――PM:執務室――
時刻は丁度昼時を迎えていた頃のこと、長門はいつものように執務室にて業務を行っていた
コンコン
長門「…っ?」
そんな時、ドアをノックする音が響く
長門「どうぞ、お入りください」
???『{失礼します}』
部屋に入る許可を出すとドアが開き、数名の人物が入ってくる
長門「おや、飛鳥さんに雪泉さん、それに夜桜さんも?どうしたんですか?」
入ってきた3人に何の用かを長門が尋ねる
雪泉「いえ、大したことではないんですが、今日は先生をお誘いにきたんです」
長門「お誘い?」
飛鳥「うん。これからみんなでお昼にしようって話しになってせっかくだから先生くんを誘いにきたの」
誘いといのは昼食を一緒にどうかということであった
長門「なるほど、そうだったんですか。実はボクもちょうど今から昼食を取ろうと思ってたんですよ」
雪泉「そうでしたか、ではよろしければ…って先生、何をしているんですか?」
自分たちと同じように昼食を取ろうとしていることを知り、尚更誘おうとした矢先のこと、唐突に長門が机の中から何かを取り出す
そうして長門が机から物を取り出した
夜桜「せっ先生、それって…」
長門「はい、カロリー⚪︎イトと栄養ゼリーですが?」
3人は長門がいきなりカロリー⚪︎イトと栄養ゼリーを出してきたことに驚く
飛鳥「ねっねぇ先生くん、もしかしてだけどそれってもしかして…っ?」
長門「ボクの昼食ですよ」
予想はしていたがはっきりと長門からこれらが昼食であると聞き、3人は唖然となる
雪泉「先生、一つ伺いますがもしかして今までもずっと?」
長門「そうですね。忍務のない時とかはもっぱらこう言うのが主軸でしたね」
恐る恐る飛鳥が尋ねると長門はそれを肯定し、忍務のない日などはこれを主に食べていたと言う
雪泉「ではそれ以外は?」
続け様に雪泉よ長門に質問をする
長門「他ですか?うーん、似た感じになりますが所属していた部署で忍務のない時は栄養バランスを考えられた食事が提供されていました。あとは忍務がある時はこう言うのを食べてましたね」
すると長門が机から取り出したのは袋で、その中には兵糧丸や乾パンなどが入れられていた
長門「忍務によっては長期間待機することも多々あったのでこう言うのを携帯してるんですよ」
自分が忍務でどれほどこれらを食してきたかを赤裸々に語っていた
だが、その一方でその話しを聞いた飛鳥と雪泉は返す言葉が見つからず、困り果ててしまっていた
夜桜「……っ」プルプル
雪泉「夜桜さん?」
そんな中、雪泉が夜桜の異変に気づく
顔を俯かせ、軽く体をプルプルさせていた
2人も雪泉の声でどうしたのかと夜桜の方に視線を向ける
夜桜「…とらん」
長・雪・飛「「「えっ?」」」
夜桜「なっとらぁああん!!」クワッ!
長・雪・飛「「「っ!?」」」
刹那、今まで顔を俯かせていた夜桜が顔を上げたかと思ったらまるで烈火の如く怒った顔を見せていた
長門「ど、どうしたんですか夜桜さん?」
剣幕に圧倒されそうになるも長門は震えながらに夜桜に尋ねる
夜桜「先生!」
長門「はっはい!?」
夜桜「そんな食事ばかりしててはいけません!育ち盛りの子がそんな味気ない食事しか口にしないだなどと、なっとらんと言わずしてなんとする!」
長門「で、でもボクは今までこうして」ガタガタ
怒りに満ちている夜桜にさしもの長門もたじたじになってしまっており、ガタガタと震えていた
飛鳥「よ、夜桜ちゃんすごい怒ってるけどどうしたんだろう?」アセアセ
雪泉「…元々夜桜さんはうちに来るまではたくさんの
彼女の怒りの理由が
夜桜「さぁ、行きますよ先生!」
長門「えっ?うっ、うわっ!?」
するとその時、夜桜が長門の手を取り部屋を飛び出してしまう
咄嗟のことで驚きながらも飛鳥と雪泉も2人を追いかけて行った
長門「ちょ、ちょっと夜桜さん、いったい何処に行こうとしているんですか!?」
夜桜「決まってます。調理室です!」
長門「調理室!?」
