少し肌寒さを感じさせる早朝
長門「――っ!!」スタタタタ
そんな時間帯の中、長門が自身のトレーニングの一環で朝早くからの基地の周りをランニングしていた
走り始めて何週目かした時のことだった
長門「…っ?」
視線の先に見知った人物がいることに気づいた
長門「あれは…叢さん?」
よく見てみるとそれは叢だった
叢「こ、これさえあれば、我も素顔で…デ、デヘヘ…我が素顔のまま過ごすなんて、皆さんどう思うでしょう…」
何やら嬉しそうに期待に胸を膨らませたように独り言をつぶやいていた
長門「叢さん、おはようございます」
叢「ひゃう!?」
近づいて声をかけてみた瞬間、叢が想像以上に驚いていた
叢「せ、せせせせ先生っ!?い、いつからそこに!?」
長門「今さっきです。叢さんの姿が見えたんで声をかけさせてもらいまして」
叢「も、もしかして…さっきの我の独り言、聞いてましたか?」
長門「えっ、えぇ…まぁ」
自分の話しを聞いていたのかと問われ、長門は少し気まずそうに肯定する
叢「すすすすす、すみません!?我なんかの独り言なんて聞かせてしまってすみません!気持ち悪かったですよね、本当にすみません!?」
長門「そこまで言ってませんからどうか落ち着いてください!?」
独り言を聞かれてしまっていたと知り、叢は両手で顔を隠しながら自虐的に謝罪をしてきた
そんな彼女を長門は必死になって宥めた
長門「どうです?落ち着きましたか?」
叢「は…はい〜」
あれからどうにか落ち着きを取り戻した叢を連れて職員室にやってきた長門はお茶とお菓子を振る舞っていた
叢「先ほどはすみませんでした。先生にご迷惑をおかけしてしまって」
長門「気にしないでください。ボクは全然そんなこと思ってませんから、ささっ冷めないうちに飲んでください」
叢「ありがとうございます……ふぅ〜」
勧められるままに叢が目の前にある緑茶を啜りながらリラックスしたようにため息を吐く
長門「それにしても珍しいですね、叢さんが素顔を晒しているなんて?」
叢「す、すすすすみません。我なんかの顔を見せてしまいすみません!?」
長門「あっ、ああそう言うことではなくてですね!?」
せっかく落ち着いたと思ったらまたこれかと内心焦りを抱きながらも必死に弁明をした
叢「えっと、その…ですね、我もたまには素顔を見せたままでいられるように頑張ろうと思いまして、それで…」
長門「なるほど、そうだったんですね」
自分なりにコンプレックスを克服するための一環であると知り、長門は叢のその努力に感銘を受けていた
長門「それはいい心がけですね。感心ですよ」
叢「あっ、ありがとうございます…で、でへへ」
褒められたことに叢も喜んでいるのか笑みをこぼしていた
長門「関心しているのはもちろん本心ではありますが…でも叢さんはそうしなくてもとてもお綺麗で素敵な顔をしてますよ。恥じるようなところなんて一つもありませんし」
叢「えっ…えええっ!?」
急に素顔が素敵だと言う言葉を受け、叢は顔を赤らめてしまう
叢「そそそそ、そんなことありません!我なんかの顔が、すすす、素敵なんてそんな!?」
長門「あまり自分を卑下しないでください。客観的に見ても叢さんはとても素敵ですよ」
叢「は、はうぅ〜!?」
素直でまっすぐ、嘘偽りない長門の言葉は叢の心にキューピットの矢の如く突き刺さる
だが、そうして褒められることにより、それに好悪して叢の羞恥心は限界突破を迎えようとしていた
叢「も、もうダメ、やはりお面なしでこれ以上は限界です!?こ、こうなったら!」
すると突然叢が懐をガサガサし始めた
叢「こ、これの出番です!」テテレテッテテーン!
そして勢いよく取り出したのは一本の瓶だった
長門「叢さん、それはいったい何ですか?」
叢「これはですね、春花さんにお願いして作ってもらったお薬です。こうなった時に飲むようにって言われてもらったものなんです」
長門「は、春花さんからですか?」
取り出したドリンクは春花からもらったものであると叢は説明する
話しを聞いた長門は途端に懸念の表情を浮かべる
長門「あの、叢さん。正直に言いますが、そのドリンクはやめた方がいいかと思いますよ?」
以前から何度か春花の作るものを目にしたことがあったが、それとどれもが皆が大変な目に遭うものばかりだった
きっと叢も同じことになるかもしれないと言う不安から長門はドリンクの摂取に難色を示した
叢「はぁ…はぁ…で、ですが先生。我、このままでは恥ずかしくて死んでしまいます!」
しかし羞恥心が限界にきている叢は長門の忠告を拒否する
叢「それに、どんな手段でもお面なしでいられるなら試してみたいんです……と言うわけで、いただきます!」
長門「あっ!?叢さん!?」
お面なしでいられるようになりたいと言う強い意志が叢を強行に走らせ。さ、長門の静止も虚しく春花から貰ったドリンクをぐびっと一気飲みしてしまった
長門「む、叢さん?」
ドリンクを飲み干してしまった叢に長門が恐る恐る声をかける
叢「こ、これは…!」
すると何かを感じたのか叢がつぶやく
長門「だ、大丈夫なんですか?叢さん?」
叢「ふわぁ〜……デ、デヘヘヘヘ〜…ふぁ〜い、われは〜、だいじょうぶなのれすよ〜」
長門「(説得力が微塵もない!?)」
恐る恐る長門が大丈夫なのかと問うも、その様子は全くと言っていいほど大丈夫とは程遠い様子だった
