前世は剣帝 作:イタク
「今日は退院の日ですが……無茶はしないで下さい」
「はいお世話になりました、アミッドさん」
ファイはアミッドを見て衝撃を受けていた、何故なら自身よりも年上なのに身長が小さかった事に。それを聞いたファイは少し笑ってしまうがそれを聞いたアミッドからの冷たい目線に……それから珍しくファイはアミッドをさん付けするようになった
「それにしても……今日……か」
現在オラリオは緊張状態になっていた。それはフィンからの驚くべき予測、そしてファイからきた確定の情報。それを見てオラリオは最終決戦となる
「退院したらここに来てって……」
ファイは少し重たい足で前に進むとそこにはロキファミリア、フレイヤファミリア、ガネーシャファミリア、アストレアファミリア、ヘルメスファミリアの主要人物が集まり会議をしていたがファイは一人の保護者に会いに行っていた
最終決戦の作戦会議が終わりファイはアリーゼに近づく
「おい保護者」
「何かしら!ファイ!」
アリーゼはファイの目線に合わせるべく屈むとアリーゼのホッペを弄り始める
「ヒュキュファリホリョペェデアショハマィヘェホョファヒン」
(いきなりホッペで遊ばないでよファイ)
「…………おりゃ」
ファイはアリーゼのホッペを引っ張る
「ヒタイ~ファイン」
(痛い~ファイ)
「ちょっとは気が紛れたか?」
「…………」
「はぁー世話がかかる保護者だ」
ファイはため息をつきアリーゼの隣に座る
「ねぇファイ……」
「何だ?アリーゼ」
「怒って無いの?」
「何に?」
「…………私のお願いで……大怪我したことに」
「別に……何ならアリーゼ達がいつも大怪我してるだろ?…………それにアリーゼお前は」
ファイはアリーゼの方を向き
「俺が勝手に
それはシャクティの場所でも無く包囲する所でも無い、敵はあの【殺帝】……もしシャクティが急襲されればいかにシャクティでも対応出来ない、又包囲している所に居れば脱出を図るために一点突破され殺されるかも知れないそんな予感がアリーゼにあった為にアリーゼはガネーシャファミリアに託した
ガネーシャファミリアの精鋭部隊に居れば安全だと判断するアリーゼだったが……その考えは神がかった敵の謀略により阻止される
「私が余計な事をしなければ、ファイは…………無事だった」
「でも逆に言えばあの時俺が近くに居なければ
「えっ」
「と言っても剣を持つ覚悟はしていないがな」
ファイは不器用な笑みを浮かべるとアリーゼはファイの膝に頭を乗せるがファイは特に驚く事無くアリーゼの髪を触る
「私の……友達の女の子の話を聞いて欲しいの」
「……」
ファイは黙りアリーゼの頭を撫でる
「その女の子は幼い頃曲がった事が嫌いだった……」
アリーゼは語るとある女の子の事を
女の子にとって『正しさ』とは一つの目標で、絶対の価値観、正義と正論こそが自分の身の周りを豊かにすると信じていた
幼い頃のその女の子はいつも仲間の中心にいて間違いに対して猛然と戦った。男だろうと女だろうと関係なく
女の子は自分が少しだけ
ただ、その『優れた力』を当然の権利のように使った。
対立する子を力づくで黙らせた。曲がったことを正すように心掛けた、女の子は『正論』を標榜していた
けれどある日……一人の子に怪我をさせた。女の子の一番の友人をよく苛める、意地悪な男の子だった
初めて咲かせた鮮やかな血は、とてもじゃないけど『正義』にはほど遠い気がした、大人達はその女の子へ誰よりも怒りを向けた。
そして助けた友人も、女の子を怯えた目で見て、離れていった
女の子はその時になって、ようやく『異変』に気が付いた、正答と正論を言えば言うほど、周りにいた人達は去っていく、『正しさ』を求めれば求めるほど、女の子は『孤独』になっていくと
女の子は叫ぶ『正しい』ってなに?『正義』ってなに?
