。俺のルートでカキンに返却する」
ウェルスは、どこか吹っ切れたように首をかしげた。
「ワシを殺すんじゃなかったのか?」
「……ただの復讐で国を傾けるほど、お前は愚かではないだろう。何か理由があったはずだ。まあ、後先考えんその性格だ、尻拭いは俺がしてやる。……人の尻拭いは、嫌いじゃないんでな」
「フン、子供心を忘れんと言ってくれ……ありがとう、ノーウェル。本当に、ありがとう」
師の敗北。あなたは一瞬、最悪の事態を想像してぞっとしたが、二人の間に流れる空気がそれを否定していた。身体から力が抜け、ふらついたところを、背後の民兵がそっと支える。
それを、背後の、先ほど首を絞められた民兵が支える。
「嬢ちゃん、大丈夫か」
あなたは、しっかりと頷く。
あなたは、この戦いを目に焼き付け、僅かなりとも念能力者同士の戦闘というものを学んだ。
| 運動技能点獲得判定: |
| 筋力D,一度きりの見取稽古,熟練の念能力者同士の戦闘観戦を見て総合的に判定 |
| 獲得判定E |
| 1~5:僅かに(1点) 6~8:少し(2点) 9~10:普通に(3点) |
| 1d10 = 5 僅かに |
| 白兵技能点獲得判定: |
| 耐久D+,一度きりの見取稽古,熟練の念能力者同士の戦闘観戦を見て総合的に判定 |
| 獲得判定E+ |
| 1~4:僅かに(1点) 5~7:少し(2点) 8~10:普通に(3点) |
| 1d10 = 7 少し |
その民兵は、安堵の表情でノーウェルを見ながら、誇らしげに呟いた。
「ノーウェルさん……やっぱり、すげぇや。あんな奴の後始末まで……いつも、俺たちの失敗をフォローしてくれる」
その言葉が、あなたの胸に突き刺さる。ウェルスが罪を被ろうとし、ノーウェルがその後始末をしようとしている。
全ての元凶は、自分だ。それなのに、大人たちが自分のために傷つき、責任を負おうとしている。
子供だからと守られているばかりでは、自分がだめになってしまう気がした。
民兵に礼を言って、あなたはしっかりと地に足をつけた。
責任の、一端でもいい。大人に背負わせたそれを、あなたは取り戻そうとしていた。
あなたは、ノーウェルへと近づき、その顔を見あげた。近くで見れば、深い皺の間に、幾筋もの古い傷跡が刻まれているのが分かった。
「――どうした、ウェルスの弟子」
あなたは、これからの彼の行動を尋ねた。
「吉兆丸がここにあると知られれば、ベンジャミン第一王子は必ず進軍してくる。村を戦火に巻き込むわけにはいかん。まず、カキンが手を出せん中立組織――サヘルタ合衆国のハンター協会本部に、吉兆丸を預ける。その後、吉兆丸の在り処をカキンに知らせて特殊戒厳令を解かせ、いくつかの人権問題への対処を対価に、宝剣を返却する。うまくいっても半年、長ければ数年かかる交渉だ。下手を打てば世界大戦の引き金になる。……だが、やってみせる。人生最後の大仕事だ」
あなたは、ノーウェルの語る計画の大きさに息を呑む。これが、周囲から英雄までと称えられる、大人の意志か。
傍らで同じように話を聞いていた師の顔を盗み見る。
ウェルスの表情には、敗北の悔しさはなかった。ただ、どこか安堵したような、そして憧れているような。そして、古き友を誇るような、複雑な色が同時に浮かんでいた。
師は、自分よりもはるかに遠いところを見つめているノーウェルの計画が、世界の混乱を避けるために必要であることを悟っていた。
あなたの中に、進むべき道が定まりつつあった。
あなたはサヘルタ合衆国へは行かなければならない。逃亡のためだけではない。自分が引き起こした、途方もない物語の結末。合衆国で行われるだろう、吉兆丸の返却を、見届けなければならない。それはあなたにとっての最低限の責任だった。
家族とまだ連絡がついていないことも不安だ。父と連絡を取るためには、ハンター協会とコンタクトを取る必要がある。サヘルタに行くことが最も近道だろう。
交渉が終わるまでの数年間、あなたはその地で何をすべきか。思考が、未来へと駆け巡る。
第一の道は、ノーウェルに同行し、ハンター協会の庇護下に入るルートだ。それは、自らが引き起こした事件の顛末に、真正面から向き合う『責任』の道でもある。
世界最高峰の知性が集う協会本部ならば、あなたの身の安全は確保されるだろう。そして何より、そこには宝剣『吉兆丸』がある。あなたの念能力『星屑の螺旋』の解析能力を磨き上げれば、このS級呪物に秘められた、カキン繁栄の源泉たる“幸運”のシステムを解明できるかもしれない。成功すれば、それはあなたの身を守るだけでなく、仲間をも守る、強力な力となるだろう。
だが、その代償は『自由』だ。あなたは協会の保護対象であると同時に、常に、実力者の目に晒されることになる。行動は制限され、その能力を、そして過去を見抜かれ、組織のために利用される可能性も否定できない。それは、鳥籠の中で世界の真理を探求するような、もどかしく息の詰まる道かもしれない。
第二の道は、ウェルスの手引きでサヘルタの裏社会に潜伏し、己を鍛え上げるルート。それは、あらゆる秩序の外側で、純粋な『力』を求める覇道だろう。
