――PM:執務室――
時は授業も終わり、生徒たちが帰った後にまで経つ
長門「………っ」カキカキカキカキ
その時間、長門は執務室にて今日最後の業務を行なっている最中だった
コンコン
長門「…っ?」
するとその時、唐突にドアをノックする音が聞こえてきた
長門「どなたですか?」
月光『{先生、私たちです}』
誰かと長門が問うように声をかけるとドアの向こうから返事をする声がした
長門「鍵はかかってませんからお入りください」
ドアの向こうから聞こえる声を聞いた長門は声の主たちに入室の許可を与える
月光『{失礼します」
ガチャっという音と共に部屋に入ってきたのは月光と閃光だった
長門「これはこれは、お二人ともお疲れ様です」
月光「いえいえ、先生こそ夜分遅くまでお疲れ様です」
長門「お気になさらないでください。これも仕事ですから」
やってきた月光と長門が互いを労うような言葉をかけていた
長門「それでどうしたんですか、こんな時間に?」
挨拶もそこそこにして長門が2人に夜遅いこの時間帯に自分を尋ねてきたことについてを質問する
閃光「実はな、我々の主人がお前との面会を望んでおられるのだ」
長門「……っ」ピクッ
質問に対して閃光から発せられた言葉を聞いた瞬間、長門の目つきが変わる
長門「(ついに来たか…)」
前々から想定していた機会が来たかと長門は内心思った
長門「わかりました。であればボクはどうしたらいいでしょうか?」
月光「我々についてきてください。案内させていただきます」
長門「そうですか、ではお願いします」
彼女たちから主人の元まで案内すると言われ、長門もそれにしたがい、ついていくことにした
2人に連れられた長門はそれから少ししてとある部屋までやってきた
長門「ここですか?」
月光「はい、そうです。少しお待ちください」
案内されたドアの前で月光が暫し待つように長門に告げ、扉をノックする
月光「私です。先生をお連れいたしました」
???『{…お入りなさい}』
長門「(女性の声…)」
ドアをノックしてすぐに部屋の向こうから声が聞こえ、入室の許可を出してきた
月光「失礼します」
そうして月光がドアを開けて長門を手招きするように中に通した
入室するとそこは整えられており、奥には机とそれとは逆向きになっている椅子があった
???「2人ともご苦労様でしたね」
月・閃「「はい」」
すると椅子の方から声が聞こえてきた
???「ここからは2人きりで話しがしたいですのであなたたちは退室してください」
閃光「…わかりました」
月光「失礼致します」
退室するように指示を出され、少し不服そうな顔を浮かべるもすぐに指示に従い、部屋を後にした
2人がいなくなり、部屋には長門とこの部屋に呼び寄せた張本人のみが残った
???「こうしてお会いするのは初めてですね。お初にお目にかかりますね長門先生」
直後、窓の方を向いていた椅子が長門の方に向き直り、そこに座していた者が姿を見せる
長門「……っ」
その時、長門は一瞬姿を露わにしたその者に見とれてしまった
まるで雪のように白い肌に夜の闇のような長く伸びた黒い髪、そして同じく黒を基調とした服に身を包んだその女性に
???「さて、お話しをする前にまずは自己紹介をさせていただきましょうか。私がこのシノビマスターズの主催者の
女性こと雪不帰は長門に自分の名を明かした
長門「こちらこそ、改めまして長門と申します。よろしくお願いします」
向こうが挨拶してきたため、作法として長門も再度自己紹介をする
雪不帰「では先生、こちらにおかけください。お茶でも飲みながらゆっくりお話しでもしましょう」
互いに自己紹介を終えると雪不帰は長門にソファに座るように促す
長門「ありがとうございます。では失礼します」
