幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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前回の感想数がダントツなの流石に草

温度差エグすぎたので今回で調整していくのだ


21話

 メイと友達になった夜からしばらく経った。

 

 本当はそろそろイッシュを出る予定だったのだが、流石にメイと友達になってすぐ旅立つのもアレかなと思ったので、俺はもうしばらくイッシュに居座ることにした。

 

 そろそろポケモンセンターの人にも『いつまでいんだよオメー』みたいに思われてるかもしれない。

 

 ほんとすんません。本筋は旅だから許してください。

 

 ……さて、そんな状況ではあるのだが、俺には今困っていることが2つある。

 

 まず1つ目は、ヒカリとの電話だ。

 

 どういうことかと言うと──

 

「ねぇ、シバリさんってまだイッシュに居る予定なの?」

「そうだな。ま、もうちょいかな」

「……長くない?」

「へ?」

長くない!? イッシュの滞在期間、長くない!?

 

 そう。俺がイッシュに長居しすぎて、ヒカリは少し不満が溜まっているようなのだ。

 

「そ、そうか……?」

「長いよぉ!! シンオウ(こっち)には1週間位しか居なかったのにぃ!!」

「いや……その、ほら。イッシュって楽しいことたくさんあるし……」

シンオウにもたくさんあるよぉ!? イッシュなんかより楽しいことたくさんだよ!? また来てよぉ!!」

「シンオウ地方には何もないって言ってたのマジでなんだったんだよ!? 」

 

 それにイッシュも悪くないぞ。ヒウンアイス未だに自力で買えないのがマジで腹立たしいけど。

 

「あ、あれは言葉の綾というもので……!」

「じゃあどういう意味で解釈すれば……?」

「……シロナさんがね。カッコいい大人は細かいことは気にしないものってこの前言ってたよ」

シロナさんはそんなこと言わない!!

……いつだかそんなことを言ったかもしれないわ

今日から細かいこと気にするのやめますね!!

「なんで今のシロナさんの呟きが聞こえたの!? あとこの対応の差は何!?」

「いやだって……シロナさんだぞ?」

「そっか。シロナさんだしね」

「……たまに貴方達からの期待で胃が痛くなるわ……」

 

 まあこんな感じでシロナさんが毎回どうにか丸く収めてくれるので、そこまで大きな問題ではなかったりする。

 

 やはりシロナさんは偉大。将来貴方みたいな大人になれるよう頑張ります。(がんばシバリ)

 

 そして2つ目。メイとの関係についてだ。

 

 友達、なのは間違いない。夜1時間電話するのも全然問題ない。ただ──

 

「シバリさんシバリさん! この腕時計似合うんじゃないですか!? 買いですよ買い!!」

「……あの、800万って書いてあるんだけど」

「あ、もちろん私が出しますよ?」

「勿論じゃないから! 出すなよ!? 買わなくていいから!!」

 

 

「あ、シバリさんこのネックレスとか似合うんじゃ!?」

「ヒェッ……。に、2000万……!?」

「トウコさんの横に立つ機会が多いなら、こういうのでバチッとキメてもらっても良いと思うんですよね!」

「それにしたってもうちょい別の方法があるんじゃないかなぁ!?」

 

 

「今日のディナーはここですよ! 高級フレンチのお店です!」

……一番安いコースで50万……。……な、なあメイ。俺、もう少し安い店で──」

「でももう先払いしちゃってますし、お店変えるとキャンセル料かかっちゃいますよ! ほらほら、私にお金の無駄遣いをさせないと思って! それに、一番高いコースなんですからね!」

「〜〜〜〜っ!! きょ、今日は払えないけど……い、いつか! いつか返すからな! 絶対返すからな!!」

「気にしなくても良いんですよ?」

 

 

 なんか……なんか疲れる!! 心が摩耗していく気がする!

 

 こっちに喜んでもらおうとやってるのはわかるし、その気持ちは嬉しいんだけども……!

