幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

111 / 111
流れ的に良い感じに出せそうだったので没ポケ供養回です。


110話

「最近リーフと色々やってるんだってな」

「えっ」

 

 グリーンとの特訓が一段落ついて雑談していると、急にそんなことを言われた。

 

「誰かに聞いたのか?」

「別にオレから聞いたわけでもねぇけどよ。ここらへんは地元で知り合い多いから、目撃情報がオレのとこに届くんだよ」

「ああ、そういう」

 

 あんまり目立つように動いているつもりはなかったが、人目が無かったというわけでもないらしい。

 

「自分が自信の持てるものを探すって聞いたときは何をするのかと思ったが……もしかして片っ端から色々試してんのか?」

「そうだな。まずは触れてみようって感じで」

「そりゃまあなんとも、途方もないやり方だな」

「でもこれに近道なんてないだろ?」

「ははっ、違いねぇ」

 

 言いながら笑うグリーンだったが、途端に真面目な表情になって俺の方を向いた。

 

「でもお前、大丈夫なのか?」

「ん? 何が?」

「だってお前、日中はリーフに付き合って、夕方や休日は俺の特訓相手になってくれてて、しかもリーフのために色々調べ物とかもしてんだろ? ……ちゃんと休んでんのか?」

「それなら大丈夫。そんなに負担になってないし」

 

 俺の回答を聞いて、グリーンは微妙そうな顔になる。

 

「ちゃんと休んでるのか聞いたんだが……ま、無理はすんなよ」

「ありがとな、気をつける」

「もし無理したら知り合いからプリン借りて、"うたう"*1でも聞かせて無理矢理寝てもらうからな」

「うげ」

「露骨に嫌そうな顔すんなよ」

 

 プリンの"うたう"かぁ……。アレで寝ると寝心地悪いんだよなぁ……。

 

「言っとくけど、プリンの"うたう"は最近不眠症の治療に利用できるって期待されてて、実際に導入された例だってあるんだからな?」

「マジで? ……まあ、眠れないよりかは寝心地が悪いほうがマシ……なのか?」

「寝心地?」

 

 俺の言葉にグリーンは首を傾げる。

 

「興味本位でオレも一回プリンの"うたう"で寝たことはあるけど、そりゃもう快眠だったぜ? 個体差があんのかもしれねぇけどよ、寝心地が悪いって話は聞いたことないな」

「うーん、じゃあアイツが特別だったのか……?」

 

 地元の森にもプリンは居て、キマワリやラフレシア同様、友達のような関係だった。

 

 だが、あまりにも特訓に精を出しすぎていると、『お前らそろそろ休めや』と言わんばかりに"うたう"を使ってきて、強制的に休ませてくるストッパー役でもあった。

 

 でも寝心地がめちゃくちゃ悪い。ムクホークとか白目剥いて倒れてたし、まだ気絶してるって言われたほうが納得するレベルだった。

 

 そんなこともあって、ラズが『あと1年経ったら旅に出る』って宣言した時、まず一番最初にやったことはプリンに土下座して"うたう"を辞めてもらうよう交渉することだった。あのときは特訓中に寝てる暇なんて無いと思ってたからな。

 

 渋々納得はしてくれたけど、一回だけ無理しすぎてガチギレしたプリンに"うたう"を使われたことは今でも覚えている。あのときは怒らせてホントにごめん。

 

「……もしかすると、そのプリンも話に聞いたキマワリやラフレシアみたいに、何かしらの特異性を持ってるポケモンだったりしてな」

「どうなんだろ。至って普通のプリンだったと思うけどなぁ」

 

 あのプリンは好んで戦うタイプではなかったから、バトルこそしたことはないけども、それにしたって特段変わったところは見られないポケモンだったとは思う。

 

 皆元気にしてるかなぁ……。

 

 

 


 

 

 

「プリップリップリー!」

 

 プリンは楽しげにスキップをしながら、歌を口ずさんでいた。

 

 今日も一日楽しく遊んだ彼女は、寝床に帰る途中だったのだが──。

 

「グォォォォォォォォォォォ!!」

「ガァァァァァァァァァァァ!!」

 

 ボスゴドラとハガネールが喧嘩している場面に遭遇してしまった。

 

「プリー……」

 

 『気分良く帰っていたのにはた迷惑な奴らだなぁ』なんて表情をしながらも、プリンは2匹を邪魔しないように少し迂回するルートを選ぶことにした。

 

 が、それで話は終わらなかった。

 

「グォアアアアアアアアア!!」

 

 進展のない戦いに痺れを切らしたボスゴドラが"ストーンエッジを放ち、ハガネールはそれを難なく躱していく。

 

 しかし、それによって"ストーンエッジ"は射線上に居たプリンへと向かうことになる。

 

「……プリ?」

 

 何やら嫌な予感を感じてプリンがそちらを向いた時には、視界いっぱいに"ストーンエッジ"が飛んできていた。

 

「プリィ!?」

 

 咄嗟の"まもる"で"ストーンエッジ"を無傷でやり過ごし、2匹の方に視線を向けて見れば、そこにはプリンのことなど気にせず喧嘩を続けている光景が広がっていた。

 

「プ、プリィ……!」

 

 怒りで口元をヒクつかせながらも、流石にこれは見過ごせないとして2匹の元へと近づいていく。

 

「プリプリ! プリプリィ!」

「グオォ!?」

「ガアァ!?」

 

 こんなとこで喧嘩してないで他所でやれと伝えたプリンだったが、2匹が聞き入れる様子は無かった。

 

 それどころか、喧嘩の邪魔だと言わんばかりに2匹はプリンに向かってストーンエッジの構えを取る始末だった。

 

