とある昼頃のこと、午前の授業を終えた長門が職員室に戻ろうと廊下を歩いていた
長門「…っ?」
だが、その足取りがとあるものを目にした途端にピタッと止まる
長門「あれは…雅緋さん?」
見据える視線の先には何やらガックリと項垂れながらこちら側に向かってきている雅緋の姿だった
長門「雅緋さーん」
雅緋「…あっ、あぁ。先生か」
声をかけてみるとそれに反応した雅緋が長門の存在を認識する
長門「どうしたんですか雅緋さん、随分と暗い顔をしてらっしゃるようですが?」
単刀直入に長門が雅緋に尋ねる
雅緋「……先生、一つ聞いてもいいか?」
長門「はい、なんでしょうか?」
雅緋「先生から見て私はどう見える?」
長門「……はい?」
すると逆に雅緋から質問をされ、その内容の意図がつかめず、長門は困惑していた
長門「あっ、あの〜、おっしゃってることの意味がよくわからないんですけど」
雅緋「先生から見て私は女らしく見えるかそうでないかどっちだ!?」
長門「っ!?」
聞き返そうとした佐介だったが、直後に見せた雅緋の危機迫るような勢いに思わず萎縮してしまう
長門「おっ、女らしいかってどう言うことですか?」
雅緋「……実は」
びくりと表情を歪ませながらも長門がどう言うことかと聞くと雅緋がその真意を語り始める
彼女から聞いた話によるとここ最近、雅緋はその容姿と性格の観点から蛇女の生徒たちから男性っぽく見られることがしばしばあった
告白されたりすることもあるがその理由がどれもキリッとした男性のようであると言う理由が多数であり
おまけには忌夢からも男らしいと言う事を指摘されて喜ばれてしまう有様だった
長門「な、なるほどそう言うことがあったんですね?」
雅緋「…みんなが私を慕ってくれているのは嬉しい事ではあるんだが、その理由が納得いかないんだ。私だって歴とした女なのに…」
慕われる形が自分的に納得のいくものでなくて困っているのだと雅緋が悩みを打ち明ける
その話しを聞いた長門は真剣にまた気持ちを汲み取って話しを聞いていた
雅緋「どうしたら……あっ、そうだ!」
長門「っ?」
するとその直後、何かを閃いたように沈んでいた雅緋が立ち上がる
雅緋「先生、今時間はあるか!?」
長門「じっ、時間ですか?まぁ、ありますけど?」
急に立ち上がり、さらには顔を近づけてる程に急接近する雅緋に若干驚く
雅緋「そうか。それなら話しは早い。すまないが先生、今日は私に付き合ってもらうぞ!」
長門「ええっ!?」
自分に付き合ってもらうと言う思いがけない言葉に長門はさらに困惑するのだった
そうして若干強引にドナドナされた長門は雅緋に連れられ、基地内の使われてない部屋に来ていた
長門「それでいったいなにを考えついたんですか?」
雅緋「ああ、私は思った。私が女らしくない原因の理由は私がそう思われるような格好をしているからだと」
皆から男のようだと言われる原因が自分が普段からそう言う格好をしてしまっているからであると雅緋は思い立ったと言う
長門「だとしたらどうするつもりなんですか?」
話しを聞いて長門が雅緋にどうするのかと言うことを問う
雅緋「簡単だ。私が女らしい格好をすれば誰も私を男らしいなんて言わなくなるだろう」
自信満々そうに雅緋はこの方法ならいけると豪語する
長門「理屈は理解しましたけど、だとしたらどう言う風な取り組みを行うつもりなんですか?」
雅緋「実はな、さっき四季と葛城に会ってな、ちょっと相談したら服を貸してもらったんだ。女の子っぽい服を注文してな」
長門「えっ…四季さんと葛城さんですか?」
女らしか見えるようになる服を貸した人物が四季と葛城と聞いて長門は少し苦い顔を浮かべる
ギャルの四季が選んだ服はまだしも葛城が選んだ服、ろくなものではないだろうと
雅緋「よし、まずは四季から借りた服を…って、こ、これは…」
早速女らしくなるべく借りた袋の中を漁り始めるも
漁り始めてものの数秒で雅緋の顔がひきつる
長門「どうかしたんですか雅緋さん?」
雅緋「いっいや、なんでもない!と、とにかく着替えてくるからそこで待ってろ」
長門「わっ、わかりました」
何かあったのかと不審がる長門だったが、雅緋から待機を命じられ、大人しく用意した椅子に腰掛ける
雅緋「ちょ、なんなんだこれ!?女らしさを出すためにはこれくらいしないといけないのか?しかし…うーん」
何やらカーテンで隠した角っこのスペースで着替えを始める雅緋の声が聞こえてくるものの、その声は羞恥と困惑に満ち満ちていた
そんな彼女の声が聞こえるものだから長門も大丈夫なのかと心配していた
雅緋「まっ、待たせたな先生」
長門「雅緋さん、終わったんです…ねっ!?」
やがて準備が整ったのかカーテンが勢いよく捲られ、その先にいる雅緋が顔を見せる
だが、その彼女の姿を目にした途端、長門は頬を赤める
なぜなら長門の前に現れたのは白いバニー服に身を包んだ雅緋だったのだ
長門「み、みみみ、雅緋さん!?そ、その格好は…?」
雅緋「やっやめろ!?私だって恥ずかしいんだ!私がまさかこんな格好をさせられることになるとは…」
いざ着たはいいが自身の性格上普段は着ないこのような服を着てしまったこととさらにそれを見られていることへの羞恥心は計り知れなかった
雅緋「そ、それでどうなんだ先生、今の私はその…女らしく見えるか?」
羞恥心によるものなのか少し塩らしい様子で尋ねてくる雅緋に長門は思わずドキドキしてしまう
長門「はっ、はい…と、とても素敵だと思います///」