修行に集中する環境としては、これが最良だろう。サヘルタの裏社会には、十老頭配下の『陰獣』をはじめ、死線をくぐり抜けてきた念の達人たちがいる。彼らとの接触は、あなたの戦闘技術を最も早く、最も実践的な形で向上させるはずだ。彼らと取引するための「手土産」として、例えば『太歳頭上動土』の呪いを応用した呪具でも作れば、喜んで迎え入れられるに違いない。
しかし、影に長く浸れば、いずれ自分自身の影も濃くなる。裏社会での成功は、必ず誰かの犠牲の上に成り立っている。心を摩耗させ、光の世界へ戻る道を狭めるだろう。その影の濃さが高まれば、あるいはカキンにまで名が知られてしまうかもしれない。
第三の道。ウェルスやノーウェルという庇護者から少しだけ距離を置き、自らの手で信頼できる『仲間』を探す王道だ。
この選択は、師たちから完全に見放されることを意味しない。ウェルスがサヘルタに安全な拠点を確保し、ノーウェルもいざという時のための連絡手段は残してくれるだろう。あなたは孤独ではない。ただ、自らの足で歩き、対等な立場で背中を預けられる存在を探すのだ。
年が近く、あなたと同じように過酷な運命と向き合い、共に成長できる友。そんな絆は、単純な戦闘力や技術では測れない、あなたの人生そのものを支える力となるだろう。
もちろん、リスクは伴う。庇護から距離を置き、子供が一人で行動することは、サヘルタの治安の悪さを知る一般市民にとってはあり得ない選択だろう。しかし、あなたは一般の児童ではない。一度築かれた真の信頼は、数字では測れない確固たる価値となる。リスクを覚悟するだけの利益は、十分にある。
あなたは、どの道を選ぶべきか。深く思案し、決断する。
| メッセージ |
| あなたの少年前期は、サヘルタ合衆国で数年間を過ごすことになる。 ノーウェルによる『吉兆丸』返却交渉の結末を見届けるまで、あなたはこの地で己を磨き、来たる危険に備えなければならない。 |
| その過ごし方は、あなたの未来を大きく左右するだろう。 |
選択
| ①ノーウェルに同行し、ハンター協会を訪ね、そこで『責任』を果たす。 |
| 『星屑の螺旋Lv1』に加え『構造解析Lv2』の技能を優先的に習得する。 そのためのボーナス技能点が得られる可能性もある。 |
| ハンター協会本部に寄託された『吉兆丸』の解析機会が、技能獲得後に発生する。 "幸運Lv5"の再現、および"カキン繁栄の念システム解析"を成長パート中に完了できる可能性がある。 ノーウェル及びハンター協会の庇護下に入るため、カキン帝国や賞金稼ぎからの襲撃リスクが減少する。 |
| あなたの行動はある程度管理され、能力や過去が看破される可能性がある。 看破された後、カキン帝国にそれが伝わる可能性が僅かにある。 また、自由な単独行動が困難になり、一部の選択肢が変動する。 |
| ボーナス技能点、最低保証の技能点の他、『精神』『製作』『感覚』技能点の獲得判定がある。 |
| ②ウェルスと裏社会に隠匿し、『力』を追求する。 |
| 『星屑の螺旋Lv1』に加え『物質加工Lv2』の技能を優先的に習得する。 そのためのボーナス技能点が得られる可能性もある。 |
| サヘルタのマフィアとの接触により、実践的な戦闘訓練の機会が豊富に発生する。 『太歳頭上動土』の呪いを応用した呪具作成技術を取得可能。これは『太歳頭上動土』のサブ機能となる。 |
| 裏社会での知名度が上昇し、カキン帝国、およびツェリードニヒ個人に知られる可能性がある。 あなたが彼らに知られた後、国王暗殺事件と結び付けられる可能性がある。 シナリオ中、あなたの価値観を揺さぶる倫理的に困難な選択を迫られる可能性がある。 |
| ボーナス技能点、最低保証の技能点の他、『運動』『白兵』『移動』技能点の獲得判定がある。 特に『運動』『白兵』に関しては、複数回の判定がある。 |
| ③庇護から距離を置き、『仲間』を探し求める。 |
| 師たちの直接的な庇護からは距離を置くが、安全な拠点や緊急時の連絡手段は確保される。 |
| 運命的な出会いの機会が複数発生し、あなたの人生を支える強力な仲間を得る可能性がある。 あなたと同い年の占い師がいるらしい。占ってもらっても、良い出会いがあるかもしれない。 仲間との交流や共闘を通じて、単独では得られない特殊な連携技能の発想(相互協力型念能力を含む)が期待できる。 |
| より良い友人を得られるかどうかは、あなたの人物眼やコミュニケーション能力次第だ。 ただの友達で終わる可能性もゼロではない。 |
| また、庇護から距離を置くため、カキン帝国と関係のある襲撃者、関係のない襲撃者、双方ともに接触する可能性がある。 |
| ボーナス技能点、最低保証の技能点の他、『交渉』『感覚』『生存』技能点の獲得判定がある。 |
Fate/Strange Fake原作を大人買いしたので少し更新速度が遅くなります。
可能な限り週に一度は投稿するので許してください。
お気に入り、感想、高評価お待ちしています!
キャラクター1 少年前期・活動案選択
-
①『責任』を求める
-
②『力』を求める
-
③『仲間』を求める