ばかどらごん建国記   作:竹馬噺

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嫌気が差してくる…(見切り発車)
んほぉぉおおおおエブラナ実装に耐えきれず漏らしちゃうのぉぉおお!(小説)


プロローグ

 

 ──俺はバカかもしれない。

 

 なんて事の無い日の昼前のこと。真っ白な頭髪と肌に、紅い瞳を持つ少年──シャノンはそう思わずにいられなかった。

 シャノンは日課の稽古を済ませた後、最近あまり構ってやれなかった二人の妹に絵本を読んであげるべく、両手に花だと言って妹たちと手を繋いで書斎を訪れていた。

 少し散らかった部屋の中からリクエストされた絵本を探し出し、床に胡座で座って双子の妹達の、下の方の妹──ラフシニーを膝に乗せて、絵本を一冊読み終えたあとの事である。

 双子の妹達の姉の方──エブラナが言った言葉に、染み入る様にそう思ってしまった。

 

「ごめん…もう一回言ってもらえるか?」

 

 シャノンは震える声で、己の七つ下の、元気で愛くるしい七歳児であるエブラナに尋ねた。

 

「分かった」

 

 エブラナは正座のままこくりと頷き、耳に髪を掛けた。

 エブラナは美しい白金色の髪と、鮮やかな翠の光彩を持った美少女だ。

 非常に整った顔立ちをしているが、彼女の容姿で何より目立つのは、額の上に生える天を突く様な黒い二本の角だろう。側頭部にも一本ずつ小さな角がそれぞれ付いており、腰からは太い尻尾が生えている。角と尻尾は家族共通の特徴だが、シャノンと双子は特にそっくりな形状をしている。 

 双子だけあってラフシニーとは瓜二つの容姿をしていて、エブラナはいつも大胆不敵な笑みを浮かべているのが特徴的だ。

 

「──アリステアII世は焦りすぎたと私は思う」

 

 エブラナはいつもの様に、得意げな表情で宣った。

 そしてそのまま、狼狽するシャノンを上目遣いに見つめ、自国(ヴィクトリア)の前王に対する所見を枕詞に、朗々と語り始めた。

 

「確かに以前よりヴィクトリアでの国民の暮らしは袋小路に迷い込む様に少しづつ厳しくなっていき、当時、複数の移動都市で労働者による暴動も確認された。兄様は当然知っているだろうが、ヴィクトリアの基幹産業の殆どはテラ最高水準を誇る──工業力と技術力によって下支えされているもので、それを担い、産業を潤滑に回す労働者の暴動は、ヴィクトリアにとって何よりも見過ごす事が出来ない事態だった。幸い暴動は速やかに鎮圧され、国全体に燃える大火となる事はなかった。いつものヴィクトリアは帰ってきたわけだが、しかし、国を回す歯車に走った亀裂は解消されておらず、やがて瓦解するのは目に見えていた。暴動が発生した時点で、既に問題は潜在的なリスクでは無くなったのだ。先延ばしの期限は唐突に終わりを告げ、ヴィクトリアには改革が必要になった。それも、急速かつ抜本的な改革だ。アリステアII世は改革に取り掛かるのに際し、問題の本質を労働者への還元が少ない事だと見定めた。そう、ヴィクトリアは数十年前より八人の大公爵を始めとした貴族達の力が強く、彼らが富や権力を掌握しつつあったのだ。少数の上位存在によって、民に回るはずの富が独占されている状況は、国家として健全であるとは甚だ言い難い。故に、アリステアII世は貴族に対する大規模な増税を決意した。改革には金がいるが、ご存知の通り、民の経済的体力は既に限界を迎えている。なればこその貴族への増税…理屈は通るが、アリステアII世は貴族達を甘く見ていたと言わざるをえない。彼らは団結し、民衆を扇動して自らの王を絞首台へと送り込む事に成功したのだ。……ふふふふ、いや、もはや君主とは思っていなかったのだろうな?その手際の鮮やかさたるや、普段から邪魔だと思ってきたに違いない。愚かだと思わないか、兄様。君主を殺す貴族も、自分達を救おうとした国王へ石を投げた国民も──王の不在という、国家としての最たるアイデンティティの喪失を招き、結局は状況を悪化させただけの国王も。兄様はこの出来事についてどう思う?まあ?やはり?当たり前の如く私と同じ意見だろうが……うん、兄様の忌憚なき意見を求める」

