超音速   作:ネコガメ

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続きはないと言ったな?
アレは嘘だ。
だが今回は野郎が酒飲みながら駄弁ってるだけで艦娘のかの字もない。
騙して悪いが、趣味なんでな。付き合ってもらおう(これはひどい)


第3話

「おい!ラウンジ開いたぞ!」

 

「何!?飲めるのか!?」

 

「当直は第三小隊がやってくれるそうだ!」

 

 最後まで言い切った瞬間、大音量の歓声が上がる。

 海上自衛隊第一護衛隊旗艦・原子力護衛空母「かさぎ」の艦内、第101航空隊・通称「クーガー中隊」のレディ・ルームは、今まさに歓喜の渦中であった。

 「かさぎ」は元々、硫黄島近海に出現した中規模の深海棲艦部隊掃討任務を受けてフィリピン海へ出動していた。

 敵本隊を完膚無きまで叩きのめし、ようやっと帰れると皆が安堵した所で、佐世保鎮守府からの救援要請が入った。

 それが、先の戦闘である。

 

 大東諸島周辺の敵艦隊迎撃に向かわせた艦隊が苦戦、一隻が轟沈したとの事であり、最も近くにいる即応部隊である「かさぎ」航空隊がこれの援護に向かう事となったのである。

 元より中規模作戦で疲弊していた彼らであるが、やっと休めると思ったところへの飛び込み営業、更にその理由が「佐世保鎮守府司令官の采配ミス」つまり敵艦隊の力量を見誤り慢心し、明らかに力不足の艦隊編成で出撃させたという話を聞き遂に「仕事を増やすんじゃねえ、殺すぞ」と怒りが爆発。

 敵艦隊は(その鬱憤をMk82に籠めつつ)殲滅したものの、隊員たちは疲労困憊していた。

 この状況を鑑みて、かさぎ艦長上島治大佐は待機中部隊の時間終了を待ち、パイロット陣にバーラウンジの使用許可を出した。

 

 これは「かさぎ」設計時、米空母のスターバックス等を参考に、クルーの士気の維持・向上のため追加されたものである。

 無論規律は厳しく、そもそも自衛隊における飲酒規定により余り多くは飲めないし、使用可能時間も短い。

 しかし当の隊員たちは、ここでアルコールを入れながら仲間と取るに足らぬ話を延々垂れ流す事を何より心の癒しとしていた。

 


 

「ホーク....ホーク、こっちだ!」

 

遅れてきた隊員を、同僚全員で出迎える。

 

「じゃ、作戦成功を祝して....乾杯!」

 

 部隊長の音頭に続き、そこかしこから”乾杯”が返り、缶ビールが飲み干される。

 アメリカ軍であればもう少し湿った雰囲気になるのだが、生憎全員が日本人であるために、バーラウンジは立ち飲みであるにも関わらず、完全に週末の居酒屋の様相を呈していた。

 

「っかァ~~~~~ッ、いいねェ~~~~~」

 

「ここんとこ連続出撃だったからな....何回だ?」

 

「今度の航海では、今日のを入れて丁度10回だ」

 

「フタケタかよ....終わったと思ったらいきなり助けてくれ〜だからな、たまんねぇよ。本当佐世保のバカがちゃんとしてりゃよ....」

 

「ホント、自分の尻拭いまるっきりこっちに押し付けやがって....こっちは帰宅途中だっつーの」

 

「その分、飛行時間稼げたんだろ?」

 

「こいつらはな。俺援護機だから甲板に釘付けだったんだぜ!?出番なしだよ....」

 

「で、お前ら今日はどうだ、何か叩いたか」

 

 次第に、今日出撃した四人に会話が集中していく。

 

「一匹だけど凄いぞ、姫級だ。HARMが当たって粉微塵よ」

 

「お前はいいがな、こっちはカス当たりだよ....小魚が2匹。新型機を落とせたのは良いが、下の大物はデカ鼻が持って行っちまった」

 

「デカ鼻とは何だ、デカ鼻とは」

 

 傍で聞いていたA-7パイロットが、話に割り込む。

 「デカ鼻」というのは、「かさぎ」航空隊だけに通じる、A-7コルセアⅡ艦上攻撃機につけられた蔑称寄りの愛称である。

 

「総搭載量6.8トンは伊達じゃない。お前らの七面鳥(ターキー)とは訳が違う」

 

「何だよォ、そっちだってSLUF(Short Little Ugly F〇cker)の癖によ」

 

「そう呼んでたのは米空軍だけだマヌケ」

 

「モノは同じだろうが」

 

 罵り合い、ヤジを飛ばしつつも笑い、その表情は明るい。

 口ではどう言おうとも、共に前線で命を張る仲間なのである。

 

「そっちは大漁だろう」

 

「まあな、さっきの出撃で俺が2隻、グラントが3隻だ」

 

 ヒュッ....と誰かが口笛を飛ばす。

 

「一網打尽か、流石の搭載量だな」

 

「搭載量で言えばこっちと同等ぐらいだろう」

 

「おかしいな、俺の記憶では6.5トンぐらいだったと....」

 

「そりゃD型までの数値だ。J猫の原型のF-14E型から、エンジンが強化されて搭載量が増えてる」

 

「それにしたって、固定翼のこっちが有利なのは変わりないがな」

 

「ちげぇねぇ」

 

 F-14にはF-14の、A-7にはA-7の役割がある。

 全員、それが分かっているのだ。

 F/A-18シリーズの登場で塗り替えられかけもしたが、深海棲艦がそれをさせなかった。

 深海棲艦が艦載機の物量をもって圧倒する戦術を取った事から、要撃戦闘機としてのF-14の価値を米海軍が再評価したというのが、F-14延命の顛末である。

 

「余り飲み過ぎるなよ....」

 

「分かってますよ、隊長は飲まないんで?」

 

「俺迄酔ったらそれこそ収集がつかんだろう」

 

「じゃ、俺が奢らせて頂きまさァ」

 

「ちょ、おい....」

 

「じゃあ私からも」

 

「待てって....」

 

 ともあれ、宴会は続くだろう。




次があったら艦娘側の話だな....
ないだろうけど
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