雅緋「…そ、そうか///」
恥ずかしそうな顔を浮かべつつも長門は雅緋の問いにそう答える
雅緋「よ、よし。この調子で次に行くぞ!」
長門「えっ?まだやるんですか!?」
雅緋「無論だ。私がいかに女らしいかを見せてやるからな!」
変に肯定してしまったためか雅緋はカーテンを閉め、次の服に着替え始めてしまった
そうしてそれから雅緋は長門にいろんな格好を披露した
チャイナ服やナース服、スクール水着に巫女服などを
雅緋「せ、先生!これはどうだ!」
何着目の服として披露したのは何かの魔法少女もののコスプレ服だった
衣装を着こなし、ポージングを決める雅緋ではあるものの、その顔は一際恥ずかしいと言った様子を見せていた
長・雅「「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」」
やがて2人とも疲れからか息を荒くしていた
雅緋「ど、どうだ先生?私は女らしく見えたか?」
長門「は、はい…とてもすごかったです」
一通り試着した雅緋から感想を求められ、長門はそれについて感想を述べた
雅緋「ふっふふふふ、やった…やったぞ!これならば皆も私のことをちゃんと女として認識してくれるに違いないぞ!あははは!」
ようやく自分が女であることを主張できると喜びに打ちひしがれる
長門「…となると今後、忍装束はそう言った格好をしていくんですか?」
雅緋「うっ…!?」
だが、その喜びも長門のその一言で一気に崩れた
雅緋「この…格好で忍務をする?」
長門「そ、そうなりますよね?」
改めて聞き返した雅緋は今一度自分の格好をまじまじと見る
魔法少女の格好に身を包んだ自分、そんな自分が忍務に赴いた姿を想像すると次第に冷や汗がダラダラと流れ、顔を真っ青にする
雅緋「む、無理だぁああ!?そんな恥ずかしいことできるわけがなぁあい!?」
長門「雅緋さん!?雅緋さん落ち着いてください!?」
自分の姿を想像し、その光景に羞恥心と恐怖を感じた雅緋は最大に発狂し、長門も慌てて宥めるのだった
雅緋「はぁ…」
長門「落ち着きましたか?」
雅緋「す、すまない先生、見苦しいところを見せてしまった」
長門「いっ、いえいえお気になさらないでください。僕は気にしてませんので」
ガックリと項垂れる雅緋を長門は優しく慰める
雅緋「結局、女らしくしてみようと試みても恥ずかしさに負けてては意味がないじゃないか…どうしたらいいんだ」
女らしくありたくても性格からかどうしても一歩を踏み出せないと落ち込んでしまっていた
長門「…雅緋さん」
雅緋「…先生?」
するとその時、落ち込んでいる雅緋の手を長門が握りしめる
長門「元気を出してください雅緋さん、大丈夫です。落ち込む必要なんてありませんよ」
不安そうな彼女に長門は優しく囁く
雅緋「だっだが…このままじゃ結局私は」
「そんな顔をしないでください。自分では気づいているかはわかりませんが借りた服を着ている時の雅緋さんは恥ずかしがってはいるものの、それと同様にワクワクした顔をしてましたよ」
「私がワクワク?」
「はい。それってつまりはその服を着た自分がどう可愛くなれるかを想像してたってことです。もし本当に女の子らしくなかったらそんなことを思うことすらないと思いませんか?」
女らしさとは何かについてを語る長門の言葉に雅緋は言葉が出なかった
「…それに、恥ずかしく思いながらも頑張って可愛らしくあろうとしていた雅緋さんはとても女の子らしかったです。勇気を持ってください、あなたは決して女の子らしくないなんてことはありません。少なくとも僕は雅緋さんのこととっても素敵で素晴らしい女性だと思ってますから」
「……は、恥ずかしいことを言うなバカめ////」
そして長門から自分が今一番欲しい言葉をもらったことで気恥ずかしくなったのか頬を赤く染めていた
「ありがとうな先生、おかげでよくわかったよ。無理に自分を変えず、ありのままで私は女らしさを高めていくぞ!」
「そうです!その垢です!」
先の言葉で少しつづでもありのまま女らしくあれと言う信念を胸に掲げ、長門もその決意を応援する
「見てろよみんな、私は必ず今よりも女らしくなってやる!そして二度と男みたいだなんて言わせたらなんかしないからな!」
決意を込めて雅緋が胸を張る
ギュギュッ!
「「…っ?」」
だが、その時だった
ブチチチィイイイン!
「うわ危ない!?」
いきなり雅緋の着ている衣装のボタンが外れ、飛んできたので長門は慌ててそれを避けた
「ふぅ、危なかった…雅緋さん大丈夫です………かっ/////!?」
危険を回避したことに安堵し、振り向いた長門だったが
その直後に目にした光景に長門は顔を赤くする
目の前に見えるはボタンが外れたことでその下に身につけているブラジャーと彼女の豊満なそれが顕になっている光景だった
「「……っ」」
訳もわからないまま数秒の沈黙が訪れる
「うっ、ううっ、うわぁああん///!?」
「み、雅緋さん///!?」
「ち、ちちちち、違う!私が求めている女らしさでこんな痴女みたいなことじゃ断じてなぁああい////!?」
「おっ落ち着いて!?その格好で外に出るのは!?あっ待って雅緋さぁあん!?」
霰もない姿を見られてしまったことに発狂した雅緋は長門の静止も聞かずにその場から立ち去ってしまうのだった
※余談だが、雅緋が葛城を問い詰めに行ったところ、あの魔法少女の服は元々雲雀か柳生用に用意していたのが手違いで入ってしまっていたとのことだったと言う…