「というわけでデカ卵配信をします」
・何がというわけだよ
・説明を怠るな
・絶対に前回のダンジョン配信で撮れ高無かったから焦ってるだけやぞ
伽凛は焦ってるだけというチャットを見てビクリとする。図星であった。
「料理できたよー」
「うわ、全体的にデッカ」
卵は前回拾った蹴喰鳥の卵である。サッカーボール程の大きさの卵は料理なっても威圧感がある。
響子の作った料理を持ってきた。献立はウフマヨ、卵のアヒージョである。
「いただきます。さ、食べようか」
「おっと撮れ高」
・こいつ撮れ高の事しか考えてねぇ
・可愛かった伽凛ちゃんは何処へ…
克己がフウマヨに手を伸ばす。
ウフマヨとは……端的にいえばマヨネーズソースをぶっかけたゆで卵である。凄く酒が進む。
克己がフウマヨをナイフで切ると中から半熟の君が溢れてくる。
「おっとっと」
克己が持ち前の器用さで、取り皿に分け、伽凛と響子に渡す。
「いただきます」
取り皿を受け取った伽凛は、ウフマヨを口に運ぶ。
「うッッッッッッッま!?黄身濃厚!?!?マヨソースうま!?!?!?」
「マヨも自家製よー」
・語彙力ゴミかよ
・いや美味すぎて語彙力が死んだんじゃね?
・それだわ
食べた瞬間にマヨネーズソースと濃厚な黄身が口一杯に広がり、口内を支配するのだ。
一心不乱に食べ続けた伽凛であったが、ふと克己を見ると、ウフマヨを肴にウイスキーをロックで飲んでいた。ただ飲み方が……
・ウイスキーのロックを麦茶みたいに飲んでらぁ
・範馬勇○郎かな?
・化物かよ
・化物ではあるだろ
・あれ高いヤツだよなぁ
まるで麦茶を飲むかの様にゴクゴクと飲んでいた。なお、この化物が麦茶の様に飲んでいるのは1万円ほどする物だ。
「伽凛ちゃんも飲む?」
克己を眺めていた伽凛に響子が尋ねる。
「それじゃ、私も……」
「おーけー、あなたウイスキー注いであげてー」
・飲酒配信始まったか?
・ぶっ倒れるなよ
響子に頼まれた克己は水を飲む様に持ってきていたグラスに氷を入れ、一気にウイスキー注いだ。
「待って待って待って待って!?!?」
・伽凛終了のお知らせ
・アルハラかな???
・実は麦茶の可能性……
・さっき画面端で開封してたから新品やぞ
・終わったわ
「安心しなさい。このウイスキーはロックでも美味いから、クリーミーな感じのやつだから、9000円とかするから」
「味の話や値段の話じゃないんです!?アルコールの度数の話をしてるんです!?……そのウイスキー9000円以上もするんですか!?」
ウイスキーのアルコール度数は基本的に40を越えるので、麦茶感覚で飲むと非常に危険なのでマネはしないようにしよう。
克己はしょうがないなと思いながら自信のコップにウイスキーを移した。
「ハイボールとコーラ割りならどっちがいい?」
「じゃあ、ハイボールで」
1万円近いウイスキーをコーラで割るのはどうかと思った伽凛はハイボールを克己に頼む。
克己は炭酸が抜けない様にガラスに縁に沿うように炭酸水を注ぎ、伽凛に手渡した。
伽凛はウフマヨを食べ、ハイボールを飲むと
「おいしー!!」
語彙力が死んだ。まぁ、別にいつも死んでいるため、気にする事はないだろう。
そして、伽凛の語彙力が死に、ついでに意識が飛んだところで前編は終了である。