『あなたの転生』~一般通過宝具持ち転生者の人生~   作:砂漠谷

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幼少期シナリオ・冒険パート3

 狐面の内側で、あなたは荒い呼吸を繰り返す。

 ナスビ・ホイコーロ。この地獄の発端。その肥満体の王とあなたは、燃え盛り、異臭が蔓延する村を舞台に、互いの死角と射線を探り合う獣のように、ゆっくりと円を描き始めた。

 パチパチと木のはぜる音。遠くで聞こえる、か細いうめき声。足元でぬかるむ、呪われた膿の不快な感触が、あなたのブーツ越しに伝わってくる。

 

(あれは……デザートイーグルか? 馬鹿な、あんな大口径、幼子の細腕で撃てる反動ではないホイ。やはりただの子供ではなく……異質な念能力者だホイ!)

 

 篝火の揺らめきが、あなたの構える大きな拳銃とその狐面を、一瞬だけ不気味に照らし出す。ナスビは、その銃の持つ物理的な脅威を正確に推察した。

 あなたの拳銃のおおよその威力を、ナスビは推察した。

 

 ――だが、その推察は、弾丸が尋常のものであればの話だ。

 あなたの切り札は、物理法則を超越した魔弾。『無限の剣製(アンリミテッド・ロストワークス)』。これを当てさえすれば、急所でなくともあの巨体を内側から喰い破れる。

 弾丸は五発。一発たりとも無駄にはできない。

 揺れる炎が、あなたと王の影を、踊るように伸縮させる。夜の闇と灯火の光が交錯し、照準が定めにくい。

 それでも、あなたは引き金に指を掛けた。

 

優位先取制

あなたの勝利条件:優位3

ナスビ・ホイコーロの勝利条件:5ターン経過,または優位3+1取得

 

ターン1

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運5/5 無敵1

あなた:1d100 + 55 = 83 + 55 = 138

ナスビ:1d100 + 10 = 32 + 10 = 42

 

 その瞬間、あなたの足元で、蠢動する呪いの膿が、不自然に盛り上がった。

「くっ…!」

 咄嗟に体勢を立て直すが、完璧な射撃姿勢は崩される。ダメだ、この反動を抑えるには、両脚で大地をしっかり踏み締めなければ。

 相手から目を逸らさず、あなたはもう一度、静かに銃を構え直した。

 

ターン1 ナスビの幸運による振り直し

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運4/5 無敵1

あなた:1d100 + 55 = 88 + 55 = 143

ナスビ:1d100 + 10 = 7 + 10 = 17

 

 今のは偶然だろうか。いや、そうとは限らない。

 あなたの脳裏に、師の言葉が蘇る。

『特異な念能力によって守られている者のうちにはな、誰しも持つ"天運"というものをな、異常なまでに高めるものもおる。理屈ではない。奴らにとって、都合のいい偶然が、必然のように起こることがあるのじゃ』

 ナスビの腰で鈍い光を放つ宝剣。アレが、この空間の『運命』そのものを、持ち主に有利なように書き換えているかのようだ。あなたの本来あるべき実力が、目に見えない力によって削がれていくのを感じる。

 少し震え始めた指を叱咤し、あなたは両手で強く銃を握りしめた。

 

ターン1 ナスビの幸運による振り直し

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運3/5 無敵1

あなた:1d100 + 55 = 48 + 55 = 103

ナスビ:1d100 + 10 = 10 + 10 = 20

 

ターン1 ナスビの幸運による振り直し

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運2/5 無敵1

あなた:1d100 + 55 = 97 + 55 = 152

ナスビ:1d100 + 10 = 49 + 10 = 59

 

ターン1 ナスビの幸運による振り直し

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運1/5 無敵1

あなた:1d100 + 55 = 58 + 55 = 113

ナスビ:1d100 + 10 = 85 + 10 = 95

 

 ナスビは、その青ざめた顔に脂汗を浮かべていた。彼もまた、自ら『運』が、目の前の童女の放つ純粋な殺意によって、急速に消費されていくのを感じ取っていた。死地に自らを置くことで、身を守るはずの天運が、まるで砂時計の砂のようにこぼれ落ちていく。

 あなたはそれを見て、少し呼吸を整えられた。平常心だ。チャンスが転がれば、すぐにつかめる。あなたは精神状態を持ち直すことに成功した。

 

