ということでカントー編、もうちっとだけ続くんじゃ。
「ムクホーク」
「…………」
「おーい、ムクホーク」
「…………」
「…………スワンナ」
「スワ?」
「マジで終わってる……」
最悪だ。ムクホークがスワンナって呼ばないと返事すらしなくなってしまった。
「あのなぁ、別にムクホークだからダメだったわけじゃないだろ? あれはシャンデラがあまりにも適任だったってだけで、無理に他のポケモンになろうとしなくてもいいんじゃないか?」
「スワスワ」
わかってないなぁと言いたげな顔を横に振って否定された。そろそろしばいても許されるんじゃないだろうか。
……あっ、そうだ。
「特別性が欲しいっていうなら、考えがないこともないぞ」
「スワ?」
誰もやったことがないであろうユニーク性。あれならムクホークも文句は出ないだろう。
「少しじっとしてろよ……。……よし、アローラスワンナ完成だ」
「ホァアッ!!!!!!!!」
ガチギレされた。辛い。
まったく、こんな調子で大丈夫かな。今日は久々にアインさんに会うっていうのに。
ヤマブキシティにある
「やあ、元気そうで何よりだ」
「こんにちはアインさん。すみません、待たせましたか?」
「いや、そんなことはないとも。むしろ、心の準備をするのに丁度良かった……かな」
「心の準備……?」
それはもしかすると、俺を呼んだ用事に関係があるんだろうか。
「それって、アインさんが言ってた大事な話ってやつですか?」
「そうだね。これを打ち明けるのは、正直勇気がいるというか、なんというか……」
俺が今聞いた通り、今日はアインさんに『大事な話がある』とだけ告げられてここに来ている。
なので、これからどういった話をされるかはまったくわからない。変な話ではないと思うんだけど……。
「まあ、呼んでしまった時点で心の準備とか言ってる場合じゃないんだけどね。覚悟は決めているつもりだよ」
「……?」
「まあ、とりあえず座ってくれ。そしたら話をしよう」
「は、はぁ……」
促されるままベンチに座ると、アインさんは深呼吸をして話し始めた。
「……前に、ハピナス製薬の起業にロケット団が関わっているという話をしたこと、覚えているかな?」
「え? ああ、はい。悪事に手を染める前に離反したっていう……」
「そうそう、その話。でもね、実はあの話、
「半分?」
半分? えっ? どこからどこまでの話だ……?
「じ、実はちょっと悪事に関わってから離反した……とかですか?」
「いいや、ハピナス製薬は一切悪事には手を染めていないとも。今の今までこの会社はクリーンだ」
「なら、どこに嘘が……?」
「離反の部分さ」
「……?」
えっと? つまりまだちょっとだけロケット団と繋がりがあるとか、そんな感じか……?
俺が頭を悩ませていると、アインさんは苦笑いしながら続きを話し始めた。
「例えばの話をしよう。仮にキミがロケット団のボスだとして、何らかの理由でロケット団が解体させられたとしよう。でも、まだ悪の道を諦められないとなったら、キミはどうする?」
「それは……またゼロからやり直すんじゃないですかね?」
「そうだね。でもそれには途方もない時間がかかる。あの方のカリスマを持ってしても、やはり時間はかかってしまうんだ」
それは……そうだろうな。ロケット団はとても大きな組織だったと聞くし、それをまたゼロから作り直すとなればそれはもう大変だろう。
「じゃあ、とある企業がキミに社長の座を譲ってくれることになったとしたら……どうだい?」
「いやいや、確かにかなり助かるでしょうけど、そんな都合の良い話があるわけ────あっ」
「……わかってくれたかい?」
「
「流石だね。仮にロケット団が無くなったときに、サカキ様がすぐにやり直せるように用意された企業。それがハピナス製薬なんだ」
「サカキ……様?」
「あぁ、すまない。ロケット団のボスがサカキ様というお名前なんだ。説明もなしに言ってしまって申し訳ない」
「い、いえ……」
すっかり頭から抜けていたが、俺はサカキさんと一度出会っている。
アインさんの言うサカキ様というのは、きっとあのサカキさんのことなんだろう。
「そ、それで、なんでその話を俺にしてくれたんですか? なんというか、メリットが無さそう、というか……」
「……軽蔑とか、しないのかい?」
「へ?」
「クリーンだとしても、ハピナス製薬の目的はロケット団のサポートとなんら変わらない。後ろ指をさされても文句は言えないだろう?」
いや、まぁ……。確かに悪いことはいけないと思うし、そんな理由でハピナス製薬が経営を続けている状況は良くないと思うけど……。
「批判するのはいつでも出来ます。だからまずは、アインさんのお話を全部聞きたいです」
「その上で、間違ってると思えばそう言いますし、正しいと思えばそう言います。それだけですよ」
「…………ははっ」
「……アインさん?」
急にアインさんが笑い始めた。
えっ……もしかしてガチめにヤバイ話だったのか……?
