メイプルが転スラの世界に異世界トリップしてしまった!?   作:蘭生愛

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4話(サリー視点)

翌朝、サリーは目を覚ました。

まだ薄暗い森の中、冷たい朝露が頬を撫でる。

 

「…よし、今日こそ。」

決意を込めて小さく呟き、木の上から見えた街を目指して歩き出す。

 

途中、森を抜ける道には魔物の気配があったが、慎重に身を隠しながら進むことで、なんとか危険を避けられた。

胸の奥にはずっと、メイプルのことしかない。

 

(無事でいて…お願いだから。)

 

やがて森を抜けると、視界に大きな街の門が現れた。

人々の声、荷馬車の音、焼きたてのパンの匂い。

その全てが、サリーにとっては異世界に来て初めての「人の営み」だった。

 

「…街だ。」

思わず呟き、胸が熱くなる。

でも感傷に浸っている暇はない。目指すのはただ一つ。

 

サリーは街に入り、広場や大通りを行き交う人々を目で追った。

そして――

 

「あっ……。」

 

広場のベンチで談笑している一人の少女を見つけた。

淡い光に包まれたような存在感、どこか呑気な雰囲気。

それは、探し続けた大切な親友の姿。

 

「メイプル……!」

 

気づいた瞬間、サリーの瞳に涙が滲む。

堪えようとしても溢れ出す。

人目なんて気にならなかった。

 

「メイプル――ッ!!」

 

叫びながら駆け出す。

メイプルもこちらに気づき、驚いた顔をしたあと、ぱぁっと花が咲いたように笑った。

 

「サリー!」

 

次の瞬間、二人は勢いよく抱き合う。

「よかった…よかった…!ほんとに無事で…!」

サリーは声を震わせ、メイプルの肩に顔を埋める。

 

「えへへ…サリーも無事でよかったぁ!」

メイプルはいつも通りの調子で笑いながら、サリーを強く抱きしめ返した。

 

涙と笑顔が混じった、再会のひととき。

その場にいたリムルは少し呆気に取られつつも、優しい眼差しで二人を見守っていた。

 

 

涙ぐんだまま抱き合った二人。少し落ち着いたところで、メイプルが隣にいた人物を思い出したように振り返った。

 

「そうだ!紹介するね。この人はリムルっていうんだ!」

「…リムル?」

 

サリーは、メイプルの横に立つ水色髪の人物を見た。

人間のようでいて、どこか人ならざる雰囲気もある。けれど不思議と安心感を覚える存在だった。

 

「はじめまして。オレはリムル=テンペスト。……まぁ見ての通り人間じゃないけどさ。」

リムルは少し照れたように笑うと、声を落として言葉を続けた。

「実はオレ、もともとは日本人だったんだ。」

 

「えっ……!?」

サリーは驚いて目を見開く。

メイプルも横で「えへへ、びっくりだよね!」と相変わらずの調子だ。

 

「メイプルと同じで、オレも異世界に来ちゃったクチでね。だから日本のこと、多少は分かるんだ。」

「……そうなんですね。」

緊張が少しだけ和らいでいくのをサリーは感じた。

この人も、同じ“日本から来た仲間”なのだと思うと、言葉が自然に出てきた。

 

「とにかく、まずは腹ごしらえだ。長旅だったろ?今日はオレが奢るよ。」

リムルはそう言って、街の賑わう通りへと案内してくれた。

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