女の子の当然を信じた事柄に初めて疑問を抱えて
親や大人は、口ごもるばかりで答えられなかった。すると女の子は安易な考えで、神様に教えてもらおうとした
けど、神様達はニヤニヤ笑うだけで教えてくれない、今も昔も、迷い続ける女の子を面白そうに見ているだけ
女の子は怒り、街を飛び出した。そして別の神様に会い怒っては旅に出て、怒っては又旅に出る、女の子はいくら探しても見つからない
女の子は怒って怒って怒った……そして女の子は泣いていた
戻ることも出来ない旅路の中……涙も分からないくらいの雨に打たれながら……一人の神に出会った
「貴女どうしたの?」
その神に出会った女の子は、『正義』の『性質』を知った
『答え』ではない、その神様は教えてくれなかった、いや正確には、『答えが無い事が答え』女の子はそう感じた
「子供達が求める『正義』を示すのは簡単なの」
「私達が『神の力』を使えばいい」
「神々が指先一つ振るだけで、全ての子供達が幸福に満たされる」
「誰もが笑顔に溢れ、『正義』と『悪』の概念は消える」
「けれど、違う、それは下界の正義では無い」
不完全な下界で全ての……………………
「長い!」
ファイはそう言うとアリーゼの頭を叩きアリーゼはファイに叩かれた場所を抑えながら涙目になる
「アイター!」
ファイはため息をつく
「要するにだ。アリーゼは正義の答えが分からない、って事だろ」
「なっ何の事かしら!私じゃないのよ!私の友達の幼い頃の話よ!」
「あぁそうだな……けどまぁアストレア様でも答えが分からないんだろ?」
「うんそうなの…アストレア様も…………てっ違うわ!とある神の話よ!それにアストレア様は答えを持っているわ」
ファイはめんどくさい保護者だなと思いながら
「なら、アストレアはアリーゼもいつか答えに辿り着けるって信じているんだろ?」
「えっ」
「だってアリーゼはアストレアの初めての眷属だろ?信じても良いか分からないが、善神と呼ばれている神の初めの眷属は『コイツしか居ない!』ってやつを見つけて眷属にするらしいぞ………まぁヘルメスが言ってた事だから信じても良いのか分からないが」
「それにアストレア様は極度に入団に厳しい神だ、まぁ一部例外もあるが…………そんな神の初めの眷属がアリーゼお前だ」
その言葉にアリーゼは少しずつ顔を赤くしていくと同時に気持ちが軽くなる
「アリーゼが求める正義は俺は知らない……けどアストレアはいつかアリーゼの正義を見つけてくれるの信じていると思うぞ」
「ファイ……」
「それに下界は不完全なんだろ?なら正義も不完全でいったい何が悪い」
その瞬間アリーゼの心の中にある何かが無くなり灰色の世界が色鮮やかな景色となっていく
「絶対悪?知るか、そんなのあのエレボスが勝手に言ってるだけだろ?」
するとファイはアリーゼを退かす
「俺は正義は良く分からない……けどな……俺が手が届く範囲で助けられるのは助ける……ただそれだけだ」
ファイはそう言うと前に進む出す
「もうそろそろ作戦の時間だアリーゼ勝ったら……そうだな一緒にエレボスの顔面を殴らないか?」
「良いわねそれ!一緒にムカつく神を殴りましょ!バチコーン☆」
アリーゼはそう言うとアストレアファミリアの所に行くのであった
ギルド作戦会議室
そこにはフィンとロイマンの二人が居た
「ロイマン悪いね残って貰って」
「全く……どういうつもりだフィン」
「少し聞きたい事があってね……」
フィンの真剣な話にロイマンは耳を傾ける
「それで……何の話だ」
「アストレアファミリアの話だ……何故ギルドは
「それはだなフィン…いくつものファミリアからの抗議があり、現にアストレアファミリアの足を引っ張って……」
「僕は建前の話をしている訳ではないロイマン……何故ギルドは危険を犯してまでファイを追放する?」
「…………」
「僕が調べた限りアストレアファミリアに対して抗議した者の大半が熟練の冒険者達だ……少しくらい教えて貰っても良いだろう?……何せ今の僕はオラリオの全ての冒険者の指揮を任されているんだ……そんな中僕の不安を取り除くのも仕事のうちだろ?」
ロイマンは深くため息をつき瞳を閉じる
「…………賄賂を貰ったからだ」
「ロイマンふざけているのか?」
「良いから黙って聞けフィン…………そしてこの話は他言無用だ」
