登場人物ごとに見るマハーバーラタ【羅刹エラッタ編】④
戦時中に大量の死体を食らったエラッタは、戦争終了後に食らった死体から手に入れた遺品を鳥に化けて遺族に届けるという行いをしている。
遺品は遺族に渡した方がいい、そんな社会性はあるのに死体は食べるとは……。
その上、届けた遺族が死体はどこに?と聞かれたら食べたのでもう無いと答えるような共感性の無さまで露呈している。
当然それは国中が大騒動となる、死体が見つからないと思ったら最早弔えないように食い尽くされていると知った遺族は大いに嘆き発狂する者まで現れた。
戦後復興で忙しい中、まさかの事態で大事件が発生してしまう事となった。
そしてこの騒動に巻き込んまれたのは決して人間だけでなく、神もまたそうだった。
太陽神スーリヤは息子であるカルナを死後迎え入れようとしたが、いつまでたっても昇天しない。
紆余曲折の末天界にて、エラッタの行いを知る事となり大激怒。
大いに怒りエラッタを問い詰めたところ死体は食べたので返せないと言われ、怒ったスーリヤが焼こうとしたところエラッタは蛇に化け地中深くに逃げ延びる。
その後エラッタは逃げ延びる為に人間の女に化け人の社会に紛れ込み、スーリヤは逃げられ探し出せなくなったことに腹を立てパーンダヴァにエラッタを焼き殺せという命令と、それをしたらエラッタの食らった者達も昇天できるだろうという旨を伝えた。
パーンダヴァもまた先の大戦では大切な身内を無くし、そして死体が見つからない側でもあった為死んだ息子たちや同胞たちの死後の安寧の為それを引き受けエラッタを探す事になる。
しかし、市井でも死体が消えるという噂こそあれど中々しっぽがつかめないなか、ナクラとサハデーヴァが一計を案じた。
それは、サハデーヴァがが病で亡くなるという噂を流し遺体を食らうエラッタをおびき寄せるというものだった。最早猶予はないとして、囮作戦を決行することになった。
……とまあ、まさか人だけじゃなく神からも怒りを全力で買った上で逃げ回るといういきあたりばったりなトラブルメーカーっぷりが戦後強く描写されている。
また、こんな羅刹を拾ったドゥリーヨダナは何を考えていたんだといった話も挟まれており、強欲も過ぎれば災いを招くという教訓的な示唆も含まれている。
とは言え、ドゥリーヨダナ当人もまさかビーマへの対抗心から拾った羅刹がここまでヤバイ奴だったとは流石に思っていなかっただろう。
ともかく、こうしてエラッタをおびき寄せる作戦が決行された。