「そっか、そうだよな。……ははっ、心配していたのがバカらしいな。ナツメさんの言うことをもう少し信じておくんだったよ」
「?」
「いや、すまない。こちらの話だ。それより、話の続きを聞いてほしい。何しろ、本題はここからなんだ」
「えっ、ここから……?」
もう十分すぎるカミングアウトを食らったつもりなんだけど……。ま、まだあるのか……?
「実は、ハピナス製薬はその役目を終えているんだ。サカキ様がロケット団の解散を宣言したその日にね」
「……あっ」
そう言えば、サカキさんもそんなことを言っていた。
『わたしが戻ることは二度とない』……そう宣言したのだと。
「だから、ハピナス製薬は本当の意味でロケット団と関係のない普通の企業になったんだよ。……
「社長って……確か、アインさんの恩人っていう……?」
「あぁ」
少し悲しそうに、アインさんは俯いた。
「あの人は今でも、サカキ様がハピナス製薬の社長に就くことを信じて待ち続けている。会社を大きくして、サカキ様に認められようとして、ずっと張り切ってる。……もう戻ってこないって言うのにね」
「アインさん……」
「実はね、何度かサカキ様自身がウチに来て社長に直談判をしていたりするんだ。『もう私は戻らない』『自由に生きろ』ってね」
……今の話、あのときサカキさんも確か、似たようなことを言っていたような……。
『しかし、部下の中にはわたしが戻ることを信じ、未だにロケット団として活動を続けている者が居る』
『今日、そのうちの一人と会ってきた。だが、いくら話し合っても彼はわたしの帰りを待つとの一点張り』
『情けない話だ。昔はどんな命令でも断らなかった部下達に、今のわたしは頼みごとひとつ聞いてもらうことすら出来んのだ』
『わたしのことなど忘れろと、あれほど言ったというのに』
……あれって、ハピナス製薬のことだったのか……?
「でも、社長は聞く耳を持たないんだ。それどころか──」
少し前、ハピナス製薬にて。
「社長! ただいま戻りまし……た?」
アインが社長室の扉を開くと、社長の前に来客用のカップが置いてあることに気がついた。
「……今日もいらっしゃったんですか?」
「うん、相変わらず
「……ッ!!」
アインは社長の前まで詰め寄り、口を開いた。
「もうこんなことやめましょうよ!! サカキ様だって戻らないって、そう言ってたじゃないですか!! 」
「違うよアイン君。これはサカキ様が与えてくれた試練だ」
「……は?」
「サカキ様のお眼鏡に叶うまでこの企業を成長させる。それを成し遂げて初めてサカキ様は戻ってきてくれるんだよ」
「そんなわけないじゃないですか! だって現に、サカキ様は何度も社長にやめるよう言いに来て──!」
「
「社長……」
もう自分の声は目の前の恩人には届かない。そう確信出来るくらい、社長はもうここには居ないカリスマに取り憑かれていた。
「……で、どうだった?」
「シンオウの新旧チャンピオンに話を持ちかけてみましたが、断られてしまいました」
「世知辛いなぁ……」
もう、アインはこのあとどんなことを社長と話したのかはあまり覚えていない。
ただ、サカキのために用意され、一口も飲まれずに置かれていた紅茶を流しに捨てたときの感覚だけが、強く記憶に残っていた。
・シバリ
想像以上に重い話を聞かされている
・アイン
社長にロケット団(というかサカキ様)から解放されてほしいと願っている。しかし、その想いは今のところ届いていない。
・ハピナス製薬
完全クリーンな経営をすることで、仮にロケット団が解体になったときにガサ入れとかされても何も出てこず、ほとぼりが冷めた頃にサカキを社長の座に就かせることが出来る。という感じのセーフティネットになるために離反した。
離反するにあたって『貴方の計画失敗するかも知れないから命綱用意しとくね!(要約)』は結構失礼な提案だという自覚は二人にもあり、内心ガクブルで提案したのだが、サカキ様は了承。
そして今に至る。
・スワンナ
マジで終わってる
まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)
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ジョウト地方
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カロス地方
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アローラ地方
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パルデア地方