「っふぅー……」

 

 シャノンは静かに天を仰ぐ。書斎の埃っぽい天井を見つめながら、頭を回す。

 

(『袋小路』『アリステアII世』『労働者の暴動』『ヴィクトリア』『アリステアII世』『歯車の亀裂』『アリステアII世』『改革』『アイデンティティ』『貴族達』『絞首台』『アリステアII世』『改革』『八人の大公爵』…うん──なんて?)

 

 シャノンは今の話を一ミリも理解出来なかった。

 嬉しげに『兄様は当然知っているだろうが』と言われても、悲しきかな、共通の前提知識は前王の名前くらいである。話の内容について考えても、前王の名前ばかりがひょこひょこと出てくるだけで、結局何が言いたいのかまるで分からなかった。

 シャノンが顔の向きを戻すと、キラキラとした目線を向けてくるエブラナと目が合った。

 兄が自分の予想を超える答えをしてくれると信じて疑っていない目だった。ある意味で予想を超えているが、言ったら最後、兄と呼んでもらえなくなる気がする。

 気のせいか、膝の上のラフシニーも期待するような雰囲気を出している。兄は尻尾の動きだけで分かるのだ。

 危機である。今、シャノンの兄としての威厳が崩壊しかけていた。

 シャノンは慎重に言葉を選びながら、全力で──誤魔化しにかかる事にした。

 

「え、エブラナ」

「っ!ああ!」

「兄さんはね、難しい事をお話しする時は、その情報が本当に正しいかを確かめるべきだと思うし、その為の前提知識をしっかりと身につけておかないといけないと思うんだ」

「……?ああ」

「だから、一旦この話はまた今度にしようじゃないか。少し突然だし…話題が話題だから、兄さんもしっかりと学び直しておきたいからさ」

 

 シャノンはそう言い、唐突に話題を打ち切った。

 難しい言葉を盾に、問題を先送りにする。バカを自覚するシャノンが多用する鉄板回避だ。

 

「──なぜだ?兄様は全部知ってるだろう?とある本を夜な夜な絵本がわりに読んでいた事は知ってるぞ」

 

 しかし、追撃。

 エブラナは不思議そうな表情をして言った。

 先送りは失敗。だが、その不思議そうな表情はシャノンこそがしたかった。妹の言い分では、シャノンは夜な夜な読書してるらしいが、シャノンはそんな事は初耳だった。

 シャノンは思わず首を傾げ、膝の上のラフシニーも、真似っこして首を傾げてる。

 全員が不思議そうにしてる中、ややあって、エブラナはハッと何かに気づいた表情をした。そして、ニヤリと笑って一瞬だけ身を翻し、背後にあった何かを両手で掴み取る。

 

「兄様、これに見覚えがあるだろう?」

 

 エブラナはそのまま、ドヤ顔でシャノンの眼前に一つの黒色の分厚い長方形──本を突き出した。

 シャノンが反射的に表紙に目を向けると、そこには『ヴィクトリア全史』という見覚えのある題目が記されていた。

 

(これは──俺の枕じゃん!)

 

 エブラナの言う通り、この本は確かに夜な夜な身近にあった物だった。

 この『ヴィクトリア全史』は、シャノンが最初の数頁で眠たくなり、そのまま枕へと存在意義を変えた本である。確か、程良い高さだったと記憶している。

 

(え……コレ、読んだの?)

 

 シャノンは己が誕生日にプレゼントしたメルヘンな栞が、末尾の頁にちょこんと挟まっているのを見つけて戦慄する。

 どうやら妹は、この鈍器の様な本を読了したらしかった。

 

「……あ、それ面白くないやつ」

 

 シャノンが絶句していると、膝の上のラフシニーが新しく衝撃的な事をぽつりと呟いた。言い様からして、読んだことがあるようだ。

 

(二人して、教育が早すぎる……!)

