わし様と友達な羅刹の物語、なお戦争後   作:メイシュトロ

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エラッタの逸話回
Youはどんなことをやらかしたのか?


登場人物ごとに見るマハーバーラタ【羅刹エラッタ編】②

登場人物ごとに見るマハーバーラタ【羅刹エラッタ編】②

 

 

戦争のシーンになるとネームド登場人物の大半は何某の化身やら神の転生体やあるいは神の血筋のものであったり、そういった大層な肩書を持つものが多く故にそれぞれが何かしらのオーダーを加護や呪いと共に背負っている状態だった。

 

 

しかしながら、エラッタは特にそう言った背景はない。本当に何もない。

 

 

ただ少し一般的な羅刹とは見た目も気質も違っただけで、とてつもない背景も血筋も使命は与えられていない。

そもそもの話としてクルクシェートラの戦いは大地の女神からの嘆願で大地から人を減らすために必要な事であった為、言ってしまえばこの大戦争もまた神の掌の上であったとも言える。

だからこそアルジュナの親友であるクリシュナを筆頭に、化身なりなんなり神々の手がかかった者達が多く居たのがこのマハーバーラタの世界だ。

しかしそんな世界の中でエラッタに関してだけは神さえも存じ上げぬ事だったと作中でも言われている。

 

何の使命も、肩書きも、背景もない。

 

そんな取るに足らない存在であるはずの一介の羅刹は、戦争後……厳密に言えば戦争中にやらかした事が、戦争後にバレて大問題になる。

 

 

 

 

羅刹エラッタは、戦争中に戦死者の骸をことごとく貪り食った。

無数の鳥や獣に化けて、戦場中の死体を食らいつくした。

 

 

 

 

エラッタは人を”殺して”食べることはしないと前回の紹介で語ったが、あくまで殺して食べることはしないだけで死体は貪り食らう。

しかし、そのタイミングと量が問題だった。

 

 

エラッタは戦死者のほとんどすべてを骨も残らぬほどに食べてしまった。

マハーバーラタの戦死者はおおよそ12億という凄まじい数字に上るが、そのほとんどをだ。

 

 

戦後の弔いのための火葬が戦争の規模に対して少なすぎる、あるいは戦場が綺麗すぎる(死体が無さ過ぎる)などと言う描写から本当にほぼ全てを食らったと言ってもいいだろう。

このクルクシェートラ大戦争における12億の犠牲者をカウラヴァもパーンダヴァも区別なく、なんなら羅刹達もこの戦いに参加していた為戦場には羅刹の死体も転がっていたはずだが同族の死体すらもエラッタは全て食べた。

 

羅刹界のアルバート・フィッシュである。悪食だなんて言うレベルでは収まらない。

 

 

 

これの何が問題かと言うと、当時の価値観から言うとこれをされると死んだ者達は弔いができず天に昇れなくなってしまうという点だ。

 

つまり、死者の冒涜であり死後の安寧を踏みにじる行為である。

 




そうかそうか、つまりキミはそういうやつだったんだな
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