幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

113 / 113
有給取ったので書きました←

ムクホークの扱いを未だに悩んでいる作者です。

ということでほんへ↓





112話

「どうかなエリカちゃん! この会心の出来!」

「え、えーっと……これは生け花ではなく、フラワーアレンジメントの方が近いですわね……」

「……つまり?」

「得点は差し上げられません」

「そんな!?」

「なんかデジャヴを感じるな」

 

 リーフの目の前には、それはもう盛りに盛りまくられた生け花があった。

 

「シバリさんにはこの前ご説明したことですが、フラワーアレンジメントが足し算の芸術だとするのなら、生け花は引き算の芸術ですわ。盛るばかりではなく、削る方向でも美を表現しなくてはなりませんの」

「そんな……盛れば盛るだけ良いのかと思ってたのに……」

 

 もしかしたらグリーンとレッドさん(男二人)と関わりすぎたせいで、感性がそちら側に寄ってしまっているところがあるのかもしれない。

 

「なら、ここをこうして……」

「お?」

「こう!」

「おぉ……!」

 

 軌道修正を図ったリーフの目の前には、1輪の花だけが残った。

 

「これこそ究極の壱! エリカさん! 判定をお願──!」

「0点ですわ」

「どうして!?」

 

 エリカさんの回答を聞いたリーフが膝から崩れ落ちた。

 

 いや、そりゃそうだろ……。あまりにも極端すぎる。

 

「うぅ……こっち方面の才能無いのかなぁ……」

「決めつけるのは早いって。俺だって最初はリーフみたいな感じだったし」

「シバリくん……」

「それに、折角エリカさん達が教えてくれるんだしさ、もう少し挑戦してみないか?」

「……うん、そうだよね。ムクホークにも負けてられないし!」

 

 リーフはオレの手を取って立ち上がると、再び生け花へと挑戦し始めた。

 

 そんなリーフを見て何か思うことがあったのか、ジムトレーナーさんが彼女の横に付き添い、生け花について懸命にレクチャーし始めた。

 

 やけにエリカさんに向かってウィンクしてるのが気になるけど、何かのアイコンタクトだったりするんだろうか。

 

「あの、シバリさん」

「はい?」

 

 すすっとこちらに近づいてきたエリカさんが声をかけてきた。

 

 そして胸の前で指を組みながら、おずおずと口を開く。

 

「その……リーフさんとは、どのようなご関係で?」

「どのようなって……ただの友人ですよ?」

「で、でも、とても仲睦まじく見えましたので……」

 

 ……なるほど。お見合いなんてしているくらいだし、他人の恋愛に関しても、エリカさんはそれなりに興味があるんだろう。

 

 そんなところに俺とリーフが来たもんだから、男女の仲に見えてしまったって感じかな。

 

 でも悪いなエリカさん。俺とリーフの間にはエリカさんの期待するような関係はないんだ。

 

 だからここは、素直に俺達の関係性を伝えることにしよう。

 

「リーフって、頑張り屋なんです」

「へ?」

「今だって、もう一度前向けるように頑張ってる最中なんですよ。たくさん傷ついて、辛いはずなのに」

 

 熱心に生け花に取り組むリーフを横目に、俺は続ける。

 

「だから、俺はそんな彼女を応援してるんです。リーフは前を向くために頑張って、俺はそんな彼女を後ろから支える。俺達の関係は、ただそれだけです」

 

 俺の言葉に一瞬呆然とした様子のエリカさんだったが、すぐに表情が和らぐと、クスリと笑った。

 

「素敵なご関係、ですのね」

「そんな大層なものじゃないですよ。頑張ってるリーフが凄いだけです」

 

 チラリとリーフの方を見ると、ジャングルのような生け花が完成していて、ジムトレーナーさんが頭を抱えていた。

 

 なんでそれでドヤ顔出来るんだリーフ。さっき盛りすぎって言われたばっかだろうが。

 

「でも、やはり少し妬いてしまいますわ」

「へ?」

「わたくし、シバリさんとはもっと仲良くなりたいと思っていますの」

「なるほど。じゃあ好きな茶菓子交換会とかやります? お互いのことがもっと知れ──」

「そ、それも魅力的ですが、そうではなく!!」

「?」

「その、えっと……」

 

 顔を少し赤くして、目も逸らしていたエリカさんだったが、意を決したように俺に視線を合わせると、ゆっくりと口を開いた。

 

()()()と、そうお呼びしてはいただけませんか?」

 

「そ、それと、敬語も、その、出来れば、やめていただけると……

 

 遠慮がちに消え入るような声で言ったエリカさんに対し、俺は言葉を返した。

 

「わかった。これからはエリカって呼ぶよ」

「…… ! ええ!」

 

 嬉しそうに頷いたエリカに対し、俺はふと気になったことを尋ねてみることにした。

 

