わし様と友達な羅刹の物語、なお戦争後   作:メイシュトロ

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生前
登場人物ごとに見るマハーバーラタ【羅刹エラッタ編】①


羅刹エラッタ。

 

マハーバーラタにおける登場人物の一人であり、羅刹の男である。

 

その見た目は魔性にして異形の者である羅刹でありながら人に限りなく近く、人波に紛れ込めばきっと誰も彼を羅刹だと分からないかもしれないと描写されている。

 

異形の見た目を持ち人よりも強く暴力的な他の羅刹と違いエラッタは見た目通り大した力もなく、他の羅刹に「軟弱で、中途半端に人間のようで、気色が悪い」と評されどこか爪はじきにされていた。

恐らく、現代人の感覚で言うところの不気味の谷現象に近いような物言いだと思われる。

人を殺す力すら持たないせいか、あるいは羅刹らしからぬ平和主義めいた性格のせいか、人食いの怪物である羅刹にしては珍しい事に彼は人を”殺して”食べる事はしない。

 

 

エラッタの物語における出番は戦争終了までならさほど多くはない。

 

 

エラッタはドゥリーヨダナに拾われた羅刹であり、カウラヴァ側のシーンでちょくちょく出ては居るが気質は大人しく、ドゥリーヨダナと話をするシーンこそいくつかあるが彼自身が何か己の事を語る事はほぼない。

 

ある種の物語内におけるインタビュアーのような性質の存在である。

 

羅刹らしからぬ協調性や社会性などを見せるシーンが多々あり、気難しい相手にも踏み込み過ぎずその場その場において言葉を選びながらうまく相手をしている。

クルクシェートラの戦いにおいても、時折姿が見えなくなることがあるが基本的には手伝いのような立場であり戦う等という事はしなかったしできなかった。

 

 

羅刹と言えばラーヴァナのように敵対的で乱暴なイメージもあるが、人間に与する者はいる。

それこそマハーバーラタ内で見てもビーマの妻であるヒディンバーは半神であれど人間であるビーマに嫁ぐという形で与していると言える。より有名な存在ならば羅刹天などもそうだと言えよう。

 

ただそういった存在ともまた違い、控え目で、何かをするではなく、大人しく人間であるドゥリーヨダナの傍に居たエラッタは羅刹というくくりで見ればなかなか珍しいキャラクターだ。

 

周囲の戦士たちがドゥリーヨダナを筆頭としてとんでもなくアクティブかつ悪辣な者もいたから対比として余計にそう見えるだろう。

マハーバーラタの世界において羅刹と言うのは大概人食いの乱暴者という概念のミームのような存在であるので、エラッタのような気質は中々いない。

 

 

 

 

 

しかしこの羅刹らしからぬ羅刹であるエラッタは、戦争終了後とあるとんでもない事件を起こす事となる。

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