――PM:教室――
ここはシノビマスターズの施設内に用意されている学科を行うための教室
現在、この場所には授業を行っている長門と本日集まった斑鳩、詠、日影、夜桜、忌夢の5人がいた
長門「であるからして属性の組み合わせ次第で忍術のバリエーションは無限大になるわけです」
今、長門は彼女たちに忍が忍術に用いる術の基礎についてを教授していた
キーンコーンカーンコーン!
するとそのタイミングでチャイムが鳴る
長門「おっと、もうこんな時間ですか?では本日の授業はここまでと致しましょう。お疲れ様でした」
その音を聞いた長門は授業の終わりを皆に告げる
斑鳩「先生、今日もありがとうございました。いろいろとためになりましたよ」
詠「教え方も上手ですし、わかりやすく教えてくださって本当にありがたいですわ」
夜桜「うんうん、わしもそう思います」
長門「いえ、当然のことをしてるだけですから」
授業が終わると斑鳩、詠、夜桜の3人が長門の元に来て抗議してくれたことに感謝する
忌夢「浮かれすぎだぞお前たち」
長・斑・詠・夜「「「「…っ?」」」」
するとそんな話しに水を刺すように忌夢が割って入る
忌夢「少しこいつのこと過大評価しすぎじゃないか?」
見ると不服そうな顔で長門に対して少し強気な物言いをする
忌夢「だいたいさ、みんな受け入れるのが早すぎるよ。なんでこんなちび助にボクらが教えをもらう立場になるのさ?ボクは納得できないね」
長門「……っ」
さらには年齢を理由に辛辣な言葉を長門に投げかける
斑鳩「忌夢さん、なんということを!?」
そんなことを聞いて黙っていられない斑鳩が反論しようとする
長門「斑鳩さん、いいんです」
斑鳩「せ、先生?」
長門「ボクは気にしてませんし、忌夢さんの言うことも分かりますから」
しかしそれを難癖をつけられている長門本人が止めてきた
斑鳩「で、ですが」
無論、斑鳩は納得できないと言った表情を見せ、詠と夜桜も同じ思いなのか同様の表情を浮かべていた
長門「ではボクはそろそろ部屋に戻りますね。お疲れ様でした」
斑鳩「あっ、先生!?」
時間を理由に斑鳩たちの静止も聞かずに長門は部屋から去っていった
詠「…忌夢さん、さっきのは少しひどすぎるのではありませんか?」
斑鳩「そうですよ。あれでは先生が可哀想です」
夜桜「明らかに言い過ぎじゃ」
彼女たちしかいなくなった教室内で斑鳩たちが忌夢に物申し始めた
忌夢「な、なんだよ。ボクは別に、あんな奴に教わる必要なんてあるのかって思っただけで」
責め立てられたことで必死に反論をしようとする
日影「おかしいな~?そう言う割に授業中、忌夢さん先生が教えてたところしっかりノートにメモとってたやん?」
忌夢「なっ、ひ、日影!?」
しかしそこにさらに割り込む形で日影が声をかけてきた
忌夢「べっ、別にボクはただ参考になりそうな部分はメモしていただけで他意はないぞ!?」
必死に捲し立てるように忌夢はなんでもないことをアピールする
日影「そこまで必死にならなくてもええやん別に?」
あたふたする忌夢を見て日影が思った感想を口にする
詠「だいたい、どうしてそう長門先生に辛辣な態度を取られるのですか?」
彼女の長門への態度が気になった詠が理由を尋ねる
忌夢「だって……雅緋があんなやつに手も足も出せなかったなんて認めたくないんだよ」
すると忌夢は少ししゅんとした顔を浮かべながら自分が長門に対してどう思っているかを答える
斑鳩「…忌夢さん」
俯き顔を浮かべる忌夢に斑鳩はどう言葉をかけるべきかと悩む
詠「雅緋さんを思うお気持ちはわかりますが、でも長門先生は今日までわたくしたちと打ち解けようと一生懸命やっていらっしゃったのは忌夢さんだってご存じでしょう?」
すると詠が長門が自分達のために一生懸命に授業をしてくれていることを忌夢に告げる
忌夢「わかってるよ…こんなのただのやっかみだって言うことくらい。悪いことしたって言うのはボクだって本当は理解しているんだ。だけど…」
本心的には先程は言いすぎていたのだと理解している