 プリンはそれを見て念のため"リフレクター"を使い、自分のもとに飛んでくるストーンエッジを"まねっこ"で模倣した"ストーンエッジ"で撃ち落としていく。

 

「グォ!?」

「ガァ!?」 

 

 初めて2匹に驚愕の感情が生まれる。しかし、ここまでされて許すつもりになれるプリンではなかった。

 

 こういう手合いは、()()()()()()()()()()()に限る。

 

縺輔▲縺輔→蟇昴m

「「──ッ!?」」

 

 この世のモノとは思えないおぞましい歌声に、2匹の背筋にゾワリとした感覚が走る。

 

 喧嘩を売るべきではなかった。大人しく言うことを聞いておくべきだったと後悔した2匹だったが、もう手遅れだった。

 

 プリンの()を聞いてしまった時点で、2匹の運命は決まっているのだから。

 

「グォ…………」

「ガァ…………」

 

 まるで眠るように、2匹はその場に力なく倒れ込む。しかしその表情は、けして安らかな寝顔をしていなかった。

 

縺吶%縺励?蜿咲怐──プリ?」

 

 恨み言を歌に乗せていたプリンは、やや遅れて2匹が倒れたことに気がつき、2匹の元へと駆け寄った。

 

「プリプリッ、プリー!」

 

 腰に手を当て、『これを機に少しは反省しろ』と言わんばかりの表情をしたあと、プリンは再び自分の寝床を目指して歩き始めた。

 

 余談ではあるのだが、このプリンは()()()()()()()()()()"()()()"()()()()()()()()()()()

 

 プリンの使っていた技の正式名称は、"ほろびのうた"。

 

 本来は一定時間後に相手と自分を強制的に瀕死にする凶悪な技なのだが、プリン自身が"うたう"を使っていると誤認していることで"うたう"の性能と入り混じり、()()()()()()()()()()技として開花した。

 

 ちなみに、自らは"うたう"を使っていると認識しているため、プリン自身が瀕死になることは──ない。

*1
相手を眠り状態にする技




・プリン
自認"うたう"の"ほろびのうた"でデメリットなしかつ即時瀕死とかいうあたおか性能に進化した。

プリンは"うたう"で寝かせたと思っているが、瀕死になって気絶しているだけだったりする。

ちなみにこのことはシバリも気づいていない。

・没理由
攻撃捌いて即時瀕死効果の"ほろびのうた"は流石にラズ上カスタムすぎるかなって……。

要は強すぎ。残当。

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)

  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

チャンピオン、リーグ辞めるってよ(作者:スゲー=クモラセスキー)(原作:ポケットモンスター)

 原作知識を持ってポケモン世界に転生した転生者(フツメン)が妙に頼れる謎の仮面チャンピオンとして周囲のトレーナー達の脳を無自覚に焼き焦がしつつ、「原点にして頂点」なあの人との勝負に満足してリーグを辞めたい話。▼ なお、そんな謎のマスクマンに脳みそウェルダンされたトレーナー達の一部はTSしている上、彼に対して湿度マシマシのクソ重感情を向けているものとする。


総合評価:12399/評価:8.64/連載:19話/更新日時:2026年03月02日(月) 12:05 小説情報

全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。(作者:雨糸雀)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

 ――だからさ、別に片目片足くらいどうってことないって。俺は平気だから。大丈夫だって見捨てないから。償いとかそういうのもいいから。すべて捧げるとか言われても困るから。重い。重いってば!!▼■カクヨム様とマルチ投稿▼■11/26 コミカライズ連載開始▼■11/29 書籍3巻発売


総合評価:64875/評価:9.14/連載:62話/更新日時:2026年05月24日(日) 23:00 小説情報

【書籍化】男女比1:30の貞操逆転世界で身を挺して女の子たちを守ったら愛が重くなりすぎた(作者:一森 一輝)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

女が男を守るべき、みたいな価値観が根付いた世界で、男が身を挺して女を守ろうとしたらどうなるんだろうか?▼旧題:男女の価値観が反転している貞操逆転世界で身を挺して女の子を守ってみた場合▼※カクヨムとマルチ投稿中です▼https://kakuyomu.jp/works/16818792435932689728


総合評価:35230/評価:9.14/連載:79話/更新日時:2026年06月10日(水) 12:03 小説情報

数千回目のループに疲れたので休暇をもらったら、何故かみんなの様子がおかしくなりました(作者:ド級のリトライ)(原作:ブルーアーカイブ)

繰り返し、繰り返し、繰り返す。▼彼───輪廻カイトは繰り返してきた。▼全ては世界の運命(バットエンド)を変えるために。▼全ては全員(みんな)が笑っていられる未来(ハッピーエンド)を実現するために。▼しかし、彼も人間。ときには休息が必要だった。▼「というわけで、ちょっと疲れたので休みます。バケーションじゃ〜!!」▼これは、ハッピーエンドを目指して何千回と繰り返…


総合評価:4055/評価:8/連載:7話/更新日時:2026年02月05日(木) 20:00 小説情報

サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!(作者:DestinyImpulse)(原作:ポケットモンスター)

▼ 転生したのはオリ主でもモブでもなく紛れもなく主人公。▼ 定期的に世界を救わなくてはならない大役を背負いながらも、ポケモンとの出会いと冒険に胸を躍らせる。▼ ▼「通りすがりのポケモントレーナーだ、覚えておけ!ピカチュウ、君に決めた!!」▼「ピカチュウ!!」▼ コレはアニポケ主人公のサトシに転生した少年が、時にポケモンと絆を深め、時に女の子とのフラグを作り、…


総合評価:7599/評価:8.61/連載:56話/更新日時:2026年06月05日(金) 19:32 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>