超音速   作:ネコガメ

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第6話

 『かさぎ』艦尾方向の岸壁上では、佐世保から来た三人の小規模な着任式が行われていた。

 

「副長の須田です。君たちの使う設備に関しては、こちらの....鳳翔が案内してくれます。では、後を」

 

「はい、航空母艦、鳳翔です。長門さん、秋月さん、初月さん....で間違いありませんね?」

 

「は、戦艦長門、駆逐艦秋月、同・初月、以上三名、横須賀鎮守府第一海上歩兵団第一分遣隊へ着任しました」

 

「確かに。では、艦内を案内いたします。こちらに」

 

「はい!」

 

 鳳翔が先行し、3人が続いてギャングウェイに足を乗せる。

 

「ふふ、気張らなくても大丈夫ですよ、今日からあなた達の家ですから」

 


 

 一方瑞鶴及びホークと物好きのデッキクルー数名、航空甲板艦尾に集結して一部始終を覗き見ていた。

 

「ホラ、あの鳳翔と艦長と一緒にいる三人....話にあった佐世保から転属して来た艦娘って、あいつらじゃないか?」

 

「俺に聞かれても分からねぇよ....瑞鶴、分かるか」

 

「あれ....秋月と初月!?」

 

「なんだ、知り合いか」

 

「いや、どっちかというと艦時代の....」

 

「よく分かるな、まるっきり見た目違うのに」

 

「えーっと....そうなんだけど、何というか....なんか分かるの。こう....雰囲気....じゃないな、よく分かんないけど、なんか分かったというか....」

 

「わーかった、分かったから無理に説明しようとしなくていい」

 

「んんーーーー....私、下りてくる!」

 

 何やら呻いたと思うと、そう言うなり瑞鶴、艦橋に向かって駆け出す。

 

「下りるって....おい、どこ行くんだ!?」

 

「二人を迎えに行くー!」

 

「迎えに行くって....」

 

「知り合いなんだろ?」

 

「知らねーよ....」

 

 残された男数名、呆気に取られていた。

 


 

「....艦娘の居住区角は、第四甲板の艦尾側にあります。艦そのもののクルーや飛行隊の方々の居住区は艦首側にありますから、基本顔を合わせる事はないでしょう。食堂とシャワー室も、艦娘専用のものが割り当てられています。ここが,,,,居住区画、寝台です。」

 

「結構....ぎゅうぎゅうなんですね」

 

 かなりの密度で詰め込まれた大量の寝台を目にし、秋月が目を丸くする。

 

「ええ。それでも、艦首側の人間クルーの方々のものよりはかなりゆとりがあるんです。そうですね....艦首側は、ここの2倍ぐらいの密度はあるでしょうね」

 

「そんなに」

 

「この艦は本来空母ですから、そこまで大規模な艦娘運用設備はありません。現在この艦に乗っているのは、全部で12名....2小隊分だけです」

 

「では、我々を含めて15名?」

 

「いえ、先日三人転属して行きまして、あなた方が補充人員なんです。ああ、それで....戦艦・空母は右手、駆逐艦は左手になります。おそらくあなた方が使う場所に、既に名札が貼ってあると思います。私物はその直下の引き出しに収納してください」

 

「了解した。その後は....?」

 

「この後着艦訓練がありますので、私物を置いたらウェルドックに行きます。その後1800から、艦娘全員による歓迎会があります。訓練が終わったら、自分の寝台で待機しておいてください。シャワー室は、訓練終了後に案内します。何か、質問などは....」

 

 ここで、秋月が遠慮がちに手を挙げる。

 

「あの、鳳翔さん以外の艦娘はどちらに....?」

 

「今日は半舷上陸なので、皆街へ出ています。あなた方は着艦訓練があるので、まだ艦外へ出る事はできませんが....」

 

「ありがとうございま───」

 

 皆まで言う前に、秋月の感謝の言葉は遮られた。

 

「秋月っ!初月っ!?」

 

「なに....瑞鶴さん!?」

 

 突如現れたかつての僚艦に、秋月姉妹二人揃って驚愕の表情を取る。

 

「あんたらこの艦に配属になったの!?」

 

「ああ、横須賀から転属してきたんだ、僕らは瑞鶴さんがこの艦にいるなんて全く....」

 

「そういえば、秋月と初月はレイテで第一機動部隊にいたんだったな....」

 

「そうよ、小沢艦隊よ!」

 

「じゃあ瑞鶴ちゃん、2人の着艦訓練、お願いしてもいいかしら?」

 

「ウェ!?藪蛇....大体私だってあんまり上手くないんですけど」

 

「んー?」

 

「はい喜んで」

 

 鳳翔の迫力を前に瑞鶴、首を縦に振るより他に選択肢はなかった。

 「最先任」は伊達ではないのである。

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