幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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真面目な話が終わったのでもうふざけても良いかなって。


116話

「き、昨日はその……ごめんね?」

「いやいや、俺の方こそ……」

 

 翌日、研究所でリーフから謝られた。

 

 一晩経って、自分が何をしたのかを冷静に考える余裕を手に入れた結果、居ても立っても居られなくなったそうだ。

 

「だ、だってあんなっ……! まるで痴女みたいなことっ……」

「落ち着けリーフ。大丈夫、大丈夫だから」

「で、でもぉ……!」

「それでもリーフが納得できないなら、ずっと覚えておけばいいんだ。自分への戒めってことで」

「ゔぅ……。はい、そうします……」

 

 まさか同じような経験をしたことがあるから、大して気にしてないとか言えるわけがない。

 

 また信用失ったら大変だからな。いや、もう大丈夫だとは思うけど……。

 

「ところで、なんだけど……」

「ん?」

「その、ムクホークは何があったの?」

 

 リーフの視線の先には、まるで燃え尽きたように真っ白になったムクホークが居た。

 

「ああ、気にしなくて大丈夫だぞ」

「ほ、ほんとに? なんか口から魂みたいなの出ちゃってるけど……」

「いや、サーカス劇団からの評価をシャンデラに余裕で抜かれてショック受けてるだけだから」

「そ、そうなんだ……」

 

 昨日帰ってきてからずっとコレだ。せめてボール戻れお前。

 

「で、でも、ムクホークだって凄いのに、シャンデラとの評価にそこまで差が出たの?」

「シャンデラはホウエンのコンテストでも優勝したくらいだからさ。やっぱり派手で綺麗なのは人気出るんだろうな」

「シャン!」

「あと可愛い」

「シャーン!」

「いつの間にボールから出てることには何も言わないんだ……」

 

 今更そんなことに口出ししたら脱走はどうなるって話だしな。もう半ば諦めてるとこある。

 

「うーん、ムクホークも派手な演出とか出来ればいいのにね」

「……ホ?」

 

 何気ないリーフの呟きに、ムクホークが小さく反応した。

 

 そうしてむくりと起き上がると、唐突にメガシンカし始めた。

 

「……ムクホーク、どうかしたの?」

 

 ムクホークは急に自信満々な表情になると、"ブレイズキック"の構えを取った。

 

 しかし、そのまま"ブレイズキック"を放つのではなく、技のために脚に溜めた炎を、身体全体に行き渡らせ始めた。

 

「へ?」

 

 ポカンとするリーフを前に、全身を炎で包み終わったムクホークが、高らかに鳴き声を上げる。

 

「ホゥウォウ!」

「どこがホウオウだ」

 

 これでホウホウを騙れるならフレアドライブ出来るやつ全員ホウオウだろ。

 

「そもそも、前に読んだ本にあったけど、炎を身体に纏うならホウホウよりもファイヤーのが合ってるだろ」

「ホィホァー!!」

「今どうやって発音した?」

 

 ホウオウなのかファイヤーなのかは知らないが、ムクホークは伝説の鳥ポケモンをイメージした姿になることで、シャンデラに並び立つことを思いついたらしい。

 

 ……いや、厳しくないか? それは……。

 

「あのなムクホーク。言いづらいことなんだが……」

「ホ?」

「そのポジは既にファイアローってポケモンが居るんだよ」

「ホッ」

 

 鼻で笑われた。なんだその『わかってないなぁ』みたいな顔。

 

 つまり、ファイアローにはない面を持ってるって言いたいのか?

 

「ホウ」

 

 ナチュラルに俺の心を読んだムクホークが頷くと、両の翼を広げた。ナチュラルに心読むなよ。

 

「ホォッ……!」

 

 ムクホークが気合を入れると、その身体に徐々に力が溢れていくのを感じる。これは……"ゴッドバード"か?

 

 ……えっ? ゴッドバードがあるから伝説の鳥ポケモン名乗れると思ってるのか?

 

 めちゃくちゃドヤ顔してるムクホークには少し言いづらいんだが、真実を教えるしかないか……。

 

「ムクホーク」

「ホウ?」

 

 『認めるつもりになったか?』とでも言いたげなムクホークに、俺は残酷な真実を告げる。

 

「ゴッドバードはファイアローでも使えるぞ」

ホォォォォォォォ!?!!!?!!

 

 アイデンティティが崩壊したような表情で叫ぶと、ムクホークはその場に倒れた。

 

「なんというか、儚い夢だったね……」

「そうだな」

 

 ま、しばらく放っておけば起きるだろう。燃え続けてるのが気になるけど。

 

「じゃあ焼き鳥のことは放っておくとして」

「焼き鳥!?」

「それより、リーフのことについて話そう。適性についてなんだけど……」

「う、うん……」

 

 ナツメさんの言っていた根本は解決したと言っても良いだろう。となれば、もう一度ナツメさんに聞いてみても良いんじゃないだろうか。

 

 今ならきっと教えてもらえるだろう。そうすれば、やることも見えてきて──。

 

「──戻ったぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

「「!?」」

 

 勢い良く研究所の扉が開かれ、オーキド博士が飛び込むように入ってきた。

 

「はぁ、はぁ……ふぅ……。り、リーフ! 無事か!?」

「へ!?」

「心を掴まれたりはしておらんか!?」

「何の話ですか!?」

 

 リーフの肩を揺さぶって詰め寄るオーキド博士だったが、やがて安心したようにその場にへたり込んだ。

 

「よ、良かったわい……。その様子だと大丈夫そうじゃの……。肝が冷えるような思いじゃった……」

「……どういうことなんだ?」

「わ、わかんない……」

 

 疑問に思いながらもオーキド博士の息が落ち着くのを待っていると、しばらくしてオーキド博士は立ち上がった。

 

「いやぁ、すまなかったのぅ。ちょっと心配事があったんじゃが、大丈夫そうでなによりじゃ。カスの御曹司の二の舞にはなりとうないからの」

 

 オーキド博士の言葉に、リーフが不思議そうに首を傾げた。

 

 俺だって同じだ。カスの御曹司って誰だ?

 

「……さて、しばらく空けてしまって悪かったのぉ。研究のデータについて採取がほぼほぼ完了したというのは聞いておったが、今は何をしておったんじゃ?」

「えっと、実は──」

 

 リーフの事情はある程度伏せて、得意なことを探しているという部分をオーキド博士に説明した。

 

 長年三人を見ていたオーキド博士なら何かわかるかもしれない。なんて、思っていたのだが──。

 

「なんじゃ、そんなことか。それならアレしかないじゃろ」

「アレ?」

 

 俺の言葉に、オーキド博士は頷く。

 

()()じゃよ」




・オーキド博士
無事帰還。リーフがシバリに想いを寄せていないことを確認してニッコリ。

・ムクホーク
話してる間もチリチリ燃え続けている。なお命に別条はない。

・シャンデラ
可愛い

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)

  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
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