閃乱カグラ 小さな先生と忍学生たち   作:ダーク・リベリオン

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事例

この日、長門は雪不帰から呼び出しを受けていた

 

 

長門「はいいいいいいいいっ!?」

 

 

その直後、構内を震撼させるほどの勢いで長門の狂ったような叫び声が響き渡る

 

 

長門「どどどどどど、どう言うことですか!?」

 

 

雪不帰「落ち着いてください先生、ちゃんと説明しますから、ほらハーブティーでも飲んで落ち着いてください」

 

 

気が動転している長門に雪不帰が用意していたハーブティーを差し出す

 

 

長門「あ、ありがとうございます…っ!!」

 

 

雪不帰「…豪快ですね?」

 

 

すると長門は差し出されたそのハーブティーを一気にグビっと飲み干してしまい、その様子を見ていた雪不帰を唖然とさせた

 

 

長門「そ、そんなことよりどう言うことなんですか雪不帰さん!?」

 

 

ハーブティーを飲み干し、少しばかり冷静さを取り戻した長門は再度、雪不帰に説明を要求した

 

 

雪不帰「…先ほども言ったように先生には近々ここに来られる新しい生徒たちにも指導を行ってもらうことになりました」

 

 

その質問に対し雪不帰は新しくこの忍基地に来る生徒の指導を引き続き長門にしてもらうことになった旨を告げる

 

 

長門「ちょっと待ってください!話しが違うじゃないですか!ボクは飛鳥さんたちをシノビマスターズの称号を与えられるような立派な忍者に育て上げ、その暁にボクは忍を辞めると言う取り決めだったはずですよ!?それなのにどうして追加で生徒を指導することになるんですか!?」

 

 

上層部から受けた忍務、飛鳥たち現忍基地に滞在する生徒たちを指導したら自分はお役御免、望みであった忍業の辞職ができると思っていた

 

 

にも関わらず、ここにきて新たな生徒の指導と言うま目的が遠ざかってしまうような内容に長門は納得できないと反論をする

 

 

雪不帰「話しはわかります。私もこの話しを聞いた時に初めは断りを入れるつもりでした。あの日、先生からお気持ちは伺っておりましたので」

 

 

長門「雪不帰さん…」

 

 

追加の生徒指導の話しが来た時、辞職したいと言っていたこともあり、その意思をくもうと雪不帰も助力してくれていたことに長門は嬉しさを感じる

 

 

雪不帰「ですがその際、あちら側から「それなら問題はない、ちゃんと契約の範囲内である」…と言っていたので」

 

 

長門「契約の範囲内って…もう雪不帰さんたら冗談きついですって、明らかに契約違反ですよ。だってボクはちゃんと契約書を確認して問題がないから承諾の書名をしたんですから」

 

 

契約通りであるのだと告げる雪不帰と契約外であると言う長門、互いの主張には明確な相違があり、話しは言った言わない問題に発展していた

 

 

雪不帰「実は先生がそう言うだろうと言うことであちら側からこちらを預かってきました」

 

 

議論が続く中、雪不帰が一枚の紙を差し出した

 

 

長門「これは…」

 

 

雪不帰「はい。あなたが取り交わした契約書の写しです」

 

 

差し出されたのは長門がここに配属される前に上層部に署名させられた契約書の写しだった

 

 

長門「これがどうしたって言うんですか?ほら見てくださいよ。ちゃんと間違いなくボクの見た通りの記載じゃないですか」

 

 

契約書を指差し、自分が確認して署名した内容通りであると長門は言った

 

 

雪不帰「それが…」

 

 

バツの悪そうに雪不帰は蝋燭を出すとその灯った火の上にその契約書を翳してみる

 

 

するとその直後、説明文と署名欄の間の部分に文字が浮かび上がる

 

 

長門「こっ、これは…」

 

 

雪不帰「はい…炙り出しです」

 

 

契約書には火に翳すことにより文字が浮かび上がる細工が施されていたのだ

 

 

長門「…ええっと、なになに?『尚、追加で忍学生の指導の令が発令されることあり、その際講師として派遣された者は規約に乗っ取りその学生たちの指導も行う事とす、追伸異論は認めない』………っ」

 

 

炙り出しによって隠されていた文面を読んだ長門は読み終わる頃には険しい顔を浮かべていた

 

 

そして文面を全て読み終えると長門は体をプルプルと震わせていた

 

 

雪不帰「せっ先生、大丈夫ですか?」

 

 

恐る恐る雪不帰が尋ねる

 

 

長門「――っ!!」

 

 

直後、長門が持っていた契約書の写しをくしゃくしゃに丸めて上に向かってポイッと投げる

 

 

長門「(忍の呼吸、壱ノ型…[千枚下ろし・斬]!!)」

 

 