ターン1 ナスビの、最後の幸運による振り直し

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運0/5 無敵1

あなた:1d100 + 55 = 33 + 55 = 88

ナスビ:1d100 + 10 = 54 + 10 = 64

 

 ――好機は、唐突に訪れた。

 ナスビの腰布が、何かの拍子に緩み、宝剣『吉兆丸』がカラン、と乾いた音を立てて地面に落ちた。

 その瞬間、ナスビの意識が、あなたから宝剣へと、ほんの一瞬だけ逸れた。

 ――それを、あなたは見逃さない。

 引き金を引く。同時に、心の底で、忘れられた叙事詩の断片を囁くように詠唱する。

『So as I pray――』

 放たれた魔弾は、しかし国王ナスビには届かない。彼の眼前、何もない空間で、ピタリと静止する。

 まるで、見えない壁がその身で受け止めたかのように。

 だが、宝具の発動は止まらない。

 その見えざる守護者――守護霊獣を内側から破砕すべく、弾丸に封じられた心象風景が、その真価を解放する。

『Unlimited Lost Works』

 空中で静止した弾丸に亀裂が走り、内側から鈍い金属光沢が溢れ出す。

 次の瞬間、空間そのものを切り裂くように、無数の剣が放射状に出現した。日本刀、西洋のブロードソード、儀礼用のレイピア、蛮族の大剣――あなたが触れたことのある、ありとあらゆる「剣」の具象が、一点から咲き乱れる。

 見えざる霊獣の断末魔が、ガラスが砕け散るような甲高い風切り音となって響き渡った。その巨体は、体内から発生した無数の刃に霊核ごとズタズタに引き裂かれ、その姿を現実世界に晒け出す。

 

 それは、女の身体を悪意をもって組み替えた、冒涜的な妖怪の姿だった。体中に血管の浮き出た乳房を纏い、節足動物めいた腕の先には、不釣り合いなほどしなやかな人間の手がついていた。

 その顔は平安貴族を思わせるが、口は縦に裂け、だらりと長い舌が垂れている。

 『剣製』の刃に裂かれた無数の乳房から、白い体液が粒子となって噴き出し――守護霊獣の巨体は、オーラに還元され、霧のように掻き消えていった。

 

 あなたはその異形に一瞬だけギョッとし、ナスビは絶対の守護を失った喪失感と恐怖に呆然とする。

 双方の隙。しかし、即座に立ち直り、再び互いの心臓に照準を合わせた。

 

(なんだ、あの刀剣は!? 相手の念能力かホイ!? 尋常の銃弾なら、鬼子母神はあと数発は耐えられたはずだ! あれを喰らえば、ワシはひとたまりもないホイ…!)

 

 王としての仮面が剥がれ落ち、ナスビの顔に純粋な恐怖が浮かぶ。彼はじりじりと後退を始めた。生き残っているであろう、兵士たちの援護を求めて。

 あなたは、再び引き金に指を掛けた。残弾、四発。

 

ターン2

あなた:優位0/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運0/5

あなた:1d100 + 55 = 96 + 55 = 151

ナスビ:1d100 + 10 = 28 + 10 = 38

 

 放たれた第二の魔弾は、しかしナスビの心臓を僅かに逸れた。

 エラを、村人たちを、その手で殺めたというのに。いまさら、発端たるこの男を殺すことを、あなたは無意識に躊躇したのか。

 弾丸は、ナスビの右足――その膝に深々と着弾する。

 

『Unlimited Lost Works』

 

「うっ、がっ、があああああッ!」

 

 絶叫。ナスビの膝を中心に、太腿と脛に掛けて、再び刀剣の群れが内側から噴出する。肉を裂き、骨を砕き、神経を引きちぎる音。咲き乱れる剣の刀身を、噴き出す血潮が鮮やかに濡らした。

 刀剣の群れは、右膝から下の肉と骨を抉り取ると、地面にぼとり、と落ちた。

 ナスビは王のプライドを捨て、獣のように地面を転がると、咄嗟の判断で地面に落ちた宝剣を握り、半壊した家屋の物陰へと身を隠した。

 自らの衣服を裂いて太腿を固く縛り、止血を試みる。痛みと屈辱に顔を歪ませながらも、その瞳はまだ、生き残るための、敵を殺すための、狡猾な光を失ってはいなかった。

 

