最新話なのにキルネアの「行商人」うんぬん発言がここすき総数ダントツになってて草。
メイ。その名前には覚えがある。
確かトウコの載っている雑誌を見かけた時にこの子も居た気がするんだよな。
確か、ポケウッド主演女優だか、ジョインなんちゃらの経営者だか──なんか色々肩書き見た気がするんだけどどれだっけ。
まあそれは一旦置いとくとして。……さっきなんて言った?
「……えっと、今なんと?」
「だから、トウコさんです! トウコさんを返してください!」
「何言ってるんですか……」
意味がわからない。トウコを返すだって? 返すも何も──。
「別にトウコは俺のものじゃないですよ?」
「何言ってるんですか!? そんなの当たり前じゃないですか!! 」
「ですよね。じゃあこれで解決では?」
「……確かにそうですね? これは失礼しました」
「いえいえ。じゃあ俺はこれで──」
「────そうは問屋が卸しませんよ!?」
「うっわ」
「本当に面倒くさそうな顔しないでくださいよ!?」
帰ろうとしたらすごい勢いで後ろから肩を掴まれた。卸せや。
「……わかりました。わかりましたから、とりあえず肩放してください」
そう言うとメイさんは肩から手を放してくれたので、改めて俺は彼女に向き合った。
「……で、メイ……さん?」
「おっと、さん付けは不要です。というか敬語も要りません。敵から敬意を払われるのは御免被りますから!」
「……そっちは使ってるのに?」
「私はいいんですよ! ……というか、この喋り方を制限されちゃうとほんとに困るので勘弁してください。その、癖なんです……」
「あ……うん。そっか……」
元気になったり静かになったり激しいな……。
「……じゃあ改めて。メイ、なんで俺がトウコを取ったことになってるんだ?」
俺がそう聞くと、メイは真剣な表情で話し始めた。
「……少し前まで、トウコさんの元気がなかったんです」
「あー……」
あの件かな。今では元気になったみたいでよかったけど。
「私、どうにかしてあげたいって思ってたんです。トウコさんには色々お世話になりましたから。……でも、私が何もしなくてもトウコさんはいつの間に元気になってました。前よりも明るくなってて、何もできなかった自分がちょっと悔しかったですが、解決してくれた人には感謝しています」
「お、おお。それなら良かっ──」
「その後トウコさんが、
「──ん?」
……えっと? ちょっと雲行きが怪しいな……?
「しかも最近は休みの日も付き合いが悪くなっちゃったんですよ!?その分どこに行ってるのか……言うまでもありませんよね!?」
「……ど、どこなんだろうな……?」
「遊びに誘った時、トウコさんにはこう言われました! 『ごめん。明日はシバリと遊んでくる』って!!」
どうやら裏は取れてるらしい。証拠揃ってんのかよ……。
「今までずっと私のトウコさんだったのに! 私の……私だけの……!」
わなわなと握った拳を震わせると、メイは再び俺を指差した。
「──だから、私は貴方からトウコさんを取り返します! ポケモンバトルで勝負です!!」
「……なんで?」
「出てきて! シビルドン!」
「聞いて?」
マジでシビルドン出てきたんだけど。マジで戦うつもりなんだけどこの子。
「このポケモンバトルで勝ったほうがトウコさんを独占できる! それでどうですか!?」
「そんなの本人が決めることだろうに……まあ、そっちがこれで納得するならいいけどさぁ……」
「言いましたね!? 言質は取りましたよ!!」
「どこに取れる言質があったんだよ」
とはいえ、彼女のトウコを想う気持ちは本物なのだろう。
それなら、ポッと出の俺が結果的にメイとトウコの時間を減らしてしまったのであれば、彼女からすれば面白くないのは当然のことだ。
今はきっと頭に血が昇っているだけだろう。俺とポケモンバトルをすることで、彼女の気持ちが晴れるなら──。
「……わかったよ。やろう、ポケモンバトル」
「……
──────────────────────
「シャンデ──いや、やっぱパルシェンで」
「パァ!?」
「いや、だってシャンデラはさっきまで暖色系の修行してて疲れてるし……出来るだけ休ませてあげたくない?」
シバリの出したポケモンを見て、メイは目を細めた。
「……いいんですか? 折角こちらが最初にポケモンを出したのに、不利なポケモンを出してしまって」
「いや、仮に同時に出してたとしても俺の先鋒はパルシェンだったよ。そっちのポケモンを見て有利ポケモンを選ぶのは、なんか……違うだろ」
「……そういうことであれば、言うことはありません。それと──」
メイはシバリのパルシェンを見て確信した。この相手は容易に勝てる相手ではないと。だから──。
「──
「上等! パルシェン! "からをやぶる"!!」
シビルドンのチャージビームが当たる僅か前、パルシェンはからをやぶって攻撃を回避した。
(案の定"からをやぶる"を使ってきた。ならきっとこの後は──)
「パルシェン! "つららばり"!」
「シビルドン!