けれど雅緋のことで一悶着起こしてしまっていることと性格上、素直に謝ると言うことがどうしても難しいのだと胸の内を明かす
日影「なんならわしが一緒に謝りに行くで?」
忌夢「えっ?」
そんな中、思いもよらぬ一声が日影からかけられた
予想外の一声に忌夢はもちろんのこと、他の3人も彼女の方を見る
日影「このままぎくしゃくしてるの忌夢さん的にもいい気はせんやろ?1人で謝りに行くのが嫌なんやったら、わしが一緒に行ったるけど?」
忌夢「…日影」
心ぼそいと言うのなら自分も一緒に行くと言う日影に忌夢は内心嬉しんでいた
斑鳩「であるならわたくしたちも行きますよ」
忌夢「えっ?」
詠「そうですね、わたくしたちもご一緒させてください」
夜桜「友人のためじゃ、力になりますよ」
さらには日影に続いて斑鳩も詠も夜桜も忌夢に協力すると言ってくれた
忌夢「お前ら……ふっ、ふん。相変わらずお人好しな奴らだよまったく」
他の3人からも一緒に手伝うと言葉をかけられて忌夢は背を向けながらへそ曲がりな言葉を吐く
だが、4人は察していた。忌夢が嬉し泣きで涙を流しており、それを誤魔化すために背を向けていることを
斑鳩「さぁ、そうと決まれば善は急げです。早く先生のところに行きましょう!」
詠・夜「「おー!」」
呼びかける斑鳩の声に詠と夜桜も賛同して掛け声をあげるのだった
日影「…なぁ、忌夢さん」
忌夢「なんだ日影?」
そんな中、日影が唐突に忌夢に声をかけてきたのでどうしたのかと尋ねる
日影「善は急げ言うけど、わしら悪忍やからあれどうなんやろ?」
忌夢「いっ、いいんだよ!あんなのものの例えなんだから!?」
日影「ふーん」
いい雰囲気の中にも関わらず、日影のど天然な発言に忌夢は思わず、コテンとなってしまい、即座にツッコミを入れるのだった
余計な茶々があったものの、忌夢たちは長門の元に向かうべく執務室に向かった
数分後、彼女たちは目的の場所である執務室に到着した
斑鳩「先生、いらっしゃいますか?」
到着するや斑鳩がドアをコンコンとノックする
長門『あぁ斑鳩さん、どうしました?今手が離せないんで、鍵はかかってませんからどうぞお入りください』
するとドアの向こうから長門の声が聞こえて、入室を許可する声をかけてきた
斑鳩「ありがとうございます。失礼します」
許可をもらうや斑鳩が一声かけながらドアを開き、入室する
斑鳩「先生、少しよろしい…ってなんですかこれ!?」
部屋に入るや斑鳩は驚愕する
無論それは斑鳩だけに限らず他全員もだった
何故なら長門が座っている執務室の机にはたくさんの紙が散らばっていたのだ
長門「すみませんね、お見苦しいところを見せてしまいまして」
唖然としている一同を他所に長門は両手に持つ資料と睨めっこしながら話しかける
斑鳩「せ、先生。これはいったい?」
長門「これですか?お恥ずかしながら資料整理をしようとしてうっかり手を滑らせてしまいまして、気がついたらこの有様です」
散らばっている様子に斑鳩が問うと長門は資料を整理しようとしてこうなってしまった事を伝える
忌夢「まったく何やってるんだよ。しょうがないな」
詠「忌夢さん?」
そんな惨状を見かねた忌夢が行動に出る
散らばってしまった紙を長門と一緒に集め始めたのだ
斑鳩「…みなさん、わたくしたたちも」
夜桜「手伝いましょう!」
2人が片付けている様子を見て残る4人も手を貸すべく動き出す
全員が一斉に散らばった紙を集め始めていく
忌夢「しょうがない奴だよ。こんなに散らかして……っ?」
文句を言いながら片付けをしていた忌夢が不意に一枚の紙を手に取る
忌夢「こっ、これって…」
拾った紙を見て忌夢は驚く
その紙には忌夢のことが書かれていた
忌夢「なっ、なぁ。これって?」
長門「あぁ、それですか?ボクが作った忌夢さんのデータです。今後の参考にしてほしいと今度渡す予定だったんです」
忌夢「…っ」
よく見てみるとそこには忌夢の授業における長所や短所、さらにはそれ以外にも役立つような内容が事細かに記述されていた
斑鳩「あら見てください、わたくしたちのもありますよ!」
詠「本当ですわ!?」
