幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

132 / 132
直近で番外編に出したシロナちゃんの閑話なんですけどね。

本編の世界線です←





131話

 レッドさんとたくさん話した後、彼はリザードンに乗って飛び去っていった。少しマサラタウンに寄ってグリーンとリーフに会ってくるらしい。

 

「思ったよりおしゃべりな人だったなぁ」

「そうね。明日は槍でも降るんじゃないかしら」

「そんなに言う……?」

 

 もし本当にそうなら普段どんだけ無口なんだよって話になるんだが。

 

「……さて、そろそろ私も行くわ」

「そっか。またシロガネ山に戻るのか?」

「ううん。村に帰ろうと思うの」

「えっ」

「お父さんやお母さんにも謝らないといけないしね」

「謝る? ……もしかして、何も言わずに飛び出したのか?」

「そうじゃないの。その……お父さんに"さいみんじゅつ"かけて無理矢理飛び出してきちゃった」

「何してんの!?」

 

 ホントに何してんだラズ。俺も人間ロケット頭突きとかやったことあるからあんまり人のこと言えないけど!

 

「それとね、私もいつかシバリみたいに旅に出ようと思うの」

「えっ?」

「世の中、まだまだ私の知らないことばかりだわ。シバリだって、これまでたくさん新しいことを目にしてきたんでしょう? 何も知らずに人生を終えるなんて、勿体ないと思わない?」

「……うん、そうだな」

 

 旅に出てから楽しいことがたくさんあった。今のラズならきっと、同じように旅を楽しめるはずだ。

 

「あれ? てことはキルネアさんも帰るんですか?」

「そうね。ラズちゃんを見届けるために同行していただけだし、

彼女が帰るのなら私もお役御免ということになるわね」

「そうですか……。ラズのこと、今までありがとうございました」

「あら、これからもラズちゃんとは関わらせてもらうつもりよ? これでお別れなんて寂しいじゃない」

「はぁ……。ま、そういうことらしいわ」

 

 呆れたように溜め息をつくラズだったが、満更でもなさそうなところを見ると、多分照れ隠しだろう。

 

 キルネアさんもそれをわかっているのか、どこか微笑ましそうにラズを見ていた。

 

「そうだ、シバリくん。どうせなら貴方もどう?」

「えっ?」

「は? ちょっと待って。キルネアさん、まさか──」

「私(・)達(・)と(・)一(・)緒(・)に(・)帰(・)ら(・)な(・)い(・)?」

「えっ。……すみません。まだ旅続けたいです」

「あぁ……最っ高…………!」

 

 急に自分の頬に手を当ててクネクネし始めた。今絶対暗示かけようとしてたよね?

 

「何してんのよ!? もし暗示効いたらどうするの!?」

「効くはずがないでしょう!? 彼よ!?」

「そのシバリに対する熱い信頼は何!?」

 

 言い合う二人に、泡を吹いて倒れたままのムクホーク。先程まで悪の組織と戦っていたとは思えないくらいのトンチキな状況に、俺は溜め息をついたのだった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 別れの挨拶もほどほどに、ラズとキルネアはシバリがハピナス製薬から出ていくのを見守った。

 

「『今度会ったらポケモンバトルしましょう』……ね。別れの挨拶はそれで良かったの?」

「良いのよ。今の私には気持ちを伝える資格なんて無いんだから」

「……そう」

 

 本人の意思が固いのであればと、キルネアはこの件に関して口をつぐんだ。

 

「それにしても残念ね。ラズちゃんなら良いチャンピオンになると思ったのに……」

「なるわけないでしょ? 私なんかに務まる役職とは思えないし」

「前のラズちゃんならともかく、今はそんなことないと思うのだけれど……。断られて悲しいわ、シクシク……」

「わざとらしくメソメソしないでくれる……?」

 

 ラズは顔に手を当てて溜め息をつくと、目を逸らして腕を組んだ。

 

「……別に、絶(・)対(・)やらないとは言ってないでしょ?」

「えっ……?」

「そうね……信用できる大人がその背中で見本を見せてくれるなんてことがあれば、やってみても良いと思えるかもしれないわ」

「……ふふっ、そういうこと……」

 

 つまりラズはこう言っているのだ。同じくチャンピオンを辞退した者として、先に生きる先達として、手本を見せろと。

 

「なるほど。これは一本取られたわね」

「でしょ? これは流石に視えなかったんじゃない?」

「さぁ、どうかしら? でも……」

 

 柔らかくキルネアは口元を緩ませた。

 

「──そうね。そろそろアイゼンも可哀想だし、解放してあげてもいいかもしれないわね」

 