パルシェンには、"スキルリンク"という特性がある。
その効果は、ランダムな回数攻撃する技が必ず最大数攻撃するようになる。というもの。
そして、パルシェンの覚える"つららばり"や"ロックブラスト"は、そのランダムな回数攻撃する技に該当する。
つまりパルシェンが上記2つの技を使う上で、スキルリンクという特性は非常に相性が良いのだが──。
(──だからこそ、
攻撃回数が必ず最大になるということはつまり、"攻撃回数が必ず同じになる"というのと同義であり、
なので、パルシェン使いのトレーナーの中には敢えて、特性がスキルリンクではないパルシェンを採用する者も居る。
決定的な場面で攻め込めないというデメリットはあるものの、そのような場面ではそもそも"つららばり"や"ロックブラスト"を使わなければ良いだけのことなので、さほど気にするようなものではない。
(まずはこのパルシェンがスキルリンクなのかそうでないのかを見極める。そしてもし、スキルリンクだと確信を持てたなら──
方針の決まったメイは、絶対に見逃さないという意思を込めてパルシェンの"つららばり"を観察する。
(……1、……2、……3、……4、……5!)
"つららばり"の最大攻撃は5回。つまり──
(──あのパルシェン、スキルリンクかも! あとは、何度も連続で5回の"つららばり"が発生するようなら──)
──
「……へ?」
メイは有り得ない光景を見た。それは確かに、
(……7、……8、 ……9? ……10!?)
シビルドン目掛け、"つららばり"がどんどん放たれてくる。
"つららばり"のあとに再度"つららばり"を使用したとか、そういう次元ではない。
まるで、5回目のあとには6回目があるのが当たり前とでも言うような──。
(……嘘でしょ。もしかして、あのパルシェン……)
("つららばり"から"つららばり"を、スキルリンクで繋いでる……!?)
シバリのパルシェンを倒したければ、この止むことのない弾幕の雨を攻略することが必須となる。
・パルシェン
ガトリングパルシェン(シバリ命名)
彼も悲しき無茶振りを打破せし者
つららばりからロックブラストに繋げることも可能であり、その逆もまた然り。
氷と岩では若干飛び方が異なるため、相手が強者であるほど、切り替えた時に発生するその"ズレ"は致命傷になりうる。
いつでも止めることは出来るが、止められるのはあくまで"次に発動するつららばり"であり、今発動してるつららばりはしっかり5回撃たないといけないところが欠点。
・シャンデラ
頑張ってる子。今日も無茶振り対応中。
ちなみにシャンデラはパルシェンを割と完封出来る。
なんだお前。
・メイ
トウコが自分よりシバリのことばかりになってしまって嫉妬。
実際取られたようなもんではある。
あとこういう敬語口調の子が心の中やポケモンに対しては敬語使ってないの好き。(わかれ←)
・トウコ
「シバリの話? そんなにたくさんしたかしら?」