言われるがままに長門はソファに座した
程なくして雪不帰が事前に用意していたであろう急須と湯呑み茶碗を乗せたお盆を持って反対側のソファに座る
ソファに座った雪不帰は手慣れた手つきで急須に入ったお茶を湯呑み茶碗に注ぎ込む
雪不帰「どうぞ先生」
そうして雪不帰が注いだお茶を長門に差し出す
雪不帰「安心してください。毒など入っておりませんから…っ」
差し出したお茶に毒が入ってないことを証明するために雪不帰が先んじて自分用に入れたお茶を飲んだ
雪不帰「ほら、これでご理解いただけたでしょうか?」
長門「…いただきます」
ここまでしてくれた以上、その行為を無碍にするわけにはいかないと長門も差し出されたお茶を飲んだ
雪不帰「いかがですか?」
長門「美味しゅうございます」
感想を求められた長門は素直な感想を述べた
雪不帰「…では、そろそろ話しを伺わせていただきましょうか。どうですか先生。あなたから見て彼女たちは?」
長門「率直に申し上げるならまだまだ未熟と言うべき点はあるかも知れません、けれどひたむきに精進する姿勢はとても好感がもてると思っております」
雪不帰「ほう…」
そうして長門は雪不帰に今後の彼女たちのために何をしていこうとしているのか、その授業方針を丁寧に説明していった
長門「と言うのが今後はそのようにしていこうと思っております」
雪不帰「……なるほど、よく考えられていますね。さすがと言うほかありませんね」
長門「恐れ入ります」
あらかた説明を聞いた雪不帰は賞賛の言葉を送り、それを受けた長門も彼女にお礼を述べた
雪不帰「いやはや、本当にすごい方ですねあなたは」
長門「えっ…あっ!?」
一瞬ぼそりと言葉をつぶやいたと思った直後のこと、いきなり雪不帰が身を乗り出し、向かい側にいる長門の頬に手を当てる
長門「ふっ、雪不帰さんなにを!?」
突然のことに驚き、さらには自分の顔を間近で見つめてくる雪不帰に困惑してしまっていた
雪不帰「齢10歳で特別上忍になった神童と謳われた忍、こうして近くで拝見しても噂以上の方であることが感じられますね」
長門「そ、そんなことは」
自分のことを高評価されていることに長門は恥ずかしさを感じる
雪不帰「……っ」
長門「って、ちょっ!?何してるんですか雪不帰さん!?」
突如として雪不帰が長門の顔からゴーグルを外してしまう
それを見た長門が焦った表情を浮かべ、必死に目を逸らそうとする
しかし、そうしようとした矢先、雪不帰が両手で長門の顔を動かないようにホールドするとまじまじと彼の瞳を見つめ始める
長門「な、ななな、何をなさっているんですか雪不帰さん!?危険です、早くボクから目を逸らして!?」
自分のためにも彼女のためにもと長門は必死に止めるように懇願する
しかし雪不帰はその声に耳を傾けることはなくじっと長門を見ていた
長門「(いったい何をしようと…ってちょっと待って、おかしいぞ、この人ボクの眼を見てるのにどうして…っ?)」
だか、長門がここである違和感に気づき、どう言うことなのかと疑問を抱き始める
雪不帰「……なるほど」
すると何か納得した様子を見せるとともに雪不帰が奪ったゴーグルを長門に付け直した
雪不帰「なかなか見事な瞳力をお持ちのようですね先生」
ゴーグルを長門にかけ直すと妖艶なる笑みを見せながら雪不帰は彼の瞳に宿る力に感服していた
長門「…雪不帰さん。あなたはいったい何者なんですか?」
互いに見つめ合う中、長門が恐る恐る尋ねるように雪不帰に質問を投げかける
長門「ボクのこの目を見てそこまで平静を保てるものはそう多くありません。いったいあなたは…」
雪不帰「いやはや恐れ入りましたよ。その瞳力の強さには」
長門「えっ?」
質問をしようとする長門だったが、それを遮るように雪不帰が彼の瞳力がいかに凄いかを語り始める