夜桜「おぉ、こんなにも!?」
日影「ほー、わしこんなところあったんや?気づかんかったわ」
他の4人も自分たちの資料を見つけ、その内容に驚いている様子だった
忌夢「お前、これもしかしてボクたち全員分あるのか?」
長門「はい、そうですよ」
聞くと資料は全員分あると長門は言う、即ちそれは自分も含めた20人以上の生徒たちの分あると言うこと
忌夢「こんなにも沢山のことをたった1人で?」
長門「えぇ、曲がりなりにもボクは皆さんの先生ですからね。生徒たちのいいところも悪いところも全部ひっくるめて導くのが仕事ですから」
自分が先生であることの責任をこの歳でそこまで理解し、あまつさえ自分たちのためになればと手間暇も顧みず資料まで作ってくれている
忌夢「…こんなの非の打ち所がないじゃないか」
長門「えっ?」
忌夢「……悪かったな先生。お前のことよく知らないくせに舐めた態度をとって」
長門「忌夢さん…」
いかに長門がすごいのかを理解した忌夢は今までのことを詫びるように謝罪をした
長門「ふふっ、いいんですよそんなこと、生徒にどう思われてもボクがみなさんの成長のお役に立てるならそれだけでも嬉しいことですから」
忌夢「…まったく、敵わないな。本当に10歳なのかお前?」
長門「どう言う意味ですか?正真正銘10歳ですよ」
長・忌「「…ぷっ、あははははは」」
互いに言葉を交わし、笑い合う長門と忌夢、そんな2人の様子を斑鳩たちも微笑ましそうに見ていた
そうしてなんやかんやあったが、散らばっていた資料は皆の協力で無事に回収できた
長門「みなさん、本当にありがとうございました。おかげで助かりました」
斑鳩「いえいえ」
詠「お役に立てて何よりです」
夜桜「これくらい朝飯前じゃ」
手伝ってくれたことにお礼を述べる長門に斑鳩たちはお礼なんて不要だと告げる
忌夢「なぁ、先生」
長門「はい、どうしました忌夢さん?」
すると会話に入るようにして忌夢が声をかけてきた
忌夢「よっ、よかったら今度短所の部分を改変するためにも修行をつけてくれないか///?」
少し照れくさそうに忌夢が長門に願い出る
長門「…はい、もちろんです」
彼女のお願いに長門は即答で答え、それを聞いて忌夢も嬉しそうな顔を浮かべていた
日影「なぁ、先生」
長門「なんですか日影さん?」
その時、今度は日影が声をかけてきた
日影「この資料、そこに置いとけばええんか?」
長門「あっはい。大丈夫ですよ」
日影「はーい。よっこいしょっと」ドサッ!
集め終わった資料を机の上に置くように言われ、日影がそれをポンと乗せる
するとその時だった
ポンと勢いよく資料の束を置いたことにより机にこべりついていたハウスダストがモクモクッと部屋中に舞う
長門「…はっはぁっ〜!?」
斑・詠・日・夜・忌「「「「「…っ?」」」」」
長門「はぁっくしょん!?」
ビュオオオオオッ!!
斑・詠・夜・忌「「「「きゃああっ!?」」」」
空気中に舞ったハウスダストが長門の鼻を刺激した
刹那、長門が盛大にくしゃみをすると同時に部屋全体に凄まじい強風が吹き荒れた
長門「ぅは〜…はっ、鼻がムズムズします」ズルズル
くしゃみのせいでむず痒くなった鼻を長門が擦る
斑鳩「あっ、あの先生…////?」
長門「はい…えっ?」
最中、声をかけられたので視線を向けるや長門は固まる
なぜならそこにはいつのまにか身につけていた衣服が消え、生まれた時のままの姿となっている5人が立っていたからだ
長門「あっ…ぁあ////」
彼女たちの姿を見て長門は顔をトマトのように真っ赤にする
忌夢「…まえってやつは///」ゴゴゴゴォ!
長門「いっ、忌夢さん?」
やたらドスの聞いた声に目を向けるとそこには顔を俯かせ、わなわなと震えながら握り拳を作っている忌夢がいた
忌夢「人がせっかくちょっと見直したかと思ったら…このエロガキがぁあああ////!!」
長門「す、すみません不可抗力です〜////!?」
忌夢「待て!逃げるな卑怯者!逃げるなぁああ////!!」
この後、怒り狂った忌夢に落ち着くまで起きかけ回される長門であるのだった