ダンジョン管理人(酒カス)は弟子を取る   作:ものため

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2.プライドは捨てるもの

 目の前で岩竜の首落ちる光景を目にした伽凛は……

 

「それで、わざわざ東京からこんな田舎に来たのかい?」

 

「はい、個人管理のダンジョンとだけ聞いてたので……」

 

 管理人の男と喋っていた。管理人は素早い手付きで岩竜を解体している。ちなみに岩竜は名の通り硬いので、目の前で楽々解体している男が化物であることは確定している。

 

「……そういえば、まだ名乗ってなかったね。僕は新道 克己、知ってる様だけど、ここの管理人をしている」

 

「わ、私は配信者の佐山 伽凛と申します」

 

 克己と伽凛は互いに名乗る。

 

・個人で管理出来るダンジョンとは思えない

・スタンピード起こるだろ

・我、仙山市民、長いこと住んでるがスタンピードの警報すら起きたことないと記す。

・このダンジョン有るのに!?

 

 スタンピード、何かしらの原因で大量のモンスターがダンジョン外に出てきてしまう現象のことである。この仙山ダンジョンのモンスターの強さからして、一度もスタンピードが起きてない事は寧ろ異常であろう。

 

「あの……、ここって本当に個人ダンジョンなんですか?明らかにモンスターの強さがおかしいと思うんですけど」

 

「普通は国が管理するレベルだろうね。でもまぁ、いろいろあったんだよ」

 

「いろいろ?」

 

 克己は思い出す様にしゃべりだす。

 

「数十年前にこのダンジョン見つけて役所…ダンジョン庁に報告したんだけど……」

 

~~~

 

『そんなダンジョンあるわけ無いじゃないですか。迷惑電話なら切りますよ。え、土地の管理人から権利買い取っていいか?好きにしてください』

 

~~~

 

「って電話ガチャ切りされたんだよね。買い取った後に色々あって把握したらしく、当時のトップと担当が謝りに来たけど、普通に管理出来てるからお帰り頂いたよ」

 

「そんな事が……」

 

 克己は運悪く質の悪い担当者に繋がってしまい、そのまま流れでここを管理しているのだ。

 

 駄弁っているうちに克己は岩竜の解体を終え、解体したアイテムをささっとバックに詰めていく。

 

 克己はささっと詰め終えると

 

「さて、僕は帰るけど君はどうする?」

 

 と伽凛に確認する。

 

「あ、帰ります。というか着いて行きます。ここ怖いんで」

 

・生き残り優先

・なんかもう危険な事なさそう

 

 2人は帰路につくのであった。

 

~~~

 

「お帰りなさーい」

 

「ただいま」

 

 ダンジョンから戻った2人を響子が出迎える。

 

「今日はどうだった?」

 

「ぼちぼちかな。取り敢えずアイテムの換金と管理は任せるよ」

 

「はーい!マジックバッグは預かるねー」

 

「はいよろしく」

 

 克己はバッグから箱の様な物を取り出し、響子に渡す。

 

・やっぱマジックバッグか!

・やけに物が入ると思ったわ

 

 マジックバッグ…要するに希少なモンスターの素材で作られる特殊な鞄である。ゲームとかにあるバカみたいに道具の入るバッグと同じ様なものだ。

 

「マ、マジックバッグ持ってるんですね」

 

「この辺は結構持ってる人も多いよ」

 

・なわけないだろ

・修羅の国かな?

・我、仙山市民……我も持ってるーとここに記す

・持ってるーじゃねーよ!?オマエはなんだよ!?

 

「えぇ……?」

 

 チャットの変なヤツに伽凛は困惑する。なんでそんな希少品持ってるんだよ

 

「いや師匠が一人立ちする弟子に剣とかを渡すヤツあるだろ?あれみたいな感じになっていてね」

 

・どんな世界線?

・そんな剣を渡すみたいなノリで渡す物じゃなくない?

 

 

「ていうか配信切らなくていいのかい?普通に僕と話してるだけになってるよ」

 

「あー、それもそうですね。にしても色々あったなぁ…」

 

・色々ヤバかったしな

・我、仙山市民、……そのぐらい序の口だよとここに記す

・オマエは何を見たんだ仙山市民!?

 

「というわけで!今日の配信はここまで!見てくれてありがとう!またね!」

 

・割りとごり押しで締めやがった

・くさ

・そうはならんやろ

 

 伽凛は無理矢理締めの挨拶をし、配信を切るのであった。

 

「……そんな雑でいいの?」

 

「普段はもう少し会話挟んでいい感じの所で締めるんですけど……今日は無理です」

 

 いろいろと起こり過ぎてキャパオーバーな伽凛は早く何処かで休みたいのでる。

 

「まぁ、大丈夫だと思うけど気をつけて帰りなよ」

 

「はい、ありがとうございます」

 

 伽凛はトボトボと家に……帰る気力も無いため、近くの民宿を調べ、予約を取るのであった。

 

~~~

 

翌日

 

「弟子にしてくだい」

 

「急すぎやしないかい?」

 

 伽凛は克己の弟子になるために頭を下げるのであった。

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