ダンジョン管理人(酒カス)は弟子を取る   作:ものため

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3.とんでもねぇヤツがとんでもねぇジジイに弟子入りした様です

「弟子にしてくれって言われても……ねぇ」

 

「そこをどうにか!」

 

 山並町ダンジョンから帰還した翌日、伽凛は克己に弟子入り志願をしていた。

 

「正直なところ、教えられる事はあまりないよ」

 

「それでも克己さんがいいんです!」

 

 伽凛は、だってワンチャンバズるからという不純な動機は顔には出さない様に注意しながら頼み込む。……なんて図太いヤツなんだ。

 

 そんな伽凛を見つつ、克己は困ったなぁと思いつつ頭をポリポリと搔く。

 

「教えてあげたらいいんじゃない?減るものでもないし」

 

 見かねた響子が伽凛に助け船を出す。そいつ弟子入りの理由の半分はバズるのが目的ですよ。

 

「そうは言うけど、彼女って東京住みだよ?」

 

「使ってない納屋があるからそこでいいんじゃない?鍵もあるし、冷暖房もあるわよー」

 

「いやいや!?流石にアパート借りますよ!?」

 

「気にしないでいいのよー」

 

 割りと響子が伽凛の弟子入りに乗り気であった。若者の力になるのもいいかというのが理由である。

 

「まぁ、響子がそう言うならいいかな」

 

 こうしてトントン拍子で話が進むのであった。

 

~~~

 

 伽凛が克己に弟子入りし、2ヶ月後

 

「というわけで、弟子やってます」

 

「師匠やってます」

 

・引っ越しとかが理由で配信してなかった間に何が起きたんだよ

・わけ分からないよ

・どういうことだってばよ

・我、仙山市民、六尺棒とか竹刀を持った管理人に追いかけ回されてる伽凛ちゃんを目撃したとここに記す

・何が何なんだよ!?

 

 2ヶ月ぶりに配信が始まったと思ったら、なんかわけの分からない報告をされ困惑するチャット欄の方々である。オマケに棒もった克己に追いかけ回される伽凛を目撃した現地民のコメントがさらに追い討ちをかける。

 

「取り敢えず体と魔力鍛える所から始めようと魔力纏わせながら走らせてたんだ。あ、重り取っていいよ」

 

「やっと解放される……この地獄か「いや、まだまだ鍛練メニュー残ってるよ」うゔぉあ」

 

・うゔぉあでくさ

・凄い声出たな

・重りからドンって音したぞ!?どんだけ重いんだ!?

・我、仙山市民、ここ最近、うゔぉあ!?という変な声が定期的に山で聞けたと記す

・どんな山なんだよ!?

 

 毎日うゔぉあ!?という声が響く山、時代が時代なら都市伝説の類いであろう。

 

「で、どうする?修行するかい」

 

「ダンジョンに行ぎだいです!!!!」

 

・行ぎたいでくさ

・どんな酷い目にあったんだ

 

 チャット欄は伽凛がどんな目にあっていたのかという疑問でいっぱいだ。

 

「じゃあ、ダンジョンに潜ろうか」

「はい!」

 

 2人はダンジョンに潜るのであった。

 

~~~

 

「体が軽い!もう怖い物なんてない!!」

 

・無双しててくさ

・この2ヶ月間で何があったというんだ

・やっぱ上層に出てくるモンスターじゃないんだよなぁ

 

 伽凛は本来は中層ほどモンスターたちに無双していた。重りから解放されたためか、テンションがハイになっている。

 

「うーん、人に教えたのは始めてだったけど案外良かったのかな?」

 

 伽凛の代わりに克己は機材を操作する。新鮮な様で少し楽しそうだ

 

・どんな教え方したんです?

・2ヶ月あってもあれは無理だと思うんよ

・我、仙山市民、聞かない方がいい……

・何があったんだよ!?

 

 そうだなぁ、と克己は思い出す様に話し出す

 

「まず朝起きてから軽く体動かして、とにかく腹に大量の飯を叩きこむだろう」

 

・なんかもう不穏なんですが

・プロレスラーかな?

 

「重り装着してから魔力込みで全力疾走、倒れる、強制回復、全力疾走をループ」

 

・えぇ……?

・それで強くなるの?

・我、仙山市民、なってるんだよなぁとここに記す

 

 ひたすらにフィジカルを鍛える方向で進んだ様だ。

 

「まぁ、結局のところ、基礎スペックの高さは重要だからね。鍛えた体と魔力があれば大体どうにかなる」

 

 困ったらフィジカルを鍛えて物理で殴ればいいという理論である。

 

「剣術は我流っぽいけど、我流であれだけ出来れば放って置いても強くなるだろうしね」

 

・だからとにかくフィジカルを鍛えた訳ですか

・我、仙山市民、管理人は拳で天気を変えれるとここに記す

・嘘だろ!?

・ラスボスかな?

 

「克己さーん!早く先に進みましょー!」

 

「ああ、行くとしようか」

 

 伽凛と克己は先に進むのであった。

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