 

 というわけで、喫茶店にトウコを呼んでこのことを相談してみることにしたのだが、彼女は俺の話を聞くと死んだような目になって口を開いた。

 

「あんたも来たのね。強制貢がれ摩耗ポジション(こっち側)に」

 

 被害者だった。なんというか、年季が違った。

 

「ト、トウコから何か言えたりしないか……?」

「……前に店内で腕時計を貢がれそうになった時、言ったことがあるわ。『そんなことを言われても貰えるわけないんだから、そういうのは止めなさい』って。メイもちょっと落ち込んだ様子だったけど、『わかりました』って言ってくれたわ」

「おぉ……!」

「そしたらね──」

 

 

「──後日、その腕時計が家に送られてきたの」

「なんで?」

 

 どういうことなんだ……?

 

 もしかして、『そういうのは本人に聞かずにさっと裏から手を回しておくものよ』って感じに受け取っちゃったってこと?

 

「……まあ、その。多分お察しの通りよ」

「な、なるほど……」

 

 うーん? 思ったよりも重症っぽいなコレ……?

 

「……でもね。メイのおかげで助かってた私も居るの」

「へ?」

「メイは数少ない本当の私を見てくれる人だったから。なんだかんだ言って、あの子が居なかったらもっと早く限界が来てたかもしれないわね」

「……そっか」

 

 メイは『トウコを自分が元気にしてあげたかった』と言っていた。

 

 きっとトウコのために、色々手を尽くしてくれたんだろう。

 

 トウコがそれにどれだけ救われていたのか、言葉にするまでもない。

 

「……ま、本人には言わないけどね。調子乗りそうだし」

「ふはっ、確かにそんな気がする」

「なんなら『褒めても出るものしか出ませんよ!?』とか言ってまた何かプレゼントされる可能性まであるわね」

「……あるな」

「でしょ?」

 

 そう言って笑ったあと、トウコは真剣な表情になった。

 

「……あの子、きっと何かあるわ」

「だな。色々気になるところはあるし」

「私のことを大好きだなんて言うけど、きっとメイは私に心を開いてない。()()()()()()()()()っていうのが正しいかもしれないけど」

「なんか……わかる気がする。多分、俺に対してもそうだと思う」

「……なんとか、してあげたいんだけどね」

 

 トウコは俯いてそう呟くと、顔を上げて俺の目を見た。

 

「ね。今から無茶言ってもいい?」

「……なんとなく予想は付くけど、どうぞ」

「メイのこと、何とかしてあげられない?」

「言うと思った……。そりゃ、何とかできるならしてあげたいけども……」

「何自信無さそうにしてんの。あんたなら出来るわよ」

 

 まるで当たり前のことみたいに言うトウコに、俺は溜め息をついた。

 

「はぁ……。どっから来るんだその根拠……」

「根拠? そんなの決まってるじゃない」

 

 

「だってあんたは、シバリは。

 

イッシュの英雄(あたし)を救ってくれたんだから」

 

 

 でしょ? と言って満面の笑みを浮かべたトウコを見て、俺はなんだか照れくさくなってしまい、目を逸らした。

 

「……期待が重いんだけど」

「そんだけあんたのこと信じてんのよ。……何? 照れてるの?」

「ち、ちがっ!? そんなんじゃ──!」

「あははっ。はいはい、トウコさんはわかってるから。それじゃ、そろそろ行きましょ?」

「ぐっ……! なんか負けた感が凄い……!」

 

 立ち上がったトウコにどことない敗北感を覚えながら着いていくと、トウコは急に立ち止まった。

 

「あ、そうだ」

「お?」

「メイのこと、堕としちゃダメだからね」

 

 ジトッとした目でそんなことを言われ、俺は首を傾げたのだった。




ホウエンか、ガラルか……。

あ、いえ。なんでもないです。はい。

・がんばシバリ
がんばリーリエの亜種
パチモン
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