前世は剣帝 作:イタク
第11話ー暗黒期最終章一話
「…………恐ろしいな【勇者】は」
「流石俺達の団長だ、にしてもあのひよっこがここまで成長しやがって」
ファイの独り言に答えるが如く熟練の冒険者がファイに近づく
「誰?」
「おうっ俺はロキファミリア所属のノワールだ!お前はアストレアファミリア
「なぜ「唯一の男」らへんを強調する?」
「それは簡単だ……ファイ!」
ノワールと名乗る男はファイの両肩に勢い良く触り
「ハーレムこそ!男冥利に尽きるからな!特に年上の女は良いぞ……まぁ子供にはまだ早いがな!」
「…………」
ファイは(この状況で何を言ってんだ?)と考える一方
「そろそろフィンの奴の作戦が開始する頃合いか……ファイ悪いが下にある矢をここまで持ってきてくれ」
「…………分かった」
ファイはノワールと名乗る男の頼みを聞いて下にある矢の補給を行なっていた
ファイは建物から地上に居るモンスターを見ながら
「……地上のモンスターってレベルが低いのか?」
ファイは矢で射られるモンスターを観察していた、地上のモンスターはダンジョンとは違い明らかに動きが遅く耐久力も低かった
何より
(ダンジョンとは違い殺すと言うより捕食と言う印象が強いな)
ファイは矢が尽きかけている熟練の冒険者達に矢を渡し、それを何度も繰り返す……とはいえ
モンスター達は砦を昇るモンスターや魔法で作られた壁を破壊しようとするもの……するとノワール達熟練冒険者達はわざと扉を開けモンスターを中に入れるが冒険者達の圧倒的数で殲滅する。流石熟練の冒険者達だ、初めて会う冒険者達と連携を取り、負傷すれば直ぐに待機している冒険者達と交代する
「…………上手いな」
「それはそうだ、俺達は
ノワールは自慢げに剣を見せるとノワールと同じぐらいの冒険者のドワーフとアマゾネスの二人が近づく
「ノワール……何か妙だ」
「何がだ?ダイン」
ダインと呼ばれたドワーフは指を指す
「闇派閥どもだがな……明らかにフィンの小僧の罠にかかったんだがな……妙に冷静だ……あの狂った奴らが、動揺してねぇ……まだ何か隠してやがる」
「…………」
ノワールは警戒する……闇派閥が何かを隠している事を、しかし
「とは言えここの防衛も精一杯だが……」
すると別方向からモンスター達の増援を確認する
「ちっ又か……どうせ数だけだ!コイツらを蹴散らして……」
「ノワール!そのモンスターは
その言葉にノワールは直ぐに剣を構え直しモンスターと交戦する
「危なかった……助かったぞダイン」
「いや俺じゃねぇ……バーラじゃあ無いのか?」
「アタシでも無いよ……」
三人は誰が言ったか分からないが
「それよりも目の前のモンスターども……いや一旦砦の門を塞ぐぞ」
その言葉にダインとバーラは頷き直ぐにモンスターを倒し扉を閉じる
「とは言え……一刻も持たないぞ……どうするノワール」
「少し上から確認する……着いてきてくれダイン、バーラ」
「「分かった」」
二人は砦の上に昇りモンスターを確認する……そこには戦慄する程の新たなモンスター……それもダンジョンから来たとなると……計り知れない脅威
「どうする?ノワール」
「少し待て……」
ノワールはそう言うとモンスター……いや闇派閥の人間を確認する
「…………調教師……テイマーか」
しかしそこは矢が届くことの無い距離、かといってテイマーを倒す為に前に出ようにもモンスターの壁を突破する事も出来ない
「フィンの為に危険を犯して時間稼ぎをするべきか……だが敵はあの
ノワールは敵を見ながら
「砦は固く門を閉じろ……今はモンスターの殲滅よりも防御を優先だ……これ以上団員を死なせるな」
ノワールは指示を出すと1人の神がノワールに近づく
「お疲れノワール……状況はどうや?」
「ロキか、良いとは言えない、いきなりダンジョンのモンスターが現れ戦線が崩壊する所だった……だがまぁ何とか防衛は出来ているし、何よりフィンの指示で砦には他派閥の冒険者も居る」
「ここはまだ余裕はある……が、いつまで持つか分からない」
「そうかい……ならウチは余裕があるうちに他の眷属の様子を見てくるわ」