雪不帰「正直、危ないところでしたよ。直視すればするほどあなたが愛おしくて愛おしくてたまらなくなるのですからね。それこそこの場で襲ってしまいたいと思ってしまうほどに…かぷっ」
長門「ひやあっ///!?」
悪戯な笑みを浮かべる雪不帰がいきなり長門の耳たぶを甘噛みしてきた
雪不帰「うふふ、先生ったら見た目にそぐわぬ可愛らしい声で鳴いてくれますね」
長門「はぁ…はぁ…はぁ…か、からかわないでください!?」
甘噛みされ、顔を真っ赤にする長門の反応を雪不帰は面白いものを見たと言った反応を示す
長門「……雪不帰さん、あなたはもしや?」
「先生、今は不用意な詮索は野暮というものですよ?」
長門「――っ」
雪不帰「ご安心ください。その時がくればいずれ分かりますよ…いずれね」
確信をつこうとするもその前に雪不帰に人差し指で口を止められてしまった
雪不帰「さて、ではそろそろお開きにするとしましょう。引き続きあなたには彼女たちの指導をお願いします。よろしくお願いしますね先生」
長門「……わかりました」
引っかかりはあるものの、下手な事を荒立てるのは無粋と結論付けた長門はこれ以上の詮索はしないことを決めた
長門「それでは失礼します」
部屋を出る前に一声かけ、長門が外に出ようとする
雪不帰「あぁそうだ。先生、私からも最後に一つ質問があるのですがよろしいでしょうか?」
長門「はい、なんでしょうか?」
すると不意に質問があると告げた雪不帰の方に長門は向き直る
雪不帰「先生、あなたはそれほどの技量と瞳術を手に何を望んでいるのですか?」
力を持ってなんとすると言う雪不帰の質問に長門は一瞬口籠る
長門「…矛盾していると思われても仕方ないことかもしれませんがボクの目的は一つです。ボクの目的は……”忍を辞めることです”」
雪不帰「――っ」
思いもよらない長門からの回答に雪不帰は驚きのあまり目を見開いた
長門「すみませんが、質問はなしでお願いします。理由ならいずれ話しますからそれまで待っててください」
先程の言葉を返されたような感じがする感覚に雪不帰は襲われた気がした
雪不帰「…なるほど、どうやら先生にも事情がおありのようですね。いいでしょう、それならば今はあえて問いません。引き続き生徒たちの指導をお願いします」
長門「わかりました。では今度こそ失礼します」
そうして長門は再度頭を下げて部屋を後にした
雪不帰「……長門先生、やはりあなたは面白い方ですね」
1人になった静かな部屋で雪不帰は長門に対してますます好感を示すのだった
プロフィール
指名 長門
読み方 ながと
所属 特別上忍(シノビマスターズ専属教師)
誕生日 8月31日
年齢 10歳
血液型 A型
身長 128cm
CV 伊瀬〇莉也
類を見ない若さで突如としてして現れ、特別上忍の称号を持った少年、その幼さからは想像もできないようなと功績から彼を知る者たちからは「神童」と称されている。
性格は真面目であり、口調も丁寧で、自分よりも他人のことを助けようとする性分である。
だが、上忍と教師という立場もあって時には生徒たちに厳しさなどを教授し、彼女たちの成長を促すこともある。
ダークグリーンの髪に2本のアホ毛がチャームポイント
詳細は不明だが、謎の呪いを抱えており、眼はその呪いによる瞳術を開眼しており
自身の有無に関わらず、効果が発動してしまうため常に目をゴーグルで覆っている。
そのため、基本何があろうとも自らゴーグルを外すことはない
上層部からの忍務によりシノビマスターズの開催に伴うそれに参加する生徒たちの指導係を命じられる。
最初こそ忍務のためにと仕方なく引き受ける長門だったが、指導対象である生徒たちと交流を深め、徐々にその考えは変わっていくのだった…
【挿絵表示】