骰子が転がるように、僕はなるようになれという気分で行動している。
どうせ出来る時は出来るし、ダメな時はダメなんだから。
高貴な人間には仕える者たちも多い、すなわち人が多いという事は紛れ込めるという事。
侍女に扮して宮殿の中に入り込む。
先の大戦争の影響か、あるいは五王子の一人が病で死にそうだというせいか、とてもピリピリとした空気感だった。
でも誰かとすれ違っても特に何か特別コソコソする必要はない、挨拶をしたらあちらも挨拶をしてくれる。
うん、まあ、そうやってサハデーヴァがまだ生きているのかどうか、死んでたら食べようかなと思ってたんだけど……どうもそれが罠だったみたいで。
食べに来た僕を殺すつもりだったみたいで。
多分スーリヤ神からの差し金なのかもしれない。
最初に僕の事を掴んだビーマは何とかうまい事振りほどけた、僕こんな力強かったっけ?まあいいや。
今僕はこうして宮殿の中を逃げ回りながら追いかけまわされている。
外に出るべきか、宮殿内のどこかしらに隠れちゃうべきか……どうしようかな。
まあなるようにしかならないでしょうよ。出口が見えてきたので、もう外に出る事にした。
……けど、どこかしらに潜んでいたらしいアルジュナから矢を打たれた。
片目が潰れて、その隙にボコボコにされて僕は捉えられた。
どうやら僕は生きたまま火葬にされるらしい。何てことだ。
「あなたが羅刹のエラッタ、それで間違いありませんか?」
今更どうしようもない、あちらも確信は持っているうえでの話だろうから否定したって仕方ない。
「はい」
「あなたを焼く前に一つ聞きたい事がある」
「んぇ……なんですか」
「……私達からすればドゥリーヨダナを始めとしたあの人たちは敵でした。悪でした。でも、あなたからすれば親しい友人であったと聞いています。違いありませんね?」
「はい。僕の……初めての友達でした。ドゥリーヨダナは」
「ならばなぜ、死体を貪ったのです。ああされては弔えません、死後の安寧も得られません。何故あなたはそれを行ったのですか?」
「……?だって、死んだらただの肉でしょう?死体は、友達だったただの肉です。死んだあとも何も……それはただの、残りモノでしょう。骰子を振るように、偶然は僕にそれをさせてくれた」
器も中身も、どちらかが欠けたらもうそれはただの残りモノじゃないの?どうして残りモノをみんな大事にしているの?
とても恐ろしいものを見る目で、彼らは僕を見た。
あー、悪い目が出ちゃったのでこの話は、僕はここでおしまいです。
そう、すべての事はなるようにしかならないのだから……骰子を転がすように。
死んだらただの肉