幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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リーフ編完!
長かったぁ!!


121話

 目を覚ますと、研究所の天井が目に入った。

 

 もう夕方か……。えーっと……なんで俺、寝てるんだっけ……?

 

「──ッ!?」

 

 しまった! 論文発表会の直前で倒れたんだった!

 

 急いで起き上がって、自室から飛び出した俺の目に入り込んできたのは──。

 

「いやー……あそこで噛むのは無いわ」

「だ、だって! 緊張したんだもん!!」

「まぁまぁグリーン、初めての発表なんてそんなものじゃよ。ワシなんて最初の頃は大根役者みたいな喋り方しか出来んかったぞ?」

「ほらー!!」

「へいへい。ダセーとこをシバリが見てなかったのは不幸中の幸いだな」

「もーっ!!!」

 

 なんか三人が楽しそうに会話してる光景だった。

 

 ……あれ? いつの間に仲直りしたの? てか、論文発表はどうなった?

 

「む? ……おお、シバリ君! 目が覚めたんじゃな!」

「「!?」」

 

 オーキド博士の言葉で、二人の顔がグルンッとこちらを向いた。そして、二人は俺の目の前まで歩いてきて──。

 

「シバリ、そこに直れ」

「シバリくん、ちょっと座ろっか」

 

「えっ」

 

「「早くしろ(早くして?)」」

 

「はい」

 

 圧に負けてその場に正座してしまった。

 

 な、なんでそんな怖い顔をしてらっしゃるんです……?

 

「オレ、何回も休めっつったよな? 」

「気づけなかった私達も悪いけど、どうして倒れるまで無理しちゃったの?」

「あっ、えっと……。い、行けるかなって……」

「「行けてねぇじゃん(行けてないじゃん)」」

「ヒッ」

 

 どうやらとんでもなくお怒りのようだ。

 

 思えば、俺のせいで論文発表どころじゃなかっただろうし、そりゃあ怒るよなぁ……。

 

「……ごめん。折角今日まで頑張ってきたのに、俺のせいで──」

「「そこじゃない」」

 

 そこじゃないの!? いやだって、今日は大事な日だったはずじゃ……!?

 

「……はぁ、リーフの論文発表なら無事終わったよ」

「えっ。……えっ!?」

 

 無事に終わった!? てことは、つまり──!

 

「……もぉ、そんな嬉しそうな顔されたら怒れないよ」

 

「うん。グリーンくんの言う通り、論文はちゃんと発表してきたよ」

 

「シバリくんが見てなくても……私、ちゃんとやれたよ。自分の脚で、立てるようになったんだよ」

 

「……そっか」

 

 胸を張って報告してくれた今のリーフに、前のような不安定さは感じられなかった。

 

「へっ、オレが喝入れるまでピーピー泣いてたクセに」

「ピーピーは泣いてないよピーピーは!」

「でも泣いてただろ」

「泣いてない!!!!!」

「それはもう嘘じゃん」

「泣いてたのはオーキド博士だもん!!」

「ワシ!?」

「……まあ、確かに論文発表が終わった瞬間はじいさんも泣いてたな」

「許さんぞ 孫とは言えど 許さんぞ」

「ポケモン要素はどこいったんだよ」

「……ははっ」

 

 話している三人を見ていたら、自然と笑いが出てしまった。

 

 きっと、元々はいつもこんな感じに楽しく会話していたんだろう。その光景が取り戻せたことが、なんだかとても嬉しかった。

 

「……ところで、この感じだとリーフの論文は結構評価されたのか?」

「えっと、オーキド博士が言うには好評だったらしいんだけど……実感はあんまりないかな」

「えっ」

 

 なら、どうして普通にグリーンと喋れてるんだ……?

 

 元々はグリーン達のことを信じられるようになるために、自分に自信を持とうってのが始まりだったはずなのに……。

 

「その、こんなこと言っちゃうとアレかもしれないけど、評価されたかされなかったかは、今となってはどうでもいいの」

「……へ?」

 

 ど、どうでもいい? それは一体どういう……?