そう言うとロキは自身のファミリアの眷属の様子を見に行く
「…ロキにはあぁ言ったが殺帝がこの状況で早々に札を切った……ならまだあるかもしれないし……逆にあると思わせるブラフかも知れない」
ノワールは砦でから矢を放ちモンスターを撃退するしかし……
数が多すぎる、ここから見るだけでも千は超えている。なら他の砦も同じぐらいの数のモンスターに攻められているとなると
(ふー……どう動くべきか)
ダインは悩んでいたどう動くべきか
それと同時に今まで遠くから聞こえていた巨大な剣激の音が止んだ
しかしそれは誰も望んで居ない音……それはオラリオ最強のオッタルが地に伏せる音だった
しかしファイが聞こえた音は違った
(…………)
それはかつて……ファイが生涯絶対に勝て無かったとある人物と同じ
(強者になるべく導く為の剣激の音が……止んだ)
ファイは少しずつイラついていた……その音に、その不器用な行動に……そしてエレボスの真意に1人の子供が気が付いた
ザルドは語る、何故俺達がこのような行動を取るか……それは今の世界を救う為だと
しかし神でも無い子供はそれが全て
不器用な男、理不尽の権化の女、絶対悪をかかげるエレボス
全ては自身の命を代償にオラリオ……いや、世界を救う為の命を賭けた行動に
そして……また現代最強の男が叫ぶ
「お前は全霊をもって、『壁』になろうとしている!お前達はまた、俺達の『踏み台』になろうとしている!」
「八年前と同じように!英雄達の行いを、繰り返すかのごとく!」
ザルドはそれを否定する……しかし現代最強の男が叫ぶのを止めない
「俺が浴びるのは、屈辱と敗北の『泥』ばかり!身の程を弁えず壁に挑み、倒れる泥の味を噛み締める!」
最強は叫ぶ……ふざけるなと
「なんたる脆弱!なんたる惰弱!俺はお前達の『失望』以上に、俺の『無力』を呪う!!」
「だからこそ!!俺の答えは変わらん!俺の答えはただ一つ」
「お前を倒す!!」
その言葉に近くに居る冒険者達が「何故最強が敵になったのか」理解し憤怒する
「「「ふざけるな!テメェらが勝手に決めるんじゃねぇ」」」
冒険者達は怒り士気を勢いを取り戻す……
しかし闇派閥の殺帝ヴァレッタは冒険者の勢いを粉砕するべく用意していた最後の切り札を打つ
「使えねぇ雑魚どもを見繕え!『餌』に変えろ、食われても困らねぇ奴等をなぁ!」
「モンスターどもの前を走らせて、
その言葉に闇派閥の行動は速かった……使えない雑魚と呼ばれた闇派閥の人間は全ての砦から何割かのモンスターを引き連れ中央広場に走り出した……
闇派閥の人間は直ぐに殺され死んだ……しかし中央広場に集まった
その事にいち早く気が付いたフィンは
「包囲から防衛に変更急げ!」
フィンの指示は的確だった……ただ一つ問題があるとすれば……圧倒的に戦力不足だった
フィンはそれを直ぐに理解した……だかしかし打てる手がなかった……
いや違う……手はある、一般市民を守る手が一つだけ……しかしフィンは無意識にその選択を消した、それは……大半の冒険者達が死ぬと分かる最悪な一手だ
しかし……熟練の冒険者達が立ち上がる
「……………………」
男はゆっくりと瞳を開けいつもの仲間に声をかける
「ダイン」
「おう」
「バーラ」
「ああ、みなまでで言うんじゃないよ、ノアール」
「……すまん、先にこれだけは言わせてくれ。どうしようもないお前達と出会い、今日まで、全くもって愉快だったわ」
三人は笑いだす、それはいつもの酒場に入り浸る時のような綺麗な笑顔だった
「死ぬ気か?」
その光景に近くに居たファイが声をかける程に
「まぁな」
「…………死ぬのが怖くないのか?」
「何を言っている?怖いに決まっている……けどな」
ノアールはファイの頭に手をのせグシャグシャと頭を雑に撫でる
「…………俺達の希望をここで消すわけには行かねぇ」
「…………」
「俺達は十分生きた……悔いは残るが……次に託せる事も出来た」
その綺麗な笑顔にファイは
「どうすれば笑って死ねる?」
「なに言ってんだ小僧?」
「俺は……いつか死ぬ時は…………笑って死にたい」