 

 シャノンは思わず、自分がバカなせいで両親が教育に手を抜いたのでは無いかと疑わずにはいられなかった。

 シャノン・ダブリン、十四歳にして反抗期の足音が──

 

「これは一昨日、寂しいから兄様のベッドでお昼──こほんっ!兄様を超えるために部屋を調査してたら見つけた本だ…父さんと母さんに聞いた所、この本は三ヶ月前から消えていたらしく、その上、この表紙のシミ…手汗が染み込むまで読み込んでいると推察できる!」

(ごめん、シミは寝汗……!)

 

 すると、エブラナはタイミング良く、シャノンの疑念を解消する事実を発した。どうやら、エブラナが勝手に(ほん)を取って行ったようで、両親は別に手を抜いていなかったようだ。

 

「つまり、兄様は得ている情報の正確性と前提知識の蓄積に関しては既に解決している。この事を前提に兄様の発言を見返すと、本来の意図は別にある事が分かる。──それは、私が兄様の話について行けるかの確認だ。そう、先ほどの問答の真意は私の知識の蓄積を試すものであり、私が兄様と論議するに値するかを試すものであり、その情報の正確性を示す知性を試すものだったのだ。そうだろう?兄様」

「………………ヨ、ヨクワカッタナー!」

 

 シャノンは引き攣る様な声で肯定した。嘘を吐いたせいで心が痛かった。

 当然、試す気なんて無かった。どちらかといえば試される側という自覚があった。

 

(どうしよう……)

 

 だがしかし、今この瞬間に、妹に嘘を吐いてしまった事が些事に思えてしまう程の、巨大な問題が発生した。

 なんと、この妹の言い分に則ると、これからのシャノンは鈍器──総頁数4000を超える『ヴィクトリア全史』を手汗が染み込むまで読み込んだ男になるらしい。

 

(んなワケねぇだろ)

 

 しかし、エブラナは「兄様こそ、流石の知性だ」と言いつつ、全ての謎を解いた名探偵の様に、胸を張って得意げにしている。膝の上からは、ラフシニーの「二人ともすごい…!」といった感嘆の声が聞こえてきた。

 シャノンの内心とは別に、少なくとも妹達は、シャノンがその様な存在である事を微塵も疑っていない様だった。

 シャノンが妹からの評価の高さに白目を剥きそうになっていると──ふと、エブラナの胸元から鮮やかな紫色の炎が立ち昇っているのが見えた。

 

「──あ、エブラナ。炎が漏れてるぞ」

「む……」

 

 シャノンが注意すると、エブラナは直ぐに己の胸元の炎を見つめ、眉を顰めた。

 エブラナは指で栓をする様に、炎の根元である胸元に手を添えると、目を瞑って静かに深呼吸を始める。

 炎は瞬く間に落ち着いていき、再びエブラナの中に仕舞い込まれていった。その間に興奮で紅潮していた頬からも色が引いて、白磁の様な肌にたちまち戻っていく。

 十秒程でエブラナは炎を治め終わり、直ぐにぱちりと目を開けた。喜びに水を差されたからか、不満げな表情をしていて、尻尾も苛立つ様に揺れている。

 

「くそ、いい時に限ってこうなる……兄様、これには本当に意味があるのか?」

「一応、意味のあるなしについては、無駄にはならないとは思ってるよ」

「父さんと母さんからは何て聞いてる?」

「多分俺も、二人と同じ理由しか教えてもらってないと思うぞ」

 

 エブラナの問いに、シャノンは苦笑しながら答えた。思い出すのは、真剣な表情の両親がこんこんと理由を説明してくれた記憶。

 ダブリン家の両親は、一貫して兄妹達に『見つかると厄介で危険』と言って、炎を決して人前で出さない様に教えてきた。両親がその理由を明かす事はなく、ひたすらに炎を隠す様にと、繰り返し繰り返し説かれ続けた。