「ちなみに、エリカの方は呼び捨てとかしてくれないのか?」

「……へっ!? わ、わわっ、わたくしが!?」

 

 急にアワアワとし始めたエリカは、困ったように口をパクパクし始めた。

 

「え、えっと、わたくしはその……あぅ……」

 

「そ、そう、ですわよね。人に要求するのなら、わたくしだって……」

 

「……わ、わかりましたわ。シ、シバッ、シバ──」

 

「いや、エリカは人を呼び捨てするようなタイプじゃないか。無理させてごめんな」

 

「──も、もうっ! もーーーーーーっ!!」

 

 エリカが俺をポカポカと叩き始めた。ごめん。ちょっとわかってて言ったとこある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ん?」

「………………」

「──リーフさん?」

「へっ?」

「よ、良かったですわ……。急に動かなくなったので、どうしたのかと……」

「あはは……ご、ごめん。なんかちょっと、集中切れちゃって……」

 

 視線を生け花の方に戻し、リーフは再び手を動かし始めた。

 

(私、なんで、今──)

 

(──エリカちゃんと話してるシバリくんから、目を離せなかったんだろ)




・シバリ
このあとしばらくポカポカされ続けた。

・エリカ
念願の呼び捨て&タメ語GET。
女性と一緒に来たときはどうなるかと思ったけど結果オーライですわ!

・ジムトレーナー
このあとエリカから戦果を聞いて大喜び。なおリーフの異変には気が付いていなかった模様。

・リーフ

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)

  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

チャンピオン、リーグ辞めるってよ(作者:スゲー=クモラセスキー)(原作:ポケットモンスター)

 原作知識を持ってポケモン世界に転生した転生者(フツメン)が妙に頼れる謎の仮面チャンピオンとして周囲のトレーナー達の脳を無自覚に焼き焦がしつつ、「原点にして頂点」なあの人との勝負に満足してリーグを辞めたい話。▼ なお、そんな謎のマスクマンに脳みそウェルダンされたトレーナー達の一部はTSしている上、彼に対して湿度マシマシのクソ重感情を向けているものとする。


総合評価:12428/評価:8.65/連載:19話/更新日時:2026年03月02日(月) 12:05 小説情報

数千回目のループに疲れたので休暇をもらったら、何故かみんなの様子がおかしくなりました(作者:ド級のリトライ)(原作:ブルーアーカイブ)

繰り返し、繰り返し、繰り返す。▼彼───輪廻カイトは繰り返してきた。▼全ては世界の運命(バットエンド)を変えるために。▼全ては全員(みんな)が笑っていられる未来(ハッピーエンド)を実現するために。▼しかし、彼も人間。ときには休息が必要だった。▼「というわけで、ちょっと疲れたので休みます。バケーションじゃ〜!!」▼これは、ハッピーエンドを目指して何千回と繰り返…


総合評価:4108/評価:8/連載:7話/更新日時:2026年02月05日(木) 20:00 小説情報

全滅エンドを死に物狂いで回避した。パーティが病んだ。(作者:雨糸雀)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

 ――だからさ、別に片目片足くらいどうってことないって。俺は平気だから。大丈夫だって見捨てないから。償いとかそういうのもいいから。すべて捧げるとか言われても困るから。重い。重いってば!!▼■カクヨム様とマルチ投稿▼■11/26 コミカライズ連載開始▼■11/29 書籍3巻発売


総合評価:65002/評価:9.14/連載:62話/更新日時:2026年05月24日(日) 23:00 小説情報

【書籍化】男女比1:30の貞操逆転世界で身を挺して女の子たちを守ったら愛が重くなりすぎた(作者:一森 一輝)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

女が男を守るべき、みたいな価値観が根付いた世界で、男が身を挺して女を守ろうとしたらどうなるんだろうか?▼旧題:男女の価値観が反転している貞操逆転世界で身を挺して女の子を守ってみた場合▼※カクヨムとマルチ投稿中です▼https://kakuyomu.jp/works/16818792435932689728


総合評価:35495/評価:9.14/連載:89話/更新日時:2026年06月20日(土) 12:03 小説情報

サトシ君(転生者)の目指せ、ポケモンマスター!!(作者:DestinyImpulse)(原作:ポケットモンスター)

▼ 転生したのはオリ主でもモブでもなく紛れもなく主人公。▼ 定期的に世界を救わなくてはならない大役を背負いながらも、ポケモンとの出会いと冒険に胸を躍らせる。▼ ▼「通りすがりのポケモントレーナーだ、覚えておけ!ピカチュウ、君に決めた!!」▼「ピカチュウ!!」▼ コレはアニポケ主人公のサトシに転生した少年が、時にポケモンと絆を深め、時に女の子とのフラグを作り、…


総合評価:7635/評価:8.61/連載:58話/更新日時:2026年06月19日(金) 19:30 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>