 あなたは、静かにその家屋へと足を踏み入れる。

 中は暗く、血と膿の匂いが充満していた。五感を研ぎ澄ます。『絶』で完全に気配を消し、床の軋む音に耳を澄ませ、壁の向こうから聞こえる荒い息遣いと、血の匂いの源泉を探る。

 

ターン3

あなた:優位2/3 幸運3/3 ナスビ:優位0/4 幸運0/5

あなた:1d100 + 55 = 54 + 55 = 109

ナスビ:1d100 + 10 = 73 + 10 = 83

 

 ――見つけた。

 あなたは、相手に気づかれぬよう、音もなく背後へと回り込む。

 そして、壁の隙間から漏れる炎の光に照らされた、王の背中。その心臓に相当する部分に、銃口を、冷たい鉄の感触を、ゆっくりと押し付けた。

 

 それが、自らの死を意味するのだと、ナスビ・ホイコーロは即座に悟った。

 脂汗が額を伝う。足の激痛が意識を刈り取ろうとする。しかし、その絶体絶命の状況で、彼は恐怖に震える肉体を、王としての強靭な精神力で支配した。

 ここでみっともなく命乞いをするのは、ただの男。彼は、王だった。

 ナスビはゆっくりと呼吸を整えると、苦痛を押し殺した、穏やかな声で語りかけた。

 

「――見事だホイ、小娘。ワシの鬼子母神を砕き、この足まで奪うとは。して、望みは何ホイ? (ごうとう)か? 地位(クーデター)か? それとも、カキンの大樹をここで伐り倒し、我ら王族を腐れ根だと断ずる、革命ごっこホイ?」

 

 あなたは、狐面の下で静かに首を振る。どれも違う。あまりにも、見当違いだ。

 あなたは、ただ――目の前の惨劇に、堪えられなかっただけなのだ。

 

「うむ? お主のあの呪いでは、村人も多く死んだホ。村人を助けるのが目的であったなら、些か矛盾しておる。…もしや、その見た目の通り、感情のままに動く幼子であるならば…理解はできるホ。幼子とは、そういう矛盾した輝きを持つものホイ」

 

 迫る死を前に、ナスビの口調はどこまでも穏やかで、子供を諭すような声音だった。先ほどまで、この地獄をワイン片手に楽しんでいた男とは思えない。

 

「悩むがいい、幼子よ。悩んで、悩んで、その末に出した結論に、後悔がない訳がない。しかし――悩まずに出した結論より、きっと、ずっと良いものになるハズだホイ」

 

 大虐殺の主催者に言われたくない。心からの反発が湧き上がる。しかし、その言葉の持つ異様な説得力に、どこか納得してしまう自分もいた。

 

 ナスビは、自らの生死をカードに、最後の交渉を始める。

「王は、ここで死ぬ。守護霊獣を失った国王が死に、国運を司るこの『吉兆丸』が失われることを、カキン繁栄の念システムは想定しておらんホ。お主がワシを殺し、この宝剣を奪うか、あるいは砕けば…近い将来、カキンという国は、名実ともに滅ぶホイ」

 

 ナスビの側に置かれている『吉兆丸』が、まるでその言葉に応えるかのように、妖しい光を放った気がした。

 数多の犠牲の上に成り立つ、しかしそれ以上の数多の民を生かしているこの国を、滅ぼす覚悟があるのか。彼の言葉は、そう問うていた。

 

「それとも、ワシを生かすかホイ? カキンが続くということは、謝肉祭もまた、いずれ繰り返されるということ。だが、国全体の混乱は最も少ないホイな」

「あるいは、ワシを殺し、『吉兆丸』には触れぬ、という手もある。カキンの風習上、国王が非業の死を遂げた場合、国全体が喪に服す。向こう十年、謝肉祭は行われんホ。――たった十年とみるか、それでも十年とみるか」

 

 次々と提示される、国家規模の選択肢。あなたの頭は、その情報量と責任の重さに混乱し始める。

 前世の記憶を含めても、一個の国の盛衰を、これほど直接的に左右する決断を下したことなど、一度もなかった。

 

「お主に責任はないホ。全ては、この国に生まれた全ての責を負う、国王たるワシの責任。軽い気持ちで、選ぶがいい」

 

 ――そう、ナスビは穏やかに言い放つ。

(軽い気持ちで、選べるものか)

 それは、子供であるあなたを油断させ、判断を鈍らせるための、王の揺さぶり。

 あなたの内心で、父と師の言葉が激しくこだました。 

 