次の瞬間、いつの間にか手にしていた忍者刀を構え、大きく息を吸うと共に刀を抜いた

 

 

高速の斬撃によって契約者の写しは散りも残さない程にバラバラにされてしまった

 

 

雪不帰「せっ、先生?」

 

 

突然のことに呆気に取られながら雪不帰が声をかけようとした

 

 

長門「どぅああああああっ!!」

 

 

雪不帰「――っ!?」

 

 

長門「あんのクソ老害どもめ!はめやがったなぁぁぁあああっ!!」

 

 

しかしその直後に普段の物腰丁寧な長門からは滅多に聞くことのない罵倒の言葉と

 

 

凄まじい怒号が発せられ、それにより基地が再び震撼する

 

 

雪不帰「先生、気を沈めてください!?」

 

 

さしもの雪不帰も必死に長門を宥めようとする

 

 

長門「……もういい、こうなったら!」

 

 

だが、それに聞く耳を持たずに長門が出入り口の方に進んでいく

 

雪不帰

「ど、どこに行かれると言うのですか?」

 

 

長門「今から本部に行きます。そしてあの老害共を1人残さず根絶やしにしてやるんです!」

 

 

雪不帰「ええっ!?」

 

 

質問を投げかけると物騒なことを宣言する長門に雪不帰は驚愕していた

 

 

雪不帰「おっお待ちください先生!?」

 

 

長門「ふ、雪不帰さん離してください!あいつら○せない!?」

 

 

ドアに手をかけようとする寸前のところで雪不帰が後ろから抱きしめる形で長門を捕まえる

 

 

まるで大きなテディベアを持つかのように抱えられてしまった長門は必死に雪不帰に離すように懇願する

 

 

雪不帰「早まってはいけません!?先生がお強いのは知っておりますが、流石にあなた1人で相手にできるような相手ではないでしょう!?」

 

 

長門「構いません!例えそうでもその時は1人でも多く道連れにしてやりますよ!」

 

 

もはや怒りで我を忘れて自暴自棄になりかけていた

 

 

雪不帰「……先生」

 

 

長門「ふぇっ///!?」

 

 

するとその時、雪不帰は抱えていた長門をギュッと抱きしめてきた

 

 

背後から抱きしめられたことにより、長門の背中に雪不帰の豊満なそれが押し当てられているのが感触で伝わってきた

 

 

雪不帰「…先生は私や生徒たちと一緒にいることが嫌ですか?」

 

 

長門「えっ?」

 

 

後ろから悲しげに囁くように雪不帰が質問を投げかけてきた

 

 

雪不帰「この基地にいる生徒たちは先生のことはとても尊敬しています。この数ヶ月の間で生徒たちはあなたに信頼を寄せていますよ」

 

 

長門「うっ…」

 

 

先程まであれだけ暴れていた長門がその質問を聞いた瞬間に動きを止める

 

 

雪不帰「先生にとって彼女たちに授業を教えるこの場所は苦なのですか?」

 

 

長門「そっ、そんなこと……ありません」

 

 

生徒たちに教えを説く今の生活を長門も少なからず楽しく思っていた

 

 

雪不帰「我々にとって今やあなたはただの教師ではなく、信頼のおける人物なのです。そんなあなたが急に居なくなったら皆はどう思うかお考えください」

 

 

長門「……っ」

 

 

雪不帰「先生…お願いします。ここはどうか従ってくれませんか?」

 

 

くるっと向きを変えられ、向かい合うような体制になった長門に雪不帰が訴える

 

 

その目はまるで捨てられた子猫のようにうるうるとさせていた

 

 

長門「……わ、わかりました。雪不帰さんの言う通り引き受けます」

 

 

雪不帰「先生…考え直してくれたんですね」

 

 

長門「か、勘違いしはいでくださいよ。あの老害どもギャフンと言わせるための準備を整える必要があると思い直しただけなんですからね」

 

 

雪不帰「はい、それで構いません」

 

 

ベタなツンデレのように照れ隠しに誤魔化しの言葉を吐く長門にわかったような表情で雪不帰は感謝の言葉を送った

 

 

長門「それじゃボクは明日の授業に備えての準備があるので戻ります」

 

 

雪不帰「わかりました。気をつけてお帰りください」

 

 

長門「では…失礼します」

 

 

別れの挨拶をかけると長門は部屋を後にした

 

 

雪不帰「……先生、あなたの気持ちは理解しております。ですか私としてもあなたに辞められては困るのですよ。あなたにはこれからも生徒たちの育成に協力してもらいますよ」

 

 

部屋に1人残った雪不帰はこの場にいない長門に対し、謝罪の言葉を呟き

 

 

それでいて尚、これからも長門に協力させると言う旨を呟いた

 

 

彼女のその意思を知る由もない長門は執務室に向けて廊下を歩いていくのだった

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