前世は剣帝 作:イタク
「もう一度勝負しろ!【剣帝】!」
「そうだ!勝負しろ!」
「このままで終われるか!」
「今度こそ!我々の連携で貴様をコテンパンにしてやる!!」
「いや……疲れるからしたくないんだけど」
ヘイズは客室で響き渡る声に深く溜め息を吐いていると
「またですか……」
ヘイズはガリバー兄弟が何度も【剣帝】に挑もうとしようとしたが主神同士が仲が良いことが知っており、フレイヤ様に【剣帝】が勝負を受けた時しかしては行けないように神託が下さらている
その事を知っているヘイズは溜め息を吐いていると
「……………俺とも勝負して貰う、【剣帝】」
そしてどこか聞いたことのある太い声にヘイズは立ちくらみをし疲れが一気に体に襲う
(まさか……まさか?……そんな訳がありませんよね?、流石の団長がレベル4の冒険者……それも三つも格下相手の冒険者に勝負を言う訳ありませんよね?)
ヘイズは恐る恐る耳を傾けていると
「いやレベル差を考えろよ【猛王】……三つも違うぞ?」
「ムッ……ならば以前から言っているが速くレベルを5にしろ」
「イヤだ」
その言葉にヘイズは珍しく廊下を走り出し客室のドアを乱暴に開けた
ドン!!
そこには思った通り座っている【剣帝】にブリンガルと猛王が周囲を固めていた
そして扉を開け音にオッタルとブリンガルは扉を開けた方に居るヘイズを見る
「珍しいな……客人が居る時にそのような態度をとるのは」
「確かに珍しいな」
「あぁ珍しい」
「もしかして生理か?」
「「「それならばしょうがないな」」」
勝手な言い分を言い合うフレイヤファミリアの幹部達にヘイズは
「あの~皆さん、今回の一件は全て私に任せるとフレイヤ様から神託を頂いています……その邪魔をするのですか?」
「ムッ」
「それは不味いな」
「あぁ不味い」
「とても不味い」
「取りあえず退散するか?」
「「「それな」」」
そう言うと全員は渋々客室から出るが……誰1人として闘志を消えて居なかった
「先ほどは失礼しました【剣帝】」
その言葉にファイは物凄く嫌な顔をし、ヘイズは何故ファイが嫌な顔をするのか分からず頭を傾けていると隣に居るアミッドが
「【女神の黄金】……実はファイは神々から与えられた二つ名が嫌いらしく、出来れば名前のファイと呼んで下さい」
「あーそう言う事ですか……確か
「あぁそっちの方が助かる」
ヘイズは珍しく二つ名が嫌いな人物に少しニタニタしながら見ていると
「では【女神の黄金】今回の報酬です」
アミッドはそう言うとハイポーション等の高級回復薬を数本と普通の回復薬を2箱分ヘイズに渡す
「おや?大盤振る舞いですね~」
「はい、今回は私達だけだと不可能のクエストでしたから」
「そうですか~」
ヘイズはチラリと【剣帝】、ファイの方を向く
(少し厄介ですね)
ヘイズは近くにある……緊急用のベルを持ち
「所で……」
「何でしょう?」
「何故貴方達2人は【魅了】が効いていないのですか~?」
ヘイズの言葉に2人は警戒体制を取る
「「……………」」
2人はヘイズの言葉に黙っていると
「もしかしてそう言うスキルがあるのですか?【戦場の女神】……【剣帝】」
「何の事だ?」
「あー知らない振りをするのですか~?そうですか~そうですよね~」
ヘイズはゆっくりと2人から距離を取る
「けど……【戦場の女神】が帰る時、チラチラと私と街娘の方を見て……【剣帝】貴方がそれを止めたのですか?」
「「……………」」
「つまり……貴方達は【魅了】が効いていない……何よりあの時街娘は……」
ヘイズはいつもの柔らかい言葉を使いながら
「『私がここに居るのを忘れて』と言うお願いの言葉が効いていないのですか?」
「「……………」」
ヘイズの問いに2人は黙っていると
「別に良いですよ~?黙っていても……けどそうなると私が持つこのベルを鳴らさないといけなくなるだけですので~」
ヘイズは自身が持つベルを2人に見せる
「このベルを鳴らすと……女神の敵対者としてフレイヤファミリア総出で貴方達を始末します……流石の【剣帝】でも団長達には勝てませんよね~」
ヘイズはオラリオの最高の聖職者と最高の剣術を持つ2人にここで仕留める覚悟を持っていた……そのあとのオラリオからのペナルティをも覚悟をして
「…………私は何も見ていないし聞いていません」
「へー」
「それが私からの報酬です」
「成る程……ファイさんは?」
「……あの街娘はアストレアファミリアと俺の近しい人には手を出さないと言った……なら街娘が約束を守る限り俺も約束は守り、誰にも口外はしない」
「それですか……『街娘』が……ならば良いでしょう」
ヘイズはそう言うとゆっくりと机にベルを置く
「所で個人的な興味なのですが?どうやって【魅了】を防いだので?【戦場の女神】は【魅了】を防げるスキルを持つのは分かるですが……ファイさんもそのようなスキルが?」
「いや?【魅了】は効いていたぞ?」
「??」
その言葉にヘイズは頭を悩ます
(【魅了】は効いていた……けど【魅了】が効かない……矛盾していますね)
その言葉にヘイズはファイに興味を持つ
「因みに……ファイさん以外にも【魅了】を対抗出来る人は居ますか?」
「俺が知る限り居ない」
「そうですか~まぁ少し気になりますが、取りあえず今は良しとしましょう」
ヘイズは少し気になるが結果に満足すると