 シャノンもかつて、エブラナの様に炎を隠す意味について疑問に思った事がある。だが、今ではシャノンもその教えを忠実に守り、友達や仲間、近所のご飯をくれるおじさん達の前でしか炎を出す事は無くなった。

 両親がキツく言い含める理由が、大分珍しいらしい自分の種族に起因している事は、シャノンも薄々理解していた。おそらく、捕まえられて改造人間にされてしまうからだろう。

 エブラナもその可能性に行き当たったのか、顎に手を当てて考え込んでいる。

 

「ねぇねぇ」

「ん?ああ、どうした?ラフシニー」

 

 シャノンがエブラナをぼんやりと眺めていると、ラフシニーが膝の上で向きを変え、上目遣いに見つめてきていた。

 シャノンが頭を撫でると、ラフシニーは嬉しそうにころころと笑った。可愛い。

 

「えへへ、えっとね、兄さんは炎をどうやって制御してるのかなぁって」

「炎の制御は使って慣れるしかないなぁ。俺はこうやって……出したり引っ込めたりして遊んでたら慣れたぞ」

 

 そう言うと、シャノンは胸元から純白の炎を立ち昇らせた。炎は宙に燃え広がり、シャノンの頭上まで到達すると、様々な形を模っていく。見覚えのあるものを見つける度に、ラフシニーは「わ!」と声を上げて目を輝かせた。

 

「すごい…これ、蒸気騎士だよね!」

「正解!まだまだあるぞー」

 

 シャノンの炎はマカロン、駄獣、アリステアII世と、複雑な造形の物も忠実に再現していく。シャノンの炎が動く様は流麗で、まるで身体の一部ではないかと錯覚してしまう程だった。

 シャノンは一分ほど炎を動かし続けると、「こんなところかな」と言って、炎を胸の中へ仕舞い込んだ。

 ラフシニーはシャノンを讃える様に、ぱちぱちと小さい手で拍手を送った。

 

「と、まぁ、こんな感じで、慣れればだいぶ自由に動かせるぞ」

「うーん……わたしにも出来るかなぁ?」

「物は試しだっていうし、兄さんが見ててやるから、やってみるといいぞ」

 

 シャノンの言葉に、ラフシニーは「うん」と頷き、おっかなびっくり、胸元から明るい橙色の炎を少しだけ噴出させた。

 ラフシニーは炎を包む様に両手を当てて、念を送る様に「むむむ」と唸る。しかし、炎は所在なさげにゆらゆらと揺れ動くままで、ラフシニーが諦めて手を退けるまで何も変わらなかった。

 

「うーん、やっぱりすぐは無理かぁ……」

「なぁに、ラフシニーなら直ぐに出来るようになるって」

「ほんと?」

「ああ、本当だ」

 

 シャノンは、炎に照らされるラフシニーの顔を優しげに見つめながら頷いた。

 

「俺と違って、ラフシニーは頑張り屋さんのいい子だからな、きっと出来るさ…出来るようになったら、兄さんにも見せてくれよ?」

「──うん!その時は兄さんに一番に見せてあげる!」

「お、それは楽しみだ。俺の真っ白で地味な炎と比べて、ラフシニーの炎は綺麗だからなぁ」

「……綺麗?わたしの炎が?」

 

 ラフシニーはシャノンの褒め言葉に、炎を収めて不思議そうな表情をする。シャノンが「羨ましいくらいだぞ」と言っても、「うーん」と首を傾げるだけだった。

 

「でも、わたしは兄さんの(いろ)の方がすきだよ?白百合みたいで、すっごくキレイだもん」

「……まったくぅ!まぁたそんな事言っちゃってぇ!ラフシニーは可愛いなぁ!」

「きゃ!……えへへへへ」

 

 シャノンは可愛い事を言ったラフシニーをいきなり抱きしめ、小さな頭に頬擦りしながら褒めちぎる。

 シャノンと同じ種族であるラフシニーの体温は高く、暖かい。いい匂いのする髪の毛はさらさらとした肌触りで、この妹を抱きしめていると、胸に多幸感が湧き上がってくる。

 

「…………」

(ん?)