『自分の力に責任を持つことを覚えていきなさい』

 父の言葉が、現実の重みとなってのしかかる。この引き金を引く指一本に、数千万の民の未来が懸かっている。これが、責任。

 

『最善を選び続ければ、絶望の果てにも希望は見えてくる』

 師の言葉が、しかし今の状況ではあまりに皮肉に響く。どの選択が『最善』だというのか。どの道を選んでも、誰かにとっては最悪の結果が待っている。

 

 村の外から、兵士たちが王の名を呼ぶ声が、徐々に近づいてくる。

 もう時間はない。

 あなたは、狐面の位置を直し、深く息を吸った。仮面の内側の暗闇で、あなたの瞳が、一つの決意を宿す。

 あなたは――。

 

メッセージ

ナスビ及び吉兆丸の命運は、あなたに委ねられる。

その選択は、カキン帝国全体に影響を及ぼすだろう。

 

選択によらず共通の影響

『太歳頭上動土』の使い手にA級賞金首および国家内乱罪の指名手配。

それがあなただと推察できるのは、あなたのポテンシャルを知るウェルスだけである。

(イヴァンは呪いに詳しくないし、家族も大規模な呪殺が可能とは知らないため)

 

冒険シナリオクリアによる技能点獲得判定

初めての『太歳』全力行使により、精神技能点(太歳の禍)をAで判定

初めての『剣製』対人行使により、製作技能点(剣製)をAで判定

悲劇と絶望の直視により、精神技能点を魔力ポテンシャルC-で判定

単独による戦術行動により、生存技能点(単独)を単独行動Aで判定

初めての銃撃戦により、運動技能点を筋力ポテンシャルDで判定

ストレート勝利により、さらに運動技能点を筋力ポテンシャルDで判定

 

選択

 

①ナスビ殺害・吉兆丸強奪

剣属性の道具『吉兆丸』の効果により、あなたは『幸運Lv4』を手に入れる。

『無限の剣製Lv1』により、解析すれば『吉兆丸』喪失後も『幸運Lv3』に戻ることはない。

『吉兆丸』は売却か譲渡が可能である。現在の譲渡可能先は『ウェルス』のみである。

もし『吉兆丸』の強奪犯があなただと分かった場合、この事件の首謀者として特定される。

カキン繁栄の念システムが緩やかに失われる。『吉兆丸』が元に戻らない場合、十年単位後にカキンが崩壊。

 

②ナスビ殺害・吉兆丸破壊

カキン繁栄の念システムが急激に失われる。数年後にカキンが崩壊。

崩壊による混乱で失われる人命も多いだろう。

あなたはさらに罪悪感に苛まれるかもしれない。

あなたの実家が没落する可能性もある。父の手腕次第だ。

ハンター協会がカキンの混乱に介入する可能性がある。

冒険シナリオ終了時、通常の技能点獲得判定の他、製作技能点獲得判定。

 

③ナスビを放置・吉兆丸も放置

ナスビは生存。カキン帝国は存続。『太歳』の他に『剣製』の使用が露見。

あなたは、家族の他に、ウェルスとイヴァンにも『剣製』の概要が知られている。

ナスビはあなたの正体を特定し、その力を利用しようとあなたの捜索を進めるだろう。

冒険シナリオ終了時、通常の技能点獲得判定の他、二度の精神技能点獲得判定。

 

④ナスビ殺害・吉兆丸は放置。

カキン帝国は存続。国王代理には第一王子ベンジャミンが就くと推測される。

喪に服すため、十年間、謝肉祭(このような村の襲撃)の開催が行われない。

ベンジャミンは、国家権力を用いて『太歳』の使い手を血眼で探し続けるだろう。

その意図は、単なる復讐か、それとも兵器転用か。

冒険シナリオ終了時、通常の技能点獲得判定の他、交渉技能点獲得判定。




少年期に備えて、オリジナル念能力を募集します!
以下のフォーマットで作成・投稿をお願いします。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=330599&uid=312144
フォーマットやシステムに関して質問があれば、そちらも投稿してもらって構いません。

キャラクター1 幼少期シナリオ・冒険パートクリア時選択

  • ①ナスビ殺害・吉兆丸強奪
  • ②ナスビ殺害・吉兆丸破壊
  • ③ナスビを放置・吉兆丸も放置
  • ④ナスビ殺害・吉兆丸は放置。
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