その言葉にノアールはファイに拳骨をかます
「全く、相変わらず変なガキだな」
「まぁ、俺達の最後だ教えてやる。良いかそれはだな……」
三人はファイに笑顔を見せ
「「「人の為に生きていき、そして次に繋げる事だ」」」
「俺達はどうしようもなく泥臭くて生き汚い冒険者だ。けど俺達は笑いが止まらないロキや生意気な小僧のフィン、未婚の人妻エルフのリヴェリア、頑丈が取り柄の老け顔のガレスに出会った」
「全く嫉妬してしまう程の才能を持ちやがって、まぁ英雄とはあぁ言うのを言うんだろうな」
「けど良いんじゃない?私達はそれに惹かれてロキファミリアにコンバージョンしたんだから」
「「ちげぇねぇ!!」」
三人は笑いだす
しかしファイは悲しい顔をしながら答える
「そうだな……でも……その答えは間違って無いと思う」
「俺の知る笑って逝った奴は……誰かを守る為に……死んで逝った」
「その表情が、今も忘れられない」
それはかつての仲間……そして名も知らないファイを産み自身の命と引き換えにファイを守った親……
その笑顔が忘れられない
だからこそかつての俺は叫ぶ
『俺にそんな生き方出来るわけが無い!』
『いつだって自分の為に戦った』
『自分の為に生きて死んだ』
『そんな俺に出来るのは剣を握らずに、生きて行く事だけだ』
『人の為に?次に繋げる?笑わせてくれる!』
『誰のために!』
『守りたかった先生や仲間……そして守ると誓ったあの娘を守れず』
『孤独の中一人で死に』
『再会すら叶わなかった俺に』
「託す者なんて……俺は何も託されていない……人のために……俺は生きていけない……」
その言葉にノアールは
またファイの頭を拳骨する
「小僧!そんな訳ないだろ?なら何でお前は
「既に小僧、お前はアストレアファミリアから『正義』を託された。なら次はお前が託す番だろうに」
「どんな事が有ろうとも生き抜いて、己を賭せ。そしてお前がアストレアファミリアから貰った正義を誰かに託せ」
「ノアール!そろそろ中央広場がヤバイ、急ぐぞ!」
「あぁ分かったダイン!じゃあな小僧そして見ておけ」
ダインは笑みを浮かべ
「最後に一花咲かしてみせよう!」
するとダイン達は覚悟を決め砦から出る。もう帰って来ない、それを察したロキは止めようとするが制止を聞かず砦から出ていった
そして1人残されたファイは少し前の事を思い出す。それは白い部屋で会った1人の女の子の言葉だった
『だから次変な死にかたしたら……』
その言葉の続きはきっとこうだっただろう
『許さないから!』
ファイは1人考える、アリーゼ達から託された『正義』。そしてアーディから教えて貰った『正義は巡るもの』
その言葉にファイは
「気が変わった」
ファイは砦の上に昇ると最大派閥のロキが居た
「ファイ……か……どうかしたか?……悪いけど今は」
ロキはファイの姿を見て固まる……それは……今まで見てきた中でも異質な存在に
「…………お前本当にファイか?」
「悪いな……遅くなって……アストレア、アリーゼ、輝夜、ライラ、リオン、アーディそして」
ファイはこの世界にいない女の子の名前を言う
「ティアラ」
そう言うと砦から飛び降りる
「ちょ待ってや!ファイ!お前!」
ロキの制止を聞かずファイはただ一つの魔法を詠唱する
「【ひと振り決殺】」
あぁきっともう戻れない、きっとろくな死に方をしないだろう
「【我が心】」
けど構わない……自己犠牲の不器用な奴等を殴り付けたい
「【我が身は】」
だから……見ていてくれ先生、ティアラ
「【常時戦場也】」
醜い俺が決意した……戦いを
「【血統技能】」
そして……笑ってくれ
「【
ようやくファイが血統技能を使用する所までいしました
めちくちゃ時間がかかった
あとすいません……作者自身元々そんなにダンまち詳しく無いです……なんならアニメしか見てないです……あとたまにダンメモの動画を見る程度なので
最近感想が厳しいです……けど今後も面白い事を書くためにも読みます……読みますとも!……ただ……悲しくなるので返信は……許して下さい
面白かったらお気にいり登録、高評価よろしくお願いします