 

 シャノンがシスターセラピーをキメていると、ふと、思考の海から帰還していたエブラナと目が合った。頬は僅かに膨れ、ジトリとした眼差しだ。

 エブラナの様子を見たシャノンは「ああ」と得心した様に頷くと、膝の上のラフシニーの位置をずらしてスペースを作り、エブラナに片手でおいでおいでと手招きをした。

 

「にいさまっ!」

「おわっと、っと」

 

 エブラナは表情をパッと明るくさせ、すぐにシャノンに飛びついた。体勢が少し崩れかけたが、シャノンは己の尻尾を支えにして持ち直す。

 エブラナはラフシニーとは違い、少しひんやりとした体温をしている。香水を付けているのか、柑橘系の爽やかな香りがした。抱きつき方も、身を寄せるだけのラフシニーとは違い、力一杯に抱き付いてくる。

 シャノンがラフシニーにしている様に抱き寄せて頬擦りをすると、ラフシニーとは少し違うエブラナの笑い声が聞こえた。

 炎の色、表情、喋り方、笑い方、体温、匂い、抱きつき方。シャノンは双子の妹達の違いを見つけるのが好きだった。エブラナが背伸びする様子も、ラフシニーがそれを真似っこしている様子も、二人が何をしてても愛しかった。

 

「──三人とも、ご飯ができたわよー!」

 

 シャノンが我が世の春を謳歌していると、背後の扉から、母親の呼び声が聞こえた。離れている所から叫んでいるせいか、声は僅かに間延びしている。

 エブラナとラフシニーは声が聞こえてすぐに、「はーい!」と返事し、シャノンの膝から離れて扉に駆け寄っていく。シスターセラピーは終了だ。

 

「──にいさまっ」

 

 シャノンは呼びかけられると、伸びを中断して後ろに振り返る。そこには、先に廊下に出たエブラナが、扉から赤くした顔だけをひょっこりと覗かせていた。

 

「わ、私も兄様の(いろ)は好きだ!自分色に染め上げたくなるというか……塗りつぶして永遠に閉じ込めたくなるくらい魅力的だ!」

(──なんて?)

 

 シャノンは思わずその場で固まった。背伸びする方向性が、なんか違う。

 エブラナは言い終えるや否や、シャノンの反応を確かめずに駆け足で去っていった。残されたシャノンは直ぐに再起動すると、独特な褒め言葉に笑みを溢し、愛しさが爆発したので、今晩はエブラナを抱き枕にすると決意した。

 シャノンは立ち上がり、妹達に続こうとして、ふと目に入った『ヴィクトリア全史』を拾い上げてパラパラと捲る。

 今日からはコレを完全理解した男になるらしい。

 

【かつてターラーを治めたゲル王。その血筋に連なるドラコ族は、果たして本当に途絶えたのだろうか?もしいたのなら──】

「うん」

 

 シャノンはすぐに本を閉じ──静かに焼却した。

 諸悪根源隠滅完了也。少なくとも、エブラナがこの本を見て今日の事を思い出す事は無くなった。

 

(──俺は、何も知らないっと)

 

 なお、かつて書店で見かけた『ヴィクトリア全史』の値段については考えないものとする。




『シャノン・ダブリン』
・ばかどらごん。
・妹達より頭が悪い。
・本作の主人公。シスコン。突然4000ページ越えの本を手汗が染み込むまで読み込んだ男になった。

『ラフシニー・ダブリン』
・ばかがべつにうつってないどらごん。
・シャノンより頭が良い。
・ブラコン。双子の姉には及ばないが、年齢にあるまじき知性を既に備えている。とても純粋で兄の言う事全てをそのまま信じるお年頃。

『エブラナ・ダブリン』
・ばかがすこしうつりかけどらごん。
・シャノンよりとても頭が良い。
・ドドブランゴ。非常に賢く、既にうっすらと自身の正体に勘付きつつある。改造人間にされるとは別に思っていない。

『作者』
・ばかにんげん。
・もう書きたい事の九割書けてしまったのはここだけの秘密。特技はエターナルブリザード(投稿頻度)。
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