 

「自分でやってみてわかったの。誰かの為に頑張るっていうのはとっても大変なことで、それを続けるっていうのは、もっと大変なことだって」

 

「だからね、私のために頑張ってくれたグリーンくんやレッドくんが、()()()()()()()()()()()()()って、そう思えたんだ」

 

「誰が何と言おうと、大事なのは私達の気持ち。……そういうこと、だよね?」

 

「……うん、そうだな」

 

 どうやら、思っていた以上にリーフは強く立ち直ったらしい。しかし、グリーンは彼女の発言にどこか不満があるようで……。

 

「けっ、オレが散々同じよーなこと言ってやったのによ。理解すんのがおせーんだよ」

「えー、紹介しますシバリくん。こちら拗ねながらも喜びを隠しきれないグリーンくんです」

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁうっっっぜぇ!!! 立ち直ったら立ち直ったでうっぜぇなコイツ!?!!!? お前そんなキャラだったか!?!!?」

 

 顔を赤くして目を逸らすグリーンを見るに、どうやら図星だったらしい。

 

 なんかいいな、こういうの。お互いを大事に想ってるのが伝わってくる感じがする。

 

「ははっ、今後はレッドさんも戻ってきて更に賑やかになるんだろうな」

「あ゙ー……、レッドは、なんつーか」

「?」

 

 なんだかグリーンの歯切れが悪い。もしかしてレッドさんに何かあったんだろうか。

 

「住めば都……っての? なんかしばらく滞在してる間に居心地良くなってきたから、もうしばらくはシロガネ山に居るってよ」

「えぇ……。い、いいのか? それで……?」

「いいの。離れててもお互いを想う気持ちは変わらないし、会いたくなったら会いに行けばいいんだもん」

「まあ、な……」

「二人が良いなら、別にいいんだけど……」

 

 随分変わった人なんだなぁ……。でも、もしかするとマジで居心地が良い可能性もある。

 

 シロガネ山……か。今度行ってみても良いかもしれないな……。 

 

「あー、ちなみにレッドがお前に死ぬほど感謝してたぞ」

「え?」

「会ったら握手したいって言ってたね」

「え???」

「それと、困ったことがあれば必ず駆けつけるから、いつでも連絡してくれって言ってたぞ」

「え?????」

 

 な、なんでそんな感謝されてるんだ俺……。レッドさんにはまだ会ったこともないんだぞ……?

 

「な、何はともあれ関係が元に戻ったみたいで安心したよ。これで安心してカントーを出ていけそうだ」

「そういや旅の途中とか言ってたな。すぐ出ていくのか?」

「いや、もう少し滞在しようかなとは思ってるけど……」

「そっか。急に出て行っちゃったら寂しいし、ゆっくりしていってね」

「……ほ〜ん?」

 

 リーフの言葉に、グリーンはからかうようにニヤニヤとした笑みを浮かべた。

 

「寂しい、ねぇ。ホントにそれだけか?」

「おい、グリーン……」

 

 その誤解はもう解いた。リーフの言葉は、純粋に友達として居なくなるのが寂しいってだけだ。

 

「変な意味はないよ。な、リーフ?」

「…………」

「り、リーフ?」

「……ふふっ」

 

 リーフはいたずらっぽく笑うと、そのまま立ちがって、俺の顔を覗き込むように顔を近づけてきた。

 

「──()()()だと思う?」*1

「え──」

「えへへっ、じゃあねっ!」

「ちょっ──!」

 

 軽く走って研究所を出て行くリーフに向かって、俺は手を伸ばした。

 

 ち、違うよな!? だってあれは依存と恋情を勘違いしただけだって、そう言ってたもんな!? 違うん……だよな?

 

 リーフを止めることも叶わず、力なく手を下ろした俺の肩に、グリーンが優しく手を置いてきた。

 

「……住民票、カントーに移すか?」

「お前っ、お前さぁっ!!」

「はっはははははははっ!」

 

 他人事のように笑うグリーンとは裏腹に、オーキド博士が死んだような目で倒れていたのが印象的だった。

 

 ……ちなみに今朝倒れたせいでシロナさんとソニアさんに共著者の件を事前に連絡出来なかったため、二人から死ぬほど連絡が来ていたというのは、また別のお話。

*1
オーキド卒倒




・シバリ
えっ、恋情じゃないよね? そうだよね? ……えっ?

・リーフ
どっちなんでしょうね

・グリーン
関係が改善してわかりやすく浮かれている。
もしシバリとリーフがくっつくなら、シバリがカントーに永住することになるだろうから、悪くないなと思っている。

・オーキド
卒倒。リーフがはっきりしたことを言わないため、常に生かさず殺さずみたいな状態にさせられている。

・レッド
リーフのメンタルを快復させてくれたことにより、ガチ感謝祭開催中。
シバリとは未だに会ったことがないが、既に大きめの矢印が一方的にシバリに向いていたりする。というかシバリのファンボーイになりつつある。

・スワンナ
ピジョットの後を追う形でオーキド博士を会場に送り届けた。
なんか利口なスワンナだなぁ。

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)

  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
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