叢「デヘヘ〜、なんだかとってもいい気分になってきました〜」
どこかぽわんぽわんとしており、テンションも高めになっている非常にまずそうと言う言葉が似合う状態に見えた
叢「せんせい〜、どうですか〜?我の顔、もっと見てくれてもいいんですよ〜?というか、もっと見てください〜♪」
長門「む、叢さん気をしっかり待ってください!?」
なんとかしようと必死に長門が呼びかける
叢「先生……せんせ〜い♪」
長門「はにゃっ!?」
しかしその直後、叢が突然視線を向けたと思ったら瞬く間に長門を捕まえ、抱きついてきた
長門「むむ、叢さんなにを!?」
叢「デヘヘ、先生柔らかいです〜」
長門「あっ、ちょちょっと、ほっぺをすりすりしにゃいでくだしゃい!?」
叢「恥ずかしがる先生も可愛いです〜♪」
まるでテディーベアを愛でるかのように叢の長門へのスキンシップが止まらない
普段の彼女からは想像すらできないほどに
長門「(こ、これも春花さんの薬の効果ということなのですか!?)」
異常なまでの変わりようからやはり春花の渡すものは危険だと再認識する
長門「(ともかくまずはこの状況から抜け出さないと!?)」
いつまでも叢に捕まえられてる訳にもいかないとなんとか抜け出そうと必死にもがく
長門「(だ、ダメだ!?全然抜け出せない!?)」
だが、いざ駆け出そうとしてもどうしたことかびくともしなかった
叢「む〜、先生逃げようとしちゃめっですよ〜」
抜け出そうともがいているのを自分を拒絶しているのだと感じ取った叢がぷくっとむくれ面を見せる
長門「あっ、あのこれは違うんですよ叢さん!?」
しまったと内心思いながらもこれ以上彼女を刺激しないように長門が必死に弁解しようとする
叢「嘘です!先生は我のことを避けようとしてます!…でも、そうはさせません!えいっ!!」
長門「ふにゃ!?」
しかし弁解の言葉は今の叢には逆効果であった
直後に叢が長門をソファの方へと弾き飛ばした
長門「うぅっ……っ!?」
叢「デヘヘヘ、先生〜♪」
ソファに叩きつけられた長門が目を開くとすでに目の前には叢が自分の目の前に迫っていた
長門「む、叢さん?」
叢「……先生、我だって皆さんと素顔でお話ししたり、遊んだりしたいんです〜!不公平です〜」
長門「そ、そんなこと言われましても!?」
素顔を晒さない恥ずかしがり屋なことが災いしていることは知っているし、同情もできるが、今はそんなことを気に掛けられる余裕が長門にはなかった
叢「それにそれに〜我だって先生のことお慕いしております。可愛いのに時折りかっこいい先生ともっと仲良くなりたいんです」
長門「そ、それは光栄ですよ」
嘘は言ってはいないが、それはこんな状況で聞きたい台詞ではなかった
叢「なんだか暑いれすね〜……あっ!お面だけじゃなくて、服も脱いじゃいましょう!自然体こそ正義れす!」
長門「は、はいー!?」
ドリンクのせいで体がポカポカしてきた叢が突然服を脱ごうと着物に手をかける
長門「待って!待ってください叢さん!?」
「わわっ、せんせい、なんで止めるんれすぅ〜?は〜な〜し〜てくだしゃい!われは本気なのれす!」
服を脱ごうとする叢を必死に止めようとする長門の鍔迫り合い状態が繰り広げられる
長門「(まずい、このままじゃ非常にまずい!?)」
瞳力を解放したわけでもないのにこんなシチュエーションになってしまい、長門は焦りに焦っていた
なんとかこの状況を打開する手はないのかと必死に考えを巡らせる
長門「……そうだ!目には目を、歯には歯を、こう言う時には!あえて、この力を!!」
この状況を打開するべく長門は自らゴーグルを外し、素顔を晒す
叢「――っ!?」
次の瞬間、長門の瞳を見た叢が術にはまり、動きが鈍る
長門「叢さん、ごめんなさい!
刹那、力を手に集約させた長門がその手でこれまでの揉み合いで若干はだけ、内側からチラッと見えている叢の豊満なそれを勢いよく鷲掴む
叢「ふがっ!?っ!?」
するとそこ直後、長門に胸を鷲掴みにされた叢が凄まじい反応を示す
長門「まだまだ!!」
それを見た長門がここぞとばかりに叢の豊満なそれをモミモミする
叢「あっ、あぅ…あぁう〜」
胸を揉みしだかれる叢は長門の力で感度が跳ね上がっているために口から涎と喘ぎ声が止まらない
何より長門の触る手つきがとても上手であり、この上ないほど気持ち良い感覚に襲われる
叢「せ、せんしぇい…だ、ダメでしゅ、きもち…よすぎて、われは…どうにか、なり…そu…ぬぁっ〜」
気持ちよさの絶頂に陥いる叢はもやは呂律も回ってはいなかった
叢「あっあぁ……きゅ〜」
長門「おっと!?」
そして意識を保てなくなった叢が力付きて倒れ込んだ
すかさず長門が彼女を受け止める
長門「…すみませんでしたね叢さん」
眠るように気を失っている叢に長門はやむおえずとはいえ自分の忌み嫌う力を使ってしまったこととその術中にかけてしまったことを深く謝罪するのだった
こうしてこの一件は幕を閉じた
その後、意識を失った叢を長門は部屋まで連れて行った日の翌日
目を覚ました叢から謝罪をされ、その際に春花から受け取っていたのはただの栄養ドリンクであることを聞かされた
話を聞き、この落とし前をつけるべく春花の元に行こうとする長門を叢が必死に止めたのだった