「では皆さん~またどこかで会いましょうねー」
ヘイズは近くに居たフレイヤファミリアの団員を案内につけ2人をフレイヤファミリアのホームから出るのであった
何とか無事フレイヤファミリアから出れた2人は
「……あー怖かった」
「以外ですね……貴方でも怖い事があるのですか?」
「アミッド……俺を何だと思ってんの?」
「
「……」
アミッドとのトゲの刺さる言葉でファイは黙ってしまう
「あの……一つ質問良いですか?」
「何だ?」
「もしかして……私とファイ、貴方と2人で元冒険者の2人の元に行くのですか?」
「いや……アルテミスを連れていくつもりだ……ちょうど一年経つしコンバージョンを出来るようにして貰うつもりだ」
「……………そうですか、そうですよね勿論知っていましたとも」
「アミッド?」
「……いえ何でもありません」
アミッドは急に速く歩きだしファイは少し疑問に思うが
「因みにですが薬の素材は?」
「既に荷馬車に積んである」
「そうですか……ではお手数ですが、ディアンケヒトファミリアで私の荷物がありますので取りに戻ります……集合場所はどうしますか?」
「既にオラリオの出口に荷馬車を止めてある」
「それ大丈夫なのですか?」
「あぁ、一応ガネーシャが荷馬車の監視をしているからな……あとアーディも」
「アーディさんも……ですか?」
「あぁ……俺とアーディの知り合いがオラリオに来るからな……」
その言葉にアミッドは
「……因みにその人は女の子ですか?」
「いや?男だぞ?」
ファイは何故アミッドがそんな事を気にするのか気になっていると
「ファイ……貴方の事だからまた無意識で女性を惚れされたと思いました」
「何を言っている?アミッド……熱でもあるのか?」
「至って正常です……あとファイ、貴方は自身の胸に手を当て考えて下さい」
そう言うとアミッドはファイを連れて自身のホームに置いてある荷物を取りに行くのであった
オラリオの門
そこはガネーシャファミリアが全て監理しておりそこ以外の抜け道はヘルメスとオラリオを管理しているウラノスとその唯一の眷属しか知らない
ファイの荷馬車には一応仮の主神となっているアルテミスとファイを見送る為にアーディが荷馬車の前で待っていた
「それにしても……遅いですねファイは」
「あぁ……アストレアからは既にホームを出たと言っていたが」
「うーん……アミッドちゃんを迎えに行くから遅れているのかな?……もしかしたらフレイヤファミリアに行っているかも、アミッドちゃん真面目だから」
「そうなのか?……アーディも真面目だと、思っているのだが?」
「うーん、正直言うとお姉ちゃんに『巡回してくる』ていってリオンと一緒に街中で本を読んでいるんだよね」
「一応聞くが……ガネーシャの眷属なのだろう?」
「はい!そうですアルテミス様!」
これのどこがあの姉オラリオの治安を守るシャクティ……
「あーもしかしてアルテミス様私の事、お姉ちゃんと違うなと考えてますよね?」
「確かに……考えたが」
「確かに私とお姉ちゃんは考え方は違うけど……アルテミス様……私はこう考えているのです。」
アーディは少し得意気に語る
「お姉ちゃんが鞭で私は飴……オラリオでは憲兵って言われているけど私達も神様から【恩恵】が無いとただの人間……もし本当に治安を守るだけの憲兵になると私達はただの治安を守る為の部品になる……それは街の治安を守るだけで、困っている人達は助けられない。なら私くらい少し好きに動いて、困っている人々を助ける……これが私が思う街の守り方だと思うの」
アルテミスはアーディ……このような考え方をしている子供が居るのか……アルテミスは子供の考えに感心を持っていると
「アーディ」
遠くからファイの声がするとそこにはファイとアミッドが荷物を持って近づいていた
「もう、ファイ少し遅いよ」
「すまん、少しフレイヤファミリアの所に行ってたら遅くなった」
「あーやっぱりフレイヤファミリアの所に行ってたんだ……多分アミッドちゃんが【女神の黄金】にお礼に行ったんだよね」
「正解です。アーディさん」
「やっぱり……」
アーディは少しやれやれと思っていると
「ファイ、それにアミッド?だったか?」
「はい、初めまして神アルテミス様」
「あぁ……二週間程だがよろしく頼む」
アルテミスはジットアーディを見ると
「ファイ……前から思っていたが、お前もしかして『プレイボーイ』なのか?」
「ぶ……ぷれいぼーい?……て何だ?」
ファイは初めて聞く神々の言葉に戸惑っていると隣にいるアーディが
「うーん……確か神様達の言葉で……女の子好き?だったような」
「相変わらず神々の変な言葉を知っているなアーディ」
「それよりもファイは女の子好きなの?もし本当ならアリーゼにチクるよ」
「そんなわけ無いだろ?……というか俺の知り合いの女は……」
ファイは少し嫌な顔をしながら
「ヤバい女しか知らない」
その言葉にアーディ……とアミッドは……
「確かにそうだね」
「確かにそうですね」
ファイに同情するのであった
今日の作者の独り言
アミッド……以前アンケートとで圧倒的に1位を取った彼女を登場させました!!!
これから是非先はお楽しみに!
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