 

 

 


 

 

 

 

 

捜査記録

 

 現場近くを通りかかった市民より、『大きな爆発音のようなものが聞こえた』との通報があり、警察官数名がその場に向かった。

 

 現場であるフジ博士の遺伝子研究所は半壊しており、原因は通報にあった爆発音によるものだと考えられる。

 

 当日は2名の研究員が建物内部で作業していたようで、両名とも瓦礫の下敷きになっていた。被害者のうち片方は重症。もう一方は発見した時点で既に死亡していた。

 

 後日、生き残った被害者から話を聞こうとしたものの、発言に支離滅裂な面が多く見受けられ、有力な情報は得られなかった。

 

 ただ、研究対象としていたナニカが暴走し、それが研究所を半壊させたのだという記憶は強く残っているらしい。この証言に関しては信用出来ると判断したため、ここに記載を残すこととする。

 

 今後この件に関して捜査を進める場合、必ず下部の備考に目を通し、注意事項を遵守するようお願いしたい。

 

 

備考

 

 かつて妻子を喪ったことと、今回の事件で親友を喪ったショックにより、フジ博士の認識に異常が発生している。

 

 フジ博士と会話する際は彼を"ヨイチ研究員"として扱うようにし、くれぐれも彼を"フジ博士"と呼ばないよう細心の注意を払うこと。

 

 

 




皆も自認には気をつけよう!!(激遅注意喚起)

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)

  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

とある黒猫になった男の後悔日誌(作者:rikka)(原作:ONE PIECE)

これは目が覚めたら、少年時代のキャプテン・クロになっていた男の後悔だらけの航海日誌である。▼少年漫画で海賊の世界とか暴力必須間違いなしじゃねぇか!▼海賊になんかなってたまるか俺は静かに生きるんだ!▼残念、現実は非情である。▼※頂き物ファンアートは数が増えて文字数制限に近づいたため、活動報告にてページを作ってまとめさせていただきました▼『FA保管庫』▼http…


総合評価:120669/評価:9.45/連載:206話/更新日時:2026年10月07日(水) 19:00 小説情報

【書籍化】男女比1:30の貞操逆転世界で身を挺して女の子たちを守ったら愛が重くなりすぎた(作者:一森 一輝)(オリジナル:ファンタジー/冒険・バトル)

女が男を守るべき、みたいな価値観が根付いた世界で、男が身を挺して女を守ろうとしたらどうなるんだろうか?▼旧題:男女の価値観が反転している貞操逆転世界で身を挺して女の子を守ってみた場合▼※カクヨムとマルチ投稿中です▼https://kakuyomu.jp/works/16818792435932689728


総合評価:36297/評価:9.13/連載:147話/更新日時:2026年10月13日(火) 12:03 小説情報

個性『不義遊戯』でいく! 僕の曇らせアカデミア!(作者:波間こうど)(原作:僕のヒーローアカデミア)

▼ヒロアカって知ってる? めちゃくちゃ面白い作品だよね! 僕ヒロアカ大好き! ヒロアカの何が一番好きって登場キャラの曇らせ顔だよね!▼そんな僕がヒロアカ世界に転生したらやることなんて一つしかない。▼というわけで、これは僕が僕の性癖という目的のために、みんなを曇らせる物語だ!▼タイトルの部分に★が付いているものはファンアートを掲載させてもらっているものになりま…


総合評価:51029/評価:9.29/完結:99話/更新日時:2026年10月03日(土) 22:01 小説情報

時間が巻き戻ったので今度こそと死ぬつもりで助けたら、何故か生還して激重感情持たれるやつ(作者:イグアナ)(原作:Fate/)

タイトルの上から下まで殴り書きしました。


総合評価:7391/評価:8.54/完結:5話/更新日時:2026年06月05日(金) 20:41 小説情報

魔法って言うならもっとこう……あるだろう!?(作者:南亭骨帯)(原作:僕のヒーローアカデミア)

▼ この世の中の超常現象の九割以上が『誰かしらの個性だろ』で片付けられてしまう今日この頃。▼ ヒーローを目指す少年、森岸詠士(もりがんえいじ)が発現した個性の名は【魔法】──現代社会に喧嘩を売るような代物だった。▼「炎を操ったり風を吹かせたりもできねぇのに魔法使いなんざ名乗ってたまるかァ!?」▼ ……尚、攻撃魔法は一つもない模様。▼ ※注意!▼ 本作は他作品…


総合評価:17934/評価:8.51/完結:137話/更新日時:2026年08月15日(土) 12:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>