ロイマンの真剣な眼差しにフィンは頷く
「私は今まで数多くの幼い子供の冒険者を見てきた……お前の所の【戦姫】もそうだ……ある者は夢を、ある者はモンスターの復讐を、そしてある者は力を欲する者…………」
ロイマンは受付の頃を思い出しながら語る
「数多くの幼い子供の冒険者を見てきた…………だがなフィン……お前は自身の死を望む幼い冒険者に会った事はあるか?……私はファイに会うまで無かった……本来なら冒険者になること自体、私は認めない……」
「しかしアストレアファミリアだから私は冒険者になることを認めた……あのファミリアならファイをどうにかしてくれると思う程私はあのファミリアを信用している…そう思ってしまう程私は……アリーゼ・ローヴェルを信用した」
「そして少しずつだがファイは前に進むように感じ取れた……しかも戦って居ないのに一年でレベル2……正直な話お前の所の【戦姫】より才能があると私は思う」
「だがファイの才能とは裏腹にファイは剣を握らない、そして今は暗黒期……いくら才能が有ろうとも……とてもじゃあ無いがここにファイを置いておけない」
ロイマンが語るそれは(ファイを置いておくには今のオラリオは、危険過ぎる)
「だから……私達ギルドと熟練冒険者達はアリーゼとアストレア様を説得した……未来ある英雄候補に……だがアリーゼ本人は最後まで反対した……彼女自身ファイを連れてきた責任もあるからな」
ロイマンが言った通りアリーゼは最後まで反対した、しかしヘルメスファミリアからの情報がロイマンの耳に入った瞬間ファイが死ぬかも知れないと考え強行手段を取った「お前は才能がある幼い子を殺すのか!」っとその瞬間アリーゼは何も言えなかった自身の【正義】で人を助ける為に、アリーゼが保護した子供ファイを見殺しにする事は出来なかった
その為アリーゼもロイマンの説得に応じてしまう
フィンはそれ以上言葉は無かった、ロイマンは窓際に立ち外の風景を眺める
「例えお前のところのような強大なファミリアでも末端のファイを見る事は出来ない……少数精鋭のアストレアファミリアだからこそ出来る事だ……だがなフィン」
ロイマンは振り返りフィンを見る
「私達年寄りが……戦いを望まない子を戦場に送り出すことが出来ると思うか?……私は出来ない…………だから私達年寄りのギルド職員と冒険者達は結託し…………アストレア様とファイの保護者のアリーゼを説得した…………そして賄賂と言う名の『自己満足の善意』を受け取った…………これがお前が知りたかった真相だ」
「…………」
「ただ一つだけの心残りはファイに重傷を負わせてしまった、しかし今オラリオは闇派閥のせいで脱出させる事が出来なくなってしまった……これならファイを即時に追放の方が良かった」
「…………ロイマン」
ロイマンはらしくないことを言ってしまったと気持ちを切り替える
「もう行けフィン、オラリオを頼むぞ」
「任せてくれロイマン、僕達小人の『フィアナ』の名に誓って勝利を約束しよう」
今日の作者の独り言
「やっと書けた~!!!」
「数多の厳しい感想に苦悩しながら…………連載を続けられた~!!」
「読者が離れ?また辛辣な感想、そして低定評……付くと分かってはいたが………やはりここまでしないとな~…と考えてしまう……ここまで読んで頂誠にありがとうございます!」
「そして感想を書いてくれた星川さん!貴方が「ギルドが干渉し過ぎ無いかね~」と見た瞬間……もしかして……バレた?と思ってしまいました!」
「私自身ロイマンは汚職はするが世界の為に働く、そんなロイマンが結構好きです、特にロイマンの前世はフィアナを助ける事が出来なくを後悔し、もし次の生があるなら助けると考えてます……まぁそれがファイだって話です」
「私個人の見解ですが、ダンまちの世界は、前世の後悔や悲願、渇望、希望は例え記憶が消されても魂に刻まれていて今も影響していると考えています!」
「その為、前世の後悔は……今も魂の奥底にあり無意識に行動していると思っています」
「まぁそんな訳で今後もどうぞよろしくお願いします」
(*・ω・)つ
それはそうと投票者の所が9の色が変わっている事に気が付きました
ありがとうございます
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