夜桜「わしが先生に食べ物の素晴らしさを教えてやります!」
意気込みを見せながら手を引く夜桜に引かれて長門はなすがままにドナドナされてしまうのだった
そうして夜桜に半ば強制的に連れてこられた長門は席に座らされ
遅れてやってきた飛鳥と雪泉とともに調理を開始している夜桜の様子を眺めていた
厨房にやってきて数十分ほど経った
夜桜「先生、できましたよ!」
直後、夜桜たちが完成した料理を持って長門の元にやってくるとそれを彼の前に差し出した
長門「こ、これは…っ?」
夜桜「
差し出された料理、それは
夜桜「さぁ先生、遠慮なく召し上がってください!」
自信満々の様子で夜桜が長門に自分の作った
長門「えっ、ええっと…」汗
突然のことすぎて長門はどうしたらいいのかと困惑している
夜桜「なんじゃ先生、わしの作った
長門「いっ、いえそう言うわけでは!?」
困惑している長門の様子にムッと来たのか夜桜がくってかかってきた
まずいと思った長門が必死に弁解しようとしていた
夜桜「ええいじれったい!ほらわしが食べさせてあげますから口を開けてください!」
長門「ええっ!?」
うじうじしていることに痺れを切らした夜桜がスプーンで
夜桜「た〜べ〜なさい!」
そうして長門に
長門「いっ…いただきます」
勢いに根負けした長門が恥ずかしそうな顔を浮かべながら夜桜の
夜桜「どうですか先生?」
長門「……ごくん………っ!?」
長門「おい…しい…」
直後に長門の口から出たのは率直な感想の言葉だった
長門「はむ…はむ、はむはむはむ!」
一口食せばもう止まれない、長門は夜桜から匙をもらうと自らの意思で彼女の作った
味を噛み締めれば噛み締めていくうちに長門の目からはしだいに涙がこぼれ始めていく
長門「ふぁ〜……」
気がつけば長門はものの数分で夜桜の
その表情は今までにない幸福感と満足感が出ていた
夜桜「どうですか先生、わしの作った
長門「‥ふぁい」
幸福感にとろとろになってしまっている長門から肯定の言葉をもらい、夜桜もご満悦の様子だった
長門「…おいしい、おいしいです。こんなおいしいものがあったなんて…」
夜桜「先生、世の中にはあんな物以外にもこれのように美味しいものはたくさんあるんです。だから遠慮する必要はありません。わしらとこれからももっといっぱい美味しいものを食べていきましょう」
夜桜「夜桜さん……はい」
暖かい料理の味を教えてくれた夜桜に長門は感謝の籠った返事を返す
飛鳥「ちょっとまって先生くん」
長門「…っ?」
するとそこに待ったをかける声がした
見るとそこはは飛鳥と雪泉がいた
飛鳥「ダメだよ先生くん、夜桜ちゃんの
雪泉「そうですよ。せっかくの機会ですから私たちの料理も食べてみてください」
そう言って2人が差し出したのは太巻きと冷やし中華だった
飛・雪「「さぁ、召し上がれ」」
長門「は、はい。いただきます!」
一気に差し出された2人の料理にこれまた目の色を輝かせて長門は交互にそれらを口にする
長門「ふにゃ〜…」
2人の料理を食した長門はまたまた幸福感に満ちた声をあげる
飛鳥「どうかな先生くん?」
雪泉「わたくしたちの料理の味は?」
長門「はい、おふたりのつくったりょうりもおいしいです〜」
もはや幸福感で言葉もふにゃんとしてしまっている長門に2人もしてやったと言わんばかりの顔を浮かべる
夜桜「むぅ〜、せっかく先生がわしの
横からかっさられたような感じがして夜桜は頬を膨らませる
雪泉「夜桜さんだけにいい格好はさせませんよ」
飛鳥「私たちだって負けないんだからね」
そんな夜桜に対し、雪泉も飛鳥も挑発的な言葉を投げかける
夜桜「2人がその気ならいいでしょう、では誰が1番先生を満足させられるか勝負です!」
雪泉「望むところです!」
飛鳥「受けて立つよ!」
こうして長門の胃袋を掴む3人の戦いがはじまり
差し出される様々な料理に長門は料理の味と楽しさを知るのだった
だがその結果、長門の体重が数